人探し名人・柳原恵子MtF④「再び、山へ」

少し長くなりました。読んでくださると、うれしいです。

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人探し名人・柳原恵子MtF④「再び、山へ」


8月も終わりに近づき、涼しい日も増えて来た。
恵子の父啓太は、童話作家だった。ジュニア小説も書く。
パソコン1台で仕事ができる。
いつも、小さなデスクに置いたパソコンの前に座って、考えている。

恵子は、座っている父の後ろから、父の首を抱きしめた。
「恵子、やめてくれよ。今、考えているんだから。
 アイデアが、飛んで行きそうだったよ。」
「お父さんのアイデアが枯れたら、家はどうなるの?」と恵子。
「お仕舞だよ。」
「わあ、危なかった。」と恵子は、啓太から離れた。

母の美佐江は、出掛ける用意をしている。
美佐江は、ずっとコーラスをやって来ていて、
公民館のコーラス部の講師をしている。
恵子に似て、美人で、若く見え40歳代のなかばであったが、
30歳代に見えた。
恵子の女性ホルモン投与は、声変りに間に合った。
そして、恵子の少年の声が少女の声に聞こえるよう、
ボイストレーニングしてくれたのは、母の美佐江だった。
おかげで、恵子の声は、誰が聞いても女性の声である。

時刻は、午前の9時になろうとしていた。
「恵子、早く支度をして。間に合わなくなるわよ。」
美佐江は、言った。
今日は、歌舞伎のチケットが2枚手に入り、
美佐江と恵子で行くことになっていた。

「お母さん、あたし、行かない。」恵子は言った。
「どうして?あれほど行きたがっていたじゃない。」
「うん。訳はよくわからないんだけど、
 今日は、家にいた方がいいような気がするの。」
「そう。」
美佐江は、恵子の不思議な力かなと思った。
「いいわよ。なら、お父さんと行くから。」
ということになり、父母でうれしそうに出かけて行った。

「9時か。」と恵子は時計を見た。
涼しい日であったが、体は汗をかいていた。
恵子は、シャワーを浴びることにした。

シャワーから出て、体を軽く拭いて、
バスタオルを体に巻いた。
胸が、大きくなって来たので、
女の子巻が出来るようになった。

恵子は、自分の部屋に行って、姿見で自分を見た。
そっとバスタオルを取って、裸の自分を映してみた。
小、中学とあれほど運動をしてきたのに、
肩幅は女の子並に狭く、肩から二の腕へのラインも、
細く、女の子のものだった。
ピップに脂肪が付いたので、ウエストの位置が上がり、
おへその5cm上あたりにくびれが出来ている。
白くて、真っ直ぐな長い脚。
むちっとした太もも。
恵子は、自分の女の子のような体つきを、
つくづく、幸運に思った。

ただ一つ、股間に余分な物がある。
『こいつを、どうにかしなきゃなんねーな。』
恵子は、あえて、男言葉でそう言った。
そのとき、ツンとある感覚が、背筋に走った。
いけない、感じた。

少しだけ。
恵子は、そう自分に言い聞かせ、
ベッドの白いタオルケットに潜り込んだ。
うつ伏せになり、枕を縦にして、抱いた。
そして、自分の下腹部を、ベッドに押し付け、
体を前後に動かした。
少しだけと思ったのに、
頭の中に、エロティックなシーンが次々と浮かんでくる。

多分、やめられない・・。
恵子は、ティッシュを何枚かとり、熱くなっている部分に敷いた。
そして、体の動きを速めていった。
家族は留守で、声を出しても、誰も聞いていないのに、声を出せない。
だが、心では、大きな声をあげていた。
ああ・・・いきそう。
いっちゃう・・いっちゃう。
ああ、ダメ。

ティッシュの上に、温かいものが流れ出た。
ああ、するつもりなんて、なかったのに。
恵子は、わずかな自己嫌悪を感じて、ティッシュで濡れた部分を拭いた。
いい香りのするウエットティッシュで、さらに拭いた。

ショーツを履き、ベージュのキュロットを履いた。
ブラを着けて、Tシャツを着た。

時計を見ると、10時半だった。
そのとき、恵子の心に1つの光景が浮かんだ。
「そうか、やっとわかった。」
恵子は、そのとき初めて歌舞伎へ行かなかった理由を察した。

恵子は、台所に行って、冷蔵庫から、タラコと鮭フレークを出し、
炊飯器のご飯を見て、お結びを作り始めた。
4つ作り、一つ一つラップで包み、
お結び用の海苔を4枚、別のラップに包んだ。
それを、買い物袋に入れて丸めた。
濡らして絞ったお絞りを2つ。
500mlのペットボトル2本に麦茶を入れた。
全部を小さなリュックに入れた。

自分の部屋にもう一度行って、棚を見渡した。
小さなハモニカが目に入り、それを取って、リュックに入れた。
「これで、いいかな。」

恵子は、メッシュの縁のある帽子をかぶり、家を出た。
よく晴れた日だ。
恵子の団地から、徒歩で頂上まで行ける山が、3つある。
恵子は、その内の一番低い標高198mの「見晴らし山」に向かって歩き出した。
山のふもとの女坂を選んで登り、
途中の分かれ道で、「くぬぎ峠」を選んだ。

薄っすらと汗をかいて来た。
くぬぎ峠は、木に囲まれている道で暗い。
だがやがて、前方に、木々が開け、
陽だまりのようになっている場所が見えた。
そこにたどり着くと、思った通り、
男性の老人が、大き目の石に座っていた。
白い盲人用の杖を、膝の上に置いて、
風に、汗でぬれたシャツを、乾かしているように見えた。
あたりは、ひっそりとして静かだ。

恵子は、老人に近づき、
「めっけ!」と言った。
老人は、声の方に顔を向け、
「はて、誰ですか。私はこの通り目が見えません。」と言った。
「おじいちゃんの役に立とうと思って来たんですよ。」
「そうですか。それは、ありがたい。
 恥ずかしながら、目が見えないのに、山へ登ろうとしました。
 なんとか、ここまで登ってきましたが、
 さて、下りは、私には、10倍むずかしい。
 だから、こうして、どうしたものかと考えていたのです。

 今頃、施設の方々が心配をしているかも知れません。
 少し、散歩をしてくると置手紙をして、
 何も、持たず出て来てしまいました。」

恵子は、老人の隣の少し小さめの石に座った。
「柳原恵子と言います?おじいちゃんは?」
「高橋吉蔵といいます。」

「あたしは、これから、おじいちゃんの施設に電話をして、
 おじいちゃんが、無事であることを告げねばなりません。
 おじいちゃんの施設は、多分『聖心園』ですか。」
「どうして、それを?」
「小学校のとき、私は、ブラスバンドクラブにいて、
 『聖心園』で一度、交流の演奏をしたことがあります。」
「ああ、そうですか。覚えています。確か5年程前です。」
「あたしは、6年生でした。」

恵子は、ケータイを出し、吉蔵に番号を聞き電話をした。
そして、吉蔵と今いっしょにいて、責任を持って園にお連れすると言った。

「これで、安心です。ゆっくりできますね。」
「ありがとう。神様が、あなたをここに遣わせてくださったようです。」
「お結びを作ってきました。一人2個ずつです。その前にお絞りです。」
恵子は、お絞りを渡し、お結びに、海苔をつけて、吉蔵の手を取り、
お結びを乗せた。
「これは、どうもありがとう。いただきます。」
恵子も自分のを作って食べ始めた。
「ああ、おいしい。あの時と同じです。
 私は、40歳のとき目が見えなくなりました。
 若い頃、友人たちと1度この山に来たのです。
 その中に、私の妻もいました。
 妻は、もう亡くなりました。
 今朝、無性にあの頃の妻や友人たちの声が聞きたくなり、
 ここまで来てしまったのです。
 いささか、無茶をしました。」

「お声は、聞けましたか?」
「いえ。残念ですが、聞けませんでした。
 しかし、あの日みんなで食べたお結びのおいしさは、
 今、こうして、あなたに味わわせていただいています。
 あの日のお結びと、同じ味がします。」
「そう言ってくださると、うれしいです。」

お結びを食べ、お茶を飲み、吉蔵は、幸せそうな顔をしていた。
「そうだ。」と吉蔵は言った。
「恵子さんは、ブラスバンドで園に来てくださったと言いましたね。」
「はい。」
「バンドの音楽は、迫力があって、心が躍るようでした。
 でも、最後に、一人のお子さんが、ハモニカの演奏をしてくれました。
 曲は、『浜辺の歌』でした。
 その演奏は、心の奥まで沁みとおるようでした。
 忘れることができません。」吉蔵は言った。

恵子は、自分がなぜハモニカを持って来たのか、このときわかった。
「おじいちゃん。あのときハモニカを吹いたのは、あたしです。
 今日、ハモニカを持ってきました。」
「本当ですか。」
「はい、あの時より、下手になっているかも知れません。
 じゃあ、聞いていただけますか。」
「はい。」

