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高坂薫のアメリカ②「ハウスで待っていた人達」

だらだらと、すごく長く書いてしまいました。いつもの2回分の長さです。
読んでくださると、うれしいです。
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高坂薫のアメリカ②「ハウスで待っていた人たち」


十月の初旬。
高坂薫の両親が亡くなって、2週間が経った。
その日、薫と弁護士・上原啓二(=玲子)は、
薫のマンションのキッチンテーブルで、話をしていた。
啓二は、眼鏡をきちんと掛けて言った。
「君に、とてもプライベートなことを聞いてもいいかな?
 もちろん、嫌なら答えなくてもいい。」
「あ、はい、どうぞ。」と薫は言った。
「薫くんは、女の子と間違われることが多い?」
「多いなんてもんじゃありません。
 誰も、男に見てくれません。」薫は、少し頬を染めながら言った。
「それで、君自身なんだけど、女の子になりたいと思ったことある?」
薫は少し考えていた。
「女の子になりたいと思ったことはありません。
 だけど、女の子の服を着て、女の子の言葉使ったり、
女の子みたいに振舞ったりするのは憧れです。
 これ、生まれたときからの、心の中の秘密です。
 家では、女の子の格好は恥ずかしいから、
 髪だけ、女の子みたいにして、それだけは許してもらってきました。」
「要するに、薫くんは、女装子?」
「ああ、そうです!ぼく、女装子です。」と薫は嬉しそうに言った。

「君の気持、よくわかるよ。実は、私も女装子だよ。」啓二は言った。
「え?ほんとですか?」薫は目を輝かせた。
啓二は、スマホを出して、玲子のときの自分を見せた。
「わあ~、これ、先生ですか!超美人です。わあ、うれしいです。」
薫は拍手をして喜んだ。

「君の保護者代わりの人をずっと考えて来たんだけど、
 アメリカのサンフランシスコで暮らしてみない?
 森本ジョージっていう40歳の人がいるんだけど、
 独身で、薫君のような、身寄りのない若者のためのハウスを作って、
 いっしょに住んでいるんだ。今、5人の男の子がいる。
 で、このジョージさんのハウスのある町は、
 性的マイノリティに特別理解のあるところで、
 ジョージさんのハウスにいる5人も、薫君と似た子達なんだ。
 ジョージさん自身が女装子だよ。
 どう?そのハウスで暮らしてみない。」
啓二はそう言った。
薫は、目を輝かせて、
「先生、それ『カストロ・タウン』のことではありませんか?」と言った。
「そう、よく知ってるね。薫君にとって、居心地のいいところだと思うよ。」
「わあ~い、そこ、ぼくの憧れの町です。ぼく、ハウスに行きたいです。」
薫のその言葉で決まった。



ここは、空港の見送りの場。
薫、啓二、そして、薫の友達3人が来ていた。
背の高い高井が、薫に言った。
「薫、いいか。アメリカは怖いところだからな。
 お前、自分が男だと思って、夜道なんか歩くんじゃないぞ。
 回りから見たら、お前は、女の子なんだから。」
「そうだよ。」とぽっちゃりした太田が言う。
「自分のこと、いつも女だと思ってた方がいいよ。
 暗い通りなんか、歩くなよ。」
「とにかく、一人で行動するなよ。声かけて来る男に気をつけろよ。」と、小柄な小林。
3人は、別れがつらくて、涙ぐんでいる。

「うん。わかった。気を付けるね。
 ありがとう。学校でも仲良くしてくれて、ありがとう。
 元気でね。
 それから、先生。ここまでしてくださって、本当にありがとうございました。
 じゃあ、そろそろ、行きます。」
薫は頭を下げた。
「薫、早く帰って来てくれ!」高井。
「メールよこせよ!」太田。
「薫は、俺たちのアイドルだった。さみしいよー!」と小林が叫んだ。
薫は、涙を拭きながら、ゲートに入って行った。
『薫は、学校で人気があったのだなあ。』と啓二は思った。

