再投稿・スーパー洋子・出版社編④「洋子の勇気づけ」最終回

<第4話>「洋子の勇気づけ」最終回


これで、最終回です。
最後まで、読んでくださり、ありがとうございました。
明日から、どうしよう・・・・。

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<第4話>最終回


洋子は、希来里のその言葉を真っ直ぐに受け止めた。

洋子は、静かに言った。
「希来里さんが、いくらひねくれようと、
 いくら傲慢になろうとしても、
 本質は隠せません。
 あなたは、愛情を込めて、あの草書の原稿を書きました。
 ワープロの時代の中で、愛する処女作の原稿は、手書きにしたかった。
 手書きなら、日本語で一番美しいと思える草書にされた。
 それは、出版社への嫌味なんかで書いたのではありません。

 作品にご自分の思いの丈を盛り込み、1枚1枚原稿を袋に折って、
 穴をあけ、紐で閉じ、心を込めて製本しました。
 その本は、希来里さんの『心』そのものです。

 だから、さっき私に4冊をほうり投げたとき、
 希来里さんは、身を切られる思いだったと思います。

 字は、書くその人を表します。
 希来里さんの草書は、貴賓があり、美しく、優しい。
 それが、希来里さんの本質ではないかと思います。

 本物の女の子になれないという悔しさや劣等感を、
 希来里さんは、医学部へ入ることで乗り越えようとなさった。
 自分と同じような境遇の人のために、
 医者として、または研究者として尽くそうと思われたのではないでしょうか。
 これは、気高い志だと思います。」

「倉田さんのようなすごい方が、そう言ってくださるの?」
希来里は言った。
「はい、そう思います。」
と洋子は言った。

「あたしは、自己嫌悪に苛まれて、それが辛くてならなかった。
 だから、いろんなところで、わざと生意気に振る舞ったの。
 その度、散々に嫌われ、けなされ、罵倒されもした。
 でも、それが自分への罰だと考えたの。
 救いようのない傲慢な自分への罰だと思っていたの。
 私はたくさん罰を受けるべきだって思っていたの。」
そう、希来里は言った。

「もう、罰はいりません。」と洋子は言った。
「もし、あたしが生意気を止めさえすれば、今のあたしでいいのかしら。」
「あなたは、ステキな方だと思います。」
「ありがとう。」そういって希来里は、目を伏せた。

そのとき、隣のブースの菊模様のガラスの仕切りから、
一人が立って、顔を見せた。
昨日希来里の相手をした、沢井啓太だった。
啓太は、ブースを回って、希来里と洋子の横に来た。
泣いた跡があり、目を赤くしていた。

「盗み聞きしました。ごめんなさい。
 希来里さんに腹を立てていて、今日、倉田さんにどう負かされるかと、
 それを聞きたくて隣にいました。
 そしたら、希来里さんの苦しみがたくさんわかって、
 昨日オフィスの人たちに、
 あなたのことを散々に悪く言ってしまったことを心から後悔しました。
 ごめんなさい。この通りです。」
沢井は、立ったまま、涙を浮かべて、深々と希来里に頭を下げた。

希来里は、沢井の前に立って、
「あたしは、言われて当然な生意気な言動をしました。
 全部あたしがいけなかったことです。
 どうか、謝ったりしないでください。
 あたしこそ、生意気をして、ごめんなさい。」
そう言って頭を下げた。

「まあまあ、お二人とも座って。」
と洋子は、二人を座らせた。
沢井が、洋子の横に来た。

「えーと、草書体が、活字体になったところで、
 沢井君、どう?これから先は、また沢井君が担当したら?
(希来里に向かって)
 沢井君ね、若いけど優秀な校正者であり、編集者でもあるんですよ。
 希来里さんの本作は、プロも唸らせるトリックが出てくるし、
 自費出版ではなく、企画出版にできるかもしれない。
 そうしたら、100万部突破も夢ではないわ。」
と洋子は言った。

「それは、すごい。希来里さん、私は、倉田先輩の遠く足元にも及ばないぺーぺーだけど、
 ガッツだけは負けません。担当にさせていただけますか。」と沢井は聞いた。
希来里は、にっこりして、
「もちろんです。あたしをミリオンセラー作家にしてください。」
と笑った。
「がんばりましょう!」と沢井。
「はい。がんばります!」と希来里。
洋子は、にこにことしていた。

家に帰った希来里は、金髪のかつらをとり、
メイクを落とし、
肩までの黒髪を整えて、
清楚なワンピースに着替えた。
そして、早速洋子の7つの意見書をパソコンに開いた。
真っ先に7番目・最後の意見書を見た。
こう書いてあった。

<意見7>
魅力的な天才少女キャリーは、殺人をしますが、そこを、
どうしても人殺しができなかった…と変えては、どうでしょうか?
キャリーの人柄を考えると、人殺しをさせたくはありません。
(私には、キャリーとキラリさんが、重なって見えるのです。字が2つも一致。)
見事な完全犯罪の一歩手前で、殺人を断念します。
その代わり、名探偵Xが、キャリー少年のお姉さんの殺害者を暴いてくれます。
こんなのどうですか?
次作は、「女装子・名探偵キャリー」なんて、いいかも(笑)?



希来里は思った。
あのコーヒーが来たときに、倉田さんは、すでにここまで考えていたんだ…。

「すごいなあ…。」
希来里はにっこりして、洋子の可愛い顔を思い浮かべた。



<おわり>


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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