電話で女性に間違えられた

電話で女性に間違えられた

※これは、「自慢話」のつもりでは、少しもありません。

前に一度書いた話ですが、一昨日もありましたので、今までのことを書きます。
若いときは、除外します。
私が、50歳を過ぎてから、電話で、女性に間違われたことが、3回あります。

1回目は、進学教室の男性からでした。
「もしもし。」と私。
「○○進学教室ですが、お母様でいらっしゃいますか。」
その時、家族は、留守でした。
『もしもし』と言った声が、女の声に聞こえたのでしょうか。
もう少し話してみようと思いました。
(私は、決して女っぽく話したのではありません。)

「はい。そうです。」
「息子さん、高校受験だと思います。
 そこで、当進学教室のご案内を差し上げたくて、お電話しております。」

私は、50歳を過ぎて、声が女に間違えられたことが、
うれしいような、嘆かわしいやら、複雑な気持ちでした。
しかし、もう少し話してみたかったのです。

結局彼と10分ほど話し、電話を切りました。
私は、30歳代のときは、電話で、二人に一人は、女性と間違われましたが、
40代を過ぎて、50歳代になると、さすがに男性の声として通りました。
それが・・・。

男性というのは、男性の声を、女性の声と聞き違えることがあるのかと思いました。
なぜなら、男性は、女性と話したいという心理があるからです。

それが、今度は、若い女性からかかってきました。
そのときも、家族は留守でした。
「もしもし。」
「はい。こちらは○○銀行の笠井と申しますが、
 いつも、お世話になっております。
 あの、ご主人様いらっしゃいますか。」
私に悪戯心が走りました。
「今、出ていますが。」
「では、奥様にご説明させていただいてよろしいでしょうか。」
「はい、どうぞ。」
・・・・・・・・
・・・・・。
「では、主人が帰りましたら、伝えておきます。」
「よろしくお願いいたします。」

と、こんな感じでした。
若い女性でも、間違えるのかあと、私は思いました。

3回目は、つい一昨日のことです。
妻の通っている絵画教室の人から。
年配で、70歳近い女性からです。
私も知っている人でした。
「もしもし。」
「はい。」
「遠藤です。」
「ああ、どうも。」
「明日の、会なんですが、私当番なのに、少し遅れるんです。
 それまで、お一人で当番をしてくださいますか。」
「はい、何でもありません。」
「すいません。よろしくお願いします。」
「わかりました。」

と、この方は、最後まで、妻と話していたつもりであるようでした。
私は、この年になっても、まだ、間違われることがあるのかと、思いました。

私は、現役の女装子ではありません。
だから、女性に間違われるのは、少し、当惑です。
多分ですが、私の「もしもし。」という声が、少しハイになっていて、
そこで、女性に間違われるのだと思います。
すると、その後、私が低い声で話しても、
ずーと女性だという先入観で、相手は、私を女性だと思ってしまう。

これからは、「もしもし」を低い声で言おうと思うのですが、
電話に出るときは、なぜか、声が高くなってしまいます。

ま、せめて、声くらいは女性に間違えてくれるのは、
私にとり、ちょっとうれしいことなのですが。

バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。




スポンサーサイト

なつかしのハリスさん

なつかしのハリスさん

どのくらい前でしょう。
私は、韓国のハリスさんが、世界で一番きれいなニューハーフさんだと思っていました。
(今は、タイのノンポーイさんが、世界1だと思っています。)
雑誌でハリスさんを見つけたとき、この人が元男性とは思えず、
心の中で、保留していました。

現在のハリスさんは知らないのですが、かつてのハリスさんを、
お借りした写真でご紹介します。(というより、ほとんどの方がご存知ですね。)

20050406_210463.jpg
この写真は、ヒップの大きさにびっくり。どこからどう見ても、
女性のプロポーションだと思いました。

10028045838_s.jpg
20050213133909.jpg
e0049895_23161434.jpg
あまりないセミ・ヌードの写真です。

d43ac054.jpg

harisu2.jpg
p.jpg

最後に、ニュ-ハーフのハリスさんが、生理用ナプキンのCMに出たという、洒落の利いたCMです。


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。






家族3人の会話「アメリカ全土で同性婚認められる」

家族3人の会話「アメリカ全土で同性婚認められる」


新聞を見ていた妻が、
妻「とうとう、アメリカ全土で、同性婚が認められたのね。」
娘「認められると、どういいの?
  事実婚で、養子縁組してるのと違うの。」
妻「それは、違うわよ。税金の配偶者控除だって認められるし、
  その他、一事が万事ちがってくるわよ。」
私「戸籍はどうなるんだろうね。女性二人の場合、
  『夫と妻?妻と妻?』」
娘「そうだね。どうなるんだろう。」
妻「『夫』という言葉に、『男性』を意味する要素があるかないかじゃない?」
娘「なるほど。お母さん、今日冴えてるね。」

私「あのさあ、南米のある国で、女装して外を歩くことが、
  最高裁で、無罪とされたんだって。」
娘「最高裁なの?そんなの無罪に決まってんじゃん。」
妻「何言ってるの。イスラム圏では、同性愛は、死罪なのよ。」
私「そうなの?じゃあ、女装の外出は、危ないね。」
妻「詳しく知らないけど、女性は外に行くとき、
  頭を黒い布を被って、顔は、鼻から下にベールじゃない。
  顔を、見せようものなら、大変らしいわよ。」
娘「じゃあ、目しか出してはいけないんだ。
  だったら、女装も何もないじゃない。」
私「そうでもないと思うよ。
  ベールで顔をかくした姿そのものが、女性の象徴なら、
  男がその姿をするだけで、女装になると思うけど。」
娘「アイメイクだけすればいいのか。」
妻「アイメイクなんて、とんでもないわよ。」
(3人笑う。)

私「女性の普段隠されているところを見ただけで、男は胸をドキドキさせるね。
  韓国のチマチョゴリは、女性の脚が完全に隠されている。
  あるとき、川で、チマチョゴリから足のふくらはぎまで出して、
  足を洗っている女性を、たまたま男が見てしまう。
  女は、『キャー。』と言って足を隠す。
  男は、『これは、失礼。』と言い、顔を赤くして後ろを向く。
  そんな場面があったよ。たかが、ひざから下のことなのに。」
娘「今なら、胸を見られた恥ずかしさってところだね。」

妻「女装と言えば、関ジャニの人たちが女装して、CMに出てるわよ。
  それが、けっこう可愛いのよ。」
私「そうなの?関ジャニは、紅白歌合戦でも、前に女装したよね。」
娘「お父さん、よく知ってるね。ほんの1コマだったよ。」
私「T(息子)に聞いたんだよ。あれ、だれ?って。
  関ジャニじゃない?って言ってた。」

娘「女装で女の子みたいになるの他にいっぱいいるよ。」
私「誰?」
娘「ジャニの手越祐也とか杉浦太陽とか。」
私「だれ?(本当は知っている。)」
娘「(スマホで、女装写真をすぐに出してくれる。)
  これらの子たち、みんな男の子だよ。」
私「わあ、ほんとなの?」
妻「わたしにも、見せて。まあ、女の子と変わらないわ。」

娘「それがねえ、前、お父さんが言ってたけど、
  完全に女の子になっちゃうと、女の子のファンは、引いちゃうのよ。」
妻「どういうこと?」
娘「手越くんなら、彼は、女装しても、話し方や仕草は男のまま。
  他の子も、声は、低い男のままとか、どこか男の部分を残している。
  そうしておいて、ときどき100%女の子になって見せる。
  すると、女の子は、『キャー。』って喜ぶわけ。」
妻「なんとなくわかるわ。」
私「女優の男装も同じかな。
  『花ざかりの君たちへ』で、男装した堀北真希を見たけど、
  どこか、女の子が残っていて、そこが、よかったりした。」
妻「松田かよさんや椿姫彩芽さんは、どうなの?」
娘「あの人たちは、初めから女の子として、あたし達の前に登場したの。
  だから、女装じゃなくて、女の子なわけで、みんな抵抗感じない。」

娘「お父さん、前に言ってたけど、男優は、
ちょっと女性的なところがある人の方が人気が出るって。」
私「100%男って人も人気出るよ。」
娘「例えば?」
私「上田寛。」
娘「女性的な要素のある男優は?」
私「佐藤健。」
娘「SMAPでは?」
私「キムタク。」
妻「アラシでは。」
私「櫻っぷ、松じゅん。」

娘「女優さんでは、男性的な要素が必要なのね。」
私「100%女性的な人も人気出るよ。」
娘「例えば?」
妻「あたしに言わせて。男性の要素有は、堀北真希さん。
  伊藤美咲さん、北川景子さん、中谷美紀さん。」
娘「100%女性は?」
妻「仲間由紀恵さん。宮崎あおいさん、えりか様。
  ああ、考えて行けばきりがないわ。」

娘「じゃあ、朝だから、この辺までだね。」
私「そうだね。」
妻「そうね。」

バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



初女装外出の思い出

初女装外出の思い出


私は、学生になったとき、待ちに待った「女装クラブ」に入会しました。
(高校生は、入会禁止だったのです。)
生まれて初めて本格的な女装をしてもらいましたが、
実は、あまり満足できませんでした。
美容師の方に申し訳ないのですが、メイクが濃すぎるし、ウィッグが、
私好みではありませんでした(年配の方用でした。)

私は、家族と住んでいてプライバシーがありませんでしたので、
思い切って3畳の月5000円の狭いアパートを内緒で借りました。
そこで、自分で思う女装をしました。
かつらは、一番安全と言えるボブヘアーを、買いました。
そこで、メイクや仕草など研究して、
ある夜、近所を少しだけ、歩いてみようと思いました。

ボブヘアーを被り、メイクを薄目にして、
A型のコールテンのワンピースを着ました。
膝上15センチくらいのミニでした。

暗いアパートの廊下を歩き、玄関で靴を履き、
外に出ました。
自分が女装しているだけで、周りが別世界のように感じました。
私は、アパートの周りを散歩しながら、だんだん欲が出て、
明りのついた商店街に行きました。
その途端、そこにいる人々の視線が、どっと私に集まっているように思いました。
私は、逃げるように、アパートに戻りました。

何がいけなかったんだろう・・と考えました。
1つに、メイクがまだ濃すぎるのだろうと思いました。
次に、ミニで、足が出ていることが、心もとなく、
いけなかったのだろうと反省しました。

その後、歩き方を研究し、二度目の外出を試みました。
そのときは、例のA型ワンピースの下に、ジーンズをはきました。
ズボンやジーンズは、女装の禁じ手なのですが、
上に、ワンピースを着ていればいいだろうと思いました。
メイクは、マスカラと薄いピンクのリップだけ。
ボブヘアーをよく整えて、外に出ました。

すると、あまり見られなかったのです。
私は、うれしくて、新宿まで行って、
奇抜な格好をしている人が集まる、
アートシアター系の劇場へ行こうと決めました。

ときが経つほど、私は開き直ってきました。
そうだ、自分は、「女の子だ。」と言い聞かし、
ジロジロ見られても、動揺はするまいと心に決めました。
それでも、慌てていたらしく、
地下鉄の階段の降り際で、転んでしまい、
バッグの中の化粧品が、ホームに散乱しました。

そのとき、ホームはすいていて、
一人いた男性が、化粧品を拾う手伝いをしてくれました。
「ありがとうございます。」
と私が言うと、
「いえいえ。お怪我はありませんか。」と言ってくれました。
「あ、はい、大丈夫です。」私は、言いました。
その方が、私の女装外出で、初めてお話しした方です。

私は、化粧品をバッグにしまい、少し歩くと、
ごみ箱の上に設置された鏡があって、自分をのぞいて見ました。
転んで、髪がぼざぼざになっていましたが、かえってそれがよかったのか、
一見して、自分が女の子に見えたのです。
「わあ!」と喜びが胸に広がりました。

新宿駅を降り、男女共用のトイレがある喫茶店を知っていましたので、
そこに入り、トイレを済ませて、気持ちを整え、
アートシアターに行きました。
その日は、お笑いの劇団の公演でした。
中は狭くて、みんな体育座りをして、ギューギュー詰めでした。
私は、左に女の子、右に男の人に挟まれて、劇を見ました。
おかしな心理で、私は、女の子と体をくっつけていても、
緊張はしなくて、右隣の男性には、すごく意識してしまいました。
これが、自分が女の子気分になっている証拠かなと思いました。

アートシアターから、無事に帰ってきました。
これが、私の、忘れられない初女装外出の思い出です。

そのアパートは、お金が続かず、2か月で出ました。
それから、女装クラブでは、自分でメイクをし、
自分のウィッグを使いました。
ですから、もうアパートの小部屋は、要りませんでした。


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。




男女の仕草のちがい

男女の仕草のちがい


一度、自叙伝の中で書いたのですが、男女の仕草の違いを書いてみます。
(これは、典型であって、こうしない人もたくさんいます。
 また、当たり前のことも書いてあります。そこは、大目に見てくださいませ。)

●空を見るとき
男・・・そのまま、顔を上げて見る。
女・・・ちょっと首をかしげて見る。
(お辞儀のときも同じで、女の子は、首を横に傾けてするようです。)

●爪を見るとき
男・・・手をパーにして、見る。
女・・・手を握って、手首を見る感じで見る。

●自分自身を差すとき
男・・・人差し指で、自分の顔の鼻を差す。
女・・・掌を、自分の胸に当てる。
    または、人差し指で、自分の胸を差す。

●足の裏を見るとき
男・・・片足の膝を外に出し、胡坐をかくようにして見る。
女・・・足を体の外に跳ね上げ、肩越しに見る。

●パンツを脱ぐとき
男・・・片足は普通に脱ぎ、次の脚は、膝を外に出し、胡坐をかくように脱ぐ。
女・・・片足は普通に脱ぎ、次の片足は、体の外にまげ、利き手で脱ぐ。

●セックスのときの脱いだ服
男・・・たたまない。
女・・・一つ一つ簡単にたたむ。

●煙草に火を点けるとき(今、煙草人口は少ないですが。)
男・・・煙草をくわえ、利き手でライターに火を点け、
    もう一方の手を風よけにして、火を点ける。
女・・・人差し指と中指で、煙草の根本を持ち、口に運ぶ。
    2本の指で、煙草を持ったまま火を点ける。

●走るとき
男・・・腕を曲げて、前後に力強く振って走る。
女・・・ひじを体側に着けて、前腕を、胸の前で、左右に振って走る。
(もちろん、男子のように豪快にはしる女子もいますが。)

●歩くとき
男・・・ややがに股で歩き、腕のヒジを外に向けて歩く。
女・・・太ももが触れ合うように歩き、ひじを体側に着けてあるく。
    手首が、やや前を向いている。

●笑うとき
男・・・そのまま笑う。
女・・・片手、または両手を口に当てて笑うことが多い。

●椅子に座るとき
男・・・そのまま座る
女・・・スカートが広がらないように、両手で、お尻を撫でるようにして座る。
    (ズボンやタイトスカートは、その必要がないのですが、
     つい癖で、お尻を撫でる女性がいます。男から見て、大変女らしさを感じる
     仕草だそうです。)

●その他、男はめったにしないが、女の子がよくやる仕草
・鼻の下に、指を曲げて、当てる。
 同じことを、小さなハンカチを手に握ってやる。
 (これは、女の子は、鼻の下に汗をかきやすいという説があります。)
・「そうなの、あたしもよ!」などと共感した時、話し相手の手や、腕を触る。
・驚いたとき、瞬きの回数が多い。


思い浮かぶまま、書きました。
女装したとき、女の子の典型的な仕草をすると、
より女らしく見えるのではないでしょうか。
ご参考になれば、うれしいです。


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



女装にまつわるエピソード

女装にまつわるエピソード


●T女子大、お父さんが、娘の替え玉受験。

これは、お父さんが替え玉になったという事件です。
20年ほど前、雑誌の記事で読みました。
T女子大の入学試験です。
その教室の担当教員は、少し違和感のある受験生を見つけました。
男性の女装ではないかと思えました。しかも、年令は50歳前後。
教員は、すぐに近くに行って、
受験生の机に置いてある受験票の写真をそっと確認しました。
すると、受験票の写真も、その人物と同じ。写真と本人が一致します。

教官は、他の教官も呼び、何気なくその受験生を観察したところ、
やっぱりおかしい・・ということになりました。
しかし、世の中には、体質異常で、年令より老けて見える人もいる。
大学は、慎重に慎重を期したそうです。

休憩時間に学部長に相談したところ、
本人にとりあえず受験させ、合格点に達していなければ、
落とせばいいと結論しました。
しかし、入試の終わった後、その生徒の答案を真っ先に調べてみると、
合格点に達していました。
そこで、大学は、その生徒の自宅に連絡し、
本人と保護者同伴で来てほしいと言いました。
本人と保護者が大学に来ました。
そのときは、もう観念していたのでしょう。
「受験をしたのは、どなたですか。」との学部長の質問に対し、
「はい、私がしました。」とお父さんは、頭を下げ、すぐに答えたそうです。

この事件の結末がどうなったのか、定かでないのですが、
合格点に達した受験者の不合格ということで終わったと記憶しています。

もし、告訴されたら、けっこう大きな処分が待っているそうです。
娘は、卒業留保、父親は、「有印私文書偽造」という罪だそうです。

娘は、高校でトップクラスの成績で、替え玉受験しなくても、
合格したのではないかと言われています。


●女装しての露出

冬の日。その電車に、黒いオーバーを来た女性が乗り込んできました。
メイクをしてかつらを被り、女装の人とは、思われなかったそうです。
そのオーバーの人物は、座っている女子高生の前の吊革につかまっていましたが、
やがて、オーバーを少し開いて、自分の下半身を女子高生に見せました。
つまり、男にしかないものを見せたのです。
女子高生は驚き、顔を真っ赤にしました。
そのとき、女子高生の隣に座っていた、サラリーマン風の男性が、
気配を察して、オーバーの主を捕まえ、外に出て、駅員に伝えました。
もちろん、オーバーの主は、逮捕されました。

●FtMさん、激怒。

その女性は、FtMであり、男性化治療を受けていました。
乳房は小さくなり、髭も少しあり、
一見なんとか男性に見えるところまで治療が進んでいました。
しかし、法的には、まだ女性でした。
その人が、あるデパートの女子トイレに入りました。
(FtMさんですから、当然男装です。)
すると、男性が女子トイレに入ったと、トイレ内にいた女性が、
通報してしまいました。
FtMさんが、個室から出て、トイレの外に出ると、
警官二人と通報した女性が待っていました。
「男性が女子トイレに入ったとの通報がありました。
 あなたの性別を証明するものがありますか。」
と警官が言いました。
彼女は、さっと、運転免許証を出しました。
「これは、失礼しました。」
と二人の警官と通報の女性は、平謝りに謝りました。

これで、解決だったのです。
ところが、もう一人の警官が、ここで余計なことを言ったのです。
「今後は、なるべく多目的トイレをお使いください。」
その言葉を聞いたFtMさんは、激怒しました。
「とんでもない人権侵害だ!
 法では、まだ、女である私に、
女子トイレに入るなという意味の言葉ですよ!」

彼女は、男性化するにつれて、実際多目的トイレを使っていたのですが、
他人から(しかも、警官という権力者から)そうせよと言われるのは、我慢ならなかったのです。

FtMさんと警察官は、警察署長のところまで行き、
彼女は、警官が言った言葉が、どれほどの人権侵害であるかを訴えました。
警察署長は、素直に、警官の言葉の非を認め、陳謝して解決を見ました。


本日は、このくらいにいたします。


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



女装の話題3つ・たけうち亜美さん

今回も、出典が分からないものが、たくさんあります。すいません。

●たけうち亜美さん
7たけうち亜美投稿用
http://nstimes.com/archives/6833.html

この方を、すでにご存じの方は、大勢いらっしゃると思います。
私この方のお写真は、ニューハーフ・ジャンルの中で、ずっと前から見ていましたが、
偽のニューハーフ(つまり女性)だろうと思っていました。
しかし、昨日Wikipediaで調べてみて、やっと、生まれは男子の方であることがわかり、感激しました。
言われてみれば、AKBのサシコさんのそっくりさんとして、動画を見たことがありました。
亜美さんの素敵な写真を、2つ。

3たけうち亜美

14b3c5fb_640.jpg

●女装して結婚詐欺
結婚詐欺 吉田りょう33
http://extremeagency.org/news/20130117/yoshida-ryou-gazo
男性なのに女装して、結婚詐欺をした人です。
現金50万円をだまし取ったとか。確かに、可愛い人ですが、
実際に会って話せば、男性とわかるような気がするのですが・・。

しかし、同じ女装結婚詐欺でも、中国のこの人は、なかなか、見破るのが難しそうです。
middle_1382514359.jpg

素顔は、こんな人です。
結婚詐欺犯人
すごい変身ですよね。きっと、女声で話せたのでしょう。
この人の写真に3枚の女性の写真がコラージュされていますが、みんなこの人の女装です。
もちろんこの人は、逮捕されました。
被害者は、今でも、「あの人」は女性だったと信じているとのことです。

●ああ・・・女性だったのか。
大好きな女装子さんが、女性だと分かったときほど、悲しいものはありません。
この方、「女性」とのことです。
8dd61e2f.jpg

可愛い妖精のような人ですよね。12~14歳くらいに見えます。
私の大好きな人でした。

754034ec.jpg

こんな風に男性のときの写真まであるんですよ。
男性のときの写真も、可愛くて、この妖精少女になれそうです。

でも、
90b357e7-s.jpg
これが、彼女で、名前もあり、上の男性とは、別人だったことが、証明されました。

残念なので、こちらをご覧ください。
rinrin5.jpgmiddle_1428912845.jpg
middle_1428912742.jpg

この方は、メイクは濃い目ですが、いかにも「少女」という感じで、
女性疑惑がかかっていました。
しかし、この方の、男性時の写真がありました。

小さい

お顔も似ているし、胸を見ると、確実に男性と分かります。
これで、めでたし、めでたしですね。
では、今回は、この辺で。

バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。







 


「アイコラ」ってなあに?

私は、「アイコラ」という言葉を、最近知りました。
これは、「アイドル・コラージュ」の略語で、
人気アイドルの顔と、裸の女性との体を合成したもので、
あたかも、その人気アイドルが裸体を見せているようにした写真です。

これは、フォトショやフォトレタッチなどを使えば、比較的簡単に作れるそうです。
昔、まだパソコンがないころも、このアイコラはありました。
当時の技術でどのように作ったのか、全く謎ですが、
継ぎ目など、ほとんどわからない完成度の高いものでした。

私は、今のアイコラを見て、少し興奮してしまったのですが、
私の好きな女優さんや歌手が、つぎつぎアイコラの餌食になって行くのを見るのは、
少し悲しいものがありました。
アイコラによって、その女優さんが、侮辱されているような、
希少価値が下がっていくような気がしました。
(しかし、アイコラに、それほどの影響力があるとは思えませんが。)

どんな、アイコラを私は、心密かに願っているかは、
恥かしくて言えませんが、
アイコラに抵抗を覚えながら、ときどき、少しだけ見に行っている私は、
アイコラを批判できた立場じゃありませんね。

多く語ると、ボロがでそうです。
それでは、今日は、この辺で。


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。






ダッチワイフの完成度にビックリ!

ダッチワイフ小

これが、ダッチワイフだなんて、一瞬目を疑いました。

もっとご覧になる方←ここをクリックしてください。

上のサイトに行ってみて、ダッチワイフの完成度の高さを知りました。
見る限りでは、90%以上、本物の女性に近づいていると思いました。

こうなると、女装子さん向けに、Pのあるダッチワイフができるのは、時間の問題ですね。

これに、声が出るようになったら、限りなく人間に近くなります。

人工の声と言えば、20年ほど前、東芝が技術を結集して作った、
「キヨコ」と呼ばれる、世界最高と言われた人工ヴォイスがありました。
キヨコがナレーションをする声を聞きましたが、
わずかに京都なまり(あえてそうしてあった)があって、肉声にかなり近づいたもので、
驚いたのを覚えています。

それれが、今や、初音ミクのようなボーカロイドができて、
肉声に近いどころか、歌まで歌うという高い技術にいたりました。

未来のダッチワイフとして、こちらの言葉に対して、適切な言葉を発する、
対話型のものができる気がします。

しかし、私たち女装子は、いくら高度なダッチワイフができても、
やっぱり人間には遥かにかなわないと思うのではないでしょうか。

私、個人の意見では、女装の醍醐味は、「変身」であると思いますので、
男の子が、どれだけ女の子に変身するかというのが、中心的なことです。

ま、しかし、女装子向けの、変身ダッチワイフができるかも知れませんね。
可愛い男の子のダッチワイフに、女装させ、メイクして、ウィッグを着けて、女の子の服を着せて、
女の子にする。
昔の着せ替えごっこです。
これなら、楽しめるかも知れません。
女装させるにしたがい、声も女声になっていく。
これなら、萌えますね。

しかし、他の物を女装させるより、自分が女装するのが一番ですから、
女装子向け高性能ダッチワイフは、あまり売れないかも知れませんね。


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



ゲイ、レズ、女装子のタイプ分け

ゲイ、レズ、女装子のタイプ分け

ゲイ、レズビアン、女装子のタイプ分けを私の知る限りでしてみました。
(思い込み、間違いが、多々あると思います。そこは、お許しくださいませ。)
尚、GIDの人は、この分類に入れていません。

●ゲイ
・普通の男性と普通の男性。
 町で見かければ、ふつうの男性。
 この二人が結ばれている場合です。
 どちらがタチ(男役)かネコ(女役)かが決まっている場合と、
 交代でする場合もあります。
 ネコの人は、セックスのときだけ、女言葉を使う人もいます。
・少年愛。
 若い男の子を特に愛する人。兄貴と弟の関係です。
 美少年が、セックスのとき、女言葉を使うかと言うと、
 そんなことはないようです。(女装子の私としては残念。)
・ハードゲイ
 黒い皮のバイク乗りのようなスタイルで、金具を着けたり、
 独特のスタイルが決まっています。
 筋肉がついていることを強調して、肌見せをしています。
 ハードゲイ同士でセックスします。
・オネエと一般的男性。
 オネエとは、女装はしていないけれど、
日常的に、女言葉を使い、女の仕草をする人。
昔は、着流しに角帯の人が多かったのですが、
この頃は、男装でいたり、女装でいたりするようです。
オネエ同士でセックスをすることは、あまりなくて、
相手は、イケメンの男性であるようです。

●レズビアン
・ふうつの女性とふつうの女性
 全くノーマルな女性ですが、女性同士で愛し合います。
タチとネコが決まっていないことも多いそうです。
小説によくある「お姉様」という呼び方は、
さほど、一般的ではないようです。
ウエディングドレスを着ての同性婚などは、この型ですね。

・ボーイッシュとふつうの女性
 ボーイッシュな女性が、タチ役でしょう。
 ボーイッシュな女性は、メイクなどあまりせず、ズボンを履き、
 日常も、男子のように生活していることも多いようです。

・男装の麗人とふつうの女性。
 男装の麗人と言っても、宝塚の男役のようではなく、
 男性の髪型に、背広にネクタイなどしていることが多く、
 男に見えるメイクなども、嫌われているようです。
 女の象徴であるブラジャーなどは、まっぴら、
 下着から、男物を着ています。
 乳房をどう隠すかが、大事なところで、
 ブラやナベシャツを使わないで、男の胸に見せることが、
 かっこいいそうです。

・V系
 ビジュアル系の人たちで、スタイリッシュな髪型、メイクで、
 男役は、なんとなく男に近く、女役の人は、女性のメイク。
 タチの人は、男言葉と女言葉を織り交ぜ、
 たまに使う男言葉が、かっこよく聞こえたりするようです。