恵子は、両手に入るような小さなハモニカを持って、
手で、ビブラートを入れながら「浜辺の歌」を吹いた。

吉蔵は、うつむきながら、じっと聞いていた。
その内、吉蔵の目から、涙が一筋、二筋と頬を伝わって流れた。

演奏が終わったとき、吉蔵は、拍手し、
「ああ、よかった。心が洗われました。」そう言った。

「では、おじいちゃん。あたしは、今から警察に電話をします。
 そして、警察の方にここまで来ていただいて、
おじいちゃんを園まで送っていただきます。かまいませんか。」恵子は聞いた。
「ありがとう。今日は、がんばってここまで来た甲斐がありました。
 友や妻の声は聞こえなかったが、恵子さん、あなたに会えました。
 素晴らしいハモニカの演奏を聞けました。
 このところ、私は、少し心が塞いでいました。
 しかし、今日、あなたに会えて、元気が出ました。
 ありがとう。心からお礼を言います。」
「あたしこそ、おじいちゃんにお会いできて、よかったです。」
恵子は、心からそう思った。

やがて、恵子の連絡で、屈強な警察官が2人来て、
吉蔵を負ぶって、山を下りた。
吉蔵は、パトカーに乗り、園まで送られた。

恵子が家に帰ると、父も母も帰って来ていた。
恵子は、山での出来事をみんな話した。
「えええ?そりゃ、歌舞伎よりずっといいことをした。」
と父の啓太は喜んで手を叩いた。
「よかったわね。恵子にとっても、いい一日だったわね。」と美佐江は言った。
「じゃあ、今日またお寿司?」と恵子は、乗りのいい父に言った。
「ああ、そうしよう。なあ、母さん。」
「はいはい。」と美佐江は笑った。

<第4話 おわり>


■次回予告■
次は、一番遠くまで、恵子は特殊能力を働かせます。
今のところ最終話にする予定です。


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人探し名人・柳原恵子MtF③「恵子・人命救助!」

人探し名人・柳原恵子MtF<第3話>「恵子・人命救助!」


夏休みとなった。
恵子の部屋のベッドで、恵子と信也は仰向けに並んで寝ていた、
恵子は、上がキャミソールになったワンピースを着ていた。
信也は、Tシャツにジーンズ。
信也は、恵子の下半身を、すーと撫でた。
「恵子。アレを股の下なんかに回さないで、
 こんな時ぐらい、前に置いとけよ。」
「いやよ。もっこりなんて、死ぬほどはずかしい。」
「前にしておくと、いいことあるぞ。」
「ほんと?じゃあ、今だけ。」
恵子はショーツに手を入れて、例のものを前に寝かせた。

すると、信也が、恵子の体を上から下に撫でる。
そのとき、恵子の大事なものを、撫でていく。
(そういうことか。)
恵子は、知らん顔して、寝ていたが、
信也に何度も何度も撫でられると、それが、大きくなってくる。
たまらなく、恥ずかしい。
「なあ、いい感じだろう。」頃合いを見計らって言う信也が憎い。
恵子は、あそこの先が、大きくなり、
ショーツから顔をはみ出しているかもと思い、恥ずかしさが募って来る。
だか、ずっと続けてもらいたい気持ちが勝って黙っていた。

ものすごく感じているのに、知らんふりをしているのって、
何か、自虐的な喜びがある。
平気な顔をして、突然発射してしまう。
そんなのもいいと思っていた。

信也は、飽きないのか辛抱強いのか、ポーカーフェイスで、ずっとしている。
恵子は、目をつぶった。
ほんとなら、信也に抱き付いて、
「あ~ん、許して、許して、あたし、イく。もうダメ、もうダメ。」
と声を上げ、身を震わせているところだ。
そのときと同じくらい感じながら、だまって、クールな顔をしている。

『ああ、負けそう。そろそろ、限界。悔しいけど。』

「信也、あたしの負け。しゃぶって、もうイきそう。
 お願い、イかせて。」
「よし。」と言って、信也は恵子のスカートをはぐとショーツを下し、
恵子の硬直したものを口にくわえた。
「ああああ。」と恵子は、あっけなく果ててしまった。

恵子は、信也の上に馬乗りになり、信也のズボンとトランクスを、下にずらした。
そして、信也の隆々としたものを口に含んだ。
「あ。」恵子は、顔を上げた。
信也は、「もしかして、また?」と泣きそうな顔をした。
「うん。またなの。信也をイかせるより大事。」

恵子は、ショーツを女の子に見えるように履いた。
そして、ワンピースを脱いで、キュロットと白いTシャツを着た。
「信也も来て。あたし一人では、無理なの。」
そして、階下に降りて行った。

「お母さんロープない?」
「ないわ。」
「じゃあ、電気の延長コード。」
「それなら、10mと5mがあるわ。」
「それでいい。で、お父さん、車出してくれない。」
「わかった。」父の啓太は言った。

その頃、川では、大変なことが起きていた。
川べりで、1歳5ヶ月の男の子を、
ビニールのボートに乗せて遊ばせていたお母さんが、
コケの生えた川の石に滑って、倒れるときに、ボートを足で押してしまったのだ。
運悪く、中央の流れから迷って出て来た流れに捕えられ、
ボートは一気に川の中央に運ばれてしまった。
川の中央は、水が緑色に見えるほど、深さがあり、流れが速い。

母親は叫び、周りにいた人達は、
みんな懸命に男の子を乗せたボートを追いかけた。
だが、川岸は、石と砂で、速くは走れない。
流れに追いつくのがやっとだった。

まずいことに、川の先には、流木などを取るための、上に尖った鉄の柵がある。
その向こうは、1m位の滝になっている。
滝の真下は深い。
それに、鉄の柵を覆うほど、川の水量が多い。
人々は焦った。
滝に落ちたら、男の子は死んでしまう。

恵子は、車の中で、2つの電気コードをつないだ。
そして、電気コードの端を2重に胸の下に巻き付けた。
「信也。こっちのコードの端を持って、あたしと一緒に川へ行くの。
 お父さん、ここで止めて。」
そこは、皆が使わない川への入り口。
狭くて、急である。
「信也、死に物狂いで、川まで降りるの。」
「わかった。」
二人は、車から降り、川へと下って行った。

子供を追いかけていた人々は、
滝まで、あと30メートルというときに、
大きな岩に行く手をはばまれた。
岩を回る暇はない。
大人たちは、川の中に、膝までつかり、
万事休すと、子供のボートを見ていた。
子供のボートは、大岩の地点を越えた。
男の子は、身の危険が分かるのか、大声で泣いていた。
母親は、子供の名を呼び、絶叫した。

そのときである。
白いTシャツの女の子が、滝の前10m位のところに、川の横から現れた。
その子は、川に胸の下まで入り、あとは、猛烈なクロールで、
やってくる子供のボートを、見事キャッチした。
「信也、コードを引いて!」
恵子は、叫んだ。
コードは、流れに負けぬ強さがあった。
ボートの子と恵子は、無事、岸に上げられた。

うおおおおおおおおと大人たちは、飛び上がり、
子供の無事を、抱き合って喜んだ。
「恵子、やったな!」と信也が叫んだ。
「うん。やったね!」と恵子は、白い歯を見せて、笑った。
みんなが、大岩を回って、恵子のところに来た。
恵子の父啓太も来た。

母親は、ボートの子を抱きしめて、泣いた。
「ありがとうございます。あなたが神様に見えました。
 ありがとうございます。」
と感謝の言葉を何度もくり返した。

「ほんとですよ。私達がなすすべもなく、万事休すと思ったとき、
 あなたが、ドンピシャリのタイミングで出て来てくださった。
 まさに、奇跡を見る思いでした。」
「そうです。あなたが、神か仏に見えました。」
「一体どうやって、あんなジャストなタイミングで、
 出てくることができたのですか。
 あなたが出て来てくださったときの光景は、一生忘れません。」
みんなそれぞれに、感激を語った。

子供が流されたとき、警察に知らせた人がいるようで、
上空に、ヘリが来ていた。
人々は、ヘリを見上げて、頭の上に大きな〇を作った。
母親は、男の子を見せた。
ヘリは、少し身を振り、去って行った。
やがて、警察の人が4人来た。
恵子にとっては、見慣れた人達であった。
少し遅れて、署長も来た。
皆、周りの人から事情を聞き、ほれぼれと恵子を見た。

恵子は、署長に、父の啓太と信也を紹介した。
「そうですか。今回は人探しではなく、人命救助をなさった。
 恵子さんと信也さんには、賞状の他、県知事より盾が贈られると思います。
 学校を通じ、連絡を差し上げます。」
署長は、そう言って、うんうんと嬉しそうにうなずいて、
周りの人にも労をねぎらっていた。
後の署員達は、現場検証を始めた。

恵子の父啓太は考えていた。
坊やのボートが流されて、滝に近づくまで、
せいぜい3分。
恵子が、騒ぎ始めたのは、少なくとも10分前。
すると、恵子は、7分前に予知したことになる。
それを、恵子に言おうかどうか迷っていた。
予知能力があると知れば、恐がるだろう・・。

「お父さん、どうしたの?」と恵子が聞く。
啓太は黙っていられない性格だった。
「いや、恵子は、ボートのこと、予知したのかなあと考えていたんだよ。」
恵子は、ケロッとした声で言った。
「そうよ。あたし達が家を出たとき、お母さんと坊やは、まだ岸で遊んでいたの。
お父さんが車を止めたとき、ボートは流れ出した。
だから、川への下り坂を降りて行くとき、もう気が気じゃなかったの。」
「はあ・・。」と啓太と信也は、顔を見合わせ、恵子を見つめた。
「いいことしたから、今日は、お寿司にして。
 信也も食べにお出でよ。」
恵子は、にこっとして父と信也の腕を両腕に取った。


