江戸町遊び人・油川京之介②「女になって、門前町へ遊びに」

PCが、今、奇跡的に動いていますので、投稿します。
読んでくださると、うれしいです。
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江戸町遊び人・油川京之介②「女になって、門前町へ遊びに」


『今日は、道場へ行かねばならぬな。』
と、京之介は、竹刀1本を肩にかけて、油川屋を出た。
彩芽は、京之介以外客は取らないと約束し、
今日は休みであるはずだ。
聞けば、彩芽は、茶屋の婆の本当の孫ということで、
彩芽を、あまり店には出したくないそうだった。

「大川合気流道場」と看板のある道場に入ると、
稽古代と書かれた木の箱がある。
京之介は、兄からもらった1両をごまかし、銀2分を入れた。

道場の正面に道場主の大川雪之丸がいる。
不思議な人で、女子のような可愛い顔をしていて、
年齢が、全く分からない。
京之介のように、月代を作らず、長い髪を後ろで1本にまとめている。
桔梗という名の妻と見える人がいて、驚くほど美しく、夫より背が高い。
そして、女子にして、道場主に勝るほどの達人である。

まるで女子のような顔をしている自分と似ていて、
京之介は、道場主もその妻たる美しい人も大好きだった。

稽古は変わっていて、片方が竹刀を振り、もう片方は、無手である。
そして、無手の方が竹刀を交わし、投げる。
防具を使わないので、何の用意も要らず、貧しい者でも入門できる。
道場は、いつ来ても、いつ来なくてもいい。門弟も決まっていない。

そのとき、京之介は、竹刀の役で、打ち込んでは、無手の相手に投げられていた。

「桔梗様、あの者ですが。」
と、道場主・雪之丸は、隣にいる妻・桔梗に言った。
「雪之丸によく似た、可愛い剣士ですね。」と桔梗。
雪之丸は、あははと笑った。
「はい。どこで稽古を積んだのか、並々ならぬ者と見るのですが。」
「私と雪之丸が出会ったときの雪之丸ほどに出来ますね。」と桔梗。
「それが、油川屋の末っ子で、なんの取り柄もない『バカ息子』と呼ばれ、
 毎日遊び呆けているようです。」
「ちょっと試してみましょうか。」
桔梗は、そう言って、短い竹刀を手にした。
そして、京之介に近づき、後ろから、本気で打ち込んだ。
京之介は、打ち込もうと丁度竹刀を振り上げたときであったが、
振り上げた竹刀で、桔梗の竹刀を前を見たまま打ち払い、
何事もなかったように、稽古相手に、振り下ろした。
そして、投げられる。

「あいたた・・。」とお尻を撫でながら、京之介は、
「桔梗様、ご冗談は、お止めください。」と言った。
「あはは、ごめんなさい。ちょっとあなたをからかってみたかったの。」 
桔梗は、そう言って、雪之丸のところへ戻って来た。
「思わぬ子が、思わぬ天才を持っているものですね。」
桔梗は、そう言って、雪之丸と笑みを交わした。



今日は、京之介にとって、初めて女のなりをして、
彩芽といっしょに門前町へ遊びに行く日である。

二人は、すでに7回ほど床を共にし、親しくなり、言葉も変わっていた。
「ねええ、京之介。女子になった京之介をなんて呼べばいいの。」
と、彩芽が言う。
「そうだね。私の方が、1つ年上だから、『姉様(ねえさま)』ってのはどう?」
「それ、いいわ。姉様。」
「彩芽。」
うふふと二人で笑った。

「さあ、京之介さん。これから、女子になりますえ。」
と、婆様がやってきて、京之介の髪を、島田に結い始めた。
「婆さま、私も彩芽のように可愛くなりますか?」と京之介は聞いた。
「なりますとも。素顔のときは、彩芽より、京之介さんの方が、
 ずっと、可愛おます。」と婆様は笑った。

白粉を薄く塗られ、唇に紅を差し、頬紅を入れ、
目尻をほんのり桜色にする。
京之介の顔は、見違えた。
鏡を見たら、まるで可愛い娘になっていて、京之介は、興奮した。

中振袖を着て、帯をしめ、髪にカンザシをいくつか差すと、
京之介は、どこから見ても、可愛い女の子だった。
「いや~、姉様、あたしより可愛いわ。
 あたしが、姉様になろかしら。」と彩芽が言う。