●女装子
・クロスドレッサー(男の娘)
「遊びで女装しているだけだよ。」という気分で、女装している人。
 女装で、心も女になるという気持ちはあまりなくて、
 自分を「ぼく」と呼んだり、体毛などもあまり気にしなかったり。
 ホルモンや豊胸をする人は、稀です。
 AV界では、体の加工をしていない人を、男の娘と呼んでいるようです。

・女装子
 一般に女装をしている人をみんなひっくるめた総称だと思います。
 多くの人は、女装することで、性的な興奮が訪れ、セックスは、女性とも、
 女装子同士でも、男性とでもできるようです。
 ただし、男性に恋愛することは、稀で、あくまで、
自分を女として感じさせてくれる対象としての男性です。
女装したときは、心も女に近づき、女子の仕草、言葉遣いをすることに、
 快感を感じる人が多いようです。
 しかし、自我はほとんど男性です。

・AG=自己女性化愛好症
 最近の言葉です。
 自分の体が女性化していくことに喜びを感じる人たちです。
 MtFさんは、性自認が女性ですが、AGの人は、ほぼ男性です。
 女装子の人の多くは、この願望を持っていると思われますが、
 女性化への強い願望を持っている人を、特にAGというのだと思います。

・ニューハーフー
 プロの女装子さんのことで、これは、職業名だと言う方もいます。
 プロとしてやっていく限り、体に何らかの加工をしている人がほとんどで、
 そこが、男の娘との大きな違いだと思います。
 また、どれだけ体の加工をしていても、お店で接客業をしていない人は、
 ニューハーフと呼ばないのだと思います。


以上です。あくまで、私自身の理解ですので、
それは、違うというところは、お許しください。


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



2つの長編を書き終えて

2つの長編を書き終えて


昨日で、2つの長編、「江戸町遊び人油川京之介」と「モグリ女装美容室」を
書き終えました。
私は、この1年くらい、長編を書けなくなったことを、残念に思ってきましたので、
2つの長編を書けたことを、自分では、とても喜んでいます。

それぞれ、困難がありました。
「京之介」の方は、エピソードはたくさんあったのですが、
それをどう繋げていいか、わからず、途中でとん挫してしまいました。
時代は、江戸時代なので、クリアできないことがいくつかありました。
例えば、彩芽と婆様は、京都にいたのですが、
仇討ご禁制の折、通行手形など出ません。
どうやって、江戸まで来させるかという難題がありました。
女子と祖母とでは、当時の脱藩の武士のように、
関所をかわして、江戸へ来ることなど無理です。

そのとき、当時、旅芸人の一座は、通行手形を持っていたのだろうかと疑問に思い、
調べました。すると、彼らは「芸人」たることを証明できれば、
関所を通過できたことを知りました。
こうして、難題が解決しました。

二つ目の難題は、御前試合で彩芽とトメに仇討をさせたいが、
面の1つと言えど、それが叶っても、どう許されるようにするか、
それが、頭の痛いところでした。
やはり、「父・木下新八郎の仇、お覚悟!」と彩芽に言わせたかったのです。
すると、仇討であると知られる、当然只では済まされない。
悩みに悩んで、松下城主名君実篤が、二人を救うというということを思いつきました。

私は、セックス場面を書くのと同じくらい、アクション場面を書くのが好きです。
ですから、京之介の立ち回りをうきうきしながら考えました。

とくに、京之介が、初めて天才を見せるゴロツキ4人との対戦。
これを考えているとき、心が躍りました。
それから、門前町での千葉重三郎との立ち合い。
そして、御前試合での、小杉大吾との試合、千葉重三郎との2度目の試合。
これらを考えることは、とても楽しかったです。

さて、「モグリ女装美容室」ですが、もう何でもOKの美容室ですよね。
戸籍も変えることができたり、若くなる薬もある。
私自身、その仕組みなど、全く考えていません。

初めは、3話完結くらいで、幸一の「身体改造」、
たまたま、待合で一緒だったルルとのセックス。
レナは、ケーキ屋さんの売り子として夢を叶える。
そのくらいしか考えていませんでした。
しかし、高校生になるなら、高校生活にも触れないとまずい。
幸一の元妻、圭子が、全く出て来ないのはまずい。
レナの将来的な職業も書くべきだ。

レナのいろいろなアルバイトを書こうと思いましたが、それを割愛し、
みんなが、どう落ち着くかを書くことにしました。
こうして、気が付くと10話を超えていました。

こちらの話しは、ずるずると長くなったという感じです。

でも、長編が書けたことには、変りがありませんので、
私自身は、喜んでいます。

二つの長編を両方読んでくださった方には、スペシャル感謝をいたします。
少し休んで、また、長編に挑戦したいと思います。

ありがとうございました。

(※長編を連載しますと、必ず、ランキングが下がるんです。
  いつか、ランキングの下がらない、おもしろいお話を書くことが夢です。)

バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



モグリ女装美容室⑪「圭子の訪問」最終回・後編

3話くらいで終わるつもりが、11話まで書いてしまいました。
お付き合いしてくださった方々、ありがとうございました。
======================================  

モグリ女装美容室⑪「圭子の訪問」最終回・後編


レナが務める「GHプログラミング」社は、
実力さえあれば、楽園だった。
レナは、仕事が楽しくてたまらなかった。
若さの故か、幸一であったときより、すいすいと仕事ができる。
記号を速く読める、キーを速く打てる。
頭の回転が良くなっている。
みんな、1.2倍ほど、向上していた。
もちろん、社内では、ピカ1の実力である。

午後5時に帰るというパート扱いにしてもらったことに、
特別な理由はなかった。
5時からの生活を満喫したかっただけである。

レナは、人間離れしたプロポーションであったが、
好んで着ているのは、森ガール的なルーズな服だった。
せっかく女になったのだからと、ズボンは履かなかった。
やっぱり、スカートが好きだ。

その夜に、2人の訪問者があった。
一人は、ルル。夜の7時ころやってきた。
ルルは、薬剤師であり、大学に6年間も通ったのに、
また大学に通っていた。
キャンパスの雰囲気が好きなんだという。

その夜、ルルは、白のブラウスに赤のスカート。
そして、クリーム色のカーデガン。
いかにも学生風の格好でやって来た。
レナは、ダイアル2の標準レナになった。
「レナ、あたし、女になった。」
と会うなりルルは言った。
レナは、紅茶を出しながら、
「うそ!」と言った。
「ほんと。」
「だって、ルナは、アレがない女には、絶対萌えないタイプじゃない。」

「それが、2年も、女をやったでしょ。
 だんだん、本物になりたくなってきちゃったの。
「わかった。大学で、彼ができちゃったのね。」
「ピンポーン!」
「え?男の子を好きになれるもの?」レナは驚いて聞いた。
「初めはね、男の子といると、自分がより女に感じられて、
 それが、たまらなくうれしかったの。
 そして、キスをして、抱きしめられると、もっと女だって感じたの。」
「そこまでは、よくわかるわ。」

「全部、女装子としての喜びだったんだけど、あるとき、気持ちが逆転したの。
 彼の体を受け入れたいって気持ちがしちゃったの。」
「つまり、彼を愛しちゃったのね。」
「ま、そう。」
「あたしは、多分無理。男を愛せない。女なら昔から愛せるけど。
 でも、女になるには、2300年タウンに行かなければならないんでしょう?」

「うん。恐ろしいところだからって、モグリ美容室のトムちゃんが、付き添ってくれたの。
 ロボットのアームが10本くらい伸びて来て、痛みもなしに30分で終わったわ。」
「ふーん。ここでは、性別適合手術は、大変なのに。」
「2300タウンでは、男にも、女にも簡単になれるから、
 性別なんてあまり意味がないの。
 ほとんどの人が若者で、みんな美男美女。
 いつでも若くなれるから、死ぬ人はほとんどいない。
 病気も、大怪我もみんな治ってしまう。
 やっぱり、恐ろしい街だわ。
 ここなら、美貌やスタイルの良さを評価してくれる。
 あたし、レトロタウンができたことの意味が、一層わかったわ。」
「そうね。とにかくおめでとう。お幸せにね。」
「うん。」
ルルは、紅茶を飲んで、すぐ帰ってしまった。

ルルが帰ったので、レナは、ダイアル1、幸一の自我になった。
これが、自分として、一番楽だった。
ボーイッシュなのも、自分として、心地よかった。

8時ごろ、雨が降り始めた。
それが、9時近くになると大雨になった。
そのとき、インターフォンが鳴った。
「どなたですか?」と聞くと、
「圭子です。」という。
レナが、急いでドアを開けると、
大き目なバッグを下げ、雨にずぶぬれになった圭子が立っていた。
「圭子さん。雨の中を歩いてらしたの?」レナは言った。
「ええ。他に行くところがなくて、ここに来てしまったんです。」
レナは、急いで圭子を中に入れ、バスに入るように言った。
湯上り用のバスローブを棚に置いた。

バスから上がって来た圭子に、
「圭子さん。この部屋、圭子さんがいたときのままよ。
 好きなお洋服を着てください。」とレナは言った。
圭子が入ってみると、何もかも、箪笥の中まで、
この家を出て行った時のままだった。
セレブに憧れる前の服の数々だった。

圭子は、懐かしさとうれしさに、涙が出そうになった。
レナに聞いた。
「どうして、あたしの部屋を、手つかずに置いておいてくれたのかしら。」
「多分、圭子さんが、いつ帰って来てもいいようにだと思います。」レナは言った。
「どうして?レナさんという婚約者がいるのに。
 レナさん、腹が立ちませんでしたか。」
「腹が立ちましたよ。殴ってやろうかと思いました。
 でも、他に部屋はあるし、まあいいかと思いました。」
「まあ、レナさんったら。」圭子は、レナを見つめた。

レナは、圭子に紅茶よりも、ホットミルクを作った。
クリーム色のワンピースを着て、圭子は出て来た。
ホットミルクを見て、「ありがとう。」と圭子は言った。
「あ、ため口で言ってしまったわ。」と圭子はすぐに言った。
「2度目は、もうお友達だから、お互いため口でいかない?」
と、レナが言った。
「ええ、そうね。」と圭子は少し笑った。

「あたし、離婚してきたの。」と圭子は、ホットミルクを見つめながら言った。

圭子は、レナに会ってから、夫に、小遣いは3万円でいいと言い、
使用人を手伝い、家事の仕事を2年間やった。
それでも、夫は、マンションを買い、
愛人である病院の女医と家を出てしまった。
とうとう、圭子の料理を一度も口にしないまま。
それでも、圭子は2年間がんばったという。
使用人やコックの人は、みんな圭子を誉めてくれたという。

「離婚のため、3000万円の慰謝料をくれると言って来たんだけど、
 あたし、拒否したの。
幸一さんが、あのとき慰謝料を拒否した気持ちがわかったわ。
悔しくて、『あなたのお金なんか、一銭もいらない。』っていう気持ちだった。」
圭子は言った。
「そうだったの。圭子さんは、よく耐えたのね。」レナは言った。
「途中から、耐えたっていう気持ちじゃなかった。
 あたし、お料理が好きだから、コックさんにいろいろなお料理を習って、
 楽しかったの。お掃除も、体を動かすことは、喜びだった。」
「そうなの。」レナは優しげな瞳を圭子に向けた。

「セレブの高いお洋服は、みんなおいて来たの。
 財布に3万円あって、家を出て、ホテルに1泊したら、
 その3万円もなくなってきて、
 あたしを泊めてくれる友達もいなくて、
 最後に、レナさんなら、あたしを泊めてくれるかもしれないって、
 なぜか思ったの。あたしが捨てた人の婚約者なのに。
 レナさんは、ちょっとキツイ人だけど、どこかとても優しい人に思ったの。」
圭子は、うつむき加減でそう言った。

「圭子さん。大正解だわ。ここにずっといてもいいわ。
 あたしは、男を愛せない女なの。」
「ええ?」と驚いて圭子はレナを見つめた。
「だって、幸一さんと婚約なさっているのでしょう。
 幸一さんは、男性よ。」
「あたし、幸一さんの女装した姿が好きなの。
 すごく可愛くて、女性そのものになるのよ。」
レナは、微笑みながら言った。
「そ、そうだったの?」圭子はあわてた。そして、
「あの、2年たったから、幸一さん帰って見えるでしょう。
 そうしたら、あたし、出て行かないと。」と圭子。

「当分、アメリカにいるって。
 アメリカなら、幸一さん、女性で通るから、
 アメリカで、女性として生きていきたいのかも。」
「じゃあ、レナさんはどうなるの?捨てられてしまうことになるの?」
「平気よ。だって、代わりに可愛い女の子が、飛び込んできたもの。」
レナは、圭子を見て笑った。
「あ、あたしは、男性しか愛せないわ。」と圭子。
「大丈夫。少しずつ、レズビアンの世界を教えてあげるから。」
「ああん、困るわ。あたし、他に行くところがないのに。」
「あはは。半分冗談よ。しかし、幸一が当分帰ってこないことはほんと。」
たくさん冗談であって欲しいと、圭子は思った。

レナは、そのとき気が付いた。
トムがくれた若くなる錠剤。
それは、圭子のためにくれたのだ。
15週間分あると言っていた。
15週で、15歳若くなる。
圭子は、今34歳。15週間後は、19歳、自分と同じ年齢になる。
「あはは、そうか。そうなんだ。」レナは笑った。
「何?何?」と圭子が聞いたが、レナは、「あははは。」と笑うばかりだった。



二人暮らしで、家事は少ないので、圭子は料理学校へ行き始めた。
夕食で作ってくれる圭子の料理はおいしく、レナは、毎日それが楽しみだった。
圭子は、レナに勧められた「若くなる錠剤」を、毎日正直に、
夕食後に飲んでいた。

9週間がたち、圭子は、実質25歳の若さになった。
もともと年齢より3、4歳若く見える圭子は、21、2歳に見えた。
しかし、毎日の変化は微々たるものだったので、圭子は気が付かなかった。

夕食のとき、圭子は言った。
「今日、23、4歳の女の子に、ため口叩かれたわ。
 あたしより、10歳も年下なのに。」
「圭子、若く見えるからよ。
 圭子のストレート・ボブ、乙女チックだし。
 毎日呑んでいるサプリが聞いているのかも。」とレナは言った。
「まさか。サプリメントなんて、ほとんどが、プラシボ(偽薬効果)だわ。」
レナは、圭子の言葉をにこにこと聞いていた。

圭子が、夕食の皿洗いをしているとき、
レナは、風呂に入った。
そのあと、圭子が風呂に入っている間に、
レナは、オシャレをした。
鮮やかな青のミニのボディコンを着て、
メイクをし、かかとの高い室内用のパンプスを履いた。
51cmのハイ・ウエスト。
長くて白い脚。
ネックレスに、ピアス。
会社にも圭子の前でも、こんな恰好をしたことがない。
レナは、男も女も、ぞくっとするほどの姿でいた。

風呂の後の着替えをして来た圭子は、レナを見て、心臓がドキンとした。
「レナ、お出かけ?眩しいくらい素敵だわ。」圭子は言った。
「ううん。圭子のためにオシャレをしたの。」
「あたしのために?」
「そう。」レナは、圭子に近づいた。
160cmの圭子より、レナは、パンプスの高さで、
10cmほど、背が高い。
レナが、圭子の肩を両手でつかんだとき、圭子は少し震えていた。

「ね、圭子。目をつぶって、あたしが男だと思って。」レナは言った。
圭子は、レナがしようとしていることがわかった。
拒絶するには、目の前のレナが、素敵過ぎると感じた。
圭子は、目をつぶった。
その後、唇に、男のものではない柔らかな唇を感じた。
圭子の背に旋律が走った。

圭子は、その後、レナに肩を抱かれ、レナの深いキスを受け入れた。
体が痺れるようだった。
その後、ソファーに連れていかれ、
胸を愛撫され、太ももを愛撫され、
圭子は、声を何度も張り上げた。

そして、圭子は、レナに抱かれて、レナの大きなベッドに連れていかれた。
服を1枚ずつはがされ、丸裸になった。
もう一度キスから始まり、体中を撫でられ、
最後に、一番感じるところに指が当てられたとき、
圭子は、絶叫した。
今、自分はレズビアンの世界に連れて行かれている。
そのことへの抵抗は、快感に負けた。

レナは、ショーツだけになった。
大きくなってしまったPを、そっと股下に回し、
分厚いショーツで、抑えていた。
裸同士の抱擁に、圭子はさらに燃えた。

圭子は、こんなに激しく燃えたことがなかった。
これが、レズビアンの世界なら、喜んで飛び込みたいと思った。
レナの2本の指が、圭子のVに入り、
一番感じるところを、どんどん愛撫されたとき、
圭子に、そのときが来た。
「レナ、レナ、ステキ、あああ、あああ、いく、いくわ。」
そう言って、圭子は、体を硬直させた。

圭子は、その後、2回もイかされ、身も心も満足して、
眠りに、陥った。

その日から、圭子は、レナを「恋人」と感じるようになった。

町を一緒に歩くとき、圭子は、レナの腕を抱き、
頭をレナの肩に預ける。

「圭子、あたしたち『ビアンです。』って言って歩いてるみたいよ。」
とレナがいうと、
「いいの。二人の仲を見せつけてやりたいの。」圭子はそう言った。

圭子が、錠剤をのみ始めて、15週が経った。
圭子は、19歳。若く見えるので、高校生にも見えた。
レナは、「モグリ美容室」のトムに電話をして、
圭子が、19歳になったことを告げた。
「わかりました。」
と、トムは言い、圭子にまつわる書類その他を、すべて19歳にした。

「レナ。あたし、絶対若返ってるように思う。」圭子は言った。
「錠剤が聞いたんだわ。今、圭子、女子高生の格好しても似合うわ。」
「信じられないけど、心も元気いっぱいで、
 意欲があふれる感じなの。」
「じゃあ、あたしと同い年になったのよ。」
「ああ、うれしい。レナと同い年だなんて。」
そのとき、レナは、自分の体のことを、レナに打ち明けようと思った。

夜、ベッドの上で、レナは、言った。
「あたしね、女の体で生まれたから、戸籍はもちろん女なの。
 でも、思春期に、性の発達障害だってわかったの。
 つまり、男子のアレが、ワレメの中に隠れていて、
 性的興奮を得ると、アレが大きくなって、男の子のアレと同じくらいになるの。
 今まで、恥ずかしいから、圭子のアソコに、挿入できなかったの。
 圭子、それを聞いてがっかりした。」
レナは、圭子の顔を見た。
「そうだったの。だから、レナは、してくれるだけだったのね。
 あたし、それを聞いて、うれしいくらい。
 じゃあ、今日は、レナのアレをあたしに入れて。」
「よかった。わかってくれて。」
その夜、二人は初めて、1つになった。

その後の日々、二人は性のバリエーションをいろいろ楽しんだ。
お互いセーラー服を着ての、セックス。
ソフトSMの世界。
Aセックス。

ある夜、二人は、満足して、胸まで毛布をかけ、天井を見ていた。
「19歳で、こんなにイケナイことしてる人は、いないわね。」と圭子。
「うふふ。」とレナ。
「あたしは、もう決して、セレブなんていや。」と、圭子は言った。
「あたしは、仕事を5時以降しない。仕事のために、
 圭子を淋しがらせたりは、絶対しないわ。」とレナは言った。 

もちろんのこと、里中幸一は、アメリカから、いつまでも帰って来なかった。

<おわり>


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



モグリ女装美容室⑩「レナの新しい生活・最終回 前編」

最終回でしたが、1話で終えることができませんでした。
そこで、最終回・前編といたします。
=====================================  

モグリ女装美容室⑩「レナの新しい生活・最終回 前編」


1年半がたち、高校を卒業する季節となった。
レナと5人の男たちは、お別れ会をカラオケで開き、
最後は、みんなで泣き合った。
「俺は、レナと過ごせた日々を、絶対忘れねえ。」
「レナほどの優しい女はいねえ。」
「レナが、好きだった。」
「レナほどの綺麗な女の子と過ごせたことは、奇跡だったよ。」
と、みんな手放しで泣いた。
「あたしも、悲しいけど、卒業したら、ときどき会おうよ。」とレナ。
「ああ、そうだな。いつでも会えるな。」
5人の内、2人が大学、3人が、専門学校に進む。
レナは、女の子の憧れる仕事をたくさんやってきた。
洋菓子店の売り子、ファッション雑誌のモデル。
レースクイーン。みんな楽しかった。
そして、どの仕事も、満足するまでやれた。

翌日、昼過ぎ、レナは、これからの自分をやりやすくするため、
「モグリ女装美容室」を訪れた。
受付に、OL姿の可愛い女の子がいる。
その子は、レナを見ると、
「ああ、里中レナさんですね。」とにっこりした。
「あたしをご存じなの?」とレナは少し驚いた。
「ぼくです。あなたの変身に立ち会ったトムです。」
「まあ。トムさんは、きっと可愛い女の子になると思っていました。」
「今日は?」
「いくつかお願いがあってきました。」
レナがそう言うと、トムはレナを事務所の中に入れてくれた。

レナは、まず、戸籍を変えてほしいと言った。
里中幸一の妻であった人は、幸一に子供がいないことを知っているので、まずい。

田中幸一の財産をレナに移して欲しい。
マンションの所有者を自分にしたい。
ダイアル1のボーイッシュ人格を、声を変えず、幸一人格にしたい。
ダイアル3は、もういらない。
ダイアル0の、幸一人格は、そのまま。

運転ができるので、運転免許証が欲しい。
パスポートも欲しい。

自分の名前を変えると、すでに友達になった人にばれてしまう。
それを、どうにかしたい。

トムは、うなずきながら、にっこり聞いていた。

レナは、
「これだけの難しいことなのですが、なんとかなりますでしょうか。」
と言った。
「ご希望のお名前は?」とトム。
「森下レナです。」
「わかりました。すぐできますよ。
2300年では、こんなことが日常茶飯事ですから、
その技術を使えば、簡単です。
あなたを森下レナと変名したと同時に、
あなたの名を知っていた人も、あなたを森下だと思います。」
「ほんと、ですか?」
「はい。財産贈与なんて面倒なことはせず、
 そのまま、登記の名義人を森下レナにします。
銀行カード、クレジットカードも、あなたの名で通るようにします。
暗証番号は、そのままです。
その他、もろもろの税金対策も済ませておきます。

あなたは、森下レナとして、戸籍に記入され、
あなたは、家族や親戚が現在一人もいません。

頭のダイアル1は、今のあなたのボーイッシュな声で、
幸一人格になります。もうなってますよね?」

ダイアル1で来たレナは、すくっと幸一の心になったことがわかった。

「もう1年以上レナでいたのですから、ご自分で、女性らしく振舞えますよね。
ダイアル0の里中幸一ですが、幸一の戸籍の中に森下レナはいません。
このダイアル0は、何かあった時のために、そのままにしておきましょう。」
「わあ、すごい。お願いします。」レナは、言った。
「後から、矛盾点が見つかったときは、また来てくださいね。」

トムは、そう言って、パソコンの前に座り、わずか、20分で、
大きな袋をくれた。
「この袋に、ご希望のものが全部入っています。
あなたは、天蓋孤独な森下レナさんになりました。」トムは言った。
「うれしいです。あたしの新しい人生が始まった気がします。」レナは言った。
「あ、そうだ。」と言ってトムは、錠剤の入った小さなビンを出した。
「私たちは、あなたの近未来がだいたいわかります。
この錠剤を、毎日1錠ずつ飲んでいくと、1週間で1歳若返ります。
15週間分あります。きっと役に立つと思います。」
トムは、そう言ってにっこりした。
礼を言って、レナは、事務室を出た。
外に出て、
「あたしの新しい人生!」
そう言って、大きな伸びをした。

レナは、女の子として、やりたいアルバイトはみんなやったと思った。
いくら貯蓄があるといっても、使うだけでは、減っていくばかりだ。
まともに働くとしたら、長年やってきたプログラミングの仕事だ。
しかし、プログラミングの仕事はキツイ。
新しい技術を習得しながら、チームを組んで仕事をしていく。
もっとも残業の多い職種で、徹夜などあたりまえ。
消耗が激しく、30歳が定年と言われている。
しかし、レナは、19歳にもどった。
やるならやれる。

幸一が42歳までやれたのは、彼の特別に優秀な頭脳による。
社内で彼は、「スーパー・プログラマグラマー」と呼ばれていた。
幸一自身が考えたプラグミングの技術が4つあり、
「里中技術」と呼ばれている。
それは、難解で、ベテランのプログラマーも使えない。
それを使うことができれば、膨大な量のプログラムが、一挙に片付く。

レナは、2年近くのブランクの間も、新開発された技術を調べ、
頭に入れていた。

まず、会社に行ってみよう。
そう思い、レナ(ダイアル1)は、かつらを、スタイリッシュなショートに変えた。
かっこよく、なかなか似合っていた。

レナは、履歴書と里中幸一の簡単な推薦状を書いて、バッグに入れた。
草色のブラウス、ロングのインド綿の長いスカート。
そして、生成りの袖なしのロングカーデガンを着て行った。

会社の受付で、ここで働きたい旨を伝えた。
受けつけ嬢は、引っ込み、課長のいるところへ案内された。
高梨幸雄さんだ、とレナは思った。
高梨は、レナの履歴書を見て、渋い顔をした。
「プログラムの経験は?」と高梨。
「高校で、パソコンクラブにいました。」とレナ。
高梨は、片頬で笑い、
「この仕事は、激しくてね、30歳が定年と言われている。
 だから、森下さんのような若い人が来てくれるのは、大歓迎なんですよ。
 でも、若いと言っても、大学の理工科でみっちり勉強し、
 現場で、2年ほどやって、やっと使えるようになる。
 失礼だが、あなたのキャリアではねえ。得意は何?」
と、高梨は、聞いて来た。」
「プログラムのミスを見つけることが、やや得意です。」とレナ。
「高校のクラブでのプログラムミスとは、桁がちがうと思うんだがな。」
高梨は、頭を掻いた。
レナをくそみそに言わないところが、高梨は、いい奴だと幸一は思った。

そのとき、25、6の社員が高梨のところへ来た。
「課長。お手上げです。どこがダメなのか、さっぱりわからない。
 もう、2日3人で徹夜ですよ。絶対ミスはないはずなんです。」
「どれ。」と高梨は、腰を上げた。
レナは、高梨についていった。
みんなは、えらく美人の女性がいると、レナに注目した。

高梨は、画面の前に座り、プログラム画面をスクロールしていった。
みんなが見ている。
どんどん文字列が上に上がっていく。
「あ、そこ!」とレナは叫んだ。
「なに?」と高梨は、画面を止めた。
「Cが、ダブっています。」レナ。
「あ、ほんとだ。」と係りの青年は言って、Cを1つ削った。
「試しに、終わりまで、見させてください。」
今度は、レナがキーを押し、スクロール・アップしていった。
速い。
ほんとに読んでいるんだろうかという速さだった。
「あ、ここ、Tが抜けています。」レナが言った。
「ほんとだ!」とみんなが叫んだ。
Tと打ち込んで、
レナは、最後まで、見た。
「単純な入力ミスで、プログラム自体は、完成しています。」レナは言った。

みんな、不思議なものを見るように、レナを見た。
青年は、プログラムを作動してみた。
すると、綺麗なアニメーションが始まった。
うおおおおおとみんなは、声を上げた。
「まるで、里中さんの再来だ!」と一人が言った。

