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<第2話>目の見えないルル②「男の皮をかぶった女の子」

少し、だらだらと長くなったかなと、気にしながら投稿します。
読んでくださるとうれしいです。
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<第2話>目の見えないルル②「男の皮をかぶった女の子」


「ぼく、大野圭太。」
「あたしは、ルル。」
「ただのルル?」
「うん。ただのルル。」
「魔法使いにぴったりの名前だね。」
「私が、魔法使いだって、簡単に信じちゃうの。」
「うん。さっき、ぼくを強くしてくれた。
 魔法以外、考えられない。」
「あれは、あなたが本気であたしのために怒ってくれたから、
 できた魔法なの。だから、ほとんどあなたの力。
 今のあたしは、誰かに力を貸すことだけ。
 自分一人では、何もできない。」
「そうなんだ。」と圭太はルルを見つめた。

「あのう・・。」と圭太は口ごもり、
「ぼく、あのでかい男に言うとき、女言葉使ってたの聞いた?」
「うん。もちろん。」
「うわあ。ぼくね、興奮すると、女言葉出ちゃうの。
 恥ずかしいから、怒ったり、興奮したりしないようにしてるんだけどね。」

「あなたは、男の皮をかぶった女の子なのよ。
 だから、女言葉が出て来ても、当然。」
「そうなの?」と圭太は身を乗り出した。
「うん。あたしは、女の皮を被った男の子。
 乱暴でいたずらで、人の気持ちなんか考えない子だった。
 で、魔法を乱用した罪で、女の皮を被せられ、
 目を見えなくされ、街の中に落とされた。」

「じゃあ、ルルの中身は、男の子なの?」
「そう。」
「いいことをしたら、元に戻れるの?」
「おとぎ話なら、たいていそうよね。」
「じゃあ、おとぎ話みたいにはいかないの?」
「うふっ。」とルルは、笑った。
「おとぎ話のとおり、いいことをしたら、戻れるの。」
「じゃあ、いいことができればいいね。」

「あなたの男の皮をとってあげること。
 あたしは、そう決めて、圭太に会いに来たの。」
「そうだったんだあ。じゃあ、ここで会ったの偶然じゃないんだね。」
「うん、そう。でも、どうすればあなたの男の皮をとることができるか、
 それが、わからないの。」
「いっしょに考えよう。」
「うん。」ルルは、そう言って、うふっとまた笑った。
(「うふっ」は、ルルの癖かも知れないなと圭太は思った。)

「ルルは、この大学の学生なの。」圭太は聞いた。
「うん、この大学は、盲学部があるから。」
「じゃあ、今までは、盲学校に行ってたの。」
「そう。そこで、高校までの勉強をしたの。」
「いつから、目が見えなくなったの。」
「6年前に。」
「苦労したね。」
「おかげで、人の親切のありがたさがわかるようになった。」
「そうなんだ。」

「いいもの見せるね。色がわかる小道具。」
「魔法で?」
「ちがう。」
ルルは、そう言って、マッチ箱くらいのプラスチックの箱を取りだした。
そして、それを、圭太のセーターに向けた。
ルルが、ボタンを押した。
「緑です。」と箱がしゃべった。
「わあ、すごい。当たりだよ。」
「この機械は、色を教えてくれるの。音楽が流れない信号に使える。」
「ふ~ん、そんな道具や機械があるんだね。」
「工夫すれば、ほとんど不自由なく暮らせるよ。」
「そうなんだ。」
「圭太の顔だってわかるよ。」
ルルは、そう言って立つと、圭太の顔に両手を伸ばして来た。
圭太が、顔を近づけた。

ルルは、圭太の顔を10本の指でそっと触った。
「圭太は、男の皮を被っていても、女の子のように可愛いね。」とルルは言った。
「だから、女みたいだって、からかわれる。」
「怒ったとき以外、いつ女の子の言葉が出ちゃうの?」
「うれしいとき。『キャー!やった!あたし、うれしい!』みたいに。」
「悲しいときは?」
「すぐ泣いちゃうから、言葉は出ない。」
「うれしいときも、出るんだね。」
ルルは、そう言って、しばしうつむいて、考えていた。

