倉田洋子・緑川高校サッカー部最終戦(最終回・前編)

倉田洋子の兄・健二を死に追いやったと思われる顧問権堂辰夫。
その権堂の率いる「サッカー部戦」を綴ります。
高校全国大会10年連続優勝という最難関の相手です。
倉田洋子にとって、最後の対決となります。
過去の投稿のものを、少し、書き加えました。
前・後編、2回に分けて、投稿します。
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倉田洋子・緑川高校サッカー部最終戦(最終回・前編)


洋子は、朝出るとき、仏壇の兄健二に手を合わせた。
「お兄ちゃん。とうとう今日サッカー部とやるよ。
 絶対、勝つからね。応援してね。」
心で、そう言った。

バレー部までに、洋子は、4つの運動部を活動停止にし、
今日の男子サッカー部が最後だった。
サッカー部は、10年連続全国1位を保ってきたという名門中の名門だ。
レギュラーには、天才的な選手が、ずらりとそろっていた。
部員は、2軍を入れて100人は超えている。

学校の生徒達は、いくら洋子でも、
サッカー部にだけは、歯が立たないと思っていた。
あの広いグランドで、どうやって11人と戦うのか。
想像もできなかった。

その日の放課後、
サッカーコートの近くに多くの生徒が集まっていた。
いつもの応援の生徒達。
洋子によって解散になった部の部員。
そればかりか、他の運動部も、練習を一時休み、
サッカーコートのそばに集まっていた。
先生達も、大勢来ていた。
洋子の友達が、サッカー部をつぶすと触れ回ったからである。

「大蔵、サッカー部は倉田に勝てると思うか。」
バレーボール部の鳥居が言った。
「いくらサッカー部が天才揃いと言ってもな、
 鳥居のスパイクを拾う女だ。あの真似は誰も出来ない。」
別のところで、バスケットボールの西田と遠藤が言っていた。
「遠藤、どう思う。」
「俺たち6人が必死になってボールを奪えなかった女だ。
 倉田がボールを得たら、サッカー部は終わりだ。
 倉田にフェイントなど通じないよ。」
遠藤は、そう言った。

サッカー部は、すでに練習に入り、
顧問の権堂辰夫の見張る中、練習に励んでいた。

洋子は、権堂の顔を見て、怒りで握りこぶしに力が入った。
『あいつが、兄ちゃんに40発のビンタをして、兄ちゃんは自殺した。』
だが、ここは、平静を装わなくてはならない。

洋子は、権堂の1mほど隣に立った。
「あああ、こんな練習じゃ、世界に行けないな。
 せいぜい1位になっても国内どまりか。」
と、権堂に聞こえる声で言った。

権堂は、その声を逃さず聞いた。
「おい。我が部への侮辱は、許さんぞ。」
洋子にそう言った。
「侮辱じゃありませんよ。真実を言ったまでです。」
洋子は、権堂を見ず、グランドを見ながら言った。

「おい。捨て置きならん。もう一度言ってみろ。」
と権堂は、こめかみに青筋を立てた。

「弱いと言ってるんです。練習の仕方も、ただ「根性」じゃダメだと言ってるんです。
 こんなチーム、あたし一人で、11人相手にゴールできます。
 そう、言ってるんです。」
洋子は言った。

権堂はかんかんに怒った。
「侮辱は許さん。なら、やってみろ。
 お前一人で、ゴールを決められるものなら決めてみろ。
 言っておくが、我がチームは、過去10年全国ナンバー1だからな。
 お前ができなかったら、どうする。土下座して謝るか。」

「学校を辞めめます。その代わり、もし私がゴールできたら、
 権堂先生は、学校をお辞めになってください。サーカー部は解散でいいですか。」
と洋子は言った。

「ああ、よかろう。お前がゴールできたらな。
 後で、吠え面かくなよ。」
権堂はそう言って、鼻で笑い、集合の笛を拭いた。

広い専用グランドに散らばっていた100名の部員全員が集まった。
「皆に告ぐ。ここにいる誰だか知らん1匹が、
 我がサッカー部を侮辱した。
 こともあろうに、自分一人で、お前ら11人相手に、ゴールを決めるという。
 決められなかったときは、学校を辞めるそうだ。
 その代わり、ゴールを決められたときは、
 俺は、学校を辞め、サッカー部は解散だ。
 お前らに、自信がなければ、この1匹に頭を下げて、
 なかったことにしてもらうがいい。
 どうする。やるか。」