■次回予告■

再び、山へ。
静かなお話です。


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人探し名人・柳原恵子MtF②「はっきり特殊能力」

人探し名人・柳原恵子MtF②「はっきり特殊能力」


山で、男の子を見つけた恵子は、
警察署から表彰された。
こういうものは、学校を通じるらしい。
校長が付き添って、署長室に入った。
署長は、感謝状を読み上げ、恵子に渡した。

署長室を出たとき、
女性校長である田村紀子は、
「この賞状は、私が預かります。
 明日の全校朝会で、生徒全員の前で、
 もう一度、私が読み上げ、表彰します。」
と言う。
「校長先生、大袈裟じゃないですか。」と恵子は言った。
「何を言うの。あなたは、一人の男の子の命を助けたのです。
 しかも、40分も走り抜いて。
 この走ったところが、すごいわ。」
「命ってほどでは。
 あの子は、一人で、道路に出ることができましたよ。」と恵子は言った。
「まあ、あなたっていい子ね。」
と校長は、笑顔を見せた。

全校朝会で、恵子は、表彰された。
1200人の生徒から、大きな拍手をもらった。
みんなの関心は、「なぜ、場所がわかったか。」というより、
40分も走ったということに向けられていた。
「すげーよな。」
「いつも、男子の中でサッカーやってる子だろ?」
「40分、普通走れないぜ。」
などと、先輩の3年生は言っていた。
女子は、別の反応。
「あ~ん、恵子が走ってる姿見たかった。」
「きっと女の子の走り方じゃなかったと思うわ。」
「かっこいいね。またまた、憧れちゃう。」

日曜日である。
恵子の家は、大きな団地の一軒家だった。
偶然にも、信也の家は、歩いて3分の近さだ。
小学校から同じ学校だったが、
友達になったのは、恵子が女の子になった高校からだった。

昼食をお互いの家ですまし、
信也が恵子の部屋に遊びに来ていた。
「やっぱり、女の部屋な。女の匂いがぷんぷん。」
と、今さらのように信也が言う。
「もう、男物の服なんてないんだろ?」

「ジーンズは、とってあるわよ。」
「恵子、ヒップでかいじゃね。入るの。」
「履いてさ。お尻がきつきつになったの確かめるの。
 ああ、女になって、うれしいって。」
「オッパイ、最近でかいぞ。」
「2年になって、Bカップになったよ。」
「だんだん、触り心地がよくなったと思ったよ。」
「触ってみる?」
「鍵かけたか。」
「ガッチリとね。」

二人は、ベッドに並んで座り、
キスをして、信也は、恵子の胸を触る。
「大きな声出さないでね。」
「それは、お前だろ。」信也笑った。
やがて、恵子が大きな声を出しそうになる。
信也の手は、恵子のショーツの中に入っていた。
「信也、あたし声が出そう。」
「出しちゃえよ。」
「だめよ。信也とはプラトニックってことになってる。
 あ、あああ、感じる。」
「今日も、恵子が先にイくの?」
「もうここまで、来てるじゃない。」
信也は、恵子のスカートをめくり、元男の証を口にくわえる。

「ああ、ダメ、声が出る。」
恵子は必死にこらえている。」
だが、やがて、体が震えて来る。
「ああああ、イく、イっちゃう。あたし、イく。」
恵子は、果てた。

恵子は、信也のズボンのファスナーを提げた。
ズボンを半分脱がし、息づいている信也のものをくわえた。
そのときだった。
「こちらは、沢田警察の防災無線です。」
と、外の大きなスピーカーが鳴った。
「本日、午後1時20分ごろ、76歳の男性が、
 家を出たまま、行方不明になっています。
 ・・・・・・・・・。」
恵子は、時計を見た、まだ、25分しか立っていない。

「おじいちゃんは、バス停。早く行かなきゃ、バスに乗っちゃう。」
恵子は、言うと、
「信也、ごめん。あたし、行かなきゃ。」
「え?また?俺これからなのに。」
「ごめんね。今度たっぷりサービスするから。」

恵子は、家の出口に置いてある自転車を出し、
ハンドルを持ち4、5歩走ると、両足を宙に浮かせ、サドルに乗った。
バス停までは、ダウンヒルだ。
ブレーキで調節しながら、バス停に向かった。

バス停が見えたとき、バスが来た。
『おじいちゃん、乗っちゃダメ。』心で叫んだ。
幸い、先に並んでいた人が乗っていた。
おじいちゃんが乗るジャストタイミングで、
恵子は、おじいちゃんの手をつかんだ。
「おじいちゃん。乗ってはいけません。」
恵子は息を切らし、言った。

「バスが出てしまう。手を離してください。」おじいちゃんは言う。
「だめです。このバスでは、ありません。」
「このバスではないのですか。」おじいちゃんは言った。
「そうです。」
おじいちゃんは、歩を止めた。杖を持っていた。
バスは、発車した。

恵子は、おじいちゃんとバス停のベンチに座った。
「おじいちゃん、どこへ行くおつもりでしたか。」
「島根です。」
「どなたがいるのですか。」
「ばあさんが一人でいます。
 今は、田んぼや畑が一番忙しい時期です。
 ばあさん一人では、可哀相や。」
「おばあさんは、お元気なのですか?」
恵子がそう言うと、おじいさんは、少し考え始めた。

「ばあさんは…そうや…5年前に死んだのやった。
 もう、あそこには、誰もおらん。」
おじいさんは、そう言って、目をうるませた。
「じゃあ、おばあさんは、天国にいらっしゃるのですね。」
「そうです。天国で、幸せにしています。」
「じゃあ、安心ですね。」
「はい。」

恵子は、ケータイに登録してある警察署に電話をした。
「今、おじいちゃんと一緒にいます。沢田のバス停のベンチにいます。」
5分ほどで、パトカー2台が来た。
中から、おじいちゃんの娘らしい人が、出て来て、
おじいちゃんにやさしく言った。
「おとうさん、帰りましょう。」
「満子。今日も迷惑をかけたね。すまない。」
「いいのよ。」

署の人が、恵子のところへ来た。
「あなたは、柳原恵子さんですね。
 山で男の子を見つけてくれました。
 今回も助かりました。
 バスに乗ってしまわれたら、探すのがそれこそ大変になるところでした。
 ありがとうございました。」
そう言って、署員は礼をした。

そのとき、後から走って信也が来た。
「恵子見つけたの?」
「うん。間に合った。」
おじいさんと満子は、恵子に礼を言い、深々と頭を下げた。

パトカーは、おじいちゃんと満子を乗せて行った。
恵子は自転車を引きながら、信也と歩いた。
「恵子。これは、偶然じゃないよ。恵子には不思議な力があるよ。」
「そうね。悪いことかな。」
「いいことに決まってるじゃね。
 俺が迷子になったときも、見つけてくれよ。」
「うん。」
恵子は、信也を見あげて笑った。
信也もにっこりと笑った。


<第2話 おわり>


■次回予告■

恵子の特殊能力は、いよいよ本格。
人命救助をします。


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新作・人探し名人・柳原恵子MtF①「特殊能力出現」

新作です。ちゃんと書いていければいいのですが。
自分に祈っています。初回、ちょっと長いです。

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人探し名人・柳原恵子MtF「特殊能力出現」


6月下旬、高校は衣替えで、男子はYシャツ、女子はブラウスである。
昼休の校庭。
男子の中に一人袖まくりをした女子がいる。
その女子は、猛烈なスピードで、サッカーボールをドリブルし、
ゴール前から、片足をしならせ、すごいキックを放った。
ボールは、ゴール右上に突き刺さった。
「あはっ。やった!」
その女子は飛び上がって、宙をパンチした。
小柳恵子。MtF。
中2のときからホルモン治療をはじめ3年目。
運動神経抜群である。

「恵子、お前、何で女になったの?」
「ほんと参るぜ。」
「男に戻れよ。」
男子達は、笑いながら言った。

それを、見ている女子5人。
「恵子かっこいいよね。」
「なんか、憧れるよね。」
「あんな可愛いのに、元男の子なんて信じられない。」
「元男の子だから、好きになったっていいよね。」
「でも、今は女の子だから、好きになっちゃいけないんじゃない?」
「恵子は、もう彼いるじゃん。」
「橋本?」
「やっぱ恵子は、男の子が好きなんだろうね。」
「そういうことみたいね。」
そんなことを話している。

チャイムが鳴り、恵子は、顔の汗をブラウスの袖で拭いた。
「恵子ほら。」と美沙が、小さなタオルを指し出す。
「あ、ありがとう。」
と、恵子は、前髪が貼りついた額を拭いた。
「恵子、運動するなら、ミニタオルくらいポケットに入れときなよ。」
「そうね。でも、誰かが必ず貸してくれるから、つい甘えちゃう。」
「キャー、恵子の汗が付いたタオル。」
タオルを貸した美沙は、そのタオルに顔をつけた。

放課後、部活に入っていない橋本信也と恵子は、
並んで校門を出た。
163cmの恵子より、信也は10cmほど背が高い。
信也は何もかも普通なところがいいと恵子は思っている。
特に美形でもない。
成績がいいわけではない。
運動も普通。
恵子のファン達は、『なんで、橋本なの?』と不思議に思っている。

