多次元女装サロン「透の可愛い復讐」(2話完結)
また、「多次元女装サロン」を書いてしまいました。
私、これ好きなんです。今回6ページになりましたので、2つに分けました。
2話完結になります。読んでくださるとうれしいです。
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多次元女装サロン「透の可愛い復讐」(2話完結)
「ああ、憂鬱だなあ。」と小柳透(とおる)は、校門を前にして思った。
イジメとまではいかないが、クラスの3人の女子から嫌がらせを受けている。
高校になったら、そんな嫌がらせなんかないと思っていた。
しかも、嫌がらせをする3人の女子のうちの白鳥沙也加は、
クラスのマドンナ的存在であり、透は、その沙也加が好きでたまらないのである。
教室に入って机につくと、3人は透を見て、ニヤニヤとささやく。
そして、やってくる。
ネコを撫でるような声で、
「透ちゃん、今日なら、スカート履かせてあげてもいいわよ。」
「あたしの家、だれもいないのよ。」
「メイクもして、可愛くしてあげる。」
白鳥沙也加は、背中から透の肩を抱き、耳元でささやく。
「女の子の世界ってステキよ。」
平気で男子の肩に両手をかけてくるなんて、
ぼくを異性と見ていない証拠だ。
腹を立てて当然のところだが、悲しいかな、透は少しうれしいのである。
大好きな沙也加が、自分に触れてくれる。
そして、透の心をさらに複雑にするのは、
透は、彼女たちの言うとおりに、女装がしたくてたまらなかったのだ。
透は、女の子のように可愛い顔をしている。
髪は、女の子のショートヘアーくらいにのばしている。
背は、162cmと小柄。
町を普段着で歩くと、ときどき女の子と間違えられる。
お釣りを受け取るのを忘れたときなど、
「あの、ちょっと、お嬢さん!」と呼び止められたりする。
もう高校2年なのに。
3人の女子は、毎朝、しつこくはやってこない。
だが、その少しの嫌がらせが、透を憂鬱にするのだった。
アイツらのいうとおり、本当に女の子の格好をさせてもらおうかな。
ふと、思ったりもする。
だが、すぐ、ダメダメと思う。
中途半端に女装をさせられ、写メを撮られ、
教室で、みんなに見せて、笑いものにする気だ。
そうに決まっている。
透が、「多次元女装サロン」へ、来たのは、
5月の末。生暖かい夜だった。
今日こそは復讐するんだ。そう決心していた。
スマホに白鳥沙也加の横顔をしっかり撮影した。
透は、アルバイトで稼いだ3万円をしっかりもって、
暗くて狭いサロンの入り口をくぐった。
パソコンを前にした、優しそうな受付嬢がいる。
「あのう。」と透は声をかけた。
「はい。いらっしゃいませ。」と受付嬢は明るい笑顔を見せた。
「ぼく、女の子になって、ぼくに嫌がらせをする女の子に復讐したいんです。」
「あら、そう。お困りね。詳しく聞かせてください。」
そこで、透は、詳しく、詳しく話した。
「まあ、それは、お困りね。
でも、それなら、復讐でも、可愛い部類ですね。」
「おちん〇んのあるその女の子のクローンを、
いっぱいからかってやろうと思うんです。」
「サンドバッグを思い切り殴って、恨み解消ってところですね。」
「はい、そうです。」
そう言って透は、スマホの白鳥沙也加の横顔を見せた。
「横顔だけでだいじょうぶですか?」
「はい。そこから全体像、声、性格まで分析して似させることができますよ。」
「お客様ご自身は、どんな女の子になりますか?」
「あ、そうですね。ぼくをそのまま女の子にしたような子にしてください。」
「お名前は。」
「ルナがいいです。」
「はい。108号室へどうぞ。すべて用意ができています。」
受付嬢はにっこりした。
透は、108のドアノブを触るとき、
心臓の音が聞こえるくらいに、緊張した。
中に、沙也加そっくりのクローンがいる。
それでも、興奮する。
透は、ノブを触った。
すると、来ていたジーンズとセーターが、
自分の学校の女生徒の制服になった。
耳に髪を感じた。
髪が伸びたのだ。
思い切って中に入った。
すると、沙也加そっくりのクローンが立って、
透に微笑んでいた。
「いらっしゃい、ルナ。待ちかねていたの。」
沙也加の声だ。
だが、表情がまるでちがう。
清純で優しい。
「あ、沙也加、待たせてごめんね。」透は言った。
もともと女声の透だが、それがさらに可愛い声になっていた。
「ルナ、可愛い。思っていたとおり。
ルナ、自分をまだよく見てないでしょう。
いっしょに、鏡を見にいきましょう。」
沙也加はそう言って、ルナの手をとって、
壁にある大鏡に連れて行った。
二人並んで、見た。
透は、自分の可愛らしさに、一気に興奮してしまった。
そして、思った。
ここにいる沙也加は、クローンでも、とてもからかうことなんてできない。
人間と同じだ。心がある。
言わば、沙也加そのものだ。