高梨は、レナを見て、
「君は一体・・。」と言った。
「あ、そうだ。推薦状を持っています。」
レナは、里中幸一の推薦状を出した。
封を切って、高梨は読んだ。

『この森下レナさんは、私と同等のプログラム技術を持ち、
 私の4つの「里中技術」を完全にマスターしています。
 若い分、私より、すべて優秀です。

 貴社へ、推薦いたします。   
                 里中幸一 』

推薦状を横から見た社員たちは、「うわあ、やったー!」と拍手をした。

高梨は、あわててレナをデスクに連れて行った。
「里中さんの席は、未だに代わる人がいなくて、空席なんだよ。
 あなたが、里中さんと同じレベルなら、そこへすっぽり入って欲しい。」
高梨は言った。
「それが、1つお願いがあるんです。
 このお仕事は、徹夜が当たり前のお仕事ですが、
 私は、パートとして、朝は9時に来ますが、
夕方は5時きっかりに帰りたいんです。
帰らなければならない事情があるんです。
正社員ではなく、パート待遇でかまいません。
もしそれでよろしければ、雇ってください。」
高梨は考えた。空席であった里中幸一の席に、
夕方、5時まで居てくれるだけでありがたい。
難しい仕事を、彼女の勤務時間内に回せばいい。

「OKです。正社員の給料を超えない範囲で、
 できるだけ高額な時間給を差し上げます。ボーナスも出します。」
「わあ、うれしいです!」とレナは言った。

「では、今から、働かせていただきます。」
レナはそう言って、幸一の席にすっぽりと入った。
デスクには、デスクトップのパソコンが、正面と左右に計3台置かれている。
サイドのテーブルに、ノートパソコンが1つ。
まるで、コックピットだ。
レナは、水を得た魚のように、働き始めた。
19歳の若さは、疲れを知らなかった。

(次回は、「圭子の訪問」最終回・後編です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



モグリ女装美容室⑨「令嬢ごっこ」

つい長々と書いてきましたが、次回で最終回にしたいと思います。
======================================= 

モグリ女装美容室⑨「令嬢ごっこ」


レナとルルの二人は、2回も果て、丸テーブルで、コーヒーを飲んでいた。
「ルル、あたし、もう満足したわ。」とレナが言った。
「だめ。まだ、お尻があるわ。レナを縛ってあげる。
 そうしたら、また元気が出るわ。」
「あたし、まだ、縛られたことない。」
「じゃあ、是非にも縛ってあげる。」
ルルは、ちょっといたずらな目をした。

二人は、テーブルからたった。
ルルは、もってきた紙袋から、
白いやや古風なワンピースを2着出した。
「あたしとお揃い。令嬢のワンピースよ。」
着てみると、スカートだけが、ひざ下まで来て、
上は、前ボタンだ。
ルルは、レナの髪の耳から上を後ろでまとめ、ゴムを巻き、
そこに大きな白いリボンをつけた。
そして、自分も同じ髪型にした。
「ね、令嬢って、こんなスタイルじゃない?」とルル。
「そうね。」
「レナが、お姉様よ。妹のあたしが、お姉様を縛って差し上げるの。」
「少し、怖いけど。」
「怖くなくてよ。さあ、お姉様、あたしの前に正座なさって。」
ルルの話し方は、すでに「令嬢」になっていた。

「怖いこと、嫌よ。」レナは、言った。
ルルは、レナをベッドの上に正座させた。
ルルは、レナのワンピースの前ボタンを外した。
そして、ロープで、乳房を避けるようにして、4重に縛り、
後ろの手をクロスして縛り、それを、背中のロープに連結した。
レナの上半身は、びくとも動けない。
「ルル、全然動けないわ。少し怖いわ。」とレナ。
「怖くはなくてよ。そのうち喜びを感じるわ。」

ルルは、レナのワンピースの上を開いて、スリップが見えるようにした。
そして、正座して縛られているレナの前で、スカートを上げていった。
ショーツを取った。
すると、ルルは、アソコをすでに大きくしていて、
それを、レナの顔の前に突き出した。
「お姉様。あたし、女なのに、来女物があるの。
 あたしの大きな悩みなの。
 お姉様にしゃぶっていただくと気持ちがいいの。
 お姉様、お願い。」
レナは、縛られているだけで、いつもと違う気がした。
ルルの大きなPを見るだけで興奮する。
そして、自分の物も、ショーツの中で大きくなってしまっていた。

レナは、ルルのものを口に入れた。
すると、ルルは、レナの頭をもって、レナの口を犯すように、腰を使った。
「ああ、やっぱり、お姉様にされるのが最高。」
レナは、そう言って、Pを抜いた。

「じゃあ、お姉様、横になるのよ。」
ルルは、レナの背に手を添えて。レナを寝かせた。
「お姉様。ショーツを取るわ。」
ルルが、スカートの中に手を入れて来た。
それだけで、もう興奮する。
なぜか、ルルに興奮しているPを見られるのが恥ずかしい。
「あん、ルル止めて。」レナは言った。
「どうして?女同士じゃない。」
ルルは、そう言って、レナのショーツをはぎ取った。
ルルは、レナのスカートをめくり、
「まあ、お姉様にもおありなの?だったら、あたし、もう悩まなくてよ。」ルル。
「そうなの。だから、ルルは悩む必要は、ないわ。」レナ。

「お姉様、もう少し縛ってみるわ。」
ルルはそういうと、レナのスカートをまくり、
脚を胡坐をかく形にして、足首と足首をロープで巻いた。
そして、余ったロープをレナの首に回し、
ぐっと引っ張り、首を回ったロープを再び足首に巻いた。
お尻が持ち上がり、丸見えになった。
「ルル、これは、嫌。恥ずかしすぎるわ。
 お願い、あたし、耐えられないわ。」
ルルは、丸見えになっているレナのお尻の穴に指を当て、
「お姉様、ここが恥かしくて、らっしゃるのね。」ルル。
「ええ、そう。顔から火が出そうよ。」
「ここは、なんて呼ぶの?」
「言えない。言えないわ。」
「言ったら、ロープを取ってあげるわ。」
「じゃあ、お・し・り・・・。
 いやん、やっぱり言えない。ルル、もう許して。」
「言えなければ、お姉様を、もっと恥ずかしくするわ。」
「言う。言うわ。おしりの・あ・な。」
「そう。そうだわ。ロープをはずしてあげたいけど、
 お姉様の、ここ(P)、お元気になっているわ。
 お姉様。もしかして、この格好でいることに、興奮なさっている?」
「いわないで。あたし、恥ずかしくて、死にそうだわ。」
ルルは、レナの大きく固くなっているものを、少し愛撫した。
「いやああん。だめ。やめて。」
「いいわ。じゃあ、さっきお姉様が言ったところにするわ。」
「何をするの?」とレナ。

ルルは、指先にクリームを着けた。
そして、レナのAに当てて、すーと指を差し入れた。
「ああん。何するの。やめて、やめて。」とレナ。
「嘘だわ。お姉様は、毎日、お尻の穴の奥まで、
 綺麗になさっているの知っているわ。なんのため?」
「それは、体のどこもかも、綺麗にしておきたいためだわ。」
「男の子のアレが入って来てもいいためでしょう。」
「違うわ。」
そんなやり取りの間、ルルは、何度も指を入れたり出したりしている。
レナの息は、乱れてきている。

「お姉様。お姉様が、ここに欲しいのは何?言葉で言うの。」
「言ったら、その指を抜いてくれる。」
「いいわ。抜いて差し上げてよ。」
「男の子のアレ。」
「アレってなに?はっきり言わないとだめ。」
「男の子の○ちん○ん」
「固いのがいいの?柔らかいのがいいの?」
「固いのがいいわ。」
「大きいのが言いの?小さいのがいいの?」
「大きいのがいいわ。いやん、もう勘弁して。お願い。あたしをいじめないで。」

「お姉様は、大きくて、固いのがいいのね。
 わかったわ、あたしのを入れてあげる。」
ルルは、自分の物にクリームをぬって、レナの穴に挿入した。
「ああああああ。」と、レナは、声を上げる。
「お姉様、いいのね。うれしいのね。」とルル。
「ええ、うれしいわ。もっと、犯して。もっと、もっと犯して。」
「いいわ。お姉様の一番恥ずかしいところを犯したあたしに、
 お姉様は、これから、逆らえないの。いいこと!」
「ええ、ルルは、あたしのお姉様。なんでも言うこと聞くわ。」
「じゃあ、お姉様がイった後、あたしのに入れるのよ。」
「ええ、ルルを気が狂うほど、犯してあげる。」

お尻の穴の性的感度を3倍にしてもらっている二人は、
恐らく女性と同じほど難じている。

「ああん、ああん、あああ、あああん。」
レナは、ロープの拘束の中、快感の逃げ場がなく、
激しい快感が体内で渦を巻いているように感じた。

そして、突然に、襲って来た。
「ルル、あたし、イくの。イくの。もうダメ、もうダメ、
 あああああああああ。」とレナは叫び、
前の方から、液体を発射し、動かなくなった。

そのすぐ後に、ルルのものが、レナの体内に発射された。


(次回は、最終回「2年後」です。)

バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



モグリ女装美容室⑧「発見・ダイアル3のレナ」

モグリ女装美容室⑧「発見・ダイアル3のレナ」


高校からマンションに帰り、約束のないとき、
幸一は、まず、風呂に入る。
どこもかも綺麗にしたい。
風呂に入る前に必ずすることがある。
それは、浣腸器を使って、お尻の中をきれいにすることだ。

風呂から出て、その日の気分に合わせ、いろいろな女装をする。
女装するときは、必ず、頭の中のダイアルを0、つまり幸一にする。
レナでは、幸一は傍観者であり、自分が女装したことにならない。
それでも、傍観者として、十分興奮するのだが。

しかし、一番は、幸一として、女装することである。
女装しながら、
「今日は、思い切りロリでいくわ。」
「ね、あたし、可愛い?」
などと、思い切り女の子の言葉を言ってみる。
だが、幸一の地声は、男性の声であるから、
しゃべるとしたら、心の中でか、せいぜいささやきである。
『あの美容室で、幸一人格のときも、女の子の声にしてもらうのだった。』
と、思うことがある。
この世に、幸一は、もういないのだから、
声を変えてもらっても、差支えがない気がする。

その夜、幸一は、思い切りロリの格好をしたかった。
そして、思い切り、どうしようもなく女女した人格を演じてみる。
可愛い下着を着けて、スカート部のあるピンク柄のスリップを被る。
ウィッグは、前髪だけストレート。
サイドは、カールがある、背中の真ん中まで伸びたロング。

「あたし、今日は、お人形になるわ。
 うんと可愛い女の子になるの。」
鏡に向かってそう言ってみる。
言いながら、胸に手を当てて、ぶりっ子の動作をする。
「いや~ん、リップはどこ?
 レナ、お片付け下手だから、やんなっちゃう。
 あ~ん、レナのバカ。」
リップは目の前にあるのに、わざとこんなことを言ってみる。
そして、自分を「レナ」と名前で呼ぶ。

そんなことで、興奮してきてしまう。
アソコがむくむくと大きくなる。
「だめよ。まだ、メイクの途中よ。大人しくしていて。」
幸一は、大きくなって来たPを、今までしてきたように、
股間に回し、ショーツを履きなおす。

まだ、下手ではあるが、バッチリとお人形メイクをする。
それでも、顔立ちがいいので、可愛い女の子の顔になる。

「ああん。レナ、お人形だわ。ちょっと人間離れしているかも。」

そう言いながら、上がキャミになった、ロリのワンピースを着る。
淡いピンク。
スカートは、ふわふわのプリーツで、ショーツがやっと隠れるくらいのミニ。
白いひざ上のストッピングを履き、絶対領域(素肌の部分)は残す。
髪に大きなピンクのリボンを着ける。
最後に、厚底のかかと10cmの白いサンダルを履く。
サンダルの紐を、足首にクロスさせて、止める。

特別長い幸一の脚が、サンダルによって、さらに高くなり、
完全なお人形体型になる。
鏡を見ながら、
「いや~ん。レナ、お人形だわ。めちゃ女の子。
 ああん、興奮しちゃう。
 これで、外行っちゃおうかな。
 やっぱり、だめよね。目立ちすぎちゃうわ。
 暗い道なんか歩いたら、レイプされちゃう。
 あたしを女と間違えてね。
 でも、男なんだから、いいか。
 いや~ん。だめ、だめ。あたし、女の子よ。
 バージンは、守りたいわ。」

この時、幸一は、ふと頭の中のダイアルを「3」にした。
一度、3秒ほど、このダイアルにしてみたとき、
あまりに女女していて、気持ちが悪く、それ以降、「3」にしたことがない。
だが、この日の気分は、ダイアル3のレナだった。

ダイアル3にして、幸一は、大きな発見をした。
ダイアル3の自我は、レナではなく、自分なのだ。
幸一は、心の声ではなく、はっきりと自分の声として、発声してみた。
「いや~ん。レナ、可愛い声を出せる。
 そうだったの。ダイアル3は、幸一のまま、可愛い声や、
 可愛い仕草ができるんだわ。あああん、レナ、うれしい。」
そう言って、幸一は、腕を交差して、肩を抱いた。」

そのとき、ルナ用のスマホが鳴った。
見るとルルからだった。
「もしもし、あたしルル、レナ?」
「そうよ。」
「レナ、声が可愛い。ダイアル3にしたのね。」
「そうなの。大発見。あたし、幸一のまま、可愛い声が出るの。」
「あたしも、今、発見したの。感激して、レナに電話したの。」
「あたし、今、すごいエッチな気分なの。ルル来れる。」
「行けるわ。タクシー使って、10分で着く。」
「じゃあ、待ってる。」

ルルが来るのが待ち遠しかった。
幸一は、部屋の中をくるくる回って見たり、
鏡と対話していた。

チャイムがなって、ルルがやってきた。
ルルも、レナに負けないほど、ロリな格好をしていた。
「あ~ん、レナ、可愛い。」とルルは抱き付いて来た。
ルルの声も、可愛くなっている。
「ルルも、可愛い。お人形だわ。」
「や~ん、うれしい。」とルルは、言って、レナにキスをしてきた。

二人は、ソファーに並んで座った。
「ねね、変化が分かるように、今、ダイアル0にして話してみない?」
「いいわよ。」
「じゃあ、せーの!」

「今まで、知りませんでしたね。」とルルの大人の男の声。
「本当ですよ。今まで、一人で女装しても、声は出せませんでした。」と幸一。
「あの、美容室は、することが行き届いていますよね。」
「ほんとに。ダイアル1は、試しましたか。」と幸一。
「まだです。どうでしたか。」ルル。
「賢い子で、私の記憶をすでに、もっているようでした。」
「そうですか。機会があったら、使ってみます。」
「じゃあ、ここまでにして、ダイアル3に、戻りますか。」
「では、せーの!はい。」

レナとルルは、大笑いした。
「あ~ん、やっぱりレナが好き。」と、ルルが抱き付いて来た。
「あたしも。ルルがいい。」とレナ。
「あたし、今、最高にエッチな気分なの。」
と、ルルは言って、大きくはみ出ているレナの太ももを撫で始めた。
「やん、そこ感じる。ルルのも触っちゃう。」
レナは、ルルの柔らかい太ももを撫で始めた。
「ああん、これだけで、いっちゃいそう。」
「レナも。」
「あ、自分のこと名前で呼んでる。あたしも、真似しようっと。」
「うん。その方が、可愛いわ。」
「ああ、ルル感じてる。」
「レナも、たまらない。」
二人は、さんざんに太ももを撫であった。

「ああん、レナもうだめ。ショーツ脱ぎたい。」
「ルルもよ。じゃあ、せーので、ぬごう。」
「じゃ、せーの!」
二人は、ショーツを取り去り、抱き合った。
互いに、スカートの中に手を入れ、
大きくなったPを撫であった。

「ああん、最高。自分自身が感じてるのね。」レナ。
「そうよ。自分が、観察してるのじゃないの。」ルル。

「ああん、あん、あん。レナ、もう、イきそう。」
「今日は、3回くらいいけそう。」
「レナも、そんな気がする。」
ルルが、ジュータンに座り、レナの前に来た。
「レナ、もっと浅く座って。」ルル。
「うん、こうお?」
ルルは、レナの脚を広げ、スカートからPを丸出しにして、
それを、口にくわえ愛撫を始めた。
「や~ん、こんなに脚を広げて、恥ずかしいわ。レナ、女の子なのよ。」
「そう、レナは女の子だけど、こんなものがあるわ。」
「いや~ん。言わないで。恥ずかしいわ。心は完全に女の子なの。」
ルルは、レナのPを手の愛撫に切れ変えた。
「可愛いわ。感じると、どんどん可愛い声になるわよ。」
「あん、いや~ん。レナの声が、高くなっていく。」
「ほら、感じてること、隠せないわよ。このまま、イってもいいわ。」
「やん、やん、やん、ルル、やめて、お願い、やめて。」
「ほら、声がどんどん高くなって、幼い女の子みたいだわ。可愛いわ。」
「あああん。レナ、イっちゃう。もっとゆっくり行きたいの。」
「今日は、何回もいけるわ。レナ、可愛い。お人形だわ。」
「ああん、イっちゃう、もうだめ。いやん、いやん、いやん。」
「思い切り、飛ばしていいわ。向うの壁まで。」
「そんなのいや、男の子みたいじゃない。レナは、女の子。飛ばしたりできないわ。」
「そうよ。レナは、女の子。でも、もう我慢できないでしょう。」
「いやややややん。レナ、イちゃう。飛ばしちゃう。
 恥ずかしい。いやん、男の子みたい。いやん、いやん、レナは女の子。
 あん、あん、あん。もうダメ、もうダメ、イく、イく、あああああ。」

レナは、両手で、顔を覆った。
そして、女の子にあらざるものを、噴射した。
男の自我のまま、女の子になり、女の子にはないものを、遠くに飛ばした。
満足だった。

(次回は、未定です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



モグリ女装美容室⑦「ダイアル1のレナ登場」

昨日は、急用ができ、投稿できませんでした。
第2話で、里中幸一は、52歳と書きましたが、42歳の間違いです。
ここに、訂正し、お詫びいたします。
===================================  

モグリ女装美容室⑦「ダイアル1のレナ登場」


水曜日の夜8時のことだった。
幸一は、楽な、水色のワンピースを着ていた。
夕食を自分で作り、食事を済ませたときだった。

レナになってから、幸一は、レナ用のスマホを買い、
幸一のスマホは、いつもキッチンのテーブルに置いていた。

その幸一のスマホに電話がかかった。
見ると、別れた妻・圭子からである。
幸一と圭子は、年が離れていて、圭子は、32歳。
年より若く見え、美人だった。
幸一は、いつも不在ということにしている。
幸一は、急いで頭の中のダイアルをレナにして、電話に出た。

「もしもし。」とレナは電話に出た。
「あのう、あなただれですか。」圭子は言う。
「あなたこそ誰ですか?電話した方が先に名乗るのが、常識でしょう。」とレナは言った。
(あれ?いつものレナと違うな、と幸一は思った。)
「あたし、里中幸一さんの元妻であった、近藤圭子と申します。」
「私は、このマンションの留守番をしている大森レナというものです。」
「幸一さんとお話しができますか。」
「幸一さんは、今、アメリカに行って、2年は、帰って来ないと思います。」
「まあ、そうなの。」と圭子は、少し考えていた。
「レナさんとお話しができますか。幸一さんのことが知りたいの。」
「今、お近くですか。」
「はい。」
「じゃあ、マンションにお出でください。」
「はい。じゃあ、お伺いします。」

幸一は、幸一として話がしたかったが、姿は17歳のレナである。
レナは、幸一の記憶を持っているが、それは、本を見るように、
いろいろ紐とかなといけない。

しかし、幸一は、レナに対応のすべてを任せた。
レナは、幸一の離婚の理由、
元妻に対して、よい感情を持っていないことくらいは知っている。

すぐにチャイムがなった。
きっと、すぐそばまで来ていたのだろう。
ドアを開けて、レナは、「どうぞ」と言った。
圭子は、入って、レナを見て、「はっ。」としたような顔をした。
レナの若さ、美貌、プロポーションなどを一目で見たのだろう。

レナは、圭子をリビングの丸テーブルに座るようにいい、
紅茶を淹れた。
「どうぞ。」と紅茶を出し、自分の紅茶も対面に置いて座った。

圭子は、マンションの内装が、すっかり変わっていることに驚いているようだった。
「あの、失礼ですが、あなたと幸一さんとのご関係を聞いてもいい?」
「初対面の私に、ため口ですか?」
レナは、真っ直ぐに圭子を見て、そう言った。
幸一は、これで2度目、レナにしては、対応がキツイと頭の中のダイアルを見た。
すると、ダイアル「1」。ボーイッシュなレナになっている。
幸一にとって、初めて見る「ダイアル1のレナ」であった。
幸一は、興味を持って観察した。

「あ、ごめんなさい。言いなおします。
 あなたと幸一さんとのご関係を聞いてもいいですか。」
圭子は言った。
圭子は、レナの毅然とした態度に、かなり、押されているようだった。
「幸一さんと私は、婚約しています。」
(うおー、さすがダイアル1。言ってくれるなあ、と幸一は、思った。)
「あの、あなた、お若く見えるわ。」
「また、ため口ですか。」
「あ、ごめんなさい。あなたは、お若く見えますが。」
「17歳。高校2年です。
 私が、卒業した時に、結婚しようと約束しています。」

レナは、圭子の顔にかすかなジェラシーの色を読み取った。
「あの、幸一さんは、自分の箪笥のケースの中に、
 女性の下着や、衣類、かつらなど入れていませんでしたか。」
圭子は、そう言ったのだった。
「どういうつもりで言ってらっしゃるんですか!」と、レナ。
レナは、まともに、不快な顔を見せて言い、圭子を威圧した。
(レナ、いいぞ!と幸一は思っていた。)

「そ、それは、あたしが妻だったとき、幸一さんが、
 つまりその、女装の趣味あるのじゃないかと、疑っていたものですから。」

レナは、さらなる不愉快を顔に出した。
「それを、私に知らせて、幸一さんと私を不仲にするおつもりですか。
 そんなことでいらしたのなら、今すぐ帰ってください。」
圭子は、あわてた。
「ごめんなさい。幸一さんの女装を、あなたが前もって知っていた方がいいと思って。
 結婚してからでは、いろいろこじれますから。」

レナは言った。
「そんなことは、大きなお世話です!
 あなたは、他人の家の秘め事を、その家に行って暴き立て、
 その一家の平和を崩すのがお好きなのですか?」
 
「いえ、決してそうではありません。」圭子は、うつむいた。

「先ほど、あなたのお顔にジェラシーの色が伺えました。
 いったい私の何に嫉妬なさってるのです。
 幸一さんの女装を私にあばいたのは、悪質です。
 それは、ジェラシーのなせるわざですか?」
 
レナの言葉は、まさに図星であり、圭子はうろたえた。
自分より、ずっと年下なのに、とても勝てない相手だと思った。
圭子は、レナの顔をまともに見ることができなかった。

「圭子さんがご安心なされるように、お伝えします。
 私は、幸一さんの女装を知っています。
 二人で、女装して、何度もショッピングにいきました。
 ですから、圭子さんのご心配は、杞憂に過ぎません。」

沈黙がしばらくつづき、レナは、言った。
「あの、今日いらした目的は、なんですか。率直におっしゃってください。
 圭子さんからお聞きしたことは、幸一さんに伝えます。」

圭子は、しばらくうつむいていたが、顔を上げた。
「あたし、浮気をしてしまい、幸一さんと別れました。
 あたし、セレブになりたかったんです。
 あるとき、病院の院長という人と仲良くなり、
 結婚しようと言われました。
 その院長さんと、関係を持ってしまいました。
 セレブになりたくて、幸一さんと別れたのです。
 慰謝料を払うのは、あたしの方でしたが、
 幸一さんは、拒否なさいました。

 院長夫人になり、月のお小遣いとして、100万いただきました。
 しばらくの間、それで、お買い物を楽しみました。
 しかし、あたしの欲は、そこで止まりませんでした。
 もっとセレブの奥様達と交流を持つようになりました。
 みなさん、財閥の奥様達で、
 1着、50万~60万円のワンピースを着ていました。
 私は、1着20万ほどのワンピースを着ており、
 自分が惨めで、とてもついていけませんでした。

 あたしは、主人に、月200万円お小遣いが欲しいとねだりましたが、
 『そこまで、君の贅沢を許す訳にはいかない。』と言われました。
 主婦の仕事は何もせず、買い物にばかり現を抜かしていたあたしが、
 愛想を尽かされるのは、時間の問題でした。
 主人は、病院の女の先生に浮気しました。

 その女性が、私より若く、遥かに美しい方なら、
 あたしは、ある意味で、しかたないと思えたかも知れません。
 でも、その方は、私より年上で、特別に美人ではありませんでした。

 あたしは、打撃を受けました。
 今あたしは、自己嫌悪に苦しみ、毎日、辛い思いで、過ごしています。
 自分が浮気をしておいて、今度は主人の浮気を許せないなんて、
 身勝手もいいところだと思っています。
 レナさん。あたしは、どうすれば幸せになれるでしょう?」

そう尋ねてくる圭子の顔は、本気だった。
17歳のレナに対して、藁をもすがりたい気持ちだったのだろう。

「もう、セレブは、こりごりだと思ってらっしゃるのですか?」とレナ。
圭子は、「はい。」と、うつむいて、うなずいた。
「もしかして、幸一さんともう一度暮らしたい、と思ってらっしゃいますか?」
「はい。ときどきそう思います。」と圭子は、うつむいたまま言った。
「それが、今日いらした目的ですね。
 幸一さんが、どんな暮らしをしているか。
 やもめ暮らしで、部屋は乱れ、洗濯ものは山と積まれ、一人住まいを淋しく思っているかもしてない。
 まだ、圭子さんを愛しているかもしれない。浮気を許してくれるかもしれない。
 それなら、よりを戻せるかもしれない。そう思って、いらしたのですね。」レナは言った。

圭子は、恥ずかしそうにうつむいた。
「あなたには、心を隠すことができません。おっしゃる通りです。」

「そうですか。」とレナは言い、続けた。
「残念ですが、私という婚約者がいるのですから、それは、不可能です。
 幸一さんほど、優しくて、ステキな方はいません。
 私は、幸一さんを、絶対手放したくはありません。」

「そうですね。あれだけ、優しい人はいませんでした。
 お金のために、あれだけの人を捨てるなんて、あたしは、本当に愚かな選択をしました。」

「圭子さんが幸一さんとお暮しのとき、月のお小遣いは、いくらだったのですか。」レナ。
「3万円です。」圭子。

「今のご主人を愛してらっしゃいますか。」
「はい。お金のためだけで、結婚したのではないのです。」

「もう、セレブはこりごりとお思いなら、
 今のご主人に、お小遣いは、3万円でいいとおっしゃってはいかがですか。
 そして、一般の主婦のように、家事をなさってはどうですか。
 お手伝いの方がいらっしゃると思いますが、
 その方たちと協力して、何か1つでも、ご主人のお口に入るものを、
 お作りになっては、いかがでしょうか。
 『それは、あたしが、作ったのよ。』と言える1品です。
 簡単なお料理意でかまわないと思います。
 そうするうちに、ご主人の圭子さんへの見方が変わっていくかもしれません。」レナは言った。

圭子は、しばらくうつむいて考えていた。やがて顔を上げ、
「そうですね。そうしてみます。」
そう言って、圭子は、わずかに元気を取り戻したようだった。

「あの、幸一さんにお伝えしておくことがありますか。」レナは聞いた。
「浮気をして、ごめんなさい、とそれだけ、お伝えください。」
圭子は言った。
圭子は、来たときとくらべ、ずっと晴れやかな顔で去っていった。

