ママさん合気流・高木ユキ②「ユキの実力」

<第2部>「ユキの実力」


男は、廊下のコンクリートに背中をしたたか打ったが、
ネック・スプリングで、軽々と起き上がった。
ユキは、背丈が163cm、
男は2mに近い。二人は、大人と子供ほど違った。
一同は、身も凍る思いで見ていた。

男が目をぎらつかせやってくる。
男から右のすごいパンチがやってきた、
ユキは、パンチをいなしながら、パンチの手の甲をとり、それを外側に曲げた。
ビシッと男の腕が鳴った。男は自分の力で、骨を折ってしまった。
男はそのまま体を浮かせて、床に落ちた。
男は、「うっ。」と声を上げ、右手をかばった。

それでも、男は起き上がり、ユキに向かっていく。
ユキは、男の左手をとり、くいっとひねった。
それだけで、男の体は、くるると宙を回り、再びコンクリートの床に落ちた。
ここで、男の両腕が折れた。
「ううっ。」と男は両腕を守るようにうずくまった。

男は、両手を使えず、がむしゃらに、ユキに、頭突きや体当たりをかました。
ユキは、美しい姿勢のまま、大男を、手玉に取るように投げた。
10回ほど飛ばされたとき、男は座り込み、荒い息をついた。
ユキは、息一つ乱していない。

男の闘志が、どんどん引いていくのが分かった。
その内、男の顔は、狼男から、普通の穏やかな顔に変わった。

「はっ。」と男は、我に返った。
それと同時に、全身の痛みに、身もだえを始めた。
ユキは、
「警察の方、もうこの人は、あばれません。
 手錠をかけ、救急車に運んでください。
 私は、しかたなく左右の腕の骨を折りましたから。」
と言った。

男が手錠をかけられ、救急車で運ばれると、
学童クラブで1年生の女の子のように可愛い男の子が、走って来た。
「お母さん。見てたよ。お母さん、やっぱり、ぼくより強いね。」
と、スカートに抱き付いた。
「あの、高木啓太くんのお母さんですか。」
と若い女性教員が来た。
「あ、近藤先生、どうも。とんだ、おてんばをお見せしちゃって。」
ユキはにっこりと頭を下げた。


男が運ばれた後、先生や職員から、大きな拍手をもらった。
ユキは、女の先生たちから質問攻めにあった。
署長が来た。
「さっきのは何の武道ですか。」
「合気流だよ。」とユキの代わりに啓太が言った。
「我が署には、合気流の同好会があります。皆強いのですが、
 恐らく、あなたほど強い人はいません。お暇があったら、教えに来てくれませんか。」
「いえいえ、警察の方へ教えるだなんてそんな。」
とユキは顔の前で手を振った。

みんなから、すごい拍手をもらって、ユキは啓太と背中のミミといっしょに外に出た。
夕暮れの風が気持ちよかった。
「ねえ、お母さん、ぼくより強いのに、何で白帯なの。」啓太は聞いた。
「啓太だって、3級なのに4段の人に勝つでしょう。
 白帯で強い人に勝つと、カッコイイじゃない。」
ユキはそう言った。
「うん。気持ち分かるよ。」と啓太が言って、二人で笑った。

その日の夕食。
啓太は、母の自慢をたっぷり父の公平にした。
「なんだ、啓太は、ママがてっきり自分だけのものみたいだな。」
と公平は笑った。
「ミミが大きくなるまで、ママはぼくだけのものだよ。
 たまには、パパのものにしてあげるけど。」
と啓太は言った。
「そうか、啓太のライバルはミミだね。」
「う~ん。ずっと赤ん坊でいて欲しいよ。」
啓太がそう言ったので、みんなで笑った。

