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江戸町遊び人・油川京之介③「京之介、目にも止まらぬ剣術」

江戸町遊び人・油川京之介③「京之介、目にも止まらぬ剣術」


男は、二人を後ろから足早に、20mほど追い越し、
そこから、Uターンして来た。
着流しの、どこにでもいるような遊び人風である。
男はイメージしていた。
両腕を袖から引っ込めて胸の前に置き、女にぶつかったとき、
『おっとごめんよ。』と言いながら、胸から手を出し、
女の胸の財布を抜き取る。
素早く自分の胸の中に入れて、さっと仲間に渡す。

首侍の頭の皿を打った女なら、用心がいる。
もう一人は、隙だらけだ。
男は、あえてキョロキョロとし、
京之介にぶつかり、まんまと財布を抜いた。
「おっと、ごめんよ。」と言うつもりが、
「お」の音を言う前に、
「えいっ!」という女の声が聞こえ、自分の体は、宙に浮いていた。
そして、女から3mも離れた地面に、背をしたたか打った。

わっと人が集まって来た。
「なんだ、どうした?」
「スリだよ。スリがばれたんだよ。」
「あの娘さんが、男を投げ飛ばしたんだ。」
「まさか、あんな若い娘さんが投げたのかい?。」
「見たよ。男が3mは、飛ばされた。」
「こりゃすげーや。」
などと、言い合っている。
「姉様、すごい、何があったの?」と彩芽が聞いた。
「財布をすろうとしたの。」
「で、投げたのは、姉様なの?見えなかった。」
「えへん。あたし、大川合気流道場に通っているのよ。」
と、京之介は、得意気に言った。

見ると、投げられた男のそばに、4人のゴロツキが来ている。
ゴロツキと言っても、かなり筋肉のある強そうな男達である。
それぞれ、木刀代わりに棒を持っている。

4人が、京之介をにらんだとき、
「彩芽は、離れていて。」と京之介は言った。
「でも、京之介より、あたしの方がきっと強い。あたしに任せて。」と彩芽は言った。
彩芽が、かなりの腕であることを、京之介は知っていた。
「いいから、離れて。」と京之介は、彩芽を無理にも遠ざけた。

ゴロツキは、やって来て、京之介の前後左右に立ち、京之介を囲んだ。
再び、見物人が集まった。
ゴロツキ達から離れて、道の上と下に固まっている。
さっきとは違い、50人、60人になっている。
猿回しの芸人も猿を抱いて見ていた。

みんなゴロツキが恐いらしく、小声で話している。
「ああ、誰かそこらに、強ええ、お侍がいないかねえ。」
「ゴロツキにみんなで石を投げたらどうでえ。」
「石なんか、都合よく落ちてるもんかね。」
「ああ、どうなるんだあ・・?」
人々は、そんなことを言い合っていた。

「女だてらに、とんだ生意気だぜ。
俺らの仲間が何したってんだ。
 罪もねえのに、イテエ思いさせやがって。
 謝るなら、許してやるから、小判の5枚10枚置いて行け。」
正面の一番強そうなのが言った。

「へん、何をしたかは、そいつに聞いてごらん。」と京之介。
「何を!女だろうが、容赦はしねーぜ。
 痛い目にあいてえってのか。」
「ごたく言ってないで、やれるもんなら、やってきな。」
「てめえ!」
男はそう言って、棒を上段に構えた。
同時に、左右の男も正眼に構え、
棒の切っ先を、京之介の首近くに寄せている。
後ろに一人。

見物人は、固唾を呑んで見ていた。
真ん中の娘が、少しも恐がっていないことが、希望であった。

京之介は、左右の男を見た。
剣術に不慣れなのか、棒を固く握りしめている。
正面が強い。

京之介は、4人を見渡し、
ひょいと手に持っていた小物入れを、真上に高く放り投げた。
一瞬、男たちは、宙に目を移した。
その間一発、京之介は、右の男の棒を左手で引き、
棒に引かれて男が泳いで来たとき、
脇の下の急所に、肘鉄を深く打ち込み、
そのまま、左の男の棒を引き、棒をもぎ取りながら、
左の男の脇の下にも、肘鉄。
もぎ取った棒で、打ち込みに来ている正面の男の喉に「突き」を食らわせ、
そのまま棒を引き、棒の先に手を移し、前を向いたまま、
棒の木口(尻)で、後ろの男のミゾオチを突いた。

そこへ、放り投げた小物入れが落ちて来て、京之介は、ポンと拾った。

1秒もかからず、男たちは皆急所を突かれ、
気絶したまま、重なるように倒れた。

100人近くの見物人が、
うお~~~と、すごい歓声を上げ、飛び上がり、互いに抱き合った。
「よ、よ、あんなの見たことあるかい。」
「ないよ。お侍だって、ああは、いかねえ。」
「あっという間だったぜ。」
「どこのお嬢様かしら?」
「素敵、憧れちゃう。」
猿回しの猿も、ぴょんぴょん跳び、鐘を鳴らしていた。

彩芽が、京之介に飛びついて来た。
「姉様、強い。あたし、うれしい。うれしい。」
「うん。早く逃げよう。」京之介は言った。
二人で手をつなぎ逃げようとしたとき、
「待って。」と京之介は言った。

初めに投げられたスリが、やっと半身を起こしていた。
京之介は、スリのそばにしゃがみ、財布から、5両を出した。
「これは、『やられ賃』だよ。5人で分けな。
 暇でたまらないなら、神保町の大川道場へお出で。」
男は、ビックリして、京之介を見た。
「え?悪いのは、全部俺らなのに、小遣いをくれるのかい?」
「小遣いじゃない。この金で、きっぱり悪いこと止めなよ。」

京之介は、それだけ言って、彩芽と手を取り、足早に見物人を抜け、
逃げて行った。
「ね、あの男に何をしていたの?」彩芽は聞いた。
「うん、痛い思いさせて、悪かったねって言ってたの。」

目を開けて、気絶から醒めたゴロツキ4人は、
半身を起こし、うううっと唸っていた。
そこへ、スリ男がやってきた。
4人は、話しを聞き、小判を受け取った。
「え?悪いことした俺らにくれたのかよ。」と一番の大男が言った。
みんな、小判に見入っていた。

「こんなのもらっちゃよお、もう悪いことやりにくいな。」
「ああ、この金は使えねえ気がする。」
「神保町の大川道場か。」
「あそこなら、誰でも知ってらあ。」
「行ってみるだけ、行ってみるか。」
「おお。あの女がいたら、俺は、頭下げる。」
「俺らも、そうする。」
4人は、そう言って、小判を再び見つめた。


(「道場に来たゴロツキ5人」につづく)


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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