圭子がいなくなった後、レナは、ダイヤルを0に切り替えた。
幸一になった。
「ダイアル1のレナ、ありがとう。君は、すばらしいね。」と真っ先に言った。
幸一を観察できるレナには、幸一の言葉がわかったはずである。

幸一は思った。
圭子は、今の夫を愛していると言った。
だったら、これでいいんだ。

自分は今、17歳の女子高生である。
圭子といっしょに暮らすことはできない。
男に戻れると、美容室で聞いた。
しかし、そこまでして、圭子を受け入れたくはない。
これでいいんだ。
今が、一番幸せだ。

幸一は、そう言いながら、やや淋しげに帰っていく、
圭子の後ろ姿を、心に描いていた。
ふと、涙が出そうになった。
「圭子、どうか、幸せになっておくれ。」
幸一は、そう胸の中で祈った。

(次回は、未定です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



モグリ女装美容室⑥「レナの高校での一日」

モグリ女装美容室⑥「レナの高校での一日」


翌日の日曜日。
幸一は、一日マンションの部屋で、レナの服を着て、過ごしていた。
心は、幸一になっても、体は、17歳のレナである。
17歳のレナの姿を、何度も鏡を見て、喜びを感じた。

そして、月曜日となった。
レナは、朝食の用意をして、トーストとハムエッグを手早く作り、
制服を着て、
姿見で、前後ろ映してみた。
幸一は、観察していて、ほれぼれとした。
なんというプロポーションだろう。

レナは、学校への道を、背筋を伸ばし、きれいに歩いて行く。
校門をくぐると、レナは、「おはよう!」とみんなに挨拶していく。

教室に入って、教科書ノートを机の中に入れていくとき、
例の5人が早速やってきた。
背の高い横井浩二、176cm。
(空想で、レナのお尻に指を入れた奴。)
純情な、斎藤啓太、
ぽっちゃりした柏木豊。
小柄の可愛い顔をしている白井祐介。

みんな、モテるとは、ほど遠い奴らばかり。
「おい、レナ。宿題やってきたか。」とエッチな横井。
「はっ。忘れた。」とレナ。
「俺は、忘れたんじゃなくて、難しくてできなかった。」と可愛い白井祐介。
「俺も。」とぽっちゃりしている江原さとし。」
「ノート、見せてやりたいけど、俺の答え、1つもあってねーから。」と横井。

「それより、今日、英語のテストだぜ。」と江原さとし。
「あ、そうだ。」斎藤。
「えへん、あたし、ちゃんと勉強したわよ。」レナ。
「ほんとか。レナ、えれえ。」と柏木豊。
「じゃあ、50点取れよ。50点取ったら、
 カラオケで、お祝いしてやるよ。」と横井浩二。
「うん、ありがとう。英語のあたしの最高記録は、28点だから。」とレナ。
「うへえ、希望ないな。」
男子たちはそう言って解散した。

3時間目が英語のテストだった。
問題用紙が、配られて、レナは、見たが、
予習などなんの役にも立たないことが分かった。

『50点取るって、みんなに、言っちゃったのに。』
レナは、内心悲しくなった。
だが、ひらめいた。
『幸一なら、できるかもしれない。』
レナは、頭の中のダイアルを、そっと「0」にした。
幸一は、テストを見た。
簡単だ。
そこで、レナのために、女の子文字を真似て、答えを書いた。
100点をとれると思ったが、
レナが、急にできるようになってはいけない。
そこで、53点取れるように、答えを書いた。
レナは、それをにこにこしながら観察していた。
『わあ、幸一って、頼もしい。』
ダイアルを2に戻す。
人に頼んだ答えだけど、幸一は、あたしでもあるものね。

レナは、にこにこしながら、答案用紙を出した。

テストは、6時間目の後の、ホームルームのとき返された。
一人一人、名を呼ばれ、レナが取りに行くと、
担任の佐藤は、「よくがんばったな。」と言ってくれた。

見ると、53点だった。
レナは、「わあっ!」と喜びの声をあげ、机に戻った。

テストを受け取って、すぐさよならだった。

レナのリアクションを見たのか、例の5人が、すぐに来た。
レナは、テストを見せて、
「ジャーン、生まれて初めての、50点以上。」と言った。
「おおお、やったな。カラオケでお祝いだ。」
「おお、今日早速行こうぜ!」
「レナ、お前、えれえよ。」
と、5人とレナで盛り上がっていた。

レナの席は、後ろの方である。

前の席の神崎修は、勉強ができる方だ。
レナと5人のはしゃぎようを見て、ポロリと言った。
「50点で、お祝いかよ。」

そのとき、隣の席の、クラスで成績ナンバー1の金子恵美が、
神崎に対し、烈火のごとく怒って、立ち上がった。
「神崎、もう一度言ってみなよ。今の言葉。」恵美は言った。
「え、何にも言ってねえよ。」と神崎。

「聞こえたからね。
 神崎、あんたより勉強できる奴は、いくらでもいるんだからね。
 仮に、あんたが、天下のK高に入ったとしよう。
 あんた、クラスでびりだよ。
 テストは、どれも超難しい。
 で、あんたは、毎回10点、20点しか取れないわけよ。
 そこを頑張って、50点取れたとする。
 うれしいでしょうが。
 周りの友達も喜んでくれて、お祝いだーと言ってくれた。
 そんとき、クラスで、1番の奴が、
 今、あんたが言ったことを言ったとしたら、どんな気持ちがする?」
そばで、神崎の言葉を聞いた女子は、一緒になって、
「神崎、あんたが、そんな奴だとは、思わなかったわ。」
すぐ後ろの、神崎の友達・後藤が、
「神崎、お前らしくもない。なんであんなこと言った。
 里中に謝って来いよ。」と言った。

神崎修は、しばらくうつむいていて、そして、
「俺が、悪かった。
 言ってくれて、ありがとう。
 里中と周りの連中に謝る。」
神崎は、そう言って、立ち上がり、レナのところに言った。
周りの男たちも、何事かと神崎を見た。
神崎は、うっすらと涙ぐんでいるようだった。

「里中さん、ごめん。
 そして、周りの5人にも謝る。ごめん。
 俺、君たちを侮辱することを口にしてしまった。
 ひどいことを言ってしまった。
 今、すごく反省して、言ったことを後悔してる。」
神崎は、そう言って、頭を下げた。
「わかったわ。神崎君が、なんて言ったのかは、聞かない。
 でも、あたし達を侮辱するようなこと、どうして言ったの。」
レナが、そう言ったとき、クラスのほぼ全員が、見ていた。

神崎は、しばらく口をつぐんでいたが、やがて、
「君たちが楽しそうにしてるのが、そのときうらやましかったんだと思う。
 俺には、友達が何人もいるし、女子にも仲良くしてくれる人たちがいる。
 それなのに、君たちをうらやましく思うなんて、贅沢だよね。
 俺、俺の友達にも、心無いこと言ったことになる。
 とにかく、ごめん。」

そのとき、神崎の男子の仲良しグループと、
女子の、金子恵美の仲良しグループが、みんな来て、
みんなで、神崎の頭をもみくちゃにして、
「よし、神崎、よく言った。」
「神崎、よくできました。」などと言い、
金子恵美が、
「そう言うわけで、この神崎をゆるしてあげて。」と言った。

神崎のグループは、勉強ができ、スポーツができ、イケメンぞろいのグループ。
金子美恵は、勉強ができ、性格がよく、可愛い、もてもてグループ。

そのエリート2グループが揃って謝りに来たので、
レナと周りの5人は、悪い気がしなかった。

「よくわからねえけど、OKだよ。
 俺ら、気にしないよ。なあ、レナ。」と横井。
「うん。何言われたのか、知らないけど、
 こうして謝ってくれるの、なんだかうれしい。
 こちらこそ、ありがとう。」レナはそう言った。

グループは、温かな気持ちになって、席に戻った。
神崎は、謝る中で、1つ言わなかったことがある。
神崎は、レナが、好きだった。
だからこその、ジェラシーだった。



これから、あの5人とカラオケ。
レナは、箪笥のドレス類を眺め、うきうきしていた。
「ようし、あいつらを、悩殺してやるわ。」

レナは、いろいろと考え、
体の線をそのまま描くブルーのボディコンを手に取った。
半袖。
それを着てみると、
レナのハイ・ウエストと51cmしかないウエストが際立ち、
脚が思い切り長く、
まるでお人形である。
胸が大きく空いているので、銀のネックレス。
耳に同色のピアス。
『かなりのミニだから、刺激強すぎるかなあ。でも、サービスしちゃおう。』
そう思った。
髪をとかし、アイメイクを少し、チーク、そして、ピンクのリップ。
レナは、ぞっとするほどの美人になった。
かかと4cmのパンプスを履き、小さめのバッグを肩から掛ける。

『よし行くか。』
7時に部屋集合。
駅を降りたとき、スマホが鳴り、カラオケの部屋番号を知らされた。
来る途中、多くの男たちが、振り向いて行った。
レナは、カラオケ店に入り、みんなのいる部屋に入った。
5人は、一瞬、レナを見て、言葉を失い、「あああ。」と言った。

「レナ、オシャレすると、すげーな。」と横井が言った。
「すげーってどういう意味?」
「そのさ、超すげーってことだよ。」と柏木。
「説明になってないぞ!柏木!」とレナが突っ込みを入れた。
みんなは笑い、5人は、やっとのことで、レナの悩殺姿からのがれた。
「みんな、なあ、レナのオシャレした姿は、
 ほかの奴らに見せたくねえな。」とぽっちゃりの江原。
「俺も、そう思う。5人でレナを独占って、みんなには、悪いけどな。」
と小柄な白井。
「じゃあ、じゃあ、何?みんなはあたしのこと、大切に思ってくれてるわけ?」
とレナ。
「あたりまえだよ。
レナがいなかったら、俺らのグループの地位は、ガタ落ちだよ。」斎藤。
「すでに、最下位じゃないの?」とレナ。
「あははは。その通りだ。」
みんなが、笑った。

彼ら5人にとって、レナのありがたみは、レナの美貌だけじゃなかった。
レナは、男たちのボケやどんなつまらない冗談でも、
必ず、あははは・・とさもおかしそうに笑う。
時々、レナ自身が突っ込みを入れて、
みんなは、爆笑する。
レナが、いるだけで、花が咲いたようになるのだ。

みんな、カラオケのスクリーンのスイッチを切って、
時を忘れ、話しに華を咲かせていた。


(次回は、「元妻からの電話」です。)

バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



モグリ美容室⑤「二人の熱い時間・その2」

モグリ美容室⑤「二人の熱い時間・その2」


二人は、満足して、また服を着た。
そして、冷蔵庫の中から、オレンジジュースを出して、ソファーで飲んでいた。
「ね、あたし達若いから、1回では全然足りないわね。」と、ルルが言った。
「うん。あたしも。あたし、男のとき、3日に1回がやっとだったわ。」レナ。
「ね、2回目は、女子高生の制服でしない?」とルル。
「あたし、もってないわよ。」レナ。
「うそよ。あなた、17歳で、高校生よ。
 生活に必要なもの、もらったはずよ。大きい紙袋。」とルル。
「助手の可愛い男の子がくれたわ。
 でも、あれは、あたしの男のときの背広や靴よ。
 それと、あたしに必要な、書類やカード。」
「見てないんでしょう。」
「ええ見てない。」レナ。
「あのモグリ美容室は、りっぱな慈善団体なの。
 あたし達、ほぼ女に改造してもらって、たった15万円だったでしょう。
 安すぎると思わなかった?」
「思った。」
「あたし達が身体改造したとき、困らないように何から何まで整えてくれてるの。
 カードなんかの、貴重品の中、よく見てみて。
戸籍謄本と、健康保険証、それに、手帳があったでしょう。」とルル。
「あった。でも、まだよく見ていないわ。」
「今見て。」とルル。

レナは、バッグの中を見て、すぐに見つけた。
青葉台高校の生徒手帳がある。
カバーをめくって驚いた。
変身したばかりのレナの顔写真が貼ってある、生徒手帳だ。

里中レナ。2年3組。生徒番号2-3-15となっている。

「ルル、これどういうこと?」とレナは、当惑しながら、聞いた。
「あなたが、通ってる高校よ。
 今日は、土曜日。レナ、その学校での昨日までの記憶があるでしょう。」
「うん。わかる。学校の先生の顔も名前もわかる。」
「レナは、月曜日から、この学校に通えるの。高校生としてね。」
「うそー!」とレナは、目を丸くした。
「ほんとよ。レナは、ダイアル2を基本人格にしたでしょう。
 だから、そのレナを中心に、あなたの環境のほとんどが変わったの。
 ほとんどであって、全部じゃないわ。」
「ルルは、どうしてそんなに詳しいの?」
「それは、身体改造なんて、すごいことするからには、徹底的に調べたわ。」
「不思議。これは、魔法の世界なの?」
「2300年のテクノロジーなんて、想像もつかないわ。
 それより、レナ。紙袋の中に、制服があるでしょう。」

レナは、袋の中を見て、あっと驚いた。
幸一の背広や靴ではなくて、女子高生の制服、ブラウス、靴。
そして、5つのウィッグがあった。

「わあ、すごい。でも、カバンや教科書なんかは?」
「レナが、昨日まで使っていたものが、あなたのマンションに、
 ちゃんと、移動されてると思うわ。」とルル。

レナは、呆然とした。
これから、自分はレナとして生きて行かねばならないことを、思った。
不安であり、逆に大きな喜びだった。
幸一として、制服姿の女子に、どれだけあこがれてきただろうか。

「レナ。いろんなことは、ゆっくり考えるとして、
 今は、2人の女子高生になって、楽しもう。
 あたし、女子の制服を、どれだけうらやましいと思ったかしれないわ。」
とルル。
「うん。あたし、今幸せ。着るの、夏服でいいよね。」とレナ。
「そうね。」

二人は、制服を来た。
ブラウスに、膝上10cmのチェックのプリーツ・スカート。
胸がVに開いたブラウスに、ふさふさのリボンを着ける。
そして、紺のソックス。
幸一は、レナを見て、興奮し、頭に血が上っていた。
膝上10cmのスカートだが、
レナは、驚くほど脚が長いので、かなりのミニに見える。
レナは、幸一ほどではなく、静かな幸せ感に浸っていた。

ルルも、同じくらい可愛い。
ルルは、高校生と言うことで、真紅のリップを拭き取り、
ブロスだけにしていた。

二人で、大鏡を見に行った。
お互い背中に腕を回して、仲良しの感じにしてみた。
「ルル。今度は、あたしが、してあげるね。」
レナは、そう言って、ルルのスカートから、ショーツを脱がせ、
女の子のアソコに見えるところを、少し開き、
ルルのPを、舐めた。
「あああん。レナ、感じる。」とルルは、言った。
すると、ルルの股間から、Pが大きくなって出てきた。
レナは、それを口にふくんだ。
「レナ。恥ずかしいけど、感じる。」
レナは、かなりの間、口で、ルルを愛撫した。
ルルの声が荒くなってきた。

「せっかくベッドがあるんだから、行こう。」
レナは、ルナの手を取って、ルルを寝かせ、
レナは、ルルの上に乗った。

レナは、ルルの顔をしげしげと見た。
「ルル、可愛いなあ。」と言った。
「レナの方が、可愛いわ。」とルルが言う。
キスをした。
下を絡めて、深いキスをした。

レナは、ルルのブラウスのボタンを2つ外した。
ルルの胸を大きく開け、ブラを乳房の上に、ずらした。
そして、ルルの乳房に頬ずりした。
「レナ、あたし達、女子の同士のレズビアンね。
 気分は、完全に女の子。」とルル。
「うん。自分が女装子ってこと忘れる。」とレナ。

レナは、ルルの胸を何度も愛撫し、
ルルの乳首を、噛んだ。
「あああああ。」とルルが声を出す。
「ルル、感じるの?」とレナ。
「うん。レナ、あたしを脱がせて。」ルル。
レナは、ルルのブラウスを脱がせ、ブラも取った。
そして、自分もブラウスとブラを取った。
胸のリボンの房だけ残している。

レナは、ルルの乳房を愛撫しながら、
ルルのスカートの中に手を入れた。
「ああん。」とルルは声をあげた。
レナは、ルルの太ももをに手を入れた。
「ああん、レナ、感じる。」
レナは、すでにショーツを取っている。
太ももを撫でている。レナの手は、ルルのPに届いた。
「ああん、レナ、すごく感じる。ああん、たまらない。」

「二人で真っ裸になろう。」レナは言って、
先にスカートとショーツ、ソックスをを取った。
胸にリボンがあるだけ。
レナは、ルルの下半身を脱がせた。
普通の女装なら、丸裸は、男に見えるので、何か下着を残すことが多いが、
レナとルルの場合、丸裸になっても、少女と少女だった。

二人は、抱き合った。
「ああん、女の子抱いてるのと変わらない。」レナ。
「そうね。あたし達、女の子ね。」ルル。
二人は、抱き合って、体のいろんなところを撫であった。

「ルルを女にしてあげる番ね。」レナは言った。
レナは、さっきされたように、クリームをルルのお尻の穴に入れた。
「ああん。」とルルは声をあげた。
「ルルのお顔が見たいから、仰向けでしてみよう。」とレナ。
ルルは、腰の下に枕を入れて、足を高く上げ、M開きになった。
「ルル、いれるわよ。」レナ。
「ええ、入って来て。」
レナが、挿入したとき、ルルは、
「あああん。」と声を上げた。

レナは、そっと男の子のように、ピストン運動をした。
「ああん、感じる。感度が3倍って、すごく感じる。」ルルが言う。
「女になった気持ち?」レナ。
「ええ、あたし、もう完全な女。」
レナは、このピストン運動が、少し、男のようで恥ずかしかったが、
自分のPが感じて、やめられなかった。
いつの間にか、二人は息を荒くして、
レナは、激しくルルを突いていた。
「ああん、レナ。もっと犯して。もっと、もっと、犯して。」ルル。
「いいわ。ルルを壊してあげる。こうでしょう?どう?」
「あああん、感じるの。あたしを、いじめて。もっといじめて。」
「あああ、ルル、あたし、そろそろイく。
 ルル、イってもいい?」
「ええ、いいわ。あたしもイきそう。前から、いくわ。」
「ルル。ああん、もうダメ、もうダメ、いくわ、あああああああ。」とレナは、
体を痙攣させた。
同時にルルも、背を反らせ、アゴを上げて、
「いや~ん、イく、イく、あああああああん。」
と言いながら、果てて行った。



ルルと夕食をして、自分のマンションに帰って来たのは、
夜の8時を過ぎていた。

レナは、頭のダイヤルを「0=幸一」にした。
カギを開けて、我が家に帰って来て、びっくりした。
どこもかも、女の子の部屋だ。
風呂をのぞくと、シャンプーや洗顔クリームなど、
みんな、女の子用だ。
箪笥を開けると、女の子の服が、ずらりと並んでいる。
(なんだ、買うことなかったな。)と思った。

妻と二人で、3LDKのマンションを選んだ。
今、一人暮らしの女の子としては、ぜいたくな広さだ。
高校生の住まいとして象徴的なのは、勉強机があることだ。
教科書や参考書がずらりと並んでいる。
『そうだ、宿題があるはずだ。』と調べた。
幸一は、椅子に座って、レナのノートを見た。
女の子の字で書かれている。
それが、ひどいもので、ろくに黒板を写せていない。
レナの学力が、いっぺんで知れる。

幸一は、男子では最難関の進学校で、上位にいた。
大学も難関と言われる大学を出た。
『今日から、宿題は、ぼくがやってあげるよ。』
と、幸一は、レナに話しかけたが、
レナが、それを聞いたかどうかはわからない。

幸一は、その夜、箪笥の女の子の服を、うきうきしながら、
何着か着てみた。
幸せだった。
これが、レナであれば、当たり前のことと思うのだろう。

始め、レナと幸一の記憶や人格は、かなり混在していたが、
少しずつ、人格がはっきり分かれて来た。
明日、ゆっくり調べてみようと思った。

あさって、月曜日からは、レナとして学校に行く。
楽しみだ。


(次回は、「学校での一日」です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



モグリ女装美容室④「ルルとの素敵な時間」

モグリ女装美容室④「ルルとの素敵な時間」


駅前に行くと、こげ茶の超ミニのボディコンを着ている子がいて、ルルとわかった。
肩見せ。細い紐が肩にかかっている。
黒いトンボのサングラスをかけた、驚くほど脚の長い子だ。
髪の毛は、茶髪で、セミロングのボブヘアー。
下の方に、カールが入っている。
「ルル。」と声を掛けた。
ルルは、サングラスを取って、
「レナ。向うからくるレナを見ていたの。
 まるで、お人形じゃない。脚がめちゃ長い。
 ウエストがめちゃ細い。」
「それは、ルルのことよ。ボディコンなんか着てると、
 超セクシー。」
ルルは、真紅のリップを引いていた。
ルルは、サングラスを追って、胸の隙間に入れた。

「ね、ラブホ(テル)に直行する?」とルル。
「2時間でしょ。ルルとお話しもしたいし、
 少し、お話ししてから行こう。」レナは言った。
「そうね。」とルルは言い、
流行りのコーヒー店に言った。
セルフなので、ホットドッグとコーヒーをもらった。
店には、道路に面したテラスがあったので、そこに座った。
木のテーブルは、丸くて小さい。

前を通る人が、二人をジロジロ見ていく。

「あのとき廊下でお話しした人とは、とても思えない。」とレナ。
「それは、あたしのセリフ。」
ルルは言って、
「ね、頭のダイアル「0」にして、話してみようか。」と言った。
「恥ずかしいわよ。18歳の女の子になっているのに。でも、いっか。」とレナ。
「いっせーのせ!」とルル。
レナも、ダイアル0にした。
ルルの声が急に大人の男性になった。
「いやあ、私たち、こんなに女の子になれるとは、思わなかったですね。」とルル。
「あなたは、女装歴長いんでしょう。私なんか、
インストールしてもらった女の子の記憶に頼りっきりですよ。」
「じゃあ、これから、メイクとかコーデとか、勉強ですな。」
「コーデっていいますと?」
「コーディネーションのことですよ。服の着合わせってところですかね。」
と、ルルは、声を女の子に戻して、
「あはははは。」と笑った。
「ダイアル0にすると、すごい違和感。」とルナも笑った。

「ねええ、ルルのお仕事聞いてもいい?」
「薬剤師。でも、この姿になったから、もうやめる。」
「もったいなくない?」とレナ。
「うん、でも、せっかく若く可愛くなれたんだから、
 それを活かした仕事に付きたい。レナは?」
「あたしは、もう会社やめて来たけど、コンピュータのプログラマー。」
「わあ、すごい。高収入だったでしょう。」
「それほどでも、ないわ。」

「あたしたち、女になってしまったも同然よ。気が付いた。」とルル。
「うん。あそこ以外完全に女よね。」レナ
「男とのセックスはできない。女の子とも。できるのは女装子同士だけ。」ルル。
「うん。自覚してる。」レナ。
「後悔してる?」ルル。
「今のところしてない。それに、若くなれて、すごくエネルギー感じる。」レナ。
「あたしも、すごく意欲を感じる。」ルル。
「1年くらいは、先のこと考えない。」レナ。
「あたしも。じゃあ、ラブホ行こうか。」
「うん。」と、レナは言った。

「あそこのラブホは、女同士でも入れてくれるの。」とルル。
「そうなの?」
「あたし、独身時代長いから。」

ラブホテルの受付に来た。
眼鏡を掛けた老年の男性がいる。
「休憩2時間お願いします。」とルルが言った。
「あんたたち、未成年かい。18歳未満ダメだよ。」という。
ルルは、健康保険証を見せた。
「ああ、わかった。でも、女同士は、ちょっとまずいな。」とおじさん。
「わかったわ。」とルルは、もう千円出した。
おじさんは、ニヤッとして、
「じゃあ、お楽しみにね。」と言ってカギをくれた。

「地獄の沙汰もなんとやらね。」とレナは言った。
「欲張りオヤジめ。」とルルは怒っていた。

部屋に入って、
「わあ~!」とレナは部屋を見渡した。
「セックスは、ラブホに限るわね。」とルル。

「ね、大鏡があるわ。並んでみよう。」とルル。
二人で並んでみた。
背は、ルルが2cmほど低い。
「あたしたち、かなりのプロポーションね。」とレナ。
「これ以上脚が長いと、人間じゃなくなるって。」ルル。

「ね、あそこ、一見女の子かどうか、見てみよう。
 レナも永久脱毛で、つるつる?」とルル。
「うん、つい、勢いで、言っちゃった。」
「ショーツをとっちゃおう。」ルル。
「うん。」
二人は、背中を合わせて、ショーツを取った。
そして、鏡を向き、スカートを上げていった。
「ああ、女の子と変わらない。」とレナ。
「レナ、興奮しないの?」ルル。
「今、必死で、我慢してるの。」
「じゃあ、我慢できなくしてあげる。」
ルルはそう言って、レナの後ろに来て、レナの胸に手を当てた。

「あたし、初めてなの。そっとして。」レナ。
「いいわ。そっとね。」
ルルは、レナの服の上から、乳房を愛撫した。
レナの頭に、ツンツンする快感が走った。
「ルル、あたし感じる。あそこが大きくなりそうで恥ずかしい。」
「完全に大きくしてあげる。」
ルルは、そう言うと、レナのキャミの肩ひもを外し、
ブラの中に手を入れ、乳首を、くりくりとした。

「いや~ん。ルルやめて。あたし、大きくなって来た。」レナ。
「もっと大きくなるの。」
ルルは、そう言って、愛撫を激しくしていった。
『あああ、感じる。男子のオナニーシーンを見ても、興奮しなかったのに。』
「ああん、ルル、やめて、いや~ん。あたし、恥ずかしい。」
「レナ、スカートの中に手を入れるわよ。」
ルルはそういって、レナのミニスカートの中に手を入れて来た。
そして、レナの熱い物に触り、レナのスカートを上げて、
レナのPを鏡に映した見。

「いや~ん。はずかしいわ。あたし、女の子なのに。」とレナ。
「あああん、ステキ。レナのような可愛い子に、こんな物があるのね。」
ルルは、そう言うと、レナの前に来てしゃがんだ。
そして、レナの熱い物を、口に含んだ。
「ああん、ルルにそんなことされたら、あたし、いっちゃう。
 ルル、やめて。お願い。あたし、立っていられない。」
ルルは、ふかふかのジュータンに崩れるレナを寝かした。
そして、レナの上に乗った。

「レナ、わかる?あたしも今、大きく固くなっているの。」
ルルは、レナのPにPを重ね、揺らしてくる。
「あああ、ルルにもあるのね。ああ、興奮しちゃう。」とレナ。
ルルは、レナの顔中にキスをして、
最後に、唇を重ねて来た。
ルルの体は、柔らかい。唇は、もっと柔らかかった。
「レナ、両手をあげて。」
レナは、そうした。
「ああん、つるつるの脇の下。
 感じちゃう。」
ルルは、言って、脇の下に何度もキスをした。

ルルは、レナのワンピースを脱がせ、スリップの隙間から、ブラを外して取った。
レナは、ピンクのすけすけのスリップ1枚になった。
「レナ、あたしを抱いて。」
「いいわ。」
レナは、ルルを抱いた。
ものすごく柔らかい。
「ルルは、柔らかいわ。」
「レナも柔らかいのよ。」
ルルはそう言って、レナの乳房を揉んだ。
たっぷり揉んで、レナの乳首に歯を当てた。
「あああん、感じる。ルル、やめて。」
「感じるのに、止めるなんて、おかしいわ。」
「本当は、もっとしてほしいの。もっと、もっと、乳房をいじって。」
レナの息は、すでに荒くなっている。
ルルの息も荒くなり、それが、レナを感じさせた。

