IS 看護師 江崎裕美⑩「弘美、新しい門出」最終回

最終回です。ここまで、読んでくださり、ありがとうございました。
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<11話>「裕美、新しい門出」最終回


裕美は、診断を受けた日の夕方、
外科部長の、高坂美由紀を訪ねた。
そして、近藤医師の診断書を見せた。
高坂は、うなずいた。
「そうね。江崎さんは女性に見えるし、
 女性として社会生活を送るのがいいと、私も思います。
 ナース服2セットとナースキャップを、今日渡します。
 明日は、その服装で来てください。
 そして、朝、みんなに説明しましょう。
 更衣室ですが、朝だけは、私の研究室を使ってください。
 説明の後からは、女子の更衣室とトイレを使ってください。」
高坂は、そう言った。
裕美は、「いよいよかあ。」と思った。

その夕方。裕美は美容院に行った。
前髪が頭の上から斜めに降りるスタイルにして、
横の髪にゆるいカールを入れた。
全体にとてもスタイリッシュな、女性的な髪型になった。

家に帰って、ナース服と、ナースキャップをかぶり、
美紀にメイクをしてもらった。
すると、裕美は、予想以上に可愛くなった。
「お兄ちゃん、あたし以上に美形だね。」
と美人の美紀は言った。
父母は、それを見て、拍手をした。
「弘美は、女の方がいいな。もう、外で嫌な思いをしないで済む。」
「女子トイレに入って、変な顔されないかなあ。」と裕美。
「完全に大丈夫よ。今まで、それで、男子トイレに入っていたんでしょう。
 可哀相なことしたわ。」
と美佐江。
「うん。女子はあっちだよ、って何回言われたかわからないけど、
これから、女子へ行くんだから平気だよね。」と裕美は言った。
「うん。平気、平気。」と美紀が言った。

翌日、裕美は、外科部長の高坂美由紀の部屋に行った。
看護師長の沙月がいて、そこでナース服に着替えた。
ナースキャップも着けた。
メイクはまだ下手だったので、ピンクの口紅だけ、薄く引いた。

高坂と裕美は、朝の会に行った。
高坂の隣にいるのが、江崎裕美だとわかって、
みんな興奮して拍手をした。
高坂が、一応の説明をした。
「そう言う訳で、江崎さんの更衣室やトイレは、女子の扱いとなりますが、
 みなさんいいですか。」
「はい。江崎さんは、誰がどう見ても女子ですから、その方がいいです。」
と女子の看護師は言った。
男子看護師の久保田は、
「今まで、江崎さんといっしょに着替えるの、恥かしかったですから、
 女子の方で着替えるの、大賛成です。」と言った。
みんなにこにこしながら、大きな拍手をした。

朝会の後、みんなは、裕美の周りに集まり、
「可愛い。」
「たまらない。」
「やっぱり、女子服がいいわ。」
「リップだけで、完全に女の子よ。」
などど、言葉をかけた。
裕美は、安心した。

その後、病室の方でも、会う人ごとに言われた。
「あ、ナース服にしたんですか。すごく可愛いです。」
「その方が、ずっと似合いますよ。」
「今まで、どうして女子服にしなかったんですか。」
と、質問をたくさんもらった。

裕美にとって、とても幸せな一日だった。

帰りは、安田絵里と一緒に帰った。
裕美は、美紀に借りた水色のギンガムのワンピースと、
小さいバッグをたすきにかけていた。
絵里は、白いブラウスに赤いスカート。カーデガンという服装だった。

二人は、落ち着く喫茶店に入った。
「裕美、部長先生が、性同一性障害って言ってたけど、
 裕美の場合MtFよね。
 つまり、心は女子、体は男子が普通よね。
 でも、裕美は、心が男子、体は、女子よね。
 そこのところ、ジェンダー科の先生どうおっしゃったの。」と絵里は言った。
「うん。心理テストをやったら、ぼくの心は、半分女子なんだって。
 それで、体は、男の部分が残っているから、体は男子。
 だから、心は女子、体は、男子であるMtFなんだって。
 ぼくね、恋愛対象は、女の子なんですがって聞いたの。
 そしたら、恋愛対象は、GIDの判定基準にないんだって。」