サッカー部員達はゲラゲラと笑った。
「先生、10年連続全国1を何だと思ってるんすか。」
「この女、気でも狂ってるんじゃないすか?」
と口々に言った。

「いや。本気だと思います。」とキャプテンの西崎は前に出てきた。
「俺は、やめます。先生、この人をよく1匹などと呼べますね。」
西崎は言った。

「サッカー部を侮辱するものなら、1匹だろう。」
「自殺した、倉田健二の妹ですよ。
 先生、葬式のときにいた家族の顔くらい覚えていてもいいんじゃないですか。
 先生は特に覚えているべきです。
 サッカー部のために誰よりもがんばり、
 そして自殺した健二の家族を、よく1匹と呼べますね。」

西崎の一言で、今までにやにやしていた部員の顔から笑いが消えた。
とくに同学年だった3年は、青い顔をした。

「健二の復讐に来ているんですよ。命がけだと思います。
 いくら俺達が全国1でも、命がけの1人に、勝てるかどうか、わかりません。
 俺は降ります。この倉田さんに謝って、試合を抜けさしてもらいます。」

そのとき、権堂は西崎の胸倉をつかみ、
「このお、お前それでも、キャプテンか!」
と言って、西崎を殴り飛ばした。
ビンタではなく、殴ったのだ。

そのとき、サッカーコートには、1000人近くの生徒が見に来ていた。
「オーイ、先生がキャプテンを殴ったぞ。」
「あれが、倉田健二を死なせたんだ。」
「何にも、反省がないじゃないか。」
「今、暴力をしっかり見たぞ。」
「西崎は、別に殴られるようなこと言ってないぞ。」
と事情を知るものは、大声で言っていた。

サッカー部員達は、1000人が集まっていることに全く気が付かなかった。

「おい、倉田。健二の妹だろうが容赦はせんぞ。
 時間を決める。何分欲しい。もっともこっちにボールを取られたら終わりだぞ。」
権堂は言った。

「5秒です。5秒以内に1点入れたら、私の勝ちです。
 私にゴールエリアからキックさせてください。」と洋子は言った。
「何を?5秒だと。そこまで、我が部を愚弄するか!」
権堂の怒りは心頭に発した。

その5秒という言葉が1000人に伝わった。
すごい騒ぎとなった。

今まで、洋子と戦って解散になった部の部員達は、
洋子の人間離れした強さが身に沁みていた。
「鳥居、5秒とはな。直接ゴールキックか。」と大蔵が言った。
「それは、無いだろう。90mある。
 体張って止められたらアウトだ。」鳥居は言った。

バスケの遠藤が西田に言った。
「できるかな。バスケより距離がある。」
「ああ、不可能に思える。
 だが、考えてみろ。健二の妹だ。サッカーが1番得意なはずだ。」

サッカー部員達は、何かトリックでもあるのではないかと思った。
しかし、トリックがあっても、一人でできることは知れている。
いったい何を考えているのか。
皆、一抹の不安を胸に抱いた。

「では、健二の妹だということで、こっちもレギュラーを出してやろう。
 西崎の変わりに、近藤。全員位置につけ。」

権堂の合図で、11人が位置に付いた。

観客の1000人は、5秒で洋子がどう攻撃するのか、
期待に胸を膨らませていた。

サッカーの服装の11人に対し、洋子は、制服だ。

洋子は、ゴールエリアの真ん中にボールを置き、
その後ろ、7mほどの位置に立った。

いよいよだ。
『お兄ちゃん。絶対勝つからね。応援してね。』
洋子は、涙を浮かべ、それを制服の袖でぬぐった。

(後編につづく)


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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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