「レナを女の子にしてあげるわ。」ルルが言った。
「どういうこと?」と、レナ。
「あたしに、犯されるの。」
「え?わからないわ。」
ルルは、そばのバッグから、あるチューブを出した。
中身を指に取り、レナをうつ伏せにして、レナのお尻に、指を入れた。
「ルル、まさか・・。」
「3倍感じるようにしてくれたでしょう?
 あたし達の体、作られたばかりだから、綺麗よ。」
ルルは、入れた指を、出したり入れたりした。
「ああ、ルル、感じるわ。こんなに感じるなんて。」

「あたしのを入れてあげるね。レナは、女になるのよ。」
やがて、レナの中に、指より太いものが入ってきた。
レナは、息がつまるような感じがして、
ルルのあれが、ピストンするたびに、耐えがたい快感に襲われた。

「これが、女の喜びよ。レナは、これで、完全な女にされるの。」
「あん、ああん、いい、いいわ。あたし、完全な女になるのね。
 ああ、ステキだわ。ルル、もっと犯して。もっともっと犯して。」
「女の喜びが分かったのね。大声をあげていいのよ。」
レナは、叫んだ。
甲高い「あっ。」という声を何度もあげた。

「レナ、あたし、イくわ。レナがエッチな声を出すから、たまらない。
 ああん、あたし、イきそう・・。」
「あたしも、イく。ジュータンを汚してしまうわ。」
「いいわよ、レナもイきそう?」
「いつでも、イけるわ。ルル、来て。あたしの中に出して。」
「ええ、イく、あああ、あたし、イっちゃう、イっちゃう・・。」
「あたしも、イくわ。ああ、出てきちゃう。イっちゃう、イっちゃう。」
あああああ、と二人は同時に果てて、重なり合ってつぶれた。


(次回は、「まだまだ続く二人の熱い時間」の予定です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



モグリ女装美容室③「レナの記憶」

また、予告と違った内容になってしまいました。すみません。
今日は、少し、短めです。
=====================================

モグリ女装美容室③「レナの記憶」

幸一ことレナが美容室を出たと同じくして、
隣の部屋からびっくりするほど可愛い女の子が出てきた。
「あ、あなた。」とレナは言った。
「ああ、先ほどの。」とその子は言った。
「お互い、別人ですね。」とレナ。
「ええ。これから、あたし、Pのある女の子です。」とその子。
その子は、ルルだと名乗り、レナも名乗った。
「レナ、可愛いわ、お人形みたい。」とルルは言った。
「ルルもすごい。超可愛い。」とレナは言った。

ルルとお話しがしたかったが、急いでいるようだった。
二人で、メールアドレスを教えあい
「連絡するね。」
ルルはそう言って、外に出ていった。

『一人で、女の子になったことを噛み締めよう。
 それも、いいな。』
レナは、そう思って、心の中の言葉が女の子になっていることに気が付いた。
それを、幸一の心が喜んでいた。

幸一とレナは、相互観察ができる。
一つ不思議なことは、
幸一が、少し離れたところからのレナを観察できることだ。
幸一にとっては、鏡に映さずに、レナの全身を観察できる。
もちろん一体になれる。
今、幸一は、びっくりするほど可愛いレナを見ている。

レナは、まず、コンビニに入って、チョコを買った。
受付の男の子は、お釣りを渡すとき、レナを初めて見て、
『はっ!』というような顔をした。
「あたし、何か変?」とレナは聞いた。
「あ、ごめんなさい。あなた、めちゃスタイルいいし、
 すごい綺麗だから、びっくりしただけ。」と男の子は言ってにこにこした。
「じゃあ、よかった。」
と、レナはにっこりして、外に出た。
自分が出た後も、男の子が、自分を見ていることがわかった。

レナは、レナの記憶を、知りたかった。
そこで、落ち着く喫茶店に入って、コーヒーを頼み、
自分の記憶を観賞した。
作られた記憶だが、今は自分の物だ。
まずは、高校2年の記憶をのぞいた。

夏の制服を着た自分が見える。
授業の終わりに、数学のテストを返された。
なんと、10点である。
『ああん、あたし、勉強最低。』と心の声が言った。
(幸一は、秀才だったのに。)
5、6人の男たちがすぐに来た。
「里中、お前の点見せろ。」斎藤が言う。
「いやよ。どうせからかいに来たんでしょ。」とレナ。
「違うよ、俺らより悪いやつを探してるだけだよ。」横井が言う。
「いいわよ。」とレナが10点を見せると、男たちが笑う。
「里中なあ。いくら顔が可愛くてもよ、ここまでおバカじゃ、
 彼氏できねえぞ。」
「知性美ってのが大事なんだよ。お前が男にモテないのは、そこだよ。」
そんなことをいいながら、男たちは解散した。

しかし、もう少し、記憶をたどると、面白いシーンがあった。
いつもレナを真っ先にバカにしにくる斎藤英一の部屋。
夜更けに、斎藤は、一人エッチをしている。
(こんな人の部屋まで、のぞけてしまうの?とレナは驚いた。
 作られた記憶だから、なんでもありかなと思った。)

斎藤英一は、しきりとレナの姿を思い浮かべている。
(それも、わかるの?要するに、映画だと思えばいいのね。と、レナ。)
レナは、夏の制服である。
「ああ、あああ、里中さん。
 学年で里中さんほどの美人は他にいないよ。
 里中さんほど、色っぽい女もいないよ。
 里中さんを見てるだけで、俺は幸せだ。
 あああ、里中さん。
 俺、里中さんが好きで死にそうだよ。
 里中さん、ああああああ。」
と果てて行った。

レナは、それを見てくすりと笑った。
『斎藤の奴、純情でやんの。
 空想してるだけなんだから、あたしを抱いたり、
 脱がせたり、自由なのに。』

別の記憶が、浮かんだ。
横井幸一だ。
横井も、一人エッチをしている。
『なんだ、横井!』とレナは、心で叫んだ。
横井は、何と制服姿のレナを四つん這いにして、
ショーツを脱がせ、スカートをまくり、
なんと、レナのお尻の穴に、指を突っ込んでいる空想をしている。

『横井、お前、こんな変態だったのか!
 空想は、自由だけど、していいことと、悪いことがあるわよ。
 何よ。あんまりじゃない。』

レナは試しに、頭のダイアルを「3」にしてみた。
すると同じ場面で、レナは、喘ぎ声を上げている。
『あああん、横井、指だけじゃいや。
 横井の本物を入れて。
 ああん、いやん、いやん、あたし感じる。』
「わあ。」と思って、レナは、ダイヤルをすぐに「2」に戻した。
「3」には、絶対してはいけないと思った。

同時に、レナは、自分の股間には、男の物があり、
自分は女装子であることを初めて思った。
『ああ、今まで、完全に女の子気分だったのに・・。』

レナは、ふと、頭の中のダイアルを、「0」、つまり幸一にした。
すると、とたんに、激しい性的興奮に襲われた。
抜群にプロポーションのいい美貌の女になれたこと。
コンビニの男の子が、レナを見て、頬を染めたこと。
学校で、バカにされながら、実は、男達のオナペットにされていること。
中には、レナに恋焦がれている男子もいる。
そして、空想の中で、自分のお尻に指など入れられていること。

幸一は、最高に興奮していた。
ガードルで抑えたアソコが、完全に大きくなって、
ガードルを押している。
今すぐ、どこかへ行って、一人エッチをしたくてたまらない。

幸一も、レナも悟った。
男は、視覚に弱い。見て興奮する。
だから、男向けのAVやエロ本が、あれだけある。
女向けは、ほとんどない。
女は、見てもさほど興奮しない。
女は、多分、体を撫でられたりすると、興奮する。
幸一は、撫でられても、あまり興奮しない。
喘ぎ声には、男も女も興奮する。
男は、町で、女ばかり見ている。
女は、見られていることをいつも意識している。

幸一は思った。
レナの姿でいる限り、幸一は、朝から晩まで、興奮して身が持たない。
レナでいる方が、身が持つ。

幸一は、自ら、頭の中のダイアルを、「2」=レナに戻した。

レナは、喫茶店を出て、女子の生活に必要なものを買いに行った。
洋服店に行き、まず初めに、下着コーナーに行った。
今までは、眩しい禁断のコーナーだった。
レナは、そこで、大人のオシャレ下着を見ていた。

すると、年配の女店員が来て、
「あの、ご試着なさってもかまいませんよ。」と言う。
見ている幸一の心は、ドキリとした。
「え?下着を試着してもいいんですか。」とレナ。
「普段用の下着は、お断りしていますが、
 このコーナーのように、高価なものは、試着していただいています。」
レナは、してみようと思い、オシャレな下着のブラとショーツを手に取った。
「どうぞ。」と言われ、店内にある試着室に案内された。

『自分の裸を、まだじっくり見ていない。見たい。』
その思いだった。
カーテンが引かれた。
レナは、裸になり、下着をつけた。
女性並みのヒップになったので、
ショーツが、横に引っ張られることに気が付いた。
Cカップのブラに、乳房をしっかりと入れ、鏡を見ていた。
美容室の鏡は、天井だったので、はっきりとわからなかった。
それが、今、間近に、自分を見て、ますます感激した。
幸一が、高校生のとき、高嶺の花として、絶対届かなかった女の子に、
今自分がなっている。

レナは、すぐに下着を脱いで、服を着た。
「これを、いただきます。」と店員に言った。
それから、別の店で、安価な服や下着、靴も勝った。
そして、化粧品も少し買った。

店を出たとき、スマホがなった。
ルルからメールだ。
『レナ。あたし、用が済んだ。
 会おう。駅前で待ってる。』
『OK。』の返事を送った。

『わあ、同じ境遇のルルからだ。』
ルルの際立って可愛い姿を見に浮かべた。
レナは、やっと、性的な興奮を得た。


(次回は、「レナとルルの素敵な時間」です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。




モグリ女装美容室②「身体改造」

モグリ女装美容室②「身体改造」


「では、体のリフレッシュをしましょう。
 あなたの体を、17歳にします。
 アソコに水槽がありますから、真っ裸になって、
 3分間使ってください。顔は後からしますから、首から下だけでいいです。」
美容師は言った。
「トムちゃん、お世話をして。」
助手のトムは、そう言われて、幸一のそばについて来た。
トムは、小柄で可愛い顔をしている。
この子が女装したら、さぞ可愛いだろうなと、幸一は思った。

ビニールのカーテンを開けると、そこは、風呂のバスのようになっている。
幸一は、真っ裸になって入った。
液は水色で、体温に保たれていた。
入ると、ぼこぼこ泡が出て来て、体が若くなってくるのがわかる。
体に青年の力が湧いてくる。
「これは、体の中身まで、若くするんですか。」幸一は、トムに聞いた。
「そうです。2300年のメイン・タウンでは、
 こうやってみんなが若くして、青春を何回でも味わっています。」
助手のトムが言った。
「いいような、悪いようなですね。」と幸一。
「おっしゃる通りです。町には、老人がいません。」とトム。

「もういいと思います。」
と、トムは言い、上がった幸一の体を拭いてくれた。
幸一は、体を見回した。
どこもかしこも、高校生の時の体に若返っている。

次に、幸一は、手術用ベッドに寝かされた。
天井に鏡があって、幸一の全身が映っている。

「まず、頭の毛の永久脱毛をします。」
美容師に言われ頭に、ヘルメットのようなものを被った。
中で、光線のようなものが点滅し、30秒ほど経って、
ヘルメットをはずされた。
すると、幸一の頭は、肌と同じ色の無毛になっていた。

「これから、体型を女性化します。」と美容師。
美容師は、トムに、
「どうかな。座高を8cm低くして、足を12cm長くしようと思うんだが。」
と相談した。トムは、
「首を3cm長く細くしますから、座高は、10cm低くしてはそうですか。」
と言った。
「そうだね。後で、全身を90%縮小すると、お客様のご希望の、
 身長165cmになるね。」と美容師。
「肩幅は、何センチせまくしますか。」と、トム。
「女性体型だと、8cmでいいが、お客様は、『お人形体型を希望されているから、
 もう一声、10cmで行くか。」と美容師。
「そうですね。」と、トム。

「これから、今、助手と話していたような体型になります。」
と美容師は、幸一に行った。
「おまかせします。」と幸一。
美容師は、アーチ状の器具を幸一に取り付けて、スイッチをONにした。
すると、アーチは、赤い光線を発しながら、
幸一の体の上を移動し、体を一舐めした。
すると、幸一の体は、びっくりするほど脚の長い体型になり、
細い肩幅は、スリムな女の子のようになった。
脚のO客も治り、膝小僧も綺麗になった。

「トム君、次は、筋肉だが、女性並みの40%OFFでいいかな。」と美容師。
「はい、でも、お客様は、肩の筋肉もおありなので、ここは50%OFF、
 それと、腹筋がはっきりわかりますので、ここも50%OFFではどうでしょう。」
「そうだね。」と美容師はいい、幸一に向かって、
「これから、筋肉を細くします。女性として生活に必要な筋肉は、
 保たれます。しかし、男性のときのイメージで、飛べると思ったものを飛べません。
 持ち上がると思っているものが、持ち上がりません。いいでしょうか。」
「はい、かまいません。」幸一は言った。
美容師は確認を取り、さっきのアーチを、幸一の首のあたりに設置し、
スイッチをONにした。
アーチが一舐めすると、幸一の体は、骨と皮だけのようになった。
首が、細く長い。

美容師は、幸一に向かって、
「ご安心ください。今は、ガリガリになっていますが、
 この後、皮下脂肪を注入しますから、女性の体になります。」と言った。

そして、今度は、違うアーチが設置され、
それが、幸一の体を舐めていった。
赤い光線ではなく、アーチの内側から、液体が、発射され、
それが、幸一の体の中に入って来た。
アーチが通り過ぎると、体のごつごつがなくなり、
スリムであるが、柔らかそうな皮膚に覆われていた。
幸一は、腕をそっと触ってみて、
「ああ、これは、女性の感触だ.。」と思った。
肩の筋肉も目立たず、くびれのあった腹筋も、
跡形もなく、なくなった。
限りなく女性の体になっていく。

「肋骨は、1本取ろうかね。」と美容師。
「2本取れれば、人間離れしたお人形体型になってしまいます。
 1本だけにして、後は、肋骨の矯正でいいと思います。」トムは言った。
「そうしよう。」と美容師は言い、幸一に、
「これから、一番下の肋骨を取ります。
 取るといっても、光線で液状化して、血液の中に放出するだけです。
 その後、肋骨を矯正して、下に行くほど細くします。
 内臓に影響はありません。」と言った。

ある幅広のアーチが肋骨のところに取り付けられ、
スイッチが入った。
ほんの15秒ほどだった。

天井の鏡を見て、自分の体が、どんどん女性化していくのが分かった。

「今、アンダーバスト68cm。ウエストは肋骨の5cm下が、
 一番細くて、51cmです。」トムが計測した。
「次は、いよいよ乳房と、ピップです。」と美容師は言い、
「トムくん。ヒップは、あまり大きくしないで、83cmくらいかな。」と美容師。
「いいと思います。83は、細身ですが、ウエストが51なら、
 十分くびれた体になります。」と、トム。

美容師は幸一に、
「乳房ですが、男性のときの乳首の性感帯を伸ばし、
 その感度も高めておきます。乳首も大きくします。
 これによって、乳房が感じます。乳首はもっと感じると思います。
 大きさは、Cカップにします。
 ヒップは、骨盤を女性並みに広げ、
 皮下脂肪をウエストからなだらかな曲線を描くように、注入します。
 ヒップアップした、見事なスタイルになります。一度に行います。」
そう言った。

腰と胸に、分厚いアーチが取り付けられ、30秒ほどで終わった。

幸一は、天井の鏡を見て、今や自分は、完全に女性体型であることを見た。

「では、あなたのご希望の、ペニスを変えます。
 女性のワレメを作り、ペニスが、埋没するようにします。
 それと、女装子の方々は、ときにアナル・セックスをすると思います。
 そこで、お尻の穴の性感帯を3倍の感度に高めて置きます。」
と、美容師。

「お尻の穴にも性感帯があるのですか。」と幸一は聞いた。
「ありますよ。人間が排便をしたとき、ある快感がありますよね。
 お尻の穴の感度を3倍にすると、排便の度、感じてしまうかも知れません。」
美容師は、にっこりして、幸一にわずかにウインクした。
美容師は言い、幅広のアーチをかけ、スイッチを入れた。
アーチが取れたとき、幸一の下半身は、
女性との見分けがつかないものとなった。

「次に、首から下の、永久脱毛と肌の白色化を行います。
 脇の下はもちろん、
 アソコの毛も永久脱毛されますが、いいですか。」
「はい、いいです。」と幸一は迷わずに言った。
「お尻の穴の周りも、黒ずみもなくなり、綺麗なお尻になります。
 すべて、無毛です。
 それから、全身の肌が、赤ちゃんのような、理想的なもち肌になります。」

アーチが、一舐めして、これは、簡単に終わった。
「あなたは、今168cmありますので、
 全体を縮小して、165cmにします。」
また、アーチが一舐めして、幸一の体は、わずかに小さくなった。

「いよいよ顔に移ります。
 顔は、20%小さくしします。
 これで、あなたは8等身のすばらしいプロポーションになります。
 次に、ヒゲの永久脱毛。
 眉は、女性的なラインを残し、周りは、永久脱毛。
 変えたいときは、メイクで補ってください。
 
 顔立ちは、いただいた「希望の顔」に基づいてそれに似せます。
 しかし、全く同じでは、個性がありませんので、
 あなたの今のお顔の痕跡を少しだけ残します。
 顔も、肌に合わせて、白色化します。
 目蓋は、元々二重でいらっしゃるので、変えません。
 それから、まつ毛は、一度永久脱毛して、
 長くてカールのついたものを、植毛します。
 メイクのとき、マスカラだけで済みますよ。
 ご希望の顔に合わせて、アゴやエラも削り、
 鼻も細く、女性的になります。
 オデコも丸くしますから、オデコを全部見せても大丈夫です。
 鼻毛は、一度永久脱毛して、
 植毛します。これで、鼻毛の心配はなくなります。
 植毛した鼻毛は伸びません。
 それから、お人形メイクがしやすいように、
 目尻と目頭に、ほんの少し切れ目を入れてあります。
 お顔が済んで、かつらを被って終わりです。」

 その後、

「あ、そうそう。かつらを被り、服を来てから、
 声を変えます。
 ご自分の姿を見て、一番適した声を選んでください。
 では、最終段階です。」
美容師は、言った。

幸一にとって、一番ドキドキするときだった。
「希望の顔」は、一番好きな、モデルさんを選んだ。
彼女とそっくりなら、うれしい。

顔をすっぽり包むヘルメットのようなものを被せられた。
スイッチが入り、
中で、いろいろなことがなされているのが分かった。

「はい、できました。」
美容師は、そう言って、ヘルメットを取った。
トムが、鏡を持ってきた。
「素晴らしく可愛いですよ。お人形見たいです。」
トムは、言った。
幸一は、自分の顔を見て、感激で涙が出そうだった。

「さあ、下着を着けて服をきましょう。」
そう言って、美容師は、女性の下着と、
上がキャミソールになった、可愛いワンピースを持ってきた。
スカートの淵が、白いフリルでおおわれた、ピンクのステキな服だった。
幸一は、下着とワンピースを着た。
ウエストの細いワンピースだったが、
それをすんなり着られる自分の体型に感激した。

「さあ、ウィッグです。
 これを、かぶるとかぶらないとでは、大違いですからね。」
ウィッグは、淡い色に脱色されたもので、
カールされた前髪。ストレートの髪で肩を過ぎたところから、
極ゆるいカールが入り、ふわふわっとなっている。

「髪を上げても、生え際は、地毛と変わりません。
 どうですか。装着感がないでしょう。」
「はい。かぶっている気がしません。」と幸一。
「髪が乱れても、ブラッシングすれば、今の形に戻ります。」

「では、姿見で、ご自分を見てください。出来上がりです。」
幸一は、鏡を見た。
驚くほど脚が長く、お人形のようなウエストの細さ。
「希望の顔」によく似た、愛くるしい顔。
すっぴんなのに、長い睫毛で、ぱっちりした目。
ピンクの唇。
『ああ、最高の気分。』幸一は感激した。

「さあ、声を決めましょう。」
と美容師が言い、幸一は椅子に座り、喉に器具を当てられた。
「あー、と声を出しつづけてください。
 いいと思った声で、何か言葉を言ってください。」
幸一は、「あー・・。」と言い続けた。
自分の声が、どんどん高くなり、女の子の声になっていく。
ここでいいかなと思ったが、もう少し、高くて可愛い声のところでやめた。
「この声にします。可愛い声だと思います。」幸一は言った。

「いいですね。お人形のあなたにピッタリな声ですね。」
美容師が言った。
トムもその声が気に入り、拍手をした。

「さて、基本の声が決まりました。
 今、頭の隅に、ダイアルが思い浮かんでいると思います。
 0から3までのメモリがありますね。
 0は、あなたの元の男性の人格。声も、あなたの前の声になります。
 1から、女性人格になります。
 1は、ステキな女性のアルト・ボイスで、ボーイッシュな人格。
 2は、あなたの選んだ声。標準です。17歳の女の子の人格。
 3は、最高に女っぽい声です。甘ったれた、にゃんにゃんした声です。
    この声は、ふつう、気持ち悪くて、嫌われます。
    人格も女女したものに成りますから、
    この声を使うのは、セックスのときくらいにした方がいいですね。
 お気づきのように、声に見合った人格になるわけです。」

トムが、女性用のバッグ。高さ4cmのかかとのサンダルを持って来た。
そして、幸一の男性時の服を、袋に詰めてくれた。

幸一は、最後に聞いた。
「こんなことは、ないと思いますが、もし私が完全な女性になりたいと思ったら、
 なれますか?」
美容師は、言った。
「女性のような膣を作ることは、簡単です。
 女性として、子供を産める体になりたいときは、
 2300年のメイン・タウンに行く必要があります。
 そこで、クローンによる臓器移植を受けなければなりません。
 すっぽり、男性機能全部を女性のものと取り替えます。
 しかし、メイン・タウンは、恐ろしいところですから、
 行かない方がいいと思います。」

「わかりました。最後の質問なのですが、
 ふとした時に、性的に興奮してしまい、
 あれが、大きくなってきたら、どうすればいいでしょうか。」
と、幸一は聞いた。
「ガードルを履いていれば、抑えられます。」と美容師。
『だから、さっきガードルも渡してくれたのか。』と思った。

幸一は、お金を払い、出て行こうとしたとき、
「大事なものを忘れていました。」
美容師は、ある封筒をくれた。
「これは、この町では、完全に違法なのですが、
 あなたの戸籍謄本です。
 あなたは、里中ルナという名で、里中幸一さんの長女となっています。
 健康保険証もその名で作り、性別も女性になっています。
 お金は、旧姓のカードをお持ちだと思いますので、
 それを、使ってください。
 これら、すべて、このレトロタウンでは違法なので、絶対の内緒にしてくださいね。」
幸一は、感激した。
「ありがたいです。ありがとうございます。」
「では、ダイアルを2の標準にして、ここをお出になってください。」
美容師とトムが、ドアのところまで、見送ってくれた。

レナは、これで女として生きていけると、
胸を躍らせながら、外に出た。


(次回は、「ルルとの初外出」です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。






モグリ女装美容室①「幸一の決心」

長編をがんばって書きましたので、今度はお気楽な気持ちで書きます。
途中からえっちになります。読んでくださるとうれしいです。
====================================  

「モグリ女装美容室」①「幸一の決心」


ここは、2300年の未来都市の中の、
2010年に設定されたレトロタウンである。
技術の進歩が、必ずしも幸せにつながらないと考えた人たちが、
牧歌的であった2010年を真似て作った都市である。
ここでは、2300年の技術が、シャットアウトされ、
許されているのは、医療に関する技術くらいである。

里中幸一は、52歳。レトロタウンの住人である。
子供はなく、長年連れ添った妻と離婚し、独り身になった。
すると、長年心の中に、封印してきた女装への願望がむくむくと、
胸の中に湧き上がって来た。

いつの世も、どの地域でも、
「モグリ」と言いうものがある。
法に違反し、こっそりとやっていることである。
幸一は、2300年の技術を取り入れた、モグリの「女装美容室」を見つけた。
変身料は、さほど高くない。
自分の注文に応じて、どんな女にもなれるという。

ある夏の土曜日の夜、里中幸一は、その美容室を訪れた。
玄関や廊下は暗く、いかにもモグリという感じである。
待合室には、自分と同じくらいの年齢の男がいた。
幸一は、その男の隣に座った。
心細く、誰かと話したかった。
「あの、あなたも、女性になりたいのですか。」幸一は聞いた。
「正確には、女装子です。
 どんなにいい女になれても、男のアレがないと私は萌えないんですよ。」
「私も、同じです。ご家族は?」
「女装がしたくて、未だに独身です。あなたは。」
「子供はなく、離婚しました。今は、独身です。」
「変身後、仕事はどうなさいます。」男は聞いて来た。
「辞めてきました。洋菓子店の店員をやってみたいです。」と幸一。
「それも、いいですな。私は、ファッション誌のモデルになりたいです。」
「そこまでの、いい女になれますか。」
「ええ、思い通りの女になれると聞いています。
 あくまで、アソコは男ですけどね。」と男は、笑った。

その内、男は、隣の部屋から呼ばれた。
「じゃあ、失礼。今度会うときは、可愛い女装子同士ですね。」
「ええ、楽しみです。」

その内、幸一も呼ばれた。
中に入ると、驚くほど明るく、最先端の設備が整っていた。
40歳くらいの白衣の男と、20歳代くらいの助手と見える男がいた。
二人は、前もって幸一に渡した、「希望項目一覧」を見ながら、
「えーと、17歳の女装子、お人形のような人間離れした可愛い女。
 身長165cmくらい。なるほど。」と年配の美容師が言った。
「失礼ですが、あなたは、これを、自イをする前に記入しましたね。」
「あ、はいそうです。」
「アレを済まさず書くと、つい過激になってしまうんですよ。
 人間離れしたお人形のようなとありますが、
ちょっと人形っぽい感じ、くらいにしませんか。」
「あ、はい。ご忠告に従います。」と幸一。

「それから、一番大切なことですが、
 あなたの52歳の現在までの認識をどうされますか?
 17歳の女性になるなら、そういう女性の演技を続けなくてはなりません。
 言葉や身振り手振り、また、『いやん』なんていう反射的行動のすべてです。
 選択肢として、あなたのこれまでの体験の記憶、また、学んできた記憶などを、
 すべて消去して、
 17歳の女の子の人格に仕上げられているサンプルがありますから、
 それを、あなたにインストールしますと、あなたは、17歳の女の子と
 言葉も仕草も寸分違わない女性としてやっていけます。」

幸一は、少し考えた。
「52歳の今の認識は、失いたくありません。
 かといって、17歳の女性の演技ができる自信もありません。
 できましたら、今の私の認識はそのままに、
 それに加えて、17歳の女性の人格サンプルをインストールできますか。」
幸一は、とても無理だろうと思いながら言った。
「できますよ。頭の中で、切り替えをするわけですね。
 多くの方は、それを望まれます。」と美容師は言った。
(だったら、初めからそう言ってくれればいいのにと、幸一は思った。)