「ふーん。結婚については、何か言われた。」
「ぼくの戸籍は男子だから、女性と結婚する分には、なんの問題もないって。」
「そうよね。」
「でも、理解ある女性と出会わないといけないって。」
「もう、出会っているじゃない。あたしよ。」絵里は言った。
「絵里は、ぼくと結婚まで、考えてくれてるの。」
「もちろんよ。言ったじゃない。あたし、女の子みたいな男の子好きだって。
 だから、裕美は理想の相手なの。」

「ありがとう。家の家族は、そんな女の子がいてくれたら、大歓迎だけど、
 絵里のご家族は、ぼくなんか見ると、大反対でしょう。
 ぼくは、精子が少ないから赤ちゃんを作るの、大変だって。」
「知ってる。そのくらい研究したの。
 人工授精なら、成功する可能性大よ。
 それに、私の家族は、父とあたしと、二人家族なの。
 ふたり、離れて暮らしてる。
 父なら、絶対反対しない。イラストレーターだし。」

「イラストレーターだからって、賛成してくれるの?」
裕美の言葉に、絵里はくすっと笑った。
「父は、偏見の少ない人だから、反対しないと思う。
 一度、父の家に行ってみよう。」
「うん。」裕美は首を傾げながら言った。

8日後に、裕美と絵里が、二人共休日の日があった。
絵里は、裕美を父の家に招待した。
電車で2時間の街だった。
絵里の父の家は、明るくモダンな1軒家だった。
やっぱり、イラストレーターの家だなと、裕美は思った。

裕美は、光沢のある水色のワンピースに、白いカーデガンを着ていた。
家に近づくと、家の前に、すらりとした髪の長い女性が立っていた。
ミディ丈のインド綿のスカートに、淡い草色のブラウス、
そして、メッシュの長いベストを着ていた。
その女性を見て、
「ママー。」と絵里は呼んだ。
「お母さんなの?」と裕美は聞いた。
「うん。」と絵里。

「待てなかったのよ。裕美さんに会いたくて。」
絵里のママはそう言った。
そして、ママは、裕美を見た。
「まあ、裕美さんね。可愛い方だわ。思ったよりずっと可愛い。」
ママはにこにこしながらそう言った。
裕美は、裕美を見るために、離婚したお母さんも来たのだと思った。

中は、ステキなインテリアの部屋だった。
ソファーに案内され、
「コーヒーでいい?」と聞かれた。
「はい。」裕美は言った。

3人は、コーヒーを飲みながら、
「弘美さん、あたしがお二人のこと、反対しない訳が、もうわかったかしら?」
とママが言った。肝心のお父さんは、どこにいるのか?
「あ、まだ、わかりませんが。」と裕美は言った。
「あたしが、絵里の父である玲奈です。玲奈は、女性名ですけどね。」
玲奈は、少しお道化た表情で言った。
「わあ~、じゃあ、絵里さんのお父さんとは、ママである玲奈さんなのですか。」
裕美は、目を大きく開けて、玲奈を見た。
玲奈は、若く見え、30歳そこそこに見えた。

「そうなの。絵里のママは、絵里が小さいとき亡くなったの。
 妻は衣装もちでね、たくさんの服を残していったの。
 それもったいないでしょう。だから、あたしが着ようと思ったの。」
玲奈は言った。
絵里はすぐに言った。
「それ、全部ウソ。玲奈は、根っからの女装子なの。
 ママの残した服が着たかっただけなの。」
絵里は、父のことを「玲奈」とも呼ぶらしい。
「弘美さん、女装子ってわかる?」と玲奈。
「あ、わかります。私が自分の女の子の体に耐えられたのは、
 私が女装子だったからです。」
「あたし達、女装子で、よかったわね。」と玲奈はにっこりした。
「はい。今幸せです。」
3人で、笑った。