薫は、ジーンズに白い長そでのTシャツ。
その上に、皮の茶のベストを着て、
バッグ代わりの小さなリュックを背負っていた。

薫には、初めての飛行機だった。
ジャンボジェット機の中の広さに驚いた。
薫は、後ろの方の、3人掛けの中央だった。
窓側は、中年の女性がすでに座っていた。
隣にどんな人が来るのだろうと思っていた。

その内、背の高い、ストレートな長い髪の女の子が来た。
オシャレな白いブラウス。茶のズボン。
そして、袖なしの長いカーデガンを着ていた。
美人だ。

女の子は、薫を見るなり、
「ラッキー。」と小さな声で言った。
その子が、隣に座った。
「あの、どうしてラッキーって言ったの。」
薫は気になって聞いた。
「だって、隣は女の子の方がいいもの。」
と、彼女は言った。

ああ、また女の子に見られた。
こんな時「ぼく、男だよ。」と言えばいいが、
そう言ったときの相手の驚く顔を見るのが嫌だ。
好意的に驚く人もいるが、嫌悪感を顔に出して驚く人もいる。
薫はそれが嫌で、小さなトラウマになっている。
そこで、相手の思うまま、女の子として振舞うことにしている。
だが、はて、と薫は考えた。
女の子として話してきたのは、今まで、大人ばかりだ。つまり敬語。
友達言葉としての、女言葉を話した経験がほとんどない。
しかし、ええい、ままよと薫は思った。

「そうね。あたしも隣が女の子の方がいいかな。」と薫。
「あたし、美咲。高2。」
と女の子は、手を出してきた。
「あたしは、薫。同じく高2。」
そう言って、薫は美咲と握手をした。
「同い年なんだ。学校聞いてもいい?」と美咲。
はてと薫は思った。
男子校である。それも、進学校の中でも、ピカ1の学校だ。
ふつうの女子高の名を言った方がいい。
「あたし、希望の森高校。有名じゃないけど。」と薫は言った。
「あたしは、緑陰女子高校。」と美咲。
女子でナンバー1の学校だ。
「わあ、あの緑陰女子?」
「うん。知ってる?」
「もちろん。美咲、才女なんだ。」
「学年のビリッケツよ。」そう言って美咲は笑った。
さっぱりした感じのいい子だと薫は思った。

「さっきさ、隣が女の子で、ラッキーって言ったのは、
 男性が嫌だって意味じゃないの。
 例えば、隣が超イケメンの男の子だったらさ、
 ずーと落ち着かないと思わない?」
「ああ、そういう意味だったの。」薫は笑った。
「美咲は美人だから、イケメン君と釣り合うと思うけど。」と薫。
「あなたこそ、超美少女じゃない。
 あたしって、美貌を鼻にかけてる感じじゃない?これ、ダメなの。
 薫みたいに、聖少女っぽい子がモテるのよ。」
「あたし、聖少女なの?そう思ったことないけど。」
「薫は、中学のとき、モテなさそうな男子にも、モテたでしょう。」
薫は、高井、太田、小林の3人を思い浮かべて、くすっと笑った。
悪いが、彼らはモテモテのタイプではない。
「ううん。誰にもモテなかったわ。」
「ほら。あなた、いい子なのよ。謙虚だわ。
 あなたみたいな子には、もったいなくて男は近づけないのよ。
 聖少女だから、この子だけは、傷つけちゃいけないと、みんな思うのね。
 あたしなんか、生意気の塊だから、何とかして潰してやれってみんな思うわけ。」
薫は、美咲の言うことがおかしくて、あははと笑った。

美咲は、クールな見かけによらず、おしゃべりだった。
薫は、いつの間にか引き込まれて、
気が付くと、ガールズ・トークをしていた。
『ああ、これが、憧れてたガールズトークなのかな。』
薫はそう思い、ほのかな幸せを感じた。

薫が乗っている飛行機は、アメリカの飛行機だった。
薫は、英語が好きだったし、英会話も習っていたので、
スチュワーデスが、英語で話しかけてくるのが楽しみだった。
コーヒーか紅茶か、聞きに来る。
「コーヒー・プリーズ」と言うつもりだった。