「あのう、二つの人格は、常に互いを観察できますか。」
「相互オブザーブですね。できます。そうできないと面白くありませんから。」
と、美容師は笑った。

美容師は、さらに言った。
「髪の毛ですが、当美容室では、あなたの髪を剃って、永久脱毛をかけます。
 そして、高性能のウィッグを使います。
 それは、蒸れず、劣化せず、着用感がほとんどなく、
 スタイリングもできます。
 ウィッグは、年に1回洗えばよく、5つくらいスタイルの違うものを持っていれば、
 大変便利です。洗う面倒もなく、ドライヤーもいりません。
 ウィッグのまま、激しい運動をしても大丈夫です。
 未来都市の女性は、皆そうしています。
 それとも、あくまで天然の髪で行きますか?」
「かつらでいきます。
 それと、大事な質問ですが、男に戻りたいと思ったときは、
 男に戻れるのですか。髪も、今のように、生えてくるようにできますか。」
幸一は聞いた。
「できます。今のあなたの体のデータがありますから、
 元通りにできます。頭髪も伸びてくるようにできます。
 しかし、私は、この美容室を、もう10年やってきていますが、
 元に戻して欲しいとやって見えた方は、いません。
 皆さん、変身後の姿に満足なさり、もう男の生活に戻ることを、
 希望されません。」
「よくわかりました。」と幸一。

「あ、重要な質問を忘れていました。」美容師。
「何でしょう。」と幸一。
「Pの形状なのですか、一つは、今のまま、タマタマを恥骨のくぼみにしまい、
 Pを股下に回し、その上から、ショーツを履いて、女の子の股に見せるというのが、
 ありますね。
 今、皆さんそうですね。
 もう一つの選択肢は、タマタマは、小さくして、体内に入れてしまう。
 タマタマは、冷やして置くのがベストなので、寝るときは解放します。
 問題はPなのですが、私たちは、Pを限りなく短くして、
 体に埋没させることができます。
 脳が性的な興奮状態になると、膨張し、一般の男性のボッキ時のときの
 大きさになります。

 こうすると、ショーツを履くとき、すーと履けて快適です。
 更に、もう一つ選択肢があるのです。
 アソコに、女性と変わらないワレメを作ることができます。
 そこに、先ほどの埋没したPをしまえるのです。
 ワレメが、Pを覆ってしまうので、外見上、また触られたときも、
 男性には、見られないし、思われません。
 トイレでは、ワレメのひだを、少し開いてやる必要があります。
 違法ですが、(しないでくださいね)女性の風呂に入っても、
 男性だとは、絶対バレません。」
幸一は、考えた。
いざというとき、アソコも女性に見えた方がいい。
「今のところ、ワレメ有りを、希望します。」
言いながら、幸一は、少し赤くなった。

「では、そろそろ、お人形のように可愛い女装子さんに、
 あなたを改造しましょう。
 麻酔は使いません。メスも使いません。あなたは、天井の鏡ですべてを観察できます。」

美容師がそう言ったとき、幸一は、期待と喜びで、胸が震えた。


(次回は、「身体改造の過程を見る」です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。




江戸町遊び人・油川京之介⑫「京之介・千葉重三郎の戦い」最終回

久しぶりに、長い物語を書きました。長い物語は、自分として、
もう書けないだろうと思っていましたので、最後まで書くことができ、うれしいです。
最後まで、お付き合いくださった方、ありがとうございました。
====================================  

江戸町遊び人・油川京之介⑫「京之介・千葉重三郎の戦い」最終回


早苗と小次郎の試合が終わると、見物人の熱気は最高潮に達し、
応援の声が、今まで以上に沸き上がっていた。
「母上、京之介が、江戸1番と言われる千葉重三郎と戦います。」
梢は、母に行った。
「ええ。あんな方と戦えるだけで十分です。
 ただ、祈るばかりです。」
母の沙月は、手をすり合わせて、祈っていた。
「よい試合をしたら、誉めてやらねばなりませんね。」
次男の倉之助が、兄に言った。
「ああ、勝てるとは思わないが、頑張ってほしい。」
幸之介は、そう言った。

元ゴロツキ5人は、皆京之介のファンである。
「神様、仏様、京之介が勝ちますように。」と拝んでいた。

彩芽は、天幕の中で、
「雪之丸様、桔梗様。京之介が、勝てることがあるでしょうか。」と聞いた。
「さあ、天下の千葉重三郎ですからね。幸運を祈るばかりよ。」と桔梗が言った。
そう言いながら、桔梗は、京之介の勝利を信じていた。
「なんだか、あのときの雪之丸を見ている気持ちです。」と桔梗が言った。
「私も、他人事とは思えません。」と言って、雪之丸笑った。

この武芸大会の裏の立役者、油川宗之介の幕部屋には、
店の手伝いが、5人ほどいた。
「宗之介様、京太郎様が、千葉重三郎と戦います。
 勝てたら、もう大変なことになりますよ。」と女子の店働きが言った。
「負けたって、江戸の2番です。すばらしいですよ。」と男子の店働き。
宗之介は、試合をもろくに見ず、
「私は、もう怖くて、見られないんだよ。
 京之介が勝っても負けても、その時、教えてくれないか。」と言った。
「そんなのダメですよ。京之介さんの試合をしっかり見てください!」
と皆に言われ、宗之介は、椅子に座り、試合を見ることにした。

「重三郎、よかったな。あのときの娘と、再び対戦できる。」
と、八田小次郎は言った。
「ああ、うれしくて、たまらない。」

やがて、二人の名前が、太郎之介によって、呼ばれた。
京之介は、にこにこして、
「じゃあ、行ってきます!」と幕部屋のみんなに言った。
そして、200人もの観客に、両手を振った。
わおおおおと、また歓声が上がる。
千葉重三郎が、その大きな体で、赤土を踏み、開始線に立った。
京之介も、同じく、開始線に立った。
まるで、大人と子供に見える。

観客が熱狂しているので、
審判の太郎之介は、観客席近くまで行って、「静かに!」と大声を上げた。
それで、観客は、しーんとなった。

二人は立って、見合ったまま、なかなか礼をしなかった。
重太郎は、何度もイメージトレーニングを頭の中にくり返していた。
8割の勝ちを思っていたが、
負ければ、それは、相手がすごいということだ。
それも、また感動だと思った。

京之介は、門前町での、重三郎との対戦をはっきり覚えていた。
その時の重三郎の構えを、半透明のスクリーンのようにして、
目の前の重三郎に重ね合わせていた。
重三郎が、居合に構えれば、スクリーンは、ぴったり重なるはずだ。

やがて、はじめ!の声がかかった。

重三郎は、腰にきつく巻いた帯に、木刀を差していた。
そして、歩幅をとり、腰を落とし、重心を下げていた。
京之介の頭の中の、スクリーンの映像と、目の前の重三郎の構えがぴったりと重なった。
それだけ、重三郎は、寸分も狂いのない構えを取っているのだ。

重三郎の気迫がだんだん高まって来た。

観衆は、息を殺して見ていた。

そろそろ来る。
京之介は、全神経張り巡らした。
くっと重三郎の握りが強くなり、
来る!と思ったとき、重三郎は、抜きながら、
右足のかかとを軸に足を右に向けたのだ。
スクリーンと実物の違いでわかった。

『あ。』と雪之丸と桔梗は、思った。

『そうか!』と京之介は、重三郎の右肩ではなく、
右を向いた重三郎の背に走った。

重三郎は、「キエィ!」と木刀を抜き、
正面から、元の右肩を一文字に薙いだが、京之介の手応えはなかった。
そのまま、木刀を振り、元の背のところまで、振り切ったところに京之介がいた。
京之介は、やってくる重三郎の手首をがっちり右手でつかみ、
左手で重三郎の腕の付け根をつかみ、
重三郎の一文字の勢いが止まらぬうちに、
重三郎の手首を中心に、腕の付け根を力点として、
重三郎を、回した。
一文字に切ったその方向に腕を運ばれ、重三郎は、簡単に円運動に引き込まれた。

自分の周りに重三郎を回しながら、京之介は、その手を低くして行った。
態勢を低くされ、『このままでは、つぶされる』と思った重三郎は、
右手にある木刀を左手にとり、木刀を垂直にして、思い切り地面に差した。
これにより回転を止め、反動で、身を立てることができる。
重太郎は、ぐっと頭を持ち上げ、上体を反らせ、アゴを上げた。
そのアゴに、拳を内に曲げた京之介の手首が入り、京之介は左足を広げ、
「エイ!」と重三郎を後方に運んだ。
起きようとした方向に投げられ、重太郎は、簡単にエビ反りになり、
京之介の投げる背面に倒れて行った。
京之介は、重太郎の頭を、クッションのある自分の草鞋の上に運び、
ここで、決着がついた。

「油川京之介の勝ち!」と声がかかった。

緊張で、息を押し殺していた観衆は、「わあ!」と声を上げた。
その後、大きな拍手が続いた。

京之介は、重三郎に手を差し出し、重三郎を起こした。
「草履で、脳震盪から、守ってくださるとは、かたじけない。
 あなたには、勝てませぬなあ。」と重三郎は言った。
負けても、重三郎は、にこにこしていた。

「わあ、京之介が、江戸1番だ。大川道場も優勝だ!」
と元ゴロツキ5人は、興奮して、飛び上がって喜んだ。

「母上、見ましたが。」と梢。
「ええ、ええ、しかと見ました。
あの千葉重三郎様に勝つとは、まだ、夢のようです。」と母・沙月。

宗之介の幕部屋では、大騒ぎであった。
「宗之介様。京之介ぼっちゃんが勝ちましたよ。」
「もう、夢のようです。おめでとうございます。」
「江戸1番ですよ。」
宗之介は、目をにじませながら、
「みんな、応援してくれて、ありがとう。
 この大会のために努力した甲斐があった。
 みんな、ありがとう。」と言った。

試合場は、重太郎と京之介が、開始線に戻って、礼のときであった。
会場は、一時静まった。

「両者、礼!」と太郎之介の声。
二人は礼をした。
そのあと、重三郎が、京之介のところへ歩いて来たので、
京之介も、歩み寄った。

「やはり、右足を見抜かれましたか。」と重三郎は言った。
「はい、一度対戦したときの、重三郎様の構えが目に残っていましたから。」
「バレないように、1か月、研究したのですがね。」
「今日もし、真剣であれば、私の負けでした。」と京之介。
「ほう、それはまた、どうしてですか。」と重三郎。
「真剣ならばサヤが、腰に残っています。
 重三郎様が、右へ向くと、サヤは、私の目の前に横になります。
 私は、サヤが邪魔で、間に合いませんでした。」
それを聞いた重三郎は、さもうれしそうな顔をした。
「これは、うれしい。では、私の努力もまんざら無駄ではなかったのですね。」
「そう思います。」
「聞いてよかったです。あははははは・・・。」
と重三郎は、高らかに笑った。
京之介は、にっこりとうなずいた。

大川道場の幕部屋に京之介が帰ると、
みんなは、喜び、京之介をもみくちゃにした。
「まだ、最後の受賞会が残っています。」
と京太郎は、逃げた。

太郎之介の声がかかり、出場者は、殿の御前に、横一列に並んだ。
近衛太郎之介が、各道場の名を呼び、それぞれ賞状をもらった。
そして、殿の言葉があった。

「わしは、大変耳がよくてな、出場者たちが幕部屋で言っていることも聞こえたのじゃ。
 まずは、松下道場。
 松下道場の1回戦では、大川道場が女子子供だけと見えたであろう。
 しかしながら、試合では、決して相手を見下すことがなく、
 全力で立ち向かったのを、うれしく思うた。
 さらに、試合に勝って戻って来たとき、大川合気流のよさを認め、
 「合気流恐ろしや。」と皆に言っているのを聞いた。

 勝ちながら、相手の長所を素直に認め、さらに向上せんとする、
 松下道場の真摯な姿勢を、わしは、誇りに思うた。
 今後も、精進してくれい。」

「ははあ。」と言って、松下道場の5人は、深く頭を下げた。

「さて、千葉道場であるが、江戸1番の名門として、
 重圧があったことであろう。
 松下との激戦を見て、わしは、体の血が湧いた。よい戦いであった。
 これは、聞いた話であるが、
 千葉重三郎は、大川道場のある人物と、道で立ち合いをし、居合で負けたそうである。
 その者に、今度こそ勝とうと、道場の小部屋にこもり、寝食を忘れ、
 1か月もの研究をしたという。
 工夫は、単純なことにあるにちがいないとの信念で研究に研究を重ね、
 今日の試合に臨んだ。

 わしは、これこそ、剣士の鑑であると思う。
 このような剣士がいる限り、名門千葉道場の名声は、ずっと続くであろう。
 見事であった。

さて、大川合気流道場である。
 大川合気流は、『相手の力、相手の勢いを利用して投げる。』
 という。
 見るまでは、半信半疑であったが、彩芽が清右ヱ門をなげ、
 藤村早苗が、千葉の小次郎を投げたるを見て、納得がいった。
 そして、油川京之介を見て、完成された合気流を見る思いであった。
 感動し、わが胸は、震えた。

 合気流は、剣道から離れ、一つの新しい武道として、
確立されるべきであると思った。
『戦ったあと、和する』という合気流の精神は、今日の試合でも見られた。
合気流と戦って負けた者が、皆すがすがしい顔をしておった。
民に広く伝えられるべき、武道として、精進してほしい。

さて、3道場のほかに、わしが、特別に紹介したい人物がいる。

油川屋主人、油川宗之介、前に来てくれぬか。実篤が言った。

宗之介は、そろそろとやって来た。
「宗之介、皆に顔を見させてくれ。」
宗之介は、見物人の方を見た。

「私が無類の武道好きであることは、知れていることと思う。
 そして、私は、江戸で名高い3道場の武道大会を、
 かねてより開きたくてたまらなかった。
 しかし、財政困難の折、とてもそんなことはできぬと、財政の者が言う。
 そこで、わしは、油川屋の宗之介に泣きついたのじゃ。
 宗之介は、快く引き受けてくれたが、
 見返りとして、宗之介に渡すものがない。
 わしは、心苦しく思いながも、宗之介に甘えることにした。
 とうとう、最後まで、宗之介に、わしから与えるものがなかったが、
 宗之介の4男、京之介が、二人の塾頭を破り、優勝した。
 また、彩芽とトメが、積年の恨みを忘れると言った。

 どうじゃ、宗之介、私の手柄ではないが、この二つを甲斐として、
 許しては、くれぬか。」と実篤は言った。

宗之介は、実篤に深く頭を下げた。
「彩芽と祖母トメは、私の、身内も同然のものです。
 殿様が、二人にくださった温かいお言葉に二人は救われました。
 一生忘れられるものでは、ございません。
 そして、京之介の活躍。
 私にとりまして、何ものにも代えがたいご褒美でございます。
 今は、感激で、胸がいっぱいでございます。」
と、言った。

「そうか。そう言うてくれると、わしも救われる。」
 実篤は言い、向うの見物人に向かって大声で言った。
「こんな風に、御前試合を見られるのは、初めてであろう。
 これも、ひとえに、油川宗之介の希望で、そうなったのじゃ。
 皆で、宗之介に、拍手でもしてくれい。」

「そうか、そうなのか。」
などと言いながら、200人ものすごい拍手が起こった。

宗之介は、この拍手だけでも報われると思った。
そして、実篤の細に渡る心遣いをうれしく思った。



油川家の家族、そして、彩芽と婆様で、宴会が行われた。
隣の部屋では、手伝ってくれた、店の者たちで、宴会をしている。

宗之介が言った。
「何の取り柄もないと言われていた京之介が、今や江戸一番の剣士となった。
 よくできた彩芽に対し、やっと釣り合う男になった。
 これで、二人の祝言に、なんの文句もない。
 幸之介、そうだな。」
「はい。もうなんの不足もありません。」幸之介が言った。
「兄上は、京之介が小杉大吾に勝ったとき、涙を流していましたよ。」
と次男の倉之介が言った。
「これ、倉之助。」と、幸太郎は照れていたが、
「お兄様も、結局、京之介が、可愛くてならないのですね。」と梢。
「いや、私は、やっと肩の荷が下りたと、うれしかったのです。」と幸之介。
「まあまあ、そういいうことにしておきましょう。」梢が言って、みんなで笑った。

「婆様、彩芽も、今日で恨みを忘れることができましたか。」
母の沙月が言った。
婆様が、
「はい。皆様のおかげです。明日からは、恨みのない心で、晴れ晴れと暮らせます。」
「私も同じです。今日お殿様が、『彩芽は、最後まで法を守ったのじゃ。』
 と言ってくださったとき、涙が出て、なりませんでした。
 お殿様は、私たちを救ってくださいました。」と彩芽が添えた。
宗之介が、
「だからこそなのだ。あのお殿様に、頼みごとをされると、私は断れない。」
と言った。

それから、酒がまわり、みんな多弁になった。
彩芽は、京之介が、首侍に1両そっと渡してくれたことや、
スリを3mも投げ飛ばし、そこに来たゴロツキを4人を一瞬にやつけ、
合わせて5人に1両ずつ与え、改心させたこと。
その帰り、千葉重三郎と立ち合いかったこと。
そのために、重三郎は、1か月の部屋ごもりをしたことなどを、
身振り手振りよろしく語った。

「ほら、言ったでしょう。京之介は、お金を無駄には使いません。」
と、酒の入った幸之介。

隣の部屋から若者の楽しげな声も聞こえ、
幸せな気持ちの中、みんなが満ち足りて、
めでたい夜を過ごした。

===========エピローグ・3年後=============

油川宗太郎は、次男に第二支店、三男に第三支店を作り与えたので、
京之介・彩芽夫妻には、道場と住まいを作って、プレゼントした。
それが、大川合気流道場の隣が空地であったので、
まるで、並んでいるように、道場ができた
新道場の裏には、新婚の二人の部屋。婆様の部屋。
そして、大広間もあり、ゆったりした住居だった。

京之介は、雪之丸や桔梗と相談して、
新道場は、無手と無手で稽古ができるよう床をすべて畳とした。
雪之介、桔梗は大賛成であった。
これからは、刀を相手にする時代は、終わっていく。
新道場は、「大川合気流第2道場」として、大川の名を残した。

京之介の名は、すでに江戸中に広まっていて、
道場の初日に、50人の列ができていた。
稽古代を箱に入れる方式は同じである。

昼は、婆様と彩芽で握り飯を作る。

稽古は、午後5時に終わり、
その後は、二人で、雪之丸と桔梗の接骨を手伝い、外科の勉強をしていった。

ある夜、婆様と3人の食事が終わった後、
京之介と彩芽は、新婚の部屋にいた。
「彩芽、ここだと人の目があって、私は、のびのび女になれないよ。」と京之介。
「あら、人の目って誰のこと?」
「婆様とか。」
「婆様は、完全な理解者じゃない。」
「そうっか。なら、お隣の雪之丸様や桔梗様。」
「京之介。あのお二人は、2年交代で、夫と妻の役を交代してるじゃない。」
「あ、そうだ。今は雪之丸様が、女になり妻をしている。
 そう言えば、昔からお二人は、2年ごとに交代してる。」
「夜は、二人とも妻になってるそうよ。」
「あはあ。じゃあ、私たちも、二人妻になっちゃう?」
「その方が萌えちゃう。」
「うふふ。」
と二人は、鏡の前に行った。





※次回は、未定です。

バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



江戸町遊び人・油川京之介⑪「京之介、小杉大吾と戦う」

今回は、いつもの1.5倍ほど長くなってしまいました。
読んでくださると、うれしいです。次回、やっと「最終回」です。
==========================================   

江戸町遊び人・油川京之介⑪「京之介、小杉大吾と戦う」


彩芽と祖母トメは、殿実篤の言葉に、心が洗われる思いで、
幕部屋に、にこやかに帰って来た。
「よかった。」と言って、京之介は、彩芽を涙ながらに抱きしめた。
雪之丸と桔梗は、婆様の手を取り、喜びを共にした。
みんなが、泣いていた。

「ああ、よきお殿様ですね。」と京之介の母・沙月が言った。
「お殿様のお言葉に、私は涙が止まりませんでした。」と梢は言った。

彩芽の試合の興奮も、やっとおさまり、
4番手の名前が呼ばれた。
木下は、道場で2番目に強い土方内蔵助が、呼ばれた。
大川道場は、京之介に年が近い、畑中誠司が呼ばれた。

「あ、京之介が最後ですね。大将なのでしょうか。」
油川屋の次男倉之助が、兄幸之助に言った。
「京之介が大将とは思えない。父がこの試合の世話をしているので、
 そのお情けだろうか。」
と兄、幸之助が言った。
すると、三男の世之介が、
「ありがたいですが、残るは、あの江戸2番の小杉大吾です。
 惨めな負け方をすれば、京之介が可哀相です。」と言った。
「ああ、いかにも。京之介が、一太刀でも、当てられればいいのだが。」
幸之助が言った。

畑中誠司と土方内蔵助の試合が始まった。
畑中誠司も、皆のように、体格のいい土方を翻弄した。
あやうく土方を倒せるとこまで行って、最後に、胴を打ち込まれた。

見物人は、大きな拍手を送った。
大きな男をあれだけ翻弄したのは、立派との拍手であった。
次は、京之介である。

「いよいよ、京之介ですね。」雪之丸は、桔梗に言った。
「はい、楽しみです。」と桔梗。
「桔梗様は、京之介の勝ちを確信していますね。」と雪之丸。
「もちろん。どうやって勝つかが楽しみです。」と桔梗。

観客もざわざわしていた。
「あれ。油川屋のバカ息子じゃないか。」
「なんで、あそこにいるんだ。」
「強いのかな。」
「バカ言え。この大会は、親父が、資金提供して、任されているんだ。
 京之介を出すというのが、条件だったんじゃないか。」
「なるほど。それなら、うなずける。」

「京之介は、何の取り柄もないが、俺は、あいつが好きだよ。
 いつもにこにこして、愛想がいい。」
「俺もそうだ。憎めない奴だ。俺は、京之介を応援する。」
「ああ、京之介、うまく逃げてくれ。」
と、あちこちのささやきも、だいたいこんなことだった。

やがて、松下の小杉大吾、大川の油川京之介の名が呼ばれた。

そのとき、一人、首をかしげていたのは、千葉の重三郎である。
「あの女は、なぜ出ない。次の千葉戦で出て来るのか。」

「はじめ!」の声がかかった。
小杉は、相手としては、遥かに不足と思った。
だが、獅子はウサギでも全力で倒すという。
相手が誰でも、俺は、手を抜かぬ。
そう思いながら、小杉は正眼に構えた。
正眼から、面の1本で終わりである。
自分の速さを見切れるのは、千葉の重三郎しかいない。

京之介は、無手である。
自然体に構え、やや足を開き、つま先に重心をわずかにおいていた。

二人は、しばらく見合っていたが、
小杉は、瞬足、脚のばねを使いビンと前に飛び出した。
木刀を振り上げ、京之介の額に「面!」と声を上げ入れた。
京之介の顔は、ぎりぎりまで前にあったのた。
だが、木刀を額に入れられる前、瞬時の間に、京之介の顔が消えた。
気が付くと、小杉は、背中を、ぐいと押された。
全力で行った上に、背中の押しで、スピードを加えられ、
小杉は、脚が付いてゆかず、1234と前のめりになって、
必死で、体を止めた。

見ているもの全員が、「あっ。」と声を上げた。

「相手の力を利用するとは、あのことですな。」
千葉道場の一人が言った。
「いかにも。だが、あの速さを見たか。
 小杉の剣を紙一重にかわすとは、信じられん。」

小杉本人が、一番驚いていた。
『奴のかわしが見えなかった。避けるどころか、俺の背中に回り押すとは。
 もう少しで、前に崩れるところだった。』
俊敏な小杉であったればこそ、4歩で崩れず、止められたのである。

正眼では、また交わされる。
そう思い、小杉は、上段に構えた。
そして、全力で、突進した。
だが、またもや、京之介は、小杉の剣を紙一重でかわし、
小杉の背中を、ぐいと押した。
小杉は、前のめりになり、倒れそうになりながら、
7歩ほど、進んで、やっとの思いで身を止めた。

『合気流、恐ろしや。』と小杉は、初めてそう思った。

京之介に向きを変えて、今度は正眼に構えた。
『突きしかない。突きが、最も相手に早く届く。
 これが、かわされたら、もう手はない。』

小杉は、息を整えた。
そして、いざ!と京之介に、向かった。
心は、全力で京之介に向かっていた。
しかし、2度も前につんのめり、全力の突進を恐れる小杉の「裏の心」が、
小杉に、ブレーキをかけた。
小杉は、自分を引き留める、重い力を体に感じた。
『こんな突きでは、届かぬ。』小杉は、焦った。
京之介は、見ていて、「これだ!」と思った。
小杉の突きが遅い。
京之介は、体を回し、その小杉の木刀を、進む方向に、すっと抜き取った。
木刀を取られ、驚きで固まっている小杉の背に、
京之介は、くるりと回り、
ゆっくりと、小杉の後頭部に、木刀を当てた。
剣を取られ、背を取られては、おしまいである。

「油川京之介の勝ち!」
と、審判・太郎之介の声が響いた。

「わあああああ。」と、見物人は、声を上げた。
それは、驚きと喜びが混じったものだった。
「兄上、京之介が、勝ちましたよ!信じられますか?」倉之助が言った。
「速さで、小杉を上回りました!」三男の世之介が言った。
「ああ、見たとも。あの京之介が・・。」
と、幸之介は、声をつまらせ、涙の目に手を当てた。

「母上、大変なことです。江戸2番の小杉大吾に勝ちました。」梢は興奮していた。
「ええ、ええ。京之介には、何かがあると思っていましたが、
 すでに、花が開いていたのですね。」
そう言って、母の沙月は、両手で顔を覆った。

京之介は、取り上げた小杉の木刀を、横に両手で持ち、
小杉大吾に差し出した。
小杉は、晴れやかな顔をしていた。
「かたじけない。」と木刀を受け取り、
「先に試合をした4人が、『合気流、恐ろしや。』と言っていました。
 今、私は、それが身に染みています。
 今後、合気流を習いに行きたいと思っています。かまいませんか?」と言った。
「もちろんです。お越しください。」と京之介は、笑顔で言った。

試合場に、戦った5人ずつが、向かい合って並んだ。
審判・近衛太郎之介が、
「大川合気流道場4点、松下道場3点。よって、大川合気流道場の勝ち!」
と宣言した。
すごい拍手が起こった。
出場者たちは、お互いに握手をして、健闘を讃えた。

少しの休憩の後、千葉道場と木下道場の試合があった。
伝統的な剣道同士、激しい打ち合いがあり、
2勝2敗で迎えた大将戦で、千葉重三郎が、かろうじて小杉大吾の胴を取り、
千葉道場が勝利した。

これで、1勝同士、大川道場と千葉道場の戦いとなった。
大川道場は、京之介以外、ごっそりとメンバーを変え、
千葉道場は、少なからず、驚いていた。

千葉重三郎は、京之介の小杉との試合を見て、
さらに、2戦目も、京之介だけが、2度大将の座にいるのを見て、
やっと気が付いた。
あの門前町での女は、京之介である。
あれほどの女が、2人もいてはたまらない。
そう言えば、京之介は、女にしてもいいくらいに可愛い。
よし、あの女との2度目の戦いができるぞと、重三郎は、喜んだ。