「絵里は、あたしの影響を受けたようなの。
 小さいときから、女の子のような男の子が好きだったの。
 着せ替えごっこで、男の子を女の子にするのが大好きな子だったのよ。
 裕美さんは、絵里が見つけた最高の男の子。
 絵里の裕美さんへの気持ちに偽りはないわ。
 二人が結ばれたら、あたしも最高に幸せです。」
玲奈は幸せそうにそう言った。
裕美は、絵里の父・玲奈を見て、心から安心した。

絵里も裕美の家に行った。
絵里は、大歓迎された。
絵里のように理解してくれる女性がいたことに、
父も母も、美紀も泣いて喜んだ。
絵里は、自分の父のことを語り、
裕美のような人を、探し続けて来たことを話した。
そうして、裕美の両親を安心させた。

9月の末、ナースステーションの皆にとって、嬉しい発表があった。
外科部長の高坂美由紀は、二人の名を呼んだ。
湯川吾郎と篠田沙月が、前に出た。
高坂は、言った。
「本日は、大安ですので発表いたします。
 湯川吾郎さんと篠田沙月さんが、結婚されることになりました。」
みんなが、顔を見合いながら、大歓声を上げた。
「いいなあ、湯川さん、篠原さんだなんて、上手くやったな。」
「湯川さんは、あたしが狙っていたのに、もうだめか。」早苗と美奈がそう言った。
温かい野次がたくさん飛んだ。

高坂は続けた。
「私達は、病院勤めですので、この病棟を不在にするわけにはいきません。
 そこで、式だけはご親戚だけで行い、
 その後、回に分けて、祝う会をしたいとのことです。
 尚、式の後新婚旅行として5日、お二人は不在になります。
 皆様、その点、よろしくお願いします。」
高坂の言葉のあと拍手があった。

湯川があいさつをした。
「不在の間、よろしくお願いいたします。
 私は、2年と少し前、篠田さんに会って、一目惚れをしましたが、
 2年余り、全く私的なことで、口を利くことも出来ませんでした。
 それが、ほんとにふとしたきっかけで、お話ができ、
 互いに思いを伝えることができました。
 沙月さんと、冗談に笑ったことがあります。
 この病棟に、キューピッドがいるねって。
 それが、人なのか、物なのかわかりませんが、
 未婚の方。キューピッドのいるうちに、願いを叶えられますよう、
 祈っています。」
拍手があった。

次に沙月が言った。
「不在をします。よろしくお願いいたします。
 私にとって、キューピッドは、1枚のチョコレートでした。
 湯川さんに、その一枚を差し上げたことで、
 自分の気持ちを伝えることができました。
 でも、もう一人のキューピッドさんがいてくれたと、
 私は、思っています。
 誰なのかは内緒ですが、私はその方に、心の中で大きな感謝しています。
 みなさんも、その方に、愛の矢を放ってもらってくださいね。」
沙月は、礼をした。
みんなの大きな拍手があった。

方々で、ひそひそ話が始まった。
早苗と美奈も、その一組。
「ふーん、キューピッドがいるのね。」
「誰かしら。」
「キューピッドのイメージは、○○ちゃんしかいないわよ。」
「でも、どうやって矢を射たの?」
と首を傾げた。

絵里が裕美のそばにきた。
「あたし、知ってるわよ。誰がキューピッドか。」
「私も大体知ってる。」
絵里はにこっと笑った。
「あたし達も、キューピッドさんが矢を射ってくれたのね。」
「そうだね。ここに来た初日に、射ってくれたんだね。」
「来月は、あたし達の番ね。」
「うん。楽しみだね。」
二人は、そう言って、うふふと肩をすぼめた。


■次回予告■
まだ、アイデアが浮かびません。
何か、書けたら書きます。


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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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