やがて、スチュワーデスが、ワゴンを持ってやってきた。
そして、薫と美咲の席に来て、ぺらぺらと英語を話した。
わあ~、初めてネイティブの人に話せると思っていたら、
美咲が、
「ココア、ありますか。」と堂々と日本語で言った。
「はい、ありますよ。」とそのブロンドのスチュワーデスは、日本語で言った。
薫は、少なからず、がっかりした。
「そちらの方は?」と日本語で聞かれて、
「同じココアがいいです。」と言った。

美咲は、しゃべるだけしゃっべって、
「あたし、少し寝るね。」と言い、アイマスクを着けて、身を低くした。
薫は、チャンスと思って、トイレに行くことにした。
男子に入るか、女子に入るか、困りながら、トイレに行ってみると、
車椅子の男女共用トイレがあった。
これで、一安心。

その内、映画が始まった。
邦題で「天国から来たチャンピオン」という映画。
古い映画だが、薫の大好きな映画だった。
美咲は起きて、二人でしっかり見た。
日本語の字幕が出なかったが、薫は、ほぼ完ぺきに分かった。

映画が終わると、美咲が、
「いい映画ね。あたしのベスト3と入れ替えよう。」そう言った。
「あたしの、ベスト1の映画よ。」と薫は言った。
「チャップリンの『街の灯』が1位なんだけど。」と美咲。
「あ、それが1位でもいいわね。」薫は言った。
「『アパートの鍵貸します』があたしのベスト2。」と美咲。
「わあ~!それ、あたしの2位でもある。」と薫は喜んだ。
それから、二人で、映画の話に花を咲かせた。
美咲のお蔭で、時間がどんどん経っていく。

途中、ハワイで税関を通った。

ハワイくらいの近さなら、日本があまり恋しくないのにと思った。
サンフランシスコは、地球の裏側。
薫は、希望と同じくらい不安があった。

飛行機に戻り、少し寝た。
機内食を食べ、また少し寝て、
翌日の午前11時30分頃、飛行機は、サンフランシスコへ着いた。

機内で美咲と握手をして、外へ出た。
大荷物が出て来るところで待ち、自分のボストンバッグを拾った。
今まで、飛行機でいっしょだった人たちが、どんどんいなくなる。
みんな、待っている人がいて、会って抱き合ったりしている。
肝心の美咲も、友達のところへ手を振りながら行ってしまった。

薫は、迎えが来ると聞いていた。
だが、そんな人影はいない。
薫は、とうとう一人ぼっちになり、バッグを横に置いて佇んでいた。
日本と何もかも違い、どうすることもできなかった。
外の道路に、バスを見かけたが、
どの方向に、どう乗ればいいかわからない。
かといってタクシーに乗れば、いくら料金を取られるかわからない。
心細くて、涙が出てきそうだった。

そのとき、隣のゲートの方から、
ヒールの靴音を立てて、ミニで赤いチャイナドレスを来た女の子が、走って来た。
そして、薫の少し前で止まると、脇に挟んであったスケッチブックをめくり、
1面を薫に見せた。
『高坂薫くん』と大きく日本語で書かれていた。

薫は、うれしくて、手を上げて振り、にっこり笑った。
前髪のあるストレートロングの髪の子は、顔をほころばせ、
「薫ね。ごめんなさい。ちょっと遅れて来ちゃって、
 ここで、あなたを見たのよ。でも、女の子だと思っちゃって、
 他のゲートを探しに行ったの。
 ああ、よかった。会えて。」
彼女は、少しなまりのある日本語で、そう言った。
「ありがとう。どうしようかと思っていたの。」
「あたし、リリ。母は、日本人。父は、韓国人。」
「ぼくは、日本人。高坂薫。」
二人で握手をした。
リリは、薫より少し背が低く、メイクをしていて、驚くほどの美少女だった。

「薫、女の子にしか見えない。女装子だって聞いてるけど、
 今のままで、完璧に女の子に見えるわ。わあ~、うれしい。」
と、リリは、胸の前で手を組んで、ピョンピョン跳ねた。
「女装子に偏見を持ってないんだね。」と薫は言った。
「持ってないわ。」と、リリ。

