お父さんもボクも女装子⑥「別れの20分」

これまで、お付き合いくださり、ありがとうございました。次回、最終回の予定です。
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お父さんもボクも女装子⑥「別れの20分」


明美は、アクセルを踏んだ。
明美のきびきびしたハンドルさばきに、洋介は見とれていた。
「運転、上手なんだね。」
「好きなんです。」
「かっこいい。」

「洋介さん。洋介さんとの最後の20分なの。
 女言葉をしゃべれますか?
 姿が女性なのに。」
「ええ、しゃべれるわよ。」と洋介は、言葉を切り替えた。
「あ、声も女性に変わった。」
「えへん。20年のキャリアだから。」

車は、賑やかな区域を抜けて、静かな通りに来た。
「どこへ、行くの?」
「車から降りません。」

明美は、広い市営球場を抜けて、公園の街灯の脇に車を止めた。
街灯で、車の中が明るい。
「ここなの。あたし、落ち着きたいときここに来るの。」
「そうなの。わかる気がする。」
明美は、体を、洋介に向けて、洋介を見つめた。
「一度だけ、あたしの好きにさせて。」
明美は、そう言うと、まるで男の子のように、洋介を抱きしめ、
洋介の唇を奪った。
あっという間だった。
『ああ、うれしい。』洋介は、心で思った。
長いキスだった。

明美は、唇を解いて、シートにもたれた。
「今のは、あたしが、強引にしたことなの。
 洋介さんがしたのではないから、洋介さんの浮気ではないの。」
「そんなの、どっちでもいいわ。あたしは、うれしかった。」
洋介は、明美を見た。
明美は、にっこり笑った。

「あたし、男性経験はないけど、女性経験はあるの。」
「だから、あたしを受け入れてくれたの?」
「それだけじゃないと思う。」
「20年前に、明美さんと出会っていたら、あたしの運命変わっていただろうな?」
「20年前、あたしは、赤ん坊ですよ。」
「あ、そうね。」
二人で笑った。

「そうだ。あたしは、息子と娘がいるけど、
 息子の玲也は、女装子なのよ。高2で、すごく可愛い顔してるの。」
「ほんとですか!親子で女装子なの?うそー!」
「偶然、出会ったの。そうだ、写真がある。」
「わあ~。」
洋介は、スマホを出して、玲也の写真を見せた。
「わあ、可愛い。女の子じゃないですか。」
「背は、162cm。」
「わあ、いいなあ。」
洋介が、コマを送ると、明美は、その度反応した。
「娘さんには、内緒?」
「妹なんだけど、玲也より背が高くて、
玲也を女装させたくてたまらないみたい。」

「ああ、じゃあ、玲也さん、カムアウトしても、大丈夫ですよ。
 ご主人の洋介さんとは、違いますもの。
 息子さんで、こんなに可愛いんだったら、奥様は、きっとOKですよ。」
「そう思う?」
「ええ。ふつうは、最難関の『お父さん』を、すでに、クリアですもの。」
「じゃあ、玲也だけでも、カムアウトできるように、考えるね。」
「ああ、洋介さんとのお別れで、しんみり気分だったけど、
 息子さんのことで、一気に、気分が盛り上がっちゃった。
 一度会わせてくれますか?」
「うん。連絡するね。」洋介も心が明るくなった。

「女装会館」で、明美と別れた。
明るく別れることが出来た。
これも、玲也のおかげだな。
洋介は、玲也に感謝した。

男にもどり、洋介も、玲也も、夕食に間に合った。
「なんだか、お父さんも、お兄ちゃんも、幸せそう。」
梨奈がそう言った。
「なんか、いいことあったの?」則子が言う。
「ぼくは、完全にいいことあったよ。」と玲也。
「何?」と梨奈が聞いた。
「うふん。今は言えないかな。」
「なーんだ、つまらないの。」と梨奈と則子は、いっしょに言った。
梨奈と則子は、玲也の「いいこと」に頭が行ってしまい、
「洋介のいいこと」を、忘れてしまった。

翌日。
帰りの支度が終わって、帰りの会が終わって、さよならをした。
玲也は、真っ直ぐ後ろの席の、原田朋子のところへ行った。
「いっしょに帰ろう。」と玲也は朋子に言う。
「うん。」朋子は、にっこりして立った。

そのとき、周りのみんなは、
「えーーー?」と注目した。
玲也と朋子は、周りのみんなにニッコリして、
「じゃあ、さようなら。」と言った。
「ああ、さようなら。」
とみんなは言って、二人が教室を出た後、
互に顔を見合わせた。
「どういうこと?」
「あの静かな朋子が、にっこりして、さようならって言った。」
「あの、玲也ちゃんと。」
「クラスで一番カップルになりそうもない二人だぜ。」
「こんなことなら、俺、もっと早く原田を誘ってみるべきだった。」
ある男子が、言った。
「玲也ちゃんが、先に誘ったのかな。」と女子。
「そりゃそうだろ。玲也は、天真爛漫だからな。」
「見習わなきゃな。」
「その通りだ。」
「まあ、玲也は最高にいい奴だし、原田は超大人しい女の子だし、
 せいぜい二人を見守ってやろうよ。」
「うん、そう。そうよね。」
玲也のクラスは、こんな風にやさしい生徒の集まりだった。

洋介は、勤務の合間、考えていた。
『どうやって、玲也をカムアウトさせようかな。
 梨奈は、絶対喜ぶ。
 則子は、OKを出すかなあ。
 どうせなら、舞台を考えたい。
 ただ、玲也が女装して、家に帰って来るなんてつまらない。』
洋介は、楽しい思案に暮れた。

(つづく:次回、最終回の予定です。)


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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