「今日、寄ってく?」
「気分?」
「ああ。」
「あたしも。」
『寄る』とは『カラオケで、えっちをしよう。』という意味である。

二人でコーラを頼み、店員が、それを持って来て、
出て行くまで、二人は、喉をごくんと鳴らして待っている。
店員が行ったら、コーラを一口飲んで、二人は抱き合いキスをする。
「ねえ、信也。元男のあたしとキスしただけで立っちゃう?」と恵子。
「そりゃ立つよ。キスだからな。」
「あたし、元男なのよ。何で?」
「恵子、お前、それ何べん聞くんだ。百ぺん俺に聞いたぜ。」と信也は笑った。
「ねえ、言って。」
「男だろうが、女だろうが、恵子が好きだからだよ!」
恵子は、うふんと嬉しそうな顔をして、信也に抱き付いた。
「あたしも、信也が好きだよ。信也が女だっても好き。」

二人は、またキスをして、信也は恵子の胸に手をやった。
二人の息遣いが荒くなる。
信也の手が、恵子のブラの中に入る。
そして、胸の先端を刺激する。
「あん、信也、あたし感じる。」
「俺もたまらねえ。」
「今日は、あたしを先にいかせて。」
「いいよ。」
信也の手は、恵子のスカートの中に入って行った。
モモをたっぷりと撫で、恵子のショーツを撫でる。
恵子のショーツの中で、恵子の元男の証が、息づいている。
それを、出すと、恵子が言う。
「信也になら恥ずかしくない。」
「恵子にこれがあっても全然不思議じゃない。」

信也の愛撫に対して、恵子は体を上下に揺すって行く。
「あん、あん、ステキ、あん、たまらない。」
信也は、恵子のショーツを脱がせる。
恵子が抱き付いてくる。

信也は、丁寧に愛撫する。
恵子は、ゆっくりイかされるのが好きだ。
心で、もうイくと思いながら、我慢する。
その方が、イったときしびれる。

かなり我慢していたけど、もう限界。
「ああん、もうすぐイっちゃう、ああん、イっちゃう。
 信也、口に含んで。」
「ああ。」
信也は、恵子のものを口に含み、手と口とで愛撫をする。
恵子は、信也に抱き付いて、震え始める。
やがて、恵子の声が、短くあえいでくる。
「あ、あ、あ、いく、いく、あああ、イっちゃう。イっちゃう。」
痙攣を2度ほどして、恵子は、信也の口の中で果てて行った。

恵子はぐったりとしていた。
だが、その内、突然に、あっと目を開いて、上体を起こした。
「恵子、どうした?」
「何か感じるの。あたし行かなくちゃ。信也、ごめんね。」
恵子は、ショーツを履いた。
そして、肩までの髪を後ろで結んだ。
「これ、後で信也の家に行くから。」
そう言って、恵子は、カバンを信也の腕に預けた。

「待て、どこ行く・・・・。」
と言う信也の言葉を残して、恵子は、ドアを出た。
外に出た恵子は、左右を見て、
「峰の口。あっちだ。」
そうつぶやくと、猛然と走り始めた。
恵子は、走った。
走りに走った。

途中、東の空を見た。
空は、紺色に染まりかけていた。

鴻巣山は、標高300mほどの低い山だった。
しかし、裾が広く、下に降りる山道が何本もあり、別れ道もある。
頂上は、狭く、展望のための広場と、
休憩をできる狭い原があるだけだった。
その頂上に、若い夫婦。
そして、10人ほどの青い服を着た警察官がいて、
警察署長もいた。
親子で、頂上に来て、7歳の男の子が行方不明になった。

代わる代わる報告に来る警察官。
「沢の口、いません。」
「竜野口、いません。」
「沢は、見たのか。この時刻で、沢で怪我をしていたりしたら大変だ。」
「2名で見ましたが、沢には見つかりませんでした。」
「出口から逆に調べている者は、まだ、見つからんか。」
「報告がありません。」

署長は焦っていた。
日が刻々と暮れて行く。
夜になっては、探すのが極めて困難だ。
「夜になってはならん。ヘリの出動を要請しろ。」
「はい。」
母親は、おろおろとし、心配のあまり震えて唇が青くなっていた。
その母親を、父親が抱きかかえるようにしていた。
西の空までが、その光を落としかけていた。

恵子は、走り続けていた。
途中何度も倒れそうになった。
それを、こらえて走った。
『もうすぐだ。もうすぐ峰の口だ。』

『あそこだ!』
それは、広い道路に直結した入り口だった。
「峰の口」と細い道しるべが立っているだけだ。
わかりにくい出口だ。
恵子は、峰の口に入ると、
道の両脇の草が伸び、小さなトンネルのようになっている。
(これでは、上からは見えない。)
恵子は、草をかき分け、かき分け、進んだ。
もうすぐ日が暮れてしまう。

そのとき、男の子の泣き声が聞こえた。
恵子の心に喜びが湧いた。
いた!
野球帽をかぶった男の子が、手放しで泣きながら、やってくる。
恵子の目に涙が走った。
恵子は、男の子の手を取り、抱きしめた。
「よかった。よかった。もう大丈夫。よくがんばったね。もう大丈夫。」
恵子は、スカートのポケットを探った。
ケータイを持って来ていた。
「坊や、お母さんの携帯の番号言える?」
「うん、言えるよ。」
男の子に言われるまま、番号を押した。
「はい。どなたですか。」
「只今、お子さんを見つけました。
 どこも怪我をしていません。ぼくちゃんは、無事です。」
「まあ、よかった。」
お母さんの声は、そのまま泣き声になった。
「見つかったの?」とお父さんの声。
母親が周りの人達に、告げる声が聞こえた。
うおおおおおおと人々の声が聞こえた。

恵子は、坊やを背負って、頂上まで言った。
男の子を抱いて、泣く母親。
父親が、恵子に礼を言い、深く何度も頭を下げた。

「どこにいたのですか。」と署長。
「峰の口に向かっていました。」と恵子。
「なんと、あそこは、狭くて、大人が歩けるところではありません。
 あなたは、よくぞ、見つけてくださった。
 日が暮れてしまったら、もうどうなることかと焦っていました。
 ヘリを要請しましたが、ヘリからは、わかりにくいのです。
 あなたは、どうやって、峰の口がわかったのですか。」
「なんとなくですが、そんな気がして、40分走ってきました。」
「40分もですか。あなたは、あの光雄くんの命の恩人です。」そう署長は言った。

母親が、お礼に来た。
「ありがとうございました。
 あなたがいなかったら、どうなっていたかわかりません。」
「ぼくちゃんは、えらかったんですよ。
 自分の力で、外に出る道を探していたんです。
 あたしが、いなくても、外に出られたことと思います。」
恵子はそう言って、にっこりした。

署長や警察官は、恵子の謙虚な言葉に、心が洗われていた。

恵子は、パトカーで、家に送られた。
食事時だった。
「恵子、パトカーできたの?」と母の美佐江が聞いた。
「うん、ちょっとね。走ったから。」
恵子は、うふんと笑って、テーブルの椅子に座った。


<第1話 おわり>


■次回予告■
<第2話>を明日書ければよいのですが。
できるだけ、がんばります。



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エッセイ 「昔風女言葉VS今風女言葉」+アルファー

エッセイ 「昔風女言葉VS今風女言葉」

物語が書けません。また、昨日と似たようなエッセイを書きます。

================================  
今風な女の子の言葉は、かなり男子化しています。
昔の女の子の方が、女らしい言葉を話していた気がします。
ここに、A子、B子の会話を書いてみます。
で、昔ならこう言うというのを、すぐ下に書いてみます。
話しているのは、中学生です。

<会話>

A「ねえ、B子、どこか寄ってかない。」
B「いいね。」
 (いいわね。)
A「アイスクリーム食べに行こうよ。」
 (アイスクリーム食べにいかない?)
B「どの店にしようか。」
 (どのお店が、いいかしら。)
A「ほら、今度新しくできたじゃん。」
 (ほら、今度新しくできたじゃない。)
B「え?知らないけど。」
 (え?知らないわ。)
A「今、行列できてるよ。」
 (今、行列できてるわよ。)
B「待つのやだな。」
 (待つのいやだわ。)
A「ちょっとくらいいいじゃん。」
 (ちょっとくらいいいじゃない。)
B「まあ、いいか。」
(そうね。)
A「おや、すいてる。」
 (あら、すいてるわ。)
B「やった。」
(うれしい。)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
えー、こんなものでしょうか。
次は、男子の会話で、「男っぽい言葉」と「やさしい男言葉」の二人の会話を
並べてみます。せっかくですから、ちょっとえっちにしてみます。
ここは、男っぽい言葉が使えない裕美の部屋です。

武史「弘美、来たぜ」
裕美「ああ、武史君」
武史「弘美、いい加減『君』なんてつけんなよ。武史って呼べよ。」
裕美「あ・・たけし・・やっぱ、武史君だよ。」
武史「じゃーん。どうだこれ。」
裕美「なあに、女の子のワンピースじゃない。」
武史「姉貴のお古を借りて来たんだ。」
裕美「なにするの。」
武史「弘美に着せるんだよ。」
裕美「ぼくに?どうして?」
武史「だってお前、女の子みてーじゃん。髪長いし。」
裕美「やだよ。冗談やめてよ。」
武史「俺、真面目だぜ。頼むから着てくんねえ?
   頼む、後生だ。この通りだ。」
裕美「じゃあ、いいよ。でも、からかわないでよ。」
武史「からかいっこねーじゃん。
   パンツ一丁になって着るんだぜ。」
裕美「わかってるよ。」