大川道場は、京之介が大将。
4番手に、藤村早苗。
そして、二人より、少し年少の、大村宗太、柏木茜、河村真一郎の3人が出る。

見物の立ち見コーナーの前の方に、元ゴロツキの5人がいた。
リーダー格の権三は、
「ああ、早苗さんが出る。俺どうしよう。身が持たねえよ。」
と声を震わせていた。
「なんで、早苗さんなんだ?」と進吾が聞いた。
「バカ、気が付かなかったのかよ。権三は、早苗さんにぞっこんだよ。」
と元スリの佐助が言った。
「あ、そうだったのかよ。俺だって、早苗さんが好きだぜ。」と進吾。
「俺も、好きだ。」と小六。
「俺も。」と真平。
「じゃあ、みんなで、特別に応援しようぜ。」と佐吉。
「おう!」とみんなは言った。

そのとき、隣のゴザにいる、えらく品のいい奥様が、「皆さま、ありがとうございます。」とにっこりと言った。
五人が驚いて固まっていると、「早苗の家族です。」と夫人は言った。
見れば、奥様、妹と見える嬢様2人、そして優しそうなご主人がいた。」
「えええ?ご家族の皆様でありますか。」
と権三が乗り出してきた。「権三といいます、ケチな野郎です。」と名乗った。
「早苗は、女子として、背が高すぎると思われませんか。」
「とんでもない。それが、早苗さんのステキなところで、
 無手でよし、剣を持った姿は、惚れ惚れするほど美しいです。」
「ありがとうございます。今日、早苗は勝てるでしょうか。」

「勝ちます!俺らの応援で勝たせてみせます。」 早苗一家は笑っていた。
佐助がいった。
「早苗さんは、気がやさしいから、稽古相手に負け役ばかりなさっているんです。
 それで、もし負けても、俺ら、早苗さんを尊敬します。」
権三が、
「心も姿もいい人は、勝つと、先生が言っていました。だから、勝ちます。」と言った。
「皆様、いいかたばかりですね。今後ともよろしくお願いします。」と早苗一家は頭を下げた。
「そんな、もったいない。こちらこそ、よろしくお願いします。」
5人とも、汗をかきかきだった。

「早苗は、勝ちますか?」と桔梗は、雪之丸に聞いた。
「私の全力の打ち込みをかわしていますからね。」と雪之丸。
「じゃあ、勝てるかしら。」と桔梗。
「早苗は、習ったことを忠実に体得してます。
 基本が一番強いと思いませんか。」
「まあ、じゃあ、京之介が重三郎に勝てば、優勝ですね。」と桔梗。
「はじめから、そのつもりだったくせに。」と雪之丸。
二人は、顔を見合わせて笑った。

審判・近衛太郎之介から、第3試合始まりの声がかかった。

一番の木村宗太が呼ばれ、前に出た。
大川道場は、みんな無手である。
試合は始まった。

千葉道場は、木下道場と違い、大川合気流を恐るべしと心得、
スピードを増すように、剣の振りを小振りに止めて、
突進も、8分の勢いにとどめ、攻めてきた。
これは、かわしにくく、また、相手の力を利用しにくい。

木村宗太。
柏木茜。
河村慎一郎は、早々と負けてしまった。

残るは、藤村早苗と京之介の二人になり、
大川道場は、がけっぷちに立たされた。

「早苗ちゃん、調子はどう?」と隣の京之介が聞いた。
「うん。心臓がつぶれそうだけど、全力でやる。」
と、京之介ににっこりとした。

藤村早苗の名が呼ばれた。
観衆は、早苗の背の高さに、今までの大川の出場者にないものを感じた。
開始線に立った早苗を見て、権三は、胸が高鳴って、気絶しそうになっていた。

早苗は、礼をした。
相手は、千葉道場の2番である八田小次郎である。
小次郎に勝つとは、大変なことである。
だが、そんな一切のことは、早苗の心にはなかった。
ただ、今まで、習って来た合気流をやる。
その思い一つだった。

はじめ!の声がかかった。
小次郎は、正眼に構え、見合った後、「面!」と叫び、飛んできた。
早苗は、さっと、身を半身にして、かわした。
『雪之丸様ほど速くない。』と思った。
また、面が来た。
早苗はかわす。
こうして、早苗は、10回もの小次郎の面をかわした。

早苗の背筋は、いつも真っ直ぐに保たれていて、
剣をかわしても姿勢が崩れない。
それは、美しい姿だった。

小次郎は、じれていた。
どうしても、かわされる。
そこで、正眼の構えを、上段に変えた。
これなら、かわせまい。
そう思い、「面!」と声を上げ前に行った。
早苗は、この時を待っていた。
小次郎は、横にかわされまいと渾身の力で打ちおろそうとしたが、
早苗は、左右にかわさず、前に来たのである。
そして、振り下ろしかけた小次郎の手をがっちり両手でつかみ、
右足を引きながら、右を向き、
小次郎の体と剣を右に運んだ。

打ち下ろしの力を込めていただけに、
小次郎の剣は、一気に早苗の腹あたりに持って行かれた。
小次郎は、とっさの思いで右足を大きく踏み出し、
前への転倒をこらえ、身を後ろに反らせた。
そこを、瞬時に、早苗は、左足を引き、体の向きを左に変えながら、
起き上がろうとする小次郎の剣を上に持ち上げ、
自分の頭を越して、左に運び、「えい!」と小次郎を投げた。
起き上がろうとする力を利用され、小次郎の体は、簡単に、
宙に浮かんで、そのまま、空を向いたまま、地面に叩き付けられた。
早苗は素早く木刀を奪い、仰向けの小次郎の額に、そっと木刀を当て、
「面!」と言った。
合気流、基本中の基本の技である。

「藤村早苗の勝ち!」との太郎之介の声が聞こえた。

「早苗、見事!」と雪之丸は、思わず叫んだ。

見物人、会場の人たちのすごい拍手が起こった。

開始線に戻って礼をしたとき、早苗は目に一杯涙をためていた。
家族が見えたので、拳をぐんと上げた。
幕部屋のみんなが、早苗を迎えて、勝利を祝福した。

権三は、うずくまって、オイオイ泣いていた。
「早苗さんが勝った。うれしい、うれしいよう。」
と、くり返す権三の背中を、みんながさすっていた。

早苗の母は、権三を見て、
「まあ、そんなに喜んでくださり、早苗は果報者です。」と言った。
佐助が、
「松下に勝った千葉の二番手に勝ったんだから、
 お姉ちゃんは、江戸で三番だよ。」と言った。
「わあ、すごい!」と二人の妹は、万歳をした。

藤村早苗の勝利で、大川道場に、優勝の希望が残った。
残るは、いよいよ、京之介と千葉重三郎の1試合だけとなった。


(次回は、「京之介と千葉重三郎との対決」最終回です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



江戸町遊び人・油川京之介⑩「武道大会・第一戦 彩芽の悲願」

今回で、京之介の試合まで行くと思っていたのですが、
彩芽の試合に多くページをさいてしまいました。
これまでで、最長の物語になっています。
最後まで、お付き合いくださると、うれしいです。
======================================

江戸町遊び人・油川京之介⑩「武道大会・第一戦 彩芽の悲願」


いよいよ、武道大会当日となった。
松下城主・松下実篤が座る横長の建物に向かって、
左右2つずつ、垂れ幕に囲まれた場所が設置されていた。
左に千葉道場、右に松下道場が面と向かい、
千葉道場の隣に大川合気流道場が位置している。

出場者の関係者として、5人までが、幕内の場所にいることを許されていた。
試合の場は、赤土が綺麗に敷かれていた。

松下道場の幕部屋の隣は、試合の世話をする関係者の場となっていた。
油川宗之介は、すべての責任者として、10人の手伝いと共にそこにいた。

そして、試合場の後ろは、縄が張られていて、
そこから後ろは、町人や道場関係者が、自由に見物できる場とされていた。
詰めれば、200人は、入れる。
町人に見学を許すことは、油川宗之介が、強く希望したことであった。
前の何列は、ゴザが敷かれ、座って見る。後方は、立ち見であった。
出場者の家族は、前の見物席の前をいただいていた。
京之介の家族は、もちろんのこと来ていた。

大川道場の幕部屋には、出場の9人。
その中に、京之介ほか、木下彩芽、藤村早苗もいた。
そして、彩芽の祖母・トメは、白い着物に鉢巻、胸に短刀をもって、
目立たぬように控えていた。
雪之介、桔梗もそこにいた。
幕部屋には、十分な椅子が用意されている。

出場者が揃い、見物人たちも落ち着き、
審判である松下藩の副指南役、近衛太郎之介が、登場し、
すべてが揃ったとき、藩主松下実篤が、
老齢の指南役・近衛伊勢の守を伴って姿を見せた。

城主松下実篤は、28歳の若さであったが、
名君との聞こえめでたい城主であった。

審判の近衛太郎之介が、いくつかの諸注意をし、
「これより、武芸大会を始める。」
と、よく通る声で言った。

始めは、松下道場対大川合気流道場であった。
婆様と彩芽は、松下の3番手が、仇・菅原清右ヱ門であることを桔梗より聞かされ、
いよいよ敵討ちと、身を震わせた。

一番手の名前が呼ばれた。
位置について礼をしたとき、松下の斎藤和江門は、
「なんだ、子供ではないか。」と相手を下に見た。
大川の伊藤順平は、14歳である。
童顔であり、子供に見えた。

「はじめ!」の声がかかり、斎藤は、一気に決着をつけようと上段に構えた。
そして、面を取りに言ったが、それを、かわされた。
斎藤は、10本も打ちに行って、やっとのことで、勝ったのであった。
途中、腕を取られ、剣を奪われそうになった。

試合中は、一切音を立ててはならぬという注意を受けて、
200人は、黙っていたが、
大柄な相手を翻弄させた伊藤順平に、大きな拍手を送った。
200人の大半は、庶民の道場である大川道場を応援していた。
斎藤は、松下の幕部屋に帰り、
「決して弱くはない。」と皆に告げた。

大川2番手の永井里美も、相手を翻弄し、健闘した。
だが、最後に面の寸止めを受け、惜しくも負けた。

次は、彩芽である。
「彩芽、どんな気持ちだ。」と京之介が、ささやいた。
「不思議なほど、落ち着いてる。」と彩芽は、にっこり笑った。
婆様は、後ろで、手をすり合わせ、祈っていた。

やがて、名を呼ばれ、「はい!」と言って、
中央に立った。
菅原清右ヱ門が、前に立った。
彩芽は、清右ヱ門を見た。
清右ヱ門は、彩芽を決して見下さず、真剣な顔をして彩芽を見ていた。
清右ヱ門は、彩芽が、新八郎の娘だとは、知らないでいた。

「はじめ!」の声。
清右ヱ門は、正眼に構え、やがて、「セイ!」と言って、
面を取りに打ち込んできた。

彩芽は、半身にかわして、逃れた。
『速い。』
彩芽は、清右ヱ門の剣の速さを見た。
清右ヱ門の第2打も、彩芽はかわして、剣の速さを見た。
『速いが、京之介よりも遅い。』
彩芽は、自分の勝ちを確信した。

清右ヱ門の第3打目、上段の構えから、渾身の剣が来た。
次の瞬間、見物人を含め、会場のすべての人が、「おおおお。」と思わず声を上げた。
城主実篤も声を上げた。

清右ヱ門の木刀の先が、土に刺さり、
清右ヱ門の体が、真っ逆さまに宙にあったからだ。
彩芽は、清右ヱ門の胸に当てた手で、思い切り清右ヱ門を土に叩き付けた。
また、すごい見物人の声が沸き上がった。

彩芽は、素早く清右ヱ門の木刀を手に取り、
片膝をつき、
仰向けでいる清右ヱ門の頭を前に、木刀を振り上げた。
このとき、彩芽の心に、清右ヱ門に対する抑えがたい憎しみが、
沸き上がり、涙が、どっとあふれた。
このまま、清右ヱ門の頭をかち割ってしまいたい。
涙で、清右ヱ門の顔が見えないほどになったが、
彩芽は、心を抑え、
「父、木下新八郎の仇、お覚悟!」
と、言って、清右ヱ門の額の鉢巻に木刀を、かろうじて、寸止めにした。

そのとき、婆様が、短刀をもって、幕部屋から出て来て、
彩芽の横に並び、膝を付き、短刀の鞘を抜かぬまま、
「息子、新八郎の仇、お覚悟!」と言って、清右ヱ門の鉢巻に短刀を当てた。

見物人は、脇に沸いた。
京之介の母・沙月は、涙の目を拭きながら、
「彩芽、よくぞ止めました。見事です。」
と隣の梢と涙を分かち合った。

「静まれ!」と審判・近衛太郎之介が、見物人に向かって、
大声を上げた。
そこで、会場は、しーんとなった。

清右ヱ門は、地の上に寝たままだった。
審判の近衛太郎之介が、やって来て、
「御前である。神聖なる場で、仇討を行うとは、何事ぞ。
 しかも、仇討は、ご禁制である。
 勝ちは、認めず、おって沙汰をするが、よいか!」と言った。

見物人たちは、静まり返って聞いていた。
このとき、
「近衛、待て!その3人をわしの前に、来させよ。」
と、藩主実篤が言った。

御殿の前の地の上に、淵を飾られた畳が1枚ある。
ここは、優勝者が座り、藩主の言葉をいただくところである。
その畳に、清右ヱ門は、右端に座り、彩芽が真ん中、隣に祖母が座った。

藩主・実篤は、よく通る声で言った。
「木下新八郎の娘と母であるな。名を聞こう。」
二人は、名を名乗った。
実篤は、言った。
「菅原清右ヱ門と木下新八郎の仔細について、わしは、詳しく知っておる。
 今より、13年前であろうか、京の松原藩で、武芸大会があった。
 まだ、若であったわしは、招待を受け、見学しておったのだ。
 そのとき、わが藩の清右ヱ門は、何に腹を立ててか、
 新八郎を滅多打ちにした。
 その数日後、新八郎は、息を引き取った。

 新八郎が、その場で死んでおらば、清右ヱ門は、切腹であった。
 だが、数日後の死であったため、
 清右ヱ門は、切腹を逃れ、その代り、1か月の牢詰め。
 そして、禄を与えず、5年間の謹慎とした。
 そして、新八郎の家族には、10年間の生活費を与えることで、藩としての償いとした。
 清右ヱ門は、5年の謹慎の中、傲慢な自分をよく反省し、
 人が変わったように穏やかな人間になった。
 そして、江戸詰めとなり、以後、人を助け、善行を進んで行う者となった。

 まずは、清右ヱ門。いくら善行を重ねても、した罪は一生消えぬ。
 せめては、この場で、木下の二人に、謝るがよい。」

「はい。」と清右ヱ門は言い、畳から土の地面に身を移し、
両手をついて、二人に言った。
「私は、自分を改めてから、新八郎殿への己の罪を1日も忘れたことがございませぬ。
 毎日仏壇に拝みましても、新八郎殿は帰らず、
 己がしたことの罪は消えませぬ。
 申し訳ございませんでした。
 すみませんでした。
 すみませんでした。
 ・・・・・・・
 ・・・。」
清右ヱ門は、地面に額をつけ、その言葉を何度も言い続け、
やがて、号泣に変わり、嗚咽となった。

「清右ヱ門、もうよい。
 母のトメ。彩芽。今は、幸せにしておるのか。」と実篤。
「はい。幸せにしております。」と二人は言った。
「それを聞いて、わしも安堵いたした。
 恨みの心、憎しみの心は、ときに身を亡ぼすものにもなる。
 そこで、どうじゃ、ここは、わしの顔に免じて、
 清右ヱ門を許してやっては、くれぬか。
 今の清右ヱ門の謝罪は、真の心と見た。」
トメが、
「はい。もう忘れまする。
 お殿様の、温かきお言葉、身に沁みましてございます。」と頭を下げた。
「彩芽も、よいか。」
「はい。もう恨みの心を捨てまする。」彩芽は言った。
「清右ヱ門、よかったのう。」
「ははあ。」と清右ヱ門は、殿に言い、
彩芽とトメに、
「ありがとうございます。救われまする。」と頭を下げた。

「さて、試合のことであるが。」と実篤は、続けた。
「仇討の『討つ』とは、人の命を奪うということじゃ。
 法では、それを許さぬのじゃ。
 しかし、見よ。清右ヱ門は、このように生きているではないか。
 よって、彩芽とトメのしたことは、仇討とは言わぬ。
 多くの者が見たであろう。
 清右ヱ門の額を目の前にして、木刀を振り上げたる彩芽の目から、
 滝のように涙があふれた。
 13年もの積年の恨み、憎しみが、どっと彩芽の胸を埋め、
 それが、涙となってあふれたのじゃ。
 彩芽は、あのとき、どれだけ仇の頭を打ち砕きたいと思うたことであろう。
 しかし、その心を抑え、寸止めにて耐えたるは、
 あっぱれ見事とは、思わぬか?
 彩芽は、最後まで、法を守ったのじゃ。
 
 トメが、短刀を持って出て参り、それを、清右ヱ門の額に当てたるは、
 この武芸大会の規則には反する。
 だが、そこは、人の情けというものじゃ。
 トメの胸中を察すれば、十分に許されることだとは、思わぬか。
 トメは、試合の決着がついてから、出て参ったのじゃ。
 彩芽の見方をしたとは言えぬ。

 近衛、どうじゃ。わしは、彩芽の勝ちと見るが、
 判断は、近衛に任せる。」
「はっ。殿の温かきお心、感激の至りであります。」
審判・近江太郎之介は、礼をした後、皆の方を向いて、
「木下彩芽の勝ち!」
と言った。
「わあ!」と200人の見物人たちが沸いた。
出場者、試合場にいた人々もこぞって拍手をし、
会場は、すがすがしい空気に包まれた。 

(次回は、「京之介、小杉大吾と対戦」です。)

バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。






江戸町遊び人・油川京之介⑨「彩芽・必殺の大技」

江戸町遊び人・油川京之介⑨「彩芽・必殺の大技」


武芸大会に向けて、ここ大川道場も、
いつにも増して、稽古が白熱していた。

「彩芽と京之介、草鞋を履いて裏庭にお出で。」
と桔梗が言った。
彩芽は、草鞋ではなかったので、道場のを借りた。
裏庭は、広く、土の広場がある。
「これから、彩芽が敵に勝てるように、必殺の大技を教えます。
 大技にするのは、完全に勝ったと思えるようにです。」
桔梗は、京之介に木刀を渡し、4m程離れたところから、
思い切り突進して、『面』を打ちに来るように言った。

京之介は、木刀を正眼に構え、思い切り突進した。
「面!」と声を上げて京之介が打ちに行ったとき、
桔梗は、紙一重に木刀を半身に避け、
京之介の木刀を握る右の拳を、ぐっと下に押し、
同時に、左の手で、京之介の胸を、えいっと上に押した。

木刀の右拳を上から押され、木刀は下を向き、地面に刺さった。
そこを、胸を上に押された京之介の体は、宙に浮き、
大きな半円を描いて、仰向けのまま、地面に落ちた。
桔梗は、素早く京之介の木刀を奪い、
仰向けになっている京之介の額に、「面!」と木刀を入れた。

「どう?彩芽。これ、派手でしょう。」と桔梗は言った。
「わあ、すごい。本当に大技ですね。」と彩芽は、うれしそうに言った。
「でも、桔梗様。私なら、地面に落ちる寸前に、
身をひるがえし、うつ伏せになりますが。」と京之介。
「それが、できるのあなたくらいだけどね。
 でも、それを防ぐためにどうしたらいいでしょう?考えて。」
「はい。」と彩芽が手を上げた。
「どうぞ。」と桔梗。
「相手の右腕をがっちりつかんでおきます。」
「天才・京之介は?」
「私なら、相手の胸にあてた手を、木刀が直立を過ぎてから、
 一気に押して、相手の背を、地面に叩き付けます。」
「まあ、やっぱり京之介は、恐ろしいわね。
 相手に、うつ伏せになる暇を与えないわけね。
 京之介のやり方の方が、相手のダメージは数倍になるから、
 そっちで、行きましょう。
 まず、彩芽は、京之介の渾身の打ち込みを半身(体を横にして)にかわすこと。
 その難題を乗り越えること。
 木刀の拳を押すのと、胸を上に押すことは、わりと簡単ですからね。」
桔梗は、そこまで言うと、にっこりして、道場へ向かった。
その時から、裏庭で、彩芽と京之介の激しい練習が始まった。

千葉道場では、重三郎がまだ小部屋で知恵を絞っていた。
八田小次郎が見ていて言った。
「居合の抜きを半分で止めて、右足を下げて、両手で切ってはどうだ。」
「うん、それもやってみたが、ダメだ。
 両手に持ち替えたりすると、女にはすぐに悟られる。」
「では、右足だけ後ろに下げてはどうだ。
 ここで、体を右に90度回せるから、
お前のはじめの背のところまで切れる。当然、右肩の女を切れる。」と小次郎。
「それも、やってみたが、右足は、回転の軸足だから、動かせない。
それに、重心の右足など下げれば、女はきっと気が付く。
 それに合わせた動きを見せると思う。」
「その女を、少し買い被りすぎてはいないか。」
「いや。初めに右肩に来たことだけでも、尋常ではないだろう。
 俺は、思うんだ。
 難問ほど、答えは、単純だったりする。
 ほんの少しの違いが、大きな結果の違いを生む。
 きっと、最良の方法があるはずだ。」
「なるほど。お前には負けるな。また、見に来るよ。」
「ああ、頼む。」
二人は、にっこりと目を交わした。

松下道場では、「2段面打ち」というのをやっていた。
竹刀を構えた2人が、間隔をおいて、縦に構えている。
そこを、初めの一人の面を打ち、そのままの勢いで、2人目に面を入れる。
一人目から、真っ直ぐに2人目に行けば、肩と肩がぶつかってしまう。
一人目を打ったのち、体を微妙に横にねじり、
肩を抜け、体を戻して、2人目を打つ。
これができるのは、塾頭の小杉大吾だけである。

休憩になり、7、8人が、小杉を囲んだ。
「なぜ、お前だけできるんだ。」と一人。
「お前たちは、背が高い分、不利なんだよ。
 力では、みんなの方が上だ。
 俺は、小柄だから、俊敏に動け、体をねじることもできる。」
「理屈はわかるが、宮本武蔵や坂本竜太は、6尺を超えていたという。
 俺らと同じくらいだ。小杉は、それを、どう解く。」とまた別の一人。
「宮本武蔵や、坂本竜太が、あと10cm背が低ければ、
 もっとすごい剣客だったことだろうよ。」
と言って、小杉大吾は、笑った。

大川道場に、藤村早苗という道場生がいる。
いつも、白の上着、紺の袴を着ている。
京之介と同じ頃、同年で入ってきて、10年目だ。
大きな菓子問屋の娘で、稽古に来るたび、稽古代の箱に1両を入れる。
稽古をほとんど休んだことがない。
背が170cmに届くほど高く、髪は結わず、後ろできつくまとめている。
だが、目が隠れるほどの前髪を左右に分け、コメカミの髪を長くしているので、
娘らしい愛らしさがあった。
整った顔立ちで、おとなしく、京之介のようにお人好しで、いつも、
投げられ役を引き受けている。
道場生のお結びを、先頭に立って作っているのは、この早苗である。

京之介より強い者と言われて15人が立ったとき、
早苗はその中に、いなかった。
早苗は、京之介の強さを知り抜いていたからだ。

雪之丸は、早苗に言った。
「今日は、私とやってみないか。早苗は、いつも投げられ役をしているからね。」
「は、はい!」と早苗は、嬉しそうに言った。
雪之丸は、竹刀を取り、
「今日は、早苗がずっと投げる役だよ。」と言った。
早苗は、嬉しそうに笑った。

雪之丸は、ある程度の速さで、面を取りに打ち込んだ。
早苗は、竹刀を交わし、雪之丸の腕を取り、それをねじりながら、
見事に、雪之丸を投げた。
ある時は、竹刀を交わしながら、雪之丸の背を叩き、
のけぞった雪之丸に首投げを打った。
雪之丸は、どんどん打ち込みの速さを上げていった。
早苗は、どれもかわし、投げを打つ。

雪之丸は、千葉道場の速さを想定して、そのスピードで打ち込んだ。
早苗は見事半身に避け、雪之丸の頭を腹に向かせて、雪之丸を丸くして、
転がした。
早苗は、教わった技を、そのまま素直に身に付け、会得していた。

雪之丸は、とうとう早苗と2時間もやった。
「ああ、まいった。早苗は、強いなあ。」と雪之丸は言った。
道場主の雪之丸が、2時間も相手をしてくれたことに、
早苗は、大感激していた。
「うれしかったです。感激しました。ありがとうございました。」
早苗は、そう言って、少し目をお潤ませ、みんなのところへ行った。

「お疲れ様。」と桔梗が、雪之丸のとなりに来た。
「早苗は、できますね。」と雪之丸。
「最後の打ち込みは、千葉重三郎並でしたよ。」と桔梗。
「10年という月日は、伊達じゃありませんね。」と雪之丸。
「そうですね。」
二人は、顔を見合わせ、うきうきと笑った。

=====大会3日前となった===================   

京之介の体は、木刀の先を軸に、宙に浮いた。
胸にあてられている彩芽の手に力が入り、
そこから、したたか地面に叩き付けられた。
彩芽は、京之介の木刀を取って、「面!」と京之介の額に当てた。

京之介は、跳ね起きて、
「彩芽、やった!今のは、完璧だよ!」といった。
彩芽はうれしくて、京之介に抱き付いた。
「うれしい、うれしい。」
と、彩芽は、涙を流した。

千葉重三郎は、「そうか!」と目を輝かせた。
「やぱり、正解は、単純なことにある。」
重三郎は、小次郎を呼んだ。

「小次郎、見ていてくれ。いつもの俺の居合と違いがバレるか。」
重三郎は、そう言って、いつものように居合の構えをした。
そして、「えいっ!」と刀を抜いた。
いつもと同じ動きに見えたのに、重三郎の刀は、
はじめの背中の位置(つまり、270度)まで届いていた。
「おお!重三郎。元の背中のとこまで切っているではないか。
 いつものお前の居合と同じに見えた。どうやったんだ。教えろ。」
「ああ。やっぱり、正解は単純だった。
 軸になる右足を、居合の直前に右に直角(90度)、向きを変えたんだ。
 かかとを軸にして。かかとは、あくまで動かない。
 だから、足が動いたように見えない。
 居合の刀を抜きながら右に向きを変えるから、それもバレない。
 右足の向きが、直前に変わるが、普通、相手は、剣か俺の顔を見ているだろう。
 足の向きなど見ない。どうだ。」
小次郎は、うれしさいっぱいの目をした。
「お前って奴は。とうとうやったな。
 1つのことに、1か月も粘る奴など、見たこともない。
 おめでとう。」
「ああ、これで負けたら、あっさり相手を認めるよ。」
「そうだな。」
二人は、両手をとって握手をした。


(次回は、「武道大会・第1戦 彩芽の悲願」です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。




江戸町遊び人・油川京之介⑧「3道場の目論見」

==================================     
内容が、予告通りになりませんでした。すみません。
==================================  

江戸町遊び人・油川京之介⑧「3道場の目論見」


3道場武芸大会に向けて、各道場の塾頭達は、皆に気合を入れていた。
松下道場は、体格が、180cmに届く道場生がずらりといて、
強豪ぞろいであることで、有名だった。
その中で、塾頭・小杉大吾は、170cmほどで、皆の中では、小柄に見えた。

松下道場の塾頭・小杉大吾は、道場生を一同に集めて言った。
「皆、知っているだろうが、千葉道場は、全国から腕に覚えのある剣士が、
 集まっているところだ。
 その上から5人が出てくるなら、恐ろしく強いだろう。
 だが、我ら松下道場は、千葉を恐れるものではない。
 子供の頃から、厳しい稽古に耐え、
 稽古の量は、どの道場にも勝るものである。
 その底力からを、見せてやろうではないか。」
 小杉大吾は、拳を上げた。
 皆は、おお!と声をあげた。