「あたし、そろそろ行かなくちゃ。」とルル。
「どこへ?」
「盲学校でアルバイトしてるの。
 あたしの生活費。」
「そう、駅に行く?」
「うん。」
「じゃあ、駅まで一緒に行こう。」

大学を出ると、そこは学生街で、通りは、若い人であふれている。
ルルは、白い杖を4つに折りたたんで、圭太の腕につかまっている。
「圭太は、視覚障碍者のヘルパーになったことあるの?」
「ないよ。どうして?」
「みんなわかってるから。圭太は、あたしを腕につかまらせた。」
「ぼくが、ルルをもったら、ルルは連れて行かれる気がして恐いでしょう。」
「来る人と、ぶつからない。あたしがいること、計算に入れてる。」
「ルルの分、離れてすれ違うようにしてる。」

「狭いところは、あたしを圭太の真後ろに立たせる。」
「うん、そうしないと、ルルが通れない。」
「歩きながら、あたしに景色を話してくれる。」
「どんな道を歩いているか、知りたいでしょう。」
「圭太は、不思議な子。人を助ける方法をみんな知ってる。
 あのドーナツもうれしかった。」
「ドーナツは、思いついただけだよ。」
「うふっ。」とルルは言い、圭太の腕に抱き付いて来た。

「ねえ、ルルが一番困るときって、どんなとき?」圭太は唐突に聞いた。
「知らないところへ一人で行くときかな?
 あと、ものを失くしたとき。」
「なるほど、そうだよね。」

電車を2駅乗ったところで、ルルは、降りて行った。
圭太は、ものすごく淋しい気持ちになった。
自分は、女子なのに。
なんだ、女の子同士の友情と考えれば普通のことだ。
あ、ルルの中身は男の子だと言ってた。
じゃあ、男女の気持ちなのかな。
「うふっ。」と、圭太は、ルルの真似をしてみた。
あ、心がすっきりする、と圭太は発見した。

圭太の家の夕食。家族は4人。
父・洋介(細身)の正面に圭太が座る。
右に、母・淑子が座る。美人。
左に妹の朱里(あかり)が座る。美少女。
朱里は、高校2年。圭太の1番の理解者である。

いただきますをして、少し経って圭太は言った。
「今日、魔法使いの女の子に大学で会った。」
「ほんと、お兄ちゃん。」と朱里が目を輝かせた。
「でね、ぼくは、男の皮を被った女の子だって言われた。
 いつか、ぼくの男の皮を、はいでくれるって。
 だから、ぼく、もうホルモン打ってなんて言わない。」と圭太。

「まあ、単純だこと。男の皮って、それは、『比喩』でしょう。
 皮は、体。中身は、心っていうね。」と母の淑子が言った。
「うまい言い方するもんだなあ。
 これで、圭太が、ホルモンって言うの止めてくれたら、
 父さんたち悩まずに済む。上出来の比喩だ。」と父の洋介が言った。

「あたしは、信じるよ。」と朱里が言った。
「お兄ちゃんが、男の皮を被った女の子って、
 すごくイメージ湧くもの。」

「その子、目が見えないの。
 でね、その子にわざとぶつかった柔道部のでかいワルがいて、
 ぼく、ものすごく腹が立って、そのワルを懲らしめて、
 最後に、女の子に謝らせたの。
 ぼくが、そんなに強いはずないじゃない。
 その子が、魔法でぼくを、そのときだけ、強くしてくれたの。」と圭太。
「わあ、最高!お兄ちゃんやったね!」
「うん、やったんだ。」

二人で、盛り上がる兄と妹を見て、
父母は、首を傾げながら、顔を見合わせた。

夜、自分の部屋で、圭太は考えていた。
『目が見えなくても、知らないところへ行ける道具・・。
 道案内と言えば、ナビゲーター。
 目の見えない人なら、液晶画面がいらない。
 その代わり、行き先を音声入力できること。
 方向音声案内は、カーナビがすでにその機能を持っている。
 障害物探知機があればさらにいい。
 柔らかいもの(人)、固いもの(電柱)を判別できれば、さらによい。
 障害物探知機があれば、物探しにも応用できるかも知れない。』

この思いつきに、圭太の胸に喜びがあふれて来た。
「キャー!やったー!あたし、うれしい!」
と、圭太は、バンザイをした。
圭太は工学部だ。

(つづく)


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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