武史「うぉー。思った通りだ。裕美、似合うぜ。女の子と変わらねえ。」
裕美「あんまり見ないでよね。」
武史「見ないでよって、見ちゃうよ。すげー可愛いし。」
(裕美のそばに座り。)
武史「弘美。後生だ。キスしねーか。頼む。」
裕美「そんな。ぼくら、まだ、中1だよ。それに、男と男だよ。」
武史「俺は、裕美のこと、女の子だと思ってる。
   頼む、後生だ、この通りだ。」
裕美「あ、だめだよ。やめてよ。そんなの、だめ・・・」
(とうとう、キスをする。)
武史「ああ、裕美は女の子と変わらねえ。女とキスするのってこんな感じかあ。」

武史「いけね。俺、アソコ立ってるよ。ビンビンになってる。」
裕美「男とキスしたのに?」
武史「ああ、裕美が可愛いからさ。」
(武史は、パンツをズボンごと脱ぐ。)
武史「見てくれ裕美。こんなになってる。」
裕美「やめてよ。早く、ズボン履いて。」
武史「弘美、少し、触ってみてくんねえ。
   裕美に触られたら、もっとビンビンになる。頼む。後生だ。この通りだ。」
裕美「ほんとだ。かちかち。」
武史「かるーく握って、さすってくんねえ。」
裕美「こう?」
武史「もっと握って、速く。」
裕美「こう?」
武史「ああ、気持ちいいよ。天国みてーだ。
   ああ、頼む裕美。キスしてくれ。後生だ。」
裕美「わかったよ。」
武史「あ、変だ。なんか出そうだ。ああ、たまんねえ。
   俺の頭変になりそう。死ぬほど気持ちいい。
   あ、俺、もらしそう。なんかが出て来る。
   ああああ・・・。」
(白い液体を二人は見つめる。)
武史「死ぬほど気持ちよかった。
   裕美、お前にもやってやる。」
(武史、裕美のパンツを強引に脱がせる。裕美を抱く。
 スカートの中に手を入れる。)
武史「なんだ、裕美も、大きくなってんじゃん。」
裕美「だって、キスしたら、大きくなるよ。」
武史「恥ずかしがることねえよ。さっきのやってやる。
   俺に任せろ。」
裕美「ああん、恥ずかしいよ。大きくなってるのが恥ずかしい。」
武史「その内、最高に気持ちよくなるぜ。俺に、任せろ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
裕美「ああ、変な感じ。こんな感じ始めて。」
武史「最高だろう。もっといい気持がしてくるぜ。」
裕美「うん、うん、してきた。ぼく、女になった気がしてきた。」
武史「じゃあ、女になっちまえよ。裕美は女だぜ。」
裕美「ああん、がまんできない。えっちな気分になる。
   女の子になっちゃいそう。
   ああん、いや、いや、いや、あたし、変な気持ち。」
武史「もっと、女になれよ。思いっきし女になれ。」
裕美「うん、うん、女になっちゃう。ああ、あたし、女の子。」
武史「そうだ。」
裕美「ああ、ああ、武史。お漏らししそう。
   スカート汚れちゃう。アレを、外に出して。」
(武史は、裕美のスカートをめくって、アレを露わにする。)
裕美「ああ、いやん、いやん、武史、あたしのアレ口にくわえて。」
武史「いいよ。こうか。」
裕美「ええ、いいわ、感じる、あああ、いっちゃう、いっちゃう、あああああ。」
(武史は裕美のものをのみ込んでしまう。)

裕美「武史、のみこんじゃったの?ごめんね。口にくわえてなんて言っちゃって。」
武史「裕美のものなら、なんでも汚かねーよ。」
裕美「抱き合っちゃおうか。」
武史「おう。」
二人はベッドで抱き合い、二回戦目に突入するのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※ついつい悪乗りをして、裕美に女言葉を言わせてしまいました。
裕美のように、「俺」とか「だぜ」とか「じゃね」などという
典型的男言葉を使えない男の子もいて、私が、その典型的な少年でした。


■次回予告■
物語がなかなか書けません。明日の見通もないんです(涙)。



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エッセイ 「男女の仕草の違い」

この頃、更新を夜にしています。
前日のものをまだお読みでない場合、それも読んでくださると幸いです。

=================================


エッセイ 「男女の仕草の違い」


※これは、一度自叙伝に書きましたので、ご記憶の方には、
失礼いたします。(追加もしています。)
またこれは、個人差もありますので、
もちろんですが、絶対と言うものではありません。

〇自分の指し方
 「私?」と自分を指すとき、男子は、人差し指で、鼻を指しますが、
 女子は、掌を胸に当てます。両の掌を当てると、もっと女らしく見えます。

〇爪の味方
 爪を見るとき、男子は、ぱっと手の指を開き、手の甲側から見ます。
 女子は、手首を返し、手を握るようにして、手のひら側から、
 爪を見ます。

〇足の裏を見るとき
 男子は、片足をもう片足の前に折るようにして、足の裏をみます。
 女子は、片足を後ろに蹴るように折って、体側側から、
 足の裏を肩越しに見ます。

〇空を見るとき
 男子は、あんぐりとそのまま首を空に向けて見ますが、
 女子は、少し小首を傾けて、空を見ます。

〇煙草を吸うとき(利き手を右とします。)
 男子は煙草をくわえて、そのまま右手にライターを持って、火をつけます。
 そして、ライターをポケットなどにしまい、右手で煙草を持って吸います。
 女子は、左手の人差し指と中指で、煙草の根元の方を挟んで持ち、
 持ったまま、煙草を口に入れ、指を煙草に添えたまま、
右手のライターで火を点けます。
 ライターをしまって、右手が空いたら、
 煙草を左手から右手に持ち変えます。

〇座っていて、タイトスカートにリンゴを投げられたら(これ、マユツバです。)
 女装している男性は、脚を閉じて、リンゴが下に落ちないよう、
 脚でキャッチします。
 女子は、脚をぱっと開き、タイトスカートを、ピンと張って、
 スカートで受け止めます。(ほんとかなあ~。)

〇ベッドサイドで、男女が服を脱ぐとき
 男子は、脱ぎっぱなし。
 多くの女子は、服を1枚1枚たたみます。

〇プルオーバーの服を脱ぐとき
 男子は、襟を引っ張り、頭を通して脱ぎます。
 女子は、服の裾を、腕をクロスしてもち、下から上に脱ぎます。
 (これ、書くまでもなく、有名ですね。)

〇座るとき
 男子は、そのまま座ります。
 フレアスカートやプリーツ・スカートのとき、
 女子は、スカートが広がらないように、
 両手で、左右、お尻を撫でるようにして座ります。
(この動作に、セックス・アピールを感じる男性も多いようです。)

〇髪が耳にかかったとき
 男子は、親指で、耳を撫でて、耳を出すことが多いです。
 ついでに、頭全体を撫でます。
 女子は、親指以外の4本の指で、または、その内の何本かで、
 髪を撫でて、耳を出します。
(女子のこの仕草が、好きだという男子は多いです。)


今、思いつくのは、このくらいです。
もちろん、これは個人差のあるもので、
男なら絶対こう、女なら絶対こうというものではありません。
ただ、女子特有の仕草をすると、男性はぐっと来るようです。


■次回予告■
今度こそ、えちなものを書きたいのですが、
なかなか書けません。
のぞいてくださると、うれしいです。



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エッセイ 「ファッション四方山話し」

今日のエッセイの前に、「ファッション用語がわからない」というのを書きました。
そちらの方も見てくださると、うれしいです。

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エッセイ 「ファッション四方山話し」


私は、多分、皆様より少し年上かと思いますので、
私が見て来た、ファッションの四方山話しをしたいと思います。


〇パンティ・ストッキング登場
 タイツと言うものがありますね。あれなら、昔からあったんです。
 で、若い方は、信じがたいことかもしれませんが、
 タイツを履いていれば、
 タイツのまま外に行くこと「あり」だったんです。
(もちろん、中にはパンツを履いていますが。)
 だから、私が、小学校のとき、タイツ登校の女の子など、
 いっぱいいました。
 その感覚があるその時代、「パンティ・ストッキング」が日本に上陸しました。
 もちろん、パンツは履きますが、
 「パンスト」を履いた女性は、タイツ感覚で、
 家の中くらいは平気でパンストだけで、過ごしていました。
 パンストのパンツ部分は、タイツほどの厚みがありましたから、
 平気だったんですね。
 でも、パンストだけでいる女性は、当時のお父さん達には、
 卒倒レベルでした。下半身すっぽんぽんに見えたんです。
 (サザエさんの漫画で、そんな場面が描かれています。)

〇「ミニ」初登場。
 これは、朝ドラにその場面がありました。
 コシノジュンコのお母さんのドラマです。
 ミニのドレスで歩く女性が登場した時の、街のお父さん達の反応。
 私が、小学校4年生くらいのときです。
 テレビで、山本リンダが、ミニスカートで、登場しました。
 せいぜい膝上10cmくらいでした。
 でも、そのときのショック。