そのとき、
「大川道場は、どうでありましょうか。」
と一人が聞いた。
小杉は言った。
「大川の道場主・大川雪之丸殿と桔梗殿は、恐ろしく強い。
 今、江戸一番のお二人である。
 かつて、千葉の坂本竜太、新選組の天才剣士・仲田総司が、
 二人がかりで雪之丸殿にきりきり舞いさせられたという伝説がある。
 しかし、道場生の方は、女、子供ばかりである。
 道場主は出られぬ決まりであるから、私としては、恐れておらぬ。」
聞いた剣士は、納得した。

一方、千葉道場では、塾頭千葉重三郎が、全く別のことを言っていた。
「松下道場の剣道は、おおむね我らと似た剣道である。
 勝つも負けるも、相手次第、己次第である。
 しかし、大川合気流道場は、恐ろしい集団である。
 女、子供ばかりと、決してあなどってはならぬ。
 我らは、合気流について、ほとんど無知である。
 聞くところによれば、合気流は、相手の力、勢いを利用して勝つという。
 つまり、自分が放った力が、全部自分に返って来て、
 自滅してしまうこともあるらしい。

 こう言っても、皆はなかなか信じないと思うので、
 恥を忍んで一つ話す。
 私は、門前町にて、恐ろしく強い女を見た。
 小柄で、細い女だった。
 私は、身が震え、その女に試合を挑んだ。
 私の一番得意とする居合を放ったが、
 女は、私の右肩に瞬時に移動し、私の腕をとり固めた。
 私は、ぐうの音も出ず、参ったをした。
 女は、ほとんど力を使わず、私の腕を固めた。

 女は、大川合気流道場の者だと言った。

 私が、このところ、研究部屋に籠っているのは、
 ひとえに、あのときの女に勝ちたいがためなのだ。

 合気流に向けて、今我々ができるのは、力を鍛えることより、
 「速さ」を鍛えることだと思う。
 研究不足で、今は、このくらいしか言えず、申し訳なく思う。
 だが、せめては、松下には、勝とうではないか。
 以上だ。」
みんなは、うなずきながら、「おお!」と言った。

重三郎の演説が終わったとき、
ほとんど全員が来て、重三郎を囲んだ。
「『女が、右肩に来た。』というのが、わかりませぬ。」
と一人が言い、他のみんなも同じ質問だった。
そこで、重三郎は、八田小次郎とで、実演した。
すると、皆は、「おおお。」と感心し、うなずいた。
「恐ろしや、合気流。」
「全くでござる。」
そんなことを言いながら、離れていった。

大川道場。
昼の握り飯のときが、一番多くの道場生が集まる。
みんなが、食べ終わったころ、桔梗は、みんなに発表した。
武芸大会の概ねを説明し、
大川道場は、2試合、顔ぶれを変えて参加すると言った。
そして、木下彩芽は、剣道6段であるし、
ある仔細があり、出場させると言った。
誰も、文句を言わなかった。

「残りの9人ですが、大将が勝つと3点なので、
 大将だけは、2試合に出ることにします。
 大川道場だって、勝ちたいですからね。」と桔梗は言った。
「その大将って、だれがやるんですか。」と年少の加代が聞いた。
「決まっているでしょう。京之介です。」と桔梗。
「えええええ?」と皆が声を上げた。
「京之介、弱いじゃないですか。」
「どうして、京之介なの?」
「たくさん、稽古代出してるから?」
などと、疑問の声。
桔梗は言った。
「わかった。京之介は、お人好しで、投げられる竹刀の役ばかりしてるから、
 みんな、京之介の強さを知らないのね。」
「知りませんよ!」とみんなが言う。
「わかりました。じゃあ、自分が京之介より強いと思う人立って。」
桔梗が言うと、15人ほどが、勇んで立った。
「じゃあ、残りの人は、道場の壁に背中もたせて座って。
 では、今立っている15人で、京之介一人を、倒してご覧なさい。
 いきますよ。よーい、どん!」
桔梗が言うと、15人はどっと京之介に向かった。
しかし、京之介は、来た子を、瞬時に倒す。
二人同時に来たら、両手で二人を同時に倒す。
後ろから、かかっても、京之介にかわされる。
15人は、何度も立ち上がって、向かっていったが、
全く歯が立たない。
最後、15人が円になって一斉に京之介に向かい、上からつぶそうとした。
京之介は、しゃがんだ状態から、「バンザーイ!」と言って手を開いて立ち上がると、
15人は、花が開くように、後ろに飛ばされた。

ふーふー汗だくになっている15人に、
「どうですか?京之介は、強いでしょう。」と桔梗は言った。
「うん。すごい。知らなかった。」
「全然、歯がたたない。めちゃくちゃ強い。」
「京之介が大将で、納得。」
と、みんなは、京之介の強さを認めた。

彩芽は、初めからわかっていたので、にこにこしながら見ていた。

「残りの7人は、2週間後に決めますから、みんなしっかり稽古してね。」
と桔梗は言った。
雪之丸は、にこにこと見ていた。

その時、道場の隅で、元ゴロツキの5人が固まっていた。
リーダー格の権三が、言った。
「なあ、俺たちをやっつけて1両くれた女。
 あれは、京之介じゃないか?」
「ああ、京之介可愛いから、女の成りをすれば、女に見える。」と佐助。
「その後、強い女来ねえし、あれだけ強いのは、京之介しかいない。」進吾。
「あのときいた彩芽と仲のいいのは京之介だ。」真平。
「間違えねえ。」と権三が言い、5人は、恐る恐る京之介のところにきた。

「京之介。もしや、門前町で俺たちをやっつけて、1両くれたの、お前?」
権三が聞いた。
「そうよ。やっと気が付いたのね。」
京之介が答えず、そばにいた彩芽が言った。
「わあ、女の格好してたから、恥ずかしいよ。」と京之介は真っ赤になった。
「ありがとよ。俺ら、あれから、まじめにやってる。
もらった1両は、もったいなくて、手を付けてねえんだ。」
「ああ、恩にきてるよ。ありがとな。」
「俺も、心入れ替えたから。」
「合気流もがんばる。」
5人が口々にお礼を言った。
「そう。それは、よかった。同じ道場の仲間になれたし。」
と、京之介は、にこにこして言った。

「あそこで、感動的なことやってますね。」と雪之丸は、桔梗に言った。
「京之介は、名実ともに、大将になってきましたね。」
と桔梗がいい、雪之丸と微笑ましく見ていた。


(次は、「彩芽、必殺の技」です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。




江戸町遊び人・油川京之介⑦「3大道場・武芸大会に向けて」

江戸町遊び人・油川京之介⑦「3大道場・武芸大会に向けて」


彩芽と婆様が、油川家の家族と対面した日の、3日前に、
油川屋の主、宗之介は、松下藩の家老・吉田三郎太に呼ばれた。
宗之介は、松下藩とは親しく、出入りを許されていた。

家老・三郎太が言うには、江戸で名高い3道場。
つまりは、松下藩お抱えである松下道場、名門の千葉道場、
そして、江戸で人気1番の大川道場で、武芸大会を行いたいとのことだった。
これは、武芸を奨励している藩主・実篤の希望であるという。
そこで何とか実現したいが、財政困難の折、油川屋がスポンサーになり、
武芸大会実現に向けて、動いて欲しいとのことであった。
宗之介にとっては、何の見返りもない仕事であったが、
自分がスポンサーであるなら、武芸大会を町人に解放し、
誰もが、見物できるようにしたいと思った。
また、京之介がお世話になっている大川道場の宣伝になると考えていた。
そのことで、何とかの見返りを思っていた。

宗之介は、承知し、計画を立て、まずは、千葉道場に赴いた。
千葉道場は、大乗り気であり、二つ返事で承知した。

日は、1か月後、気候のよい、10月10日が予定されていた。
宗之介が、次は、大川道場と思っていたとき、
彩芽と婆様の訪問があった。
そして、宗之介は、彩芽の父の敵、菅原清右ヱ門が、松下道場にいることを知った。
宗之介は、京之介は、弱いと思っていた。
しかし、彩芽が実質5、6段であるなら、
菅原清右ヱ門との対戦は、あり得ると考えていた。
勝てなくても、一打くらいは、浴びせることができるかもしれない。
そんな思いで、翌日の夜、宗之介は、大川道場を訪れた。

道場は、夜は、接骨院であり、宗之介が来たとき、後2人が、治療を受けていた。
宗之介は、二人が終わるのを待ち、道場に上がった。
座布団が用意され、宗之介は、雪之丸と桔梗を前にして、まずは挨拶をした。
宗之介は、語った。
「雪之丸様が、江戸1番の剣士坂本龍太、そして、新選組の天才剣士、
仲田総司2人を相手に、乱捕りをし、天才二人を、まるで子供のように、
バタバタと倒していくのを、私は、最前列で見ていました。
あれほど興奮し感動したことはありません。」
雪之丸は、照れくさそうに頭を掻いた。
「実は、隣にいる妻の桔梗ですが、私の師匠なんですよ。」と雪之丸。
「え?雪之丸様の、お師匠様。それは、もう大変なことですな。」
と宗之介は、笑った。

それから、宗之介は、本題に入った。
話しを聞いて、雪之丸は、桔梗に、
「面白そうですね。」と言った。
「はい、道場の宣伝になりますね。」と桔梗。
二人は、武芸大会の参加を承知した。

「道場対道場で、全部で3回試合があるわけですね。」と雪之丸。
「はい、各道場からの5人が、他の2つの道場と戦います。」と宗之介。
「1回目と2回目とで、顔ぶれが変わってもいいのですか。」と桔梗。
「はい。どこも最強の5人を出してくると思いますが、
 顔ぶれが同じである必要はありません。」と宗之介。

「それじゃあ、できるだけ多くの道場生に経験をさせたいから、
1、 2回、総とっかえで、10人出しませんか。」と雪之丸は桔梗に言った。
「それは、名案です。ぜひそうしましょう。」と桔梗。

宗之介は、この二人の道場主には、経験を大切に考え、
勝つことは2の次に思っていることを見て、胸がほのぼのとしていた。

「5人のうち、4人は、勝って1点ですが、大将同士は、勝って3点です。
 7点満点のうち、4点取れば勝ちですから、大将さえ勝てば、
 後の4人のうち、一人が勝つだけで、組の勝ちになります。」
宗之介は言った。
それを聞いて、雪之丸と桔梗は、同じことを考えた。
『京之介が、2度大将になればいい。』

宗之介は、思い切って言った。
「これは、身内びいきになることかもしれませんが。」
そう言って、彩芽の敵討ちのことを話した。
「仇討ご禁制の今、命など狙いませんが、彩芽と祖母のトメは、
 面の一打ちでも浴びせたいと願っています。
 菅原清右ヱ門は、松下道場の3番手と聞いています。
 彩芽が、菅原清右ヱ門と対戦することは、叶いませんでしょうか。
 実力的に及ばないなら、忘れてください。」
宗之介は、言いにくいことをやっとの思いで言った。

桔梗が言った。
「彩芽さんにとり、これは、絶好のチャンスです。
 清右ヱ門は、必ず3番目に出てきます。
 ですから、対松下道場のときに、彩芽さんを3番にしましょう。」
「そうですか。彩芽が一打でも、浴びせることができるでしょうか。」と宗之介。
「そんなご事情があるなら、この際私が特訓して、
1打どころか、勝たせます!」
と桔梗は、胸を張って行った。
「ほ、ほんどですが。二人はどれだけ喜ぶことでしょう。」
宗之介は、それから、もっと言いにくいことを聞いた。
「親バカな質問で恥ずかしいのですが、
 京之介が、その出場の10人に入れる可能性など、いかがでしょうか。」

雪之丸と桔梗は、顔を見合わせた。
京之介は、道場1の天才剣士ですよ、と言いたいのを我慢した。
何事も、当日のお楽しみだ。

「はい。10人の中には、確実に入ると思います。
 京之介さんは、小さいことから、もう10年も通っていますからね。」
と雪之丸は言った。
長く通っていることのご褒美だろうかと思ったが、
宗之介は、ありがたく頭を下げた。

京之介が、その御前試合で、たとえ負けても、よい試合をすればよし。
彩芽が、清右ヱ門に1打でも当てたら、
祝いとして、二人の祝言を上げたいと思った。



千葉道場は、広い道場を2面もっており、道場の横に、狭い板の間がある。
そっと、自分の剣を磨きたいとき、
そこにこもって、研究をする。

このところ、千葉重三郎は、その部屋に閉じこもりっきりである。
重三郎の幼馴染である、八田小次郎が、その小部屋に顔を見せた。
「重三郎。もう3日も閉じこもっているぞ。
 何があった。」
「おお、小次郎、いいところに来てくれた。
 俺は、門前町で、恐ろしい女にあった。
 女は、棒を構えた4人のゴロツキに、前後左右囲まれていた。
 助けに入ろうと思っていたが、
 女は、小物入れを、ぽんと上に放った。
 普通、一瞬小物入れを見てしまうだろう。
 もちろん、ゴロツキも見上げた。
 そのとき、あっという間に、女は、4人を倒してしまい、
 落ちて来た小物入れを、ぽんと受け取った。」

「うおおお。それは、すごいな。」

「だろう。だから俺は、その女と立ち合いたくて、
 先回りして、待っていたわけよ。
 で、女に対し、居合の構えをした。もちろん峰打ちだ。
 小次郎。居合に対するかわし方を言ってくれ。」
「まずは、後ろに飛ぶ。」
「ああ、そうだな。他に?」
「上に飛び上がって、一文字をかわす。」
「ああ、その通りだ。他に。」
「他には、自分の刀で、一文字を受けるしかないな。」
「他に、あるか。」
「この3つだろう。他にあったら驚きだ。」
「だろう?だが女は、その第4のかわし方をした。」
「なんだと?どうかわした。」
「俺が剣を抜くより早く、俺の右肩に来た。」
「よくわからん。」
「じゃあ、俺の右肩の横に、立ってみてくれ。
 で、俺は、抜くぞ。」
 一文字に抜いた。
「小次郎、どうだ。」
「あ、お前の右腕が、俺の体の前に来る。うへー。」
「な。ここで、俺の右手首を握られ、
 腕を山に折られ、手首を引かれ、山になった肘を押された。
 俺は、びくとも動けなかった。
 激痛が走り、俺が無理をしたら、右肩を脱臼する。」
「これは、すごいな。」

「小次郎、お前が女の真似ができるか、やってみてくれ。」
「よしきた。」
重三郎が、居合に構えた。
小次郎は、無手。
「いくぞ。」
「よし。」
重三郎は、抜き、小次郎は、重三郎の右肩へと動いた。
だが、右肩へ達する前に、重三郎に切られた。

「知っていても、俺には無理だ。速く動けん。」
「だろう?女は着物にゲタだった。」
「ほんとか?驚きだ。どこの女だ。」
「大川合気流道場だと言った。」
「えええ?そんな女が、2、3人いたら、たまらんぜ。」
「俺の勘だがな。俺が一番怖いと思ったのは、
 女は、そういうかわし方を知っていたんじゃなくて、
 その場で、とっさに考えて動いたと思えることなんだ。」
「そうなのか・・。天才に近い女だな。」
「ああ。俺は、御前試合で、正式にその女と立ち合いたい。」
「お前が、3日もここにこもっている理由がわかったよ。
 武道大会、その女が大将の座にいたらいいな。」
「ああ、何としてでも、俺は、勝つ方法を見つける。
俺の一番得意の居合で負けたからな。今度は、同じ居合で勝って見せる。」
重三郎は、拳に力を入れて、そう言った。


(次回は、「彩芽、必殺の技」です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



江戸町遊び人・油川京之介⑥「油川家に結婚の許しを求めにいく」

少しずつ書いていきますうち、長くなってきました。
あと、3話くらいで、完結の予定です。
お付き合いくださると、うれしいです。
==================================

江戸町遊び人・油川京之介⑥「油川家に結婚の許しを求めにいく」


夜の9時少し前に、京之介、彩芽、婆様は、油川の屋敷に着いた。
黒い木の塀で囲まれ、中に蔵がいくつも見える。
住まいの入り口のところに、提灯を下げた、丁稚がいた。
「ようこそお出でくださいました。ご案内いたします。」
丁稚はそう言って、屋敷の中に案内した。

明りのついた部屋がある。
丁稚は、そこで、引き下がった。
「さすが、油川屋さんどすなあ。立派なお屋敷や。」と婆様が言った。
「京之介、あたし、緊張して気絶しそう。」と彩芽が言った。
「私だってそうだよ。みんながなんて言ってくれるか心配で。」
京之介は、言った。
京之介は、障子をあけて、先に彩芽と婆様を中に入れ、自分も入った。
そう大きな部屋ではない。
正面に父・宗之介。その右サイドに、母・沙月そして、長女の梢。
反対の左サイドに、長男・幸之助、次男・倉之助、三男・世之介がいた。
そして、父に向って末のところに、3つ座布団が置かれていた。
京之介は、右に。彩芽は、真ん中。隣に婆様が座った。

全員姿勢を正し、宗之介は、夜分に来てもらったことの礼を述べ、
家族を名前程度に紹介した。
京之介が、
「木下トメさんです。私たちは、婆様と呼んでいます。
 そして、木下彩芽さんです。
 ここのお二人には、仔細があり、それを、婆様より話していただきます。
 どうか、お聞きください。」
そう言った。
そして、婆様の話しが始まった。
それは、京之介が、聞いた仔細とほぼ同じものだった。
聞きながら、母の沙月や姉の梢が、彩芽の母が亡くなるあたりで、
目に袖の端をあて、泣いていた。
婆様は、彩芽が男子であることも、伝えた。

「こんな仔細でございます。
 陰間茶屋などいたし、彩芽は真の女子ではなく、
 財産も何もない私たちが、身の程をわきまえず、
 このような場に参上いたしました。
まことに申し訳なく思っております。
 恥を忍び、孫・彩芽の幸せを思う一心で参りました。
 どうぞ、お許しのほど、お願い申し上げます。」
婆様は、そう言って、彩芽といっしょに、深く頭を下げた。

父・宗之介が言った。
「なるほど、仔細についてはよくわかりました。
 今日は、家族がみんな集まりましたので、一人一人に感想など聞いてみましょう。
 えーと、梢は小姑になるわけだ。
 世に小姑と嫁の確執というのは、後を絶たないからね、
 梢の感想が、一番大切かもしれない。では、梢から。」

梢は、彩芽と婆様にお辞儀をし、やさしい眼差しを向けた。
「お婆様のお話をお伺い致しますうち、私は、何度も目に涙しました。
 よくぞここまでお悲しみに耐え、忍び難きを忍ばれてお出でになったことでしょう。
 その大変なご苦労をなさりながら、彩芽さんは、清らであり、
 澄んだ瞳をお持ちだと感じます。
 これは、ひとえに、お婆様の彩芽さんへの深い愛情とご努力の賜と思います。
 結論じみた言葉になりますが、
 たくさんの苦労を乗り越えて来られた彩芽さんは、
 遊び人の京之介には、過ぎた人だと思います。

 京之介ですが、私は、京之介にある可能性を感じています。
 京之介は、何か人にないものを持っていて、それが、開花すれば、
 彩芽さんに劣らない、立派な人になることと信じています。

 彩芽さんは、身体が女子でないことを、気に病んでいるかも知れませんので、
 申し上げておきます。
 彩芽さんは、京之介にとって、かけがえのない方なのです。
 実は、京之介は、幼いときから、女子の身なりをしたがる子でした。
 よく私のところへきて、女子の格好をさせて欲しいとねだりました。
 その内治るだろうと、私はその度、京之介を、可愛い女の子にしてあげました。
 でも、これは、治らなかったのです。
 10歳を過ぎてからは、さすがに私のところへ来ませんでしたが、
 京之介は、きっと今でも、女子の成りをしたいと思っていることでしょう。
 京之介が、一般の女性と結ばれたなら、京之介は、女子の成りをしたいという気持ちを、
 一生、心に封印していかねばなりません。これは、予想以上に悲しくも辛いことです。

 でも、彩芽さんなら、京之介のそんな気持ちを分かってくださる。
 世の中で、彩芽さんだけなのです。
 京之介にとって、彩芽さんに出会ったことは、奇跡のような幸せです。
 ですから、彩芽さんは、身体のことで、決して引け目など、思わないでいただきたいのです。
 彩芽さんの心が女性なら、女性です。
 京之介は、女子の成りをしても、心は男子です。
 二人は、男女です。
 互いに理解しながら、幸せになってほしいと思っています。
 二人が、夫婦になることを、心から、祝福いたします。」
梢は、言葉を閉じて、礼をした。

彩芽は、涙が出るほど感激していた。
それは、婆様も同じであった。
なんと優しく、温かな人だと、梢に対し思った。

父宗之介は、梢の言葉に満足しているようであった。
宗之介は、次に、長男である幸之介を名指した。

堅物である兄の幸之介がなんというだろう。
京之介は、気が気ではなかった。
幸之介の言葉で、すべてが決まるといってよかった。

幸之介は、腕を組み、上を向いてしばらく黙し考えていた。
一同は、皆、幸之介に注目していた。
やがて、幸之介は、組んでいた腕を解いて、身を正し、
婆様と彩芽に一礼した。

「私は、堅物と思われているようですが、
 たまには、頭が柔らかくなるのです。」
幸之介がそう言ったとき、家族は、くすりと笑った。
幸之介は、続けた。
「ずばり、申し上げますと、
 彩芽さんは、京之介には、過ぎた人です。
 私は、世辞を言いません。実の気持ちです。
 お婆様から、これまでのお悲しみや大変なご苦労を伺いました。
 しかし、彩芽さんのお顔には、そのご苦労のあとが、うかがわれません。
 これは、誉め言葉として言っております。
 彩芽さんは、きっと、世の人が苦労と思うことを、
 苦労と思わず、楽しげに、やって来られたと思われるのです。
 旅芸人であったときも、今の茶屋での裏方のお仕事も、
 明るく、生き生きとやってこられたように思います。
 これが、彩芽さんの最も素晴らしいところだと、私は思いました。

 彩芽さんの体が女子でないことは、むしろありがたく思っています。
 京之介が、女子の身なりをしたがることは、
 家族みんなが知っていて、大きな悩みでもありました。
 こんなことは、理屈ではなく、言って聞かせて治るものではありません。
 そんな折に、彩芽さんという、この上ない人と、京之介は出会いました。
 京之介は、果報者です。
 
 彩芽さんは、どこから見ても、愛らしい女子です。
 世間には、黙っていれば、それで済むことです。
 もし、子が欲しいなら、養子をもらえばいい。
 子がなくても、二人でずっと愛し合えれば、それも幸せな人生です。

 京之介は、何の取り柄もないバカ息子と、近所では広く評判です。
 だが、実は、『バカ息子』ほどではありません。
(皆が、少し笑った。)
 京之介は、道場へ納めるお金と言って、
 毎回私から、1両をせびりましたが、
 道場には、毎回1両の半分の銀2分しか納めず、
 残りの銀2分をくすねていたことを、私は知っています。
(京之介は、縮こまった。)
 知っていて、私が、なぜ黙っていたかと言いますと、
 京之介は、悪いことにお金は使わないだろうと、信じていたからです。
 京之介には、見どころがあります。
 そこで、彩芽さんにお願いがあります。
 京之介のよい所をたくさん誉め、よさを引き出していただきたい。
 そうすれば、彩芽さんに見合った、立派な夫になっていくと思います。
 それが、兄としての願いです。

 最後に、お婆様に申し上げます。
 これまでのご苦労、察して余りあるものがあります。
 お婆様のお蔭をもちまして、京之介は、彩芽さんに出会うことができました。
 心より、お礼申し上げます。そして、京之介をよろしくお願い申し上げます。」
幸之介は、そう言って、お婆様に深く頭を下げた。

そのとき、次男、三男の二人が、思わず拍手をした。
それが、広がり、油川家のみんなが、拍手をした。

宗之介は、それを嬉しげに眺め、
「今の拍手で、もう決まりましたね。
 倉之介、世之介も、賛成だね。」
「はい。兄上、姉上に同感です。二人の結婚を祝福いたします。」
と、二人は言った。

母・沙月は、感無量という様子で、
「私は、彩芽さんを一目見て、気に入りました。
 京之介をよろしくお願いいたします。
 また、お婆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。」
そう言って頭を下げた。

「では、お婆様、彩芽さんにも、一言ずついただきましょうか。」
と宗之介は言った。

婆様は、顔中涙だらけだった。
「只今、感激で、言葉も出ないありさまです。
 長年生きて参りまして、この油川家の皆様ほど、
 心が広く温かいご家族を、他に知りません。
 私と彩芽の不利な条件の中で、
 彩芽の身体のことだけは、認めてくださるはずはないと思っていました。
 ところが、皆さまは、そのことまでも、認めてくださり、
 私は、ありがたく、夢を見ている思いでした。
 どうぞ、彩芽をよろしくお願いいたすます。」
婆様は、涙ながらに、深く頭を下げた。
皆が、温かい拍手をした。

「では、最後になりますね。彩芽さんどうぞ。」宗之介が言った。
彩芽は、涙の目を拭いた。
一礼をして、話し始めた。
「皆様の、温かく、ありがたいお言葉に、心の中で、何度も手を合わせていました。
 私に過分なお言葉をくださり、うれしく、感激で胸がいっぱいになりました。

 私の父母が他界しましたことは、大きな悲しみでしたが、
 私には、祖母がいてくれました。
 苦労をしたのは、祖母であり、私は、祖母のお蔭で、
 何の苦労もなく参りました。
 旅芸人の一座のときも、今の茶屋においても、
 私は、祖母の愛情に包まれ、たっぷり甘え、わがままを言い、
 何の苦労も知らぬまま、やって参りました。
 私は、これまでの日々で、不幸と思ったことがありません。

 梢様から、『澄んだ瞳をしている』、
 幸之介様から、『苦労が顔からうかがえない』
 とのありがたいお言葉をいただきました。
 私にとり、心の奥に染み込むほどのうれしいお言葉でした。
 そして、そのお言葉は、祖母にとり、何よりうれしいお言葉だったと思います。
 祖母は、いつも、私が惨めな思いでいやしないだろうか、
 苦労が顔に染みついた子になっていないかと、心配をしていたと思います。
 私を不憫に思い、そっと涙する日が、幾度もあったことと思います。

 それだけに、いただいたお言葉を、
 祖母は、何より、ありがたく、うれしく思ったことと思います。
 (母沙月や、梢は、涙を拭いていた。)

 京之介様は、すでに、私には、遥かに過ぎた方です。
 京之介様は、周りの人を幸せにしてくれる方です。
 京之介様と出会えましたことは、私にとりまして、夢のような幸せです。
 ふつつかな私ですが、
 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。」
彩芽は、深々と頭を下げた。
婆様は、涙に暮れていた。
家族は、うなずきながら、にこにこして、大きな拍手を送った。

父宗之介は、人一倍大きな拍手をしながら、大声で言った。
「いやあ、お婆様。今の彩芽さんのお言葉、ご苦労が報われますな。」
「はい。うれしゅうございます。」と婆様は言って、再び涙に暮れた。

(次回は、「3道場、武芸大会に向けて」です。)


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。


プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

リンク
最新記事
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧

自己女性化愛好症

御中根 蕗菜 です

女装子動画 Japanese crossdresser porn

enma’s blog

瞳のセルフヌード

毎日が日曜日

女装子&ニューハーフのペニクリ&アナルマンコ

MadameM【秘密の手帳】

川*´v`*川し

復讐の芽 ***藤林長門守***

橙の電車
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム