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自叙伝・サンフランシスコ③「日本人の進くん」

自叙伝・サンフランシスコ③「日本人の進くん」


リリと出会った翌日、私は、サンフランシスコNo.1の人気スポット、
「フィッシャーマンズ・ウォーフ」に行った。
ここは、いわゆる漁師町で、カニがたらふく食べられることで有名だ。

ことことサンフランシスコの坂を上り下りするケーブルカーを乗継ぎ、
とうとうやってきた。
街は、観光客でにぎわっている。
私は、黄色いワンピースとリュック、メイクをして、
女の子で通すつもりだった。
女の子で通りそうだと一度自信を持つと、もう男服はつまらない。

私は、街の船を見ながら、カニの入ったカップを持ち、
木で作られた背もたれにもたれ、カニをつついていた。

そのとき、私より少し背の高い二十歳くらいの男の子が、
私のそばに来た。
ぽちゃぽちゃっとした体形。
彼は、私をちらりと見て、何か、勇気を奮っていたようだった。
そのうち彼は、
「Are you Japanese?」と言って来た。
私は、『あ、まずいかも。』と思った。
アメリカ人や外国人には、私は、女で通るようだ。
しかし、日本人には通らないかも知れない。

私は、とっさに、
「No,I am Chinese.」と言った。
「あ、そうなんだ。」と彼は英語で言って、がっかりした様子だった。
「なあに?あたしが日本人じゃないと、がっかりなの?」
と私は英語で言った。
「そう言う訳じゃないけど、ぼくは、英語苦手だから。
 一人で、こういう賑やかなところにいると、なんだか、さみしくて、
 いっしょに歩いてくれる日本人の女の子を探していたんだ。」
彼は、ここまで、何とか英語で言った。
私は、彼のその言葉から、私が女の子として通ったことを思った。
「そうだったの。あたし、日本人。素直に言わなくて、ごめんね。」
と、日本語でいった。
「わあ、そうだったの。そういうわけで、いっしょに歩いてくれない。」
「いいわよ。あたしも、一人で、さみしかったから。」
私は、そう言いながら、ある感慨をもった。
日本語の女の友達言葉が新鮮だった。
日本で女装したとき、みなさん年配で、ほとんど敬語、丁寧語だったから。

「ぼく、進。」
「あたしは、ジュン。」
ああ、女言葉が、新鮮。
「ジュンは、観光?」
「ニューオリンズの大学生。」
「そうなの。ぼくも留学したかったけど、手続きがわからなくて挫折。
 ジュンは、えらいなあ。」
「あたし、ラッキーだったの。
 留学生の支援センターが近くにあったから。」

私は、女言葉を話せば話すほど、胸がキュンとなるのだった。
「ね、船の中入ってみよう。」
「ええ。入りましょう。」
私は、進の手を取った。

中で、
「ねえ、進、これ見てみて。」とか、
「ねえ、来て、ここからの景色ステキよ。」とか、
たくさん、たくさん、女言葉を使った。
私は、満足だった。

夕方になり、進とお別れのときが来た。
「あたし、今帰らないとホテルの周り暗くなるから。」
と言った。
「ジュンともっと一緒にいたいけど、ぼく、明日はロサンゼルスに行く。」
「そう。お別れになるのね。」
「うん。ジュンと一緒に過ごせて、今日は最高の日だった。」
「あたしも、進と過ごせてよかった。」
私は、歩きながら、何度も進に手を振った。
進は、ずっと立っていた。
私は、最後に大きく手をふって、ケーブルカーに乗った。

手を振る進が遠ざかっていった。


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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