 今まで、見えなかった女性の膝から上が(少しだけど)見える!
 どこに胸がドキドキしたかと言いますと、
 モモの表側ではなくて、後ろ姿の、膝の後ろから、モモの裏。
 そこが見えることに、最高にドキドキしました。

 家族で、テレビを見ながら、夕食をとっています。
 そのとき、ミニの女優さんが出てきたりすると、
 家族一同、何とも言えないはずかしく、気まずい気持ちで、、
 平静を装いながら、時間を過ごしたものでした。

〇「見せパン」「見せブラ」
 ことの起源から書きます。長くなります。すみません。
 今のスリップは、昔「シュミーズ」略して「シミズ」と呼んでいました。
 当時のシミズは、長くて、スカートぎりぎりの長さがありました。
 そこで、スカートの下にシミズがはみ出ているのは、恥ずかしいことで、
 その状態を「シミチョロ」(シミズがちょろっと出ている。)と言いました。
 下着がちょっと見えると、その下着全体がイメージされてしまい、
 見る方も、恥ずかしかったのです。

 ところが、ミニスカートの大流行で、シミズの丈は、ショーツ程までになり、
 「シミチョロ」の心配はなくなりました。

 ところが、ミニは、どんどん短くなるばかり。
 今度は、電車に座っている女性のパンツが見えたりし始めました。
 それを、「パンチラ」と呼びました。
 まさか、パンツまで見えてしまう世の中になるなんて。
 当時のお父さん達は、予想だにしなかったことでした。

 当時、A型のミニのワンピースが流行りました。
 これは、腕を上にあげると、ワンピースの裾が上に上がり、
 「パンチラ」状態になります。
 低い脚立に乗って、外の喫茶店の高いところの窓を拭いていたりするお姉さんは、
 もう「パンチラ」全開であり、悪ガキ達は、大喜びしました。

 それがです。三十年ほど経った今、
 「見せブラ」「見せパン」なるものが出てきました。
 ブラやパンツが見えるのOK。どうぞ、見てちょーだいとばかりの製品です。
 お洒落な柄や色飾りがされて、ファッショナブルです。
 ブラの方は、その上にタンクトップ(かつてのランニング)を着たいという心でしょうか。
 脇からブラが見えますが、OK。
 「見せパン」の方は、女性のズボンの股上どんどん短くなり、
 しゃがんだりすると完全に背中側からパンツが見えます。
 それを、OKとするための代物です。
 

 でも、これ、私は、少し恥ずかしかったです。
 股上の短いズボンの女性がしゃがむと、
 確実に「見せパン」が見えます。
 「シミちょろ」で、書きました通り、部分を見ると、全体が想像されるのです。
 悩ましい日々でした。

〇運動パンツ
 男児のことで恐縮です。
 私の小学校2年生くらいの時まで、
 学校での体操着は、トランクス型の白いパンツに、
 サイドに、黒い細帯が縫い付けられたものでした。
 これ、下に何も履かず、黒線が縦に入ったトランクスをパンツとして着て、
 体育の時間は、ズボンを脱ぐだけでした。
 黒線があれば体育着、なければ、只のパンツだったのです。

 私が中学のとき、男子用のショートパンツ(ブリーフ)が登場しました。
 今までの感覚で、ズボンを脱いでそこに履いているのが体操着でした。
 だから、ショートパンツの男子は、それで運動しました。
 初めて見たときは、まるで女子のパンツで、変だなあと思いました。
 しかし、普段の下着として、ショートパンツは、たちまち主流になり、
 トランクスを履く男子は、ほとんどいなくなりました。
 男は、ショートパンツではなく、トランクスを履くものだというのは、
 けっこう最近です。

 女子は、昔、提灯型のブルマーでした。
 それが、1964年の東京オリンピックで、
 女子のバレーボールが金メダルを取りました。
 そのとき、下半身にぴっちりしたブルマーを全国民が見たのです。
 それから、急速に、ぴっちりブルマーが広がりました。
 ぴっちりブルマーの時代は長くて、
 私達の「女子の象徴」のようになり、それを愛する方も多いかと思います。
 しかし、残念ながら、ブルマーのエロチシズムのためか、
 女子は、ブルマーを嫌い、今は、男子と同じ、ハーフパンツになっています。

今回は、このくらいにいたします。


■次回予告■
えっちなのも書きたいのですが、未定です。
のぞいてくだされば、うれしいです。



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エッセイ 「ファッション用語がわからない」

エッセイ 「ファッション用語がわからない??」

私は、小説を書いているとき、その女の子のファッションを書く必要に迫られます。
そんなとき、ファッション用語の進展に付いて行けず、多々迷うことがあります。
それを、いろいろ綴りたいと思います。(コメントをくださったMさんに感謝です。)

〇スカートに吊ひもが付いたものを、私の時代「吊リスカート」と呼んだのですが、
 今は、「ジャンパー・スカート」と呼ぶらしいのです。
 私の時代「ジャンパー・スカート」とは、袖なしのワンピースだったんです。
 中学の女子の夏服でした。(一部ですが。)

〇「パンティー」と呼ぶのはダサイので、「ショーツ」と呼んだ時代があったと思います。
 でも、今の若い女の子は、それをズバリ「パンツ」と呼ぶそうなんです。
 えええ??

〇「ズボン」を「パンツ」と呼ぶようになって、世のお父さん達は、赤面しました。
 例えば、娘の電話を、お父さんが聞いています。
 娘「ねえ、明日、パンツで行く?スカートにする?」
 お父さんの心『そりゃ、両方履いていくに決まってるだろう。』

 「ショーツ」が「パンツ」なら、「ズボン」は、何て呼べばいいのでしょう。
  「ショーツ」が「パンツ」になったのなら、
  「パンツ(ズボン)」は、「ズボン」に復活でしょうか。
  ジーンズや、コットンパンツなら、誤解はないんですけどね。
 (ジーンズのことを、私の小さいときは、「マンボズボン」と呼びました。古!)

〇上半身に着るものを「トップス」というそうです。ブラもトップスの内。
 「トップス」と「ス」がついているので、複数です。
 上には、いろいろ重ね着するから、いい気がします。
 下半身に身に付けるものを「ボトムス」といいます。
 「ボトム」に複数の「ス」が付いています。
でも、下は、ショーツ(パンツ)とスカートまたはズボンだけです。
でも、2つあるから、一応OKなのでしょうね。

〇腕まくりや、ズボンの裾を巻き上げることを「ロール・アップ」というそうです。
 これは、何かかっこよくて、わかりやすいから、いいですね。
 ロール・アップというと、何かローラーで頬を擦り上げてるイメージだけど、
 そう思うのは、私くらいなものでしょうね。

〇「プルオーバー」ってなあに?と長年の疑問です。
 わかりました。
 頭からかぶるセーター類のことでした。
Tシャツや丸首のシャツも、プルオーバーなのでしょうね。
胸に、3つ位ボタンがあっても、プルオーバーでいいのでしょう。

〇下着のことを「インナー」というそうです。
 下着の上に着たり履いたりするものを「アウター」。
 下着を「インナー」というとかっこいいから、これはいいですね。
 でも、「女性の下着」と書いた方が生生しいので、日本語の方も好きです。

〇(前に書きましたが、)「パンスト」と若い子は呼ばなくて、「ストッキング」と
 呼ぶそうです。太ももまでしかないのも「ストッキング」と同じ名称だそうです。
 何十年も続いた「パンスト」という名前が消えていこうとしています。
 少し、淋しい気がします。

〇昔からなんですが、「ジャンパー」と「ブルゾン」の違いがわかりません。
 同じものだという気がします。同じ物なら「ブルゾン」方がかっこいいですね。
 
〇「カットソー」の意味が、何回聞いてもわからないでいます。

〇昔、「ペティコート」と言えば、スカートの内に履いて、
 スカートをパラシュートのように膨らませる下着でした。
 今、「ペティコート」と言えば、例えば、ロングドレスの内に、
 スリップのように着て、体が透けてみえないようにする、
 ドレスと一体となった服だそうです。
 昔でいう「ペティコート」は、今の「パニエ」かなと思います。
 でも、「パニエ」の知名度は、まだまだない気がしますので、
 小説では、なかなか使えません。

〇「Tシャツ」といえば、私は、ボタン無しの半袖のシャツを連想しますが、
 長袖でもTシャツ、胸にボタンが少しあっても、「Tシャツ」なんだそうです。

ここに挙げたのは、私が知り得たものだけなのですが、
まだまだ、知らないファッション用語がたくさんあります。
小説では、6割くらいの人が知っていると思える言葉で
書くようにしています。
それにしても、若い人が使う言葉の変化が、速すぎるので、
私は、ほとんどついて行けません。


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エッセイ「高島忠男シリーズ」について

エッセイ「高島忠男シリーズ」について。


高島忠男シリーズをお読みくださり、ありがとうございました。
予告では、昌、香のえっちな場面、忠男と美奈子のその後を書くつもりでした。
それが、私が留守番をしている母のマンションを明後日に出なければならなくなり、
その片付けのために、時間がなく、エッセイを書いています。

今回の物語は、書きあげるのにとても苦労しました。
ボトルを巡って、ホテルにあるのかないのか、
初めは、すらりと書き上げたのです。

しかし、第4話を投稿した後、たくさんの「落ち」があることに気が付きました。
1番大きなことは、白川弓子が、なぜ「倉庫を見て参ります。」と言ったのか、
それが、説明されていないことでした。
「つい言ってしまった」では、あまりにも稚拙です。