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私、これ好きなんです。今回6ページになりましたので、2つに分けました。
2話完結になります。読んでくださるとうれしいです。
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多次元女装サロン「透の可愛い復讐」(2話完結)
「ああ、憂鬱だなあ。」と小柳透(とおる)は、校門を前にして思った。
イジメとまではいかないが、クラスの3人の女子から嫌がらせを受けている。
高校になったら、そんな嫌がらせなんかないと思っていた。
しかも、嫌がらせをする3人の女子のうちの白鳥沙也加は、
クラスのマドンナ的存在であり、透は、その沙也加が好きでたまらないのである。
教室に入って机につくと、3人は透を見て、ニヤニヤとささやく。
そして、やってくる。
ネコを撫でるような声で、
「透ちゃん、今日なら、スカート履かせてあげてもいいわよ。」
「あたしの家、だれもいないのよ。」
「メイクもして、可愛くしてあげる。」
白鳥沙也加は、背中から透の肩を抱き、耳元でささやく。
「女の子の世界ってステキよ。」
平気で男子の肩に両手をかけてくるなんて、
ぼくを異性と見ていない証拠だ。
腹を立てて当然のところだが、悲しいかな、透は少しうれしいのである。
大好きな沙也加が、自分に触れてくれる。
そして、透の心をさらに複雑にするのは、
透は、彼女たちの言うとおりに、女装がしたくてたまらなかったのだ。
透は、女の子のように可愛い顔をしている。
髪は、女の子のショートヘアーくらいにのばしている。
背は、162cmと小柄。
町を普段着で歩くと、ときどき女の子と間違えられる。
お釣りを受け取るのを忘れたときなど、
「あの、ちょっと、お嬢さん!」と呼び止められたりする。
もう高校2年なのに。
3人の女子は、毎朝、しつこくはやってこない。
だが、その少しの嫌がらせが、透を憂鬱にするのだった。
アイツらのいうとおり、本当に女の子の格好をさせてもらおうかな。
ふと、思ったりもする。
だが、すぐ、ダメダメと思う。
中途半端に女装をさせられ、写メを撮られ、
教室で、みんなに見せて、笑いものにする気だ。
そうに決まっている。
透が、「多次元女装サロン」へ、来たのは、
5月の末。生暖かい夜だった。
今日こそは復讐するんだ。そう決心していた。
スマホに白鳥沙也加の横顔をしっかり撮影した。
透は、アルバイトで稼いだ3万円をしっかりもって、
暗くて狭いサロンの入り口をくぐった。
パソコンを前にした、優しそうな受付嬢がいる。
「あのう。」と透は声をかけた。
「はい。いらっしゃいませ。」と受付嬢は明るい笑顔を見せた。
「ぼく、女の子になって、ぼくに嫌がらせをする女の子に復讐したいんです。」
「あら、そう。お困りね。詳しく聞かせてください。」
そこで、透は、詳しく、詳しく話した。
「まあ、それは、お困りね。
でも、それなら、復讐でも、可愛い部類ですね。」
「おちん〇んのあるその女の子のクローンを、
いっぱいからかってやろうと思うんです。」
「サンドバッグを思い切り殴って、恨み解消ってところですね。」
「はい、そうです。」
そう言って透は、スマホの白鳥沙也加の横顔を見せた。
「横顔だけでだいじょうぶですか?」
「はい。そこから全体像、声、性格まで分析して似させることができますよ。」
「お客様ご自身は、どんな女の子になりますか?」
「あ、そうですね。ぼくをそのまま女の子にしたような子にしてください。」
「お名前は。」
「ルナがいいです。」
「はい。108号室へどうぞ。すべて用意ができています。」
受付嬢はにっこりした。
透は、108のドアノブを触るとき、
心臓の音が聞こえるくらいに、緊張した。
中に、沙也加そっくりのクローンがいる。
それでも、興奮する。
透は、ノブを触った。
すると、来ていたジーンズとセーターが、
自分の学校の女生徒の制服になった。
耳に髪を感じた。
髪が伸びたのだ。
思い切って中に入った。
すると、沙也加そっくりのクローンが立って、
透に微笑んでいた。
「いらっしゃい、ルナ。待ちかねていたの。」
沙也加の声だ。
だが、表情がまるでちがう。
清純で優しい。
「あ、沙也加、待たせてごめんね。」透は言った。
もともと女声の透だが、それがさらに可愛い声になっていた。
「ルナ、可愛い。思っていたとおり。
ルナ、自分をまだよく見てないでしょう。
いっしょに、鏡を見にいきましょう。」
沙也加はそう言って、ルナの手をとって、
壁にある大鏡に連れて行った。
二人並んで、見た。
透は、自分の可愛らしさに、一気に興奮してしまった。
そして、思った。
ここにいる沙也加は、クローンでも、とてもからかうことなんてできない。
人間と同じだ。心がある。
言わば、沙也加そのものだ。
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