白い足袋を履き、黒い下駄を履き、小物入れを提げて、二人で、外に出た。
お日様の下で、女でいる感激。
「彩芽、うれしくて、アソコが元気になってる。
 着物のあのあたりが、飛び出してない?」
「大丈夫やよ。あ~ん、あたし、姉様が可愛うてたまらんわ。」
「私も、『あたし』と自分を呼んでみたい。」
「呼んで。今、女の子やもん。」
「うん、あたし、うれしい。」
京之介の心は、雲の上を歩いているようだった。

門前町は、いつも賑やかである。
団子、饅頭、味噌こんにゃく、アメ細工にせんべい。
カンザシ屋、小物屋、下駄屋、
みんな道に出店を出して売っている。
猿回しの大道芸あり、曲芸あり。

京之介と彩芽は、団子を食べ、カンザシを見て、
キャーキャーと言いながら、歩いていた。

「姉様、あそこ、『首浪人』よ。」彩芽。
「あはは。どこでも、いるね。」と京之介。
「行ってみよ。」と二人は、はしゃぎながら走って来た。
「首浪人」とは、大きな箱に浪人が入り、穴から首だけ出し、
頭に、木の皿を取り付けている。
それを、お客は、竹刀で、浪人が首を引込めるより先に、
頭の皿を打てれば勝ちである。

「さあ、さあ、拙者の頭を見事打ちたる方には、
そこに置いてござる1両を進ぜる。
 1回30文。さあ、挑戦なさる方はおらぬかな。」

「これね。絶対浪人の方が早いのよ。
 あたし、浪人が打たれるのを見たことないもの。」と彩芽が言う。

見ていると、もう2人の武士が失敗をしている。

「彩芽、やってごらんよ。30文は、あたしが出すから。」と京之介は言った。
「姉様こそ。道場に通っているのに。」
「だめ。彩芽がやるの。」
京之介は、そう言って、浪人に30文差し出した。
箱に手が出る穴が空いていて、手が出て、30文を受け取った。
「おお、これは、お嬢様が、挑戦なさるぞ。
 さーあ、皆々様、これは、またとない見物でござるよ。」

女が挑戦ということで、人が集まって来た。
10人、20人。
彩芽は、びくびくと竹刀を受け取ったが、嬉しそうだった。

彩芽は、上段に構えた。
しばらく気を整えていた。そして、
「エイ!」と打ち下ろし、見事、浪人の頭のお皿を打ったのだった。
わあ~!と見物人は、湧いた。
キャーと彩芽は飛び上がった。
「彩芽、すごーい。」と京之介は、彩芽を抱きしめた。

すると、浪人は、首をひっこめ、饅頭を2つ持って出て来た。
そして、地面に膝と手を付き、
「真に、申し訳ござらん。拙者、この1両がないと、
 これからの商売が、できませぬ。
 どうか、どうか、この饅頭でお許しを。」という。
周りのお客は、怒った、怒った。
ブーイングの嵐だ。

京之介は、懐から銭入れをそっと出し、1両、掌に隠して、
銭入れをしまい、浪人のところに行ってしゃがんだ。
「お侍さま。妹のせっかくの手柄、1両あげてはくれませぬか。
 この通りです。」
と頭を下げながら、浪人の掌に、1両を握らせた。
浪人は、掌を見て、はっと京之介を見た。
京之介は、目で、うなずいた。
「かたじけない。」と浪人は、小さな声で言い、
急に元気になって立ち上がった。

「拙者、見事なるお嬢様を、饅頭でごまかしたり致しませぬ。
 ほれ、ここに置かれたる1両。きっちりお嬢様にお渡し申す。」
浪人は、台の上の1両を彩芽に渡した。
見物人は、大喜びで拍手をした。
その中で喜ぶ彩芽。
「姉様、あたし、うれしい。」と言って、抱き付いて来た。
京之介は、彩芽を抱きしめながら、考えていた。
彩芽は、剣術が出来る。
浪人の頭に打ち込むのは、並大抵ではない。
彩芽には、きっと何か訳がある。

京之介が、そっと銭入れを取り出すのを見ていたスリの名人がいた。
そのスリの名人は、女の銭入れに小判で十枚はあるものと踏んだ。
で、ゴロツキの仲間に知らせた。
自分がすって、それをすぐ仲間に渡す。
3人にも回せば、絶対にバレナイ。
ことによっては、疑った相手に因縁を付けて、お金を巻き上げることもできる。
「へへへ。」と男は笑った。


(「京之介、目にも止まらぬ剣術」につづく)


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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