第4話で、白川にあんなこと言わせなければよかったと思いましたが、
もう投稿してしまったものは、変えられません。
(それが、苦しいところでした。)
そこで、考えに考え、あのようなストーリーになりました。
他にも、いろいろな矛盾があるかと思いますが、
お許しくだされば、幸いです。

推理小説を書く人は、ほんとに、細部まで気を付けて書いてあるんだなあと、
身に沁みました。

話しは、変わります。
この賑やかな町で2か月くらい、若い人を大勢見ました。
女の子が、ブラウスをスカートにINしているというのは、確信を得ました。
また、体にフィットしたセーターもINしていました。
大勢見かけました。
(もちろん、OUTがまだ、主流ですが。)

もう一つは、パンストの復活です。
スーツの人は、当然ですが、普段着の女の子も、大勢履いています。
女の子の脚が、綺麗に見えるなあと思っていたら、パンストです。
多くの女の子は、膝までのプリーツ・スカートで、脚はパンストです。
ベリーショートのパンツからも、パンストです。
小悪魔少女もパンストです。
こうなると、生足の人の脚は、反対に目立ちます。
パンストは、過半数を超えたという印象を受けました。
また、白のフレア・スカートが、多く見られました。

そうだ。娘に聞きましたら、今の若い人は、
パンティーストッキングを「パンスト」と呼ばず、
ただ、「ストッキング」と呼ぶそうです。
「じゃあ、ガーターベルトで止めるストッキングは、何て呼ぶの。」
と聞きましたが、それも、ストッキングと呼ぶのだそうです。

太眉も、復活しているし、
今年の業界は、大きくファッションを変えようとしているようです。

さて、私の郊外の町にもどったら、どうだろうかと、楽しみです。

明日も、何か書けたら、書きます。
のぞいてくださると、うれしいです。


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高島忠男シリーズ⑥「作戦成功」最終回

今日で、最終回です。最後まで、読んでくださり、ありがとうございます。
尚、登場したウイスキーやホテルは、全て架空のものです。

==================================== 

高島忠男シリーズ<第6話>最終回

ソムリエ達は、グラスに少しずつウイスキーを継いだ。
グラスを鼻に近づけるだけで、フルーティな香りに包まれた。
すばらしい。これは、すばらしいという声。
始めの少しを口の中に入れ、それが、口の中に広がる感じ。
「ああ、すごい。これが、65年かあ。」
「これを、飲んだら、他のお酒を飲めないな。」
「この味と香を一生覚えておくわ。」

「飲んだ人は、ホールにいるソムリエさんと代わって。」
白川は言った。

代わってやって来たソムリエ4人も、お酒を飲んだ。
「ああ、これは、すごい。」
「驚くべき芳醇な香りです。」
ソムリエ達は言っていた。

忠男は支配人に近づき言った。
「お酒があったことは、絶対内緒にしなければなりません。
 ホールの客は、私達のやり取りを聞いています。
 私は、「憎まれ口」を叩いた以上、
ホテルの潔白を他の客に伝えねばなりません。
一見の客の私は、いくらでもピエロになります。」

「あなたは、なんという。
 頭が下がります。このご恩は忘れません。」
支配人は頭を下げた。

忠男は、ホールに戻り、大声でいった。
「いや~あ、みな様。お酒は、ありませんでした。
 このホテルは、特別客のために、お酒を隠したりするホテルではありません。
 ほんとに、申し訳ない。倉庫の方で、100ぺんあやまりました。
 ですから、このホールでは許してください。
 どうも、すいませんでした。」
7人のソムリエは、忠男の心遣いに、心の中で、頭を下げていた。

席に残っていた美奈子の父貴夫は、
「出て来なくてよかった。」
そう言った。
ファゴット65の味と香りを知った忠男は、
念を入れ、カバンの中のボトルを取り出した。
「まあ、これ、飲んでみてください。」
と貴夫の空いた小グラスに少し注いだ。
「これは、どうも。」といって、貴夫はグラスを鼻に近づけた。
そして、顔色を変えた。
「あなた、これは・・?」
そう言って、ちびっと飲んだ。

口の中に広がる、フルーティーな香り。
貴夫は、目を見開いた。
貴夫は、小さな声で、「これは、ファゴットですな。」と言った。
「いかがです?」
「すばらしい。これを飲んだら、他のものが飲めなくなる。
 これは、魔物ですな。」
「あなたが、これから、ホテルではなく、ご家庭でお飲みになるなら、
 あと残っている酒をビンごと差し上げます。」
「65年はあったのですか。」
「あっては、大変でしょう。あくまでこれは2級酒です。」
忠男は、にこりとした。

「この味と香りなら、名前は何でもいい。
飲みたいです。家で飲みます。内緒にします。」
「なくなったら、また差し上げますよ。」
「しかし、縁もゆかりもない私になぜ?」
「私は、美奈子さんの天使なんですよ。」
「ええ?」
「早くカバンに入れてください。」
「はい。」
二人は握手をした。

その頃、3人の令嬢は、カクテルでべろんべろんに寄っていた。
忠男は、令嬢達を連れて、会計に行った。

出口に、白川弓子が、立っていた。
「あのう。」と白川は、声をかけた。
「一番大切なお礼を言うのを忘れていました。」
「なんですか。」
「支配人はともかく、お客様に、倉庫の酒は、ホテルの酒だろうと言われたら、
 私達は、返す言葉がありませんでした。」
忠男は、にっこりとした。
「言ったでしょう。私は、ボトルの声が聞こえるって。
 ボトルは、一番飲んでほしい人たちに飲んでもらって、
 今日は、最高に幸せな日だ。そう言ってましたよ。」
白川は、忠男を見て、安堵の笑顔を見せた。
「ありがとうございました。
 おかげ様で、肩の荷がおりました。」と頭を下げた。
「いえいえ、大変でしょうけど、がんばってください。」と忠男はにっこりした。
「はい。ありがとうございます。お気をつけて。」
彼女はそう言って、もう一度頭をさげた。

その次の日から、美奈子の父貴夫は、家で夕飯をとるようになった。
「あなた、どういう風の吹き回し。」と妻の則子。
「これだよ。」と貴夫は、誇らしげに、ウイスキーを出した。
「これは、どこのホテルの最高酒よりうまい。
 これさえあれば、俺は、ホテルに行く必要はない。
 そう言う訳だ。」
「これが、なくなったらどうするの。」と美奈子。
「なくならないように、ちびちび飲むさ。」
「それでも、なくなったら?」と、弟の賢太。
「美奈子の天使さんが、送ってくれることになっているのさ。」
「え?あたしに天使がいるの?」と美奈子。
しかし、このことは、みんな忠男がしてくれたことだ。
「ああ、いたいた。そうあたしの天使なの。」美奈子は言った。

忠男にとって、ファゴット65を作ることは、もう簡単だった。
どんな安いウイスキーでもよい。
念で中身をファゴット65にする。

1か月後。
コンビニに入った忠男は、美奈子に紙に包んだウイスキーを渡しながら言う。
「そろそろお父さんのボトル、無くなる頃でしょう。
 言っといて、この頃出回らないから、ちびちび飲んでねって。」
「すいません。おかげで、夕食は、家族みんないっしょです。
 父は、毎日もったいなくて、おちょこ1杯しか飲みません。」
「それは、健康的だね。」
二人で、笑っていた。

そこへ、「あ、いたいた。」と二人の女の子がやって来た。
昌と香のようだが。
いわゆる小悪魔風のスタイルをしている。
丹念なアイメイク。真っ赤なリップ。
まず、女の子に見えるレベルだった。
忠男は、二人と外に出て、木の下のベンチに座った。
「どうしたの、二人ともすっかり女の子じゃない。」
「あたし達、女の子に見えました?」と昌。
「見える、見える。女の子だと思って、疑わなかった。」と忠男。
「キャー、うれしい。」と二人は言った。
「もう、あたし達、この1か月、死ぬ覚悟で24時間女をやったのよ。」と香。
「女の子に目覚めたの?」と忠男。
「そうです。ホテルでのあの女の子のレベルが忘れられなくて、
 メイクを研究し、歩き方、仕草まで、二人で徹底チェックしたの。
 心の中まで、女の子したの。だから、あたし達、もう男に戻れないくらいなの。」昌。
「男の姿してても、女歩き、女言葉。いや~ん、なんて言葉が出ちゃう。
 もう、男の生活なんて考えられないの。」香は言った。
「困ってる?」
「ううん、幸せ。ね、香奈。」と晶子。
「うん。けっこう男の子にふり向かれるの。幸せ。ね、晶子。」と香奈。

「そうか、二人をこんな風にしたの私だから、少し責任あるな。」
忠男は、コンビニに入って行き、口紅を2本買って来た。
二人に1つずつ上げた。
「このリップに、念を入れたから、
 これを塗ると、2時間だけ、本物の女の子になれる。
 でも、1日1回だけ。
 悪用すると、その場で、念が消えちゃうよ。」と忠男。
「あの、本物ってアソコも?」と昌。
「うん。望めばね。体中全部変わる。
 例えば、女子トイレで、女装男だと騒がれたとするでしょ。
 そんなとき、リップを塗る。すると、女の子になれる。
 人も二人を女の子と見る。
 でも、あくまで、これは、幻覚だからね。君たちの体が変わったのではないよ。」
「わかりました。あのホテルのときみたいにでしょ?」
「わーい!」と言って、二人は、忠男にお礼を言って飛んで行った。
 