リリは、薫の手を取って、まずバスに乗った。
バスに揺られながら、薫は言った。
「リリのそのチャイナドレス、ステキだね。」
「ありがとう。あたし、チャイナの血は混ざってないんだけどね。」
「ハウスには、男の子が5人、ぼくで6人って聞いたけど、
 他に、 リリみたいな女の子もいるの?」
「そうよ。」リリはそう言って、意味ありげに笑った。

薫は、ハウスのことを自分なりに想像していた。
森本ジョージさんは、40歳。小柄で、少しずんぐりした人。
眼鏡を掛けているイメージ。
5人の男の子は、優しそうで、色が白い感じ。
多分、ゲイのカップルが2組。
その内、1組は、白人。
残りの一人は、女装子で、普段は男の子。
ジョージさんと5人の男の子が、目に浮かんでいた。

「ジョージさんは、何をしている人?」と薫は聞いた。
「推理小説の作家よ。」とリリ。
「わあ、すごい。」
「それと、内緒で、女装小説を書いているの。」
「わあ、読んでみたい。」
「英語で書いて、日本語でも書いてる。
 でも、ジョージは、日系6世で、日本語は上手じゃないから、
 あたしが、お手伝いしてるの。
 でも、これからは、ネイティブの薫がいるから、
 薫がやった方がいいわ。」
「何か、お手伝いできるなら、なんでもやりたい。」薫は言った。

バスは、サンフランシスコの観光街に来た。
「わあ~すごい。」
「アメリカで1番の観光地。今度ゆっくり遊びに来よう。」とリリ。
バスは、観光街を抜けて、やや郊外にやってきた。
「もうすぐよ。」リリが言う。

「さあ、カストロ通りに入ったわ。もうすぐよ。」と、リリ。
バスから見て、男同士の2人が手をつないで歩いていたり、
女性同士が、仲良く歩いていたり、
ふつうの町とは、少し違うことがわかる。

「さあ、ここで降りるの。少し歩くわよ。」リリが言った。
いよいよ、みんなに会える。
薫は、胸がドキドキした。
急な坂を上っていく。
その内、周りが芝生に囲まれた、大きな平屋の家が見えた。

リリが、近くに来て、「おーい。」と手を振った。
すると、その家から、数人の女の子が出て来た。
薫が近づいていくと、
キャーキャー言って喜んでいる。
「あの子よ。」
「女の子じゃない。」
「ね、ジョージ、男の子のはずでしょう?」
なんていう声が聞こえる。

やっと着いた。
いるのは女の子4人。
そして、年上の素敵な女性。
リリが、
「皆さん、薫でーす。」と、英語で言った。

―――― 以下、会話は、日本語で書きますが、実際は、英語です。――――――――

「わあ、可愛い。素敵。」
「ね、男の子なの?」
「うん。そうよ。薫、ジョージよ。」と、リリが年上の女性を手で差した。
「日本からようこそ。あたしが、ジョージです。」
25歳くらいの、すらりとした、綺麗な女性だった。
「薫です。よろしくお願いします。」と薫は言って、握手をしながら、
「あのう、ジョージさんは、男性だと思っていました。」と言った。
「薫が来るから、がんばって女装しているのよ。」とジョージはにこやかに言った。
「わあ~、ステキです。お若く見えます。」と、薫。
「ありがとう。」とジョージ。

薫がもっと驚いたのは、4人の女の子だった。
5人の男の子をイメージしていたのに。
「リリ、男の子が5人じゃないの?」と薫は聞いた。
すると、リリは、うれしそうに、
「ねえ、みんな。薫が、みんな女の子じゃないかって言ってる。」と言った。
「わあ~、やったあ。」と、みんな大喜び。一人が、
「あたし達、みんな、生まれは男なのよ。」と言った。
「あたしもね。」とリリが言った。
「わあ、そうなの!なんだか、うれしい。」と薫は言った。
5人の男の子と、5人の女の子では、大変な違いだ。
みんな可愛い。
薫は、これからの生活を思って、喜びが胸に込み上げて来た。


(次回は、「ユニークなハイ・スクール」です。)


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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