ユキは、学校から感謝状をもらった。
そして、警察署からも感謝状をもらった。
その時、署長の森岡雄介は、
「高木さんの合気流を、是非、我が署の合気流のメンバーに見せたいのです。
 あの大男を、女性が投げ飛ばした。そこに私は、合気流の神髄をみました。
 我が署の合気流のメンバーもかなりなものです。
 その彼らも、高木さんに及ばないと見ました。
 失礼ですが、段をお持ちですか?」と言った。

「段も級も持たず、無段無級です。」とユキは答えた。
「きっと何かのお考えがあってのことでしょう。
 どうですか、明日の6時ごろ、道着を持って来てくださいませんか。
 その間、赤ちゃんは、私が見ます。」
ユキは、それほどまでに言われて、OKをした。

その日、合気流同好会のリーダー、8段の今野英吉が所長に呼ばれた。
「すごい女性を私は、この目で見たのだよ。
 君の8段がどれほどのものかは、知っているつもりだ。
 だがその君でも、彼女に学ぶところがあると見た。
 1日だけでいい。彼女と立ち会ってみないかね。」
署長は言った。
今野は、困った顔をした。
自分は8段だ。自分より強い人が、そうそういるとも思えない。
しかも、女性だ。よくて3段だろう。
しかし、今野は、1日ならばと、OKをした。

勤務が終わり、今野は、道場でメンバーに話をした。
「こちらが勝ってしまったら、署長の顔をつぶすだろう。」と6段の古川が言った。
「かといって、わざと負けるのは、その女性に失礼だ。」同じく6段の小池が言った。
「その人は3段くらいなんでしょう。自分は4段で近いので立ち会ってみたいです。」
28歳の川田が言った。
「自分も、川田に同感です。女性には、女性なりの強さがあると思います。」
同じく28歳の米田が言った。

合気流の段位取得のむずかしさは、山に例えると、
初段から6段までは、なだらかな麓を上るがごとしである。
やっただけ、前に進める。
だが、7段へは、山が絶壁になる。1段上るのは容易ではない。
みんな、7段に至れず挫折する。
その7段から、8段まで、這いあがったのが今野英吉である。
海外に新しい道場を設立することができるレベルだ。
レスラーやフットボールの選手が来たとき、彼らを畳に沈めるだけの実力だ。
だから、今野8段と6段の二人との力の差は、雲泥である。
8段から9段へ行けるのは、ある一握りの才能に恵まれた者である。
10段とは、山の頂上にかかる雲の上である。
達人であり、全てを極めたものである。
8段と10段の違いと、8段と6段の違いとは、比べものにならない。

5人の話し合いは、こちらがいくら勝ってもよし。
全力で向かう、手加減は失礼…ということだった。

次の日、警察署へ6時に行くため、
ユキは、家で白の上着、そして、白袴に白帯に着替えた。
ミミを負ぶって、その格好で平気で外に出た。
学校へ啓太を迎えに行く。
バスに乗って、警察署の所長室に啓太と行った。

署長の森岡は、ユキの姿を見て、
「おお、素敵ですな。凛とした風格を感じます。」
そう嬉しそうに言って、ユキを合気流の道場に案内した。

メンバーの5人は、すでに柔軟体操を終えて、正座をしていた。
署長、啓太とユキは、道場の隅に固まり、
ユキは、ミミを署長に預けた。
「ぼくだって平気だよ。」
啓太がそう言ったので、ユキは、ミミを啓太に移した。

ユキは、前髪はそのままに、肩までの髪を後ろでゴムで縛った。

「遠慮はいらない。この人は、思い切りぶつかっても大丈夫だ。」
署長が言った。
ユキは、5人に対して、畳の上に正座し、
「高木ユキです。無段、無級です。
どうぞよろしくお願いいたします。」と礼をした。
メンバー側も、一人一人名と段を名乗って礼をした。

第1試合は、4段の米田三郎だった。

みんなは緊張して見ていた。
この試合で、高木ユキの実力がわかる。


■次回予告■
相手は、次々と進み、とうとう8段今野英吉との対戦となります。


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Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
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