二人は、昌の部屋に来た。
部屋は、鏡の間に改造されている。ベッドでも、自分たちが見える。
「ね、さっそく試そう。」と昌子が言う。
「アソコも、女の子って願っちゃう?」と香奈。
「もちろん。1度は体験したい。」晶子。
「あたしも。」
「女子高生になろう。」
「うん、あたしも、1度はなりたかった。」
二人は、目をつぶり、頭の中にイメージを描きながら、リップを塗った。
そして、目を開けた。
「や~ん、なってる。可愛い。女子の制服着てる。
「アソコも、女の子みたいよ。」
「わあ~ん、ほんとだ。」
「胸があるし、ヒップも女の子並。くびれてる。」
「足が長くて綺麗。」
「香奈。」
「晶子。」
「うれしい。」
二人は、抱き合った。

忠男は、歩きながら考えた。
「そうだ、美奈子にも、プレゼントあげたいな。」
何がいいか、かにがいいか。
それを、考えるのは、楽しかった。
ひょっとして、自分は、美奈子を好きになったかな。
忠男は、人知れず、頬を染めたりした。



<おわり>


■次回予告■
ちょっとえっちな、エピローグを書こうと思います。
内容は、お察しの通りです。


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高島忠男シリーズ⑤「ファゴット65の声」

高島忠男シリーズ<第5話>「ファゴット65の声」


支配人が白川と共に来て言う。
「お客様。ファゴット65年は、世界に5本しかないと言われているウイスキーです。
 イギリスに1本、フランスに2本、ドイツに1本、アメリカに1本です。
 ですから、わが国では、
どのホテルをお探しになってもあるはずがないと思われます。」
「私は、そんな説明を求めているのではないですよ。
 彼女が、『倉庫を見て参ります。』と言いながら、
 見ないで帰って来たから、どうして見に行かないのかと聞いているのです。」
忠男は言った。
「倉庫へ行っても無駄だから、見に行かなかったのでしょう。」
と支配人。
「だったら、初めから『見て参ります。』などと言うべきではありません。
 違いますか。」
「見て参りますと言ったことはお詫びします。
 つい口から出ました。
 倉庫は地下2階にあり、行っても無駄と思いやめました。」
白川は言った。
「だったら、帰って来たとき、そう言えばいいのに。」と忠男。

「お客様が、ある女性がファゴット65を飲んでいたとおっしゃいましたので、
 他のソムリエに、そんなサーブをしたかを確かめていました。
 その方が、倉庫を見に行くよりましだと考えました。」
と白川は言った。

(倉庫に行くのが無駄なら、他のソムリエに確かめることだって無駄だろう。)

忠男は、何か噛み合わない会話に、苛立って来ていた。
見れば、ソムリエ達が、なんとなく近くに来ていて、忠男をにらんでいた。
忠男が因縁でもふっかける客と見たのか。

(心を覗くのは、最後の手段としているのだが、)
忠男は、支配人と白川弓子の心を少しのぞいた。

そして、『そういうことだったのか。』と納得がいった。
『よし、ここは一発、支配人を怒らせるのが一番。』と考えた。

「では、言いますが。このホテルとは言いません。
 ホテルによっては、特別のお客のために、ある高級酒1本を隠して置き、
 一般のお客には、ありませんと答えたりするそうです。
 そう言うのは、お客を差別するようで、好みません。」
他のソムリエ達が、反応した。

支配人は、火のように怒った。
「では、お客様。倉庫をお見せします。
 それで、ご納得いただければ、幸いです。」
ソムリエ2人が、支配人を止めた。
「この人が何かをたくらんでいるかも知れません。冷静になってください。」
「挑発に乗ってはいけません。倉庫を覗かせてはなりません。」
「かまわん。私が責任を取る。」支配人の血の気は上りつめていた。

忠男とソムリエ3人、そして支配人で、地下の倉庫に向かった。
その中に、白川もいた。
地下階のウイスキー倉庫に来た。
支配人がカギを開ける。
中に入ると、倉庫の中央は空間になっていて、真ん中にテーブルがある。
そして、4方の壁が、ボトルの棚になっていた。

「さあ、みなさん。探してください。
 ちゃんとした棚ではありませんよ。隠してあるんだから見えない所です。」
忠男は言った。
3人のソムリエは、まるで探す気がない。
場所を知っている忠男から見れば、少しかがめば見えるところにあるのに。
1分ほど探した。
誰も見つけない。

「みなさん、もういいです。ここですよ。」
忠男は、言うと、真っ直ぐにある棚の下にかがみ、
手を入れ、紫の布に巻かれたものを取り出した。
その紫の布を取って、ボトルをテーブルに置いた。
ボトルのラベルに、「ファゴット65」とあった。

支配人は、目を見張り、ボトルを手に取った。
「まさか!夢でも見ているのか。」
「ソムリエさん達は、驚かないのですか。
 あれだけ『ない。』と言い張ったのに。
 私が、今、このボトルを持って、2階のホールに行き、
 大声で、『ほら、ちゃんと隠してありましたよー!
 このホテルは嘘つきだー!』
 と、全お客に見せますよ。」
「それは、やめてください!」と白川が叫び、倉庫のドアを通せんぼした。
「お願いです。止めてください。」と二人のソムリエも、白川の前に立った。
「では、みなさん、ホールにいる4人のソムリエさんも、
 このホテルに、ファゴット65があることを知っていたんですね。」
「はい。」といって、3人は頭を垂れた。

「どういうことなんだ。だれか、説明をしてくれ。」
支配人は、仁王立ちになった。

「私がしましょう。」と、忠男が言った。
「私は、ボトルの声が聞こえるのです。
 10年程前、あるフォトジャーナリストが、
 戦地で、ファゴット65を偶然見つけました。
 彼は、そのお酒の価値を知っていました。
 そこで、日本に持ち帰り、大切に保管していました。

 しかし、大病を患い病院生活となり、
 ファゴット65の管理ができなくなりました。
 そこで、親友である、このホテルのソムリエのAさんにボトルを委ねました。

 Aさんは、最良の場所として、自分のホテルの倉庫に隠したのです。
 誰にも見つからないような場所に。
 ところが、Aさんは、アメリカのホテルに栄転になりました。
 その喜びのためか、ボトルのことを忘れてしまったのです。
 ボトルは、この倉庫に眠ったままでした。
 ここまでが、私が、ボトルから聞いたお話です。

 ここからは、私の推測です。
 おそらく、Aさんは、ボトルのことを思い出したのです。
 そして、このホテルのあるソムリエさんに国際電話をしました。
 多分、白川弓子さんですね。(彼女は、うなづいた。)
 初めの持ち主は、死んでしまった。
 あとは、君に任せる。
 ソムリエ仲間で飲んでくれ、とか。
 白川さんは、ボトルを見つけました。
 彼女は、独り占めをするような人ではありませんでした。
 みんなを集めて、ボトルを見せました。
 しかし、支配人には、内緒にしました。
 なぜだかわかりますよね?支配人。」

「ああ、わかるとも。私は、経営者サイドの者だ。
 上に報告して、このホテルを『ファゴット65』を持つホテルだと、
 宣伝にする立場だ。ホテルの格が上がるからね。」支配人は言った。

「彼らは、この2年の間、なかなかもったいなくて飲めなかったのでしょう。
 そうですよね。白川さん。」

「はい。緊張してしまい、何かいいことがあったときにと思ううち、
 今日になってしまいました。」白川は言った。

「それにしても、私には、1つ大きな疑問がありました。
 白川さんは、なぜ、『倉庫を見て参ります。』などと言ったのか。
 これは、ボトルの存在の可能性を、一部認める言葉です。
 ボトルは、絶対バレてはいけないのに、それと矛盾する言葉です。
 私は、それが、ずっと引っかかっていたんです。でも、こう理解しました。

 酒の知識のある人は、ファゴット65など、ないことを知っている。
 だから、注文する人などめったにいません。
 そこを、私なんかが突然65を注文した。さらに、女性が65を飲んでいたと言った。
 そのとき、あなたは、とっさに、倉庫のファゴットは、無事だろうかと、
 見に行かなくてはならないと思った。
 その気持ちが、『倉庫を見て参ります。』という言葉になった。
 いかがですか。」と忠男。

「はい。その通りです。
 倉庫のファゴット65を思い浮かべ、とっさに言ってしまった言葉です。
 でも、その前に、みんなが、65を女性にサーブしたかが気になり、
 みんなに、確かめました。
 例えば、死期の近い女性に、最後の頼みだと言われたら、私なら心が動きます。」

「65がなければ、そんな確かめは、いらなかった。
 ボトルがあったからこそ、確かめたのですね。」と忠男。

「はい、そうです。
 皆に確かめた後、倉庫には、行けませんでした。
 無いと公言しているのに、倉庫へ行くのは、不自然に思えたからです。
 
 その後、65がないと確信しているはずのソムリエが、
 『倉庫を見て参ります。』と言ってしまった矛盾に気が付きました。
 しかし、よい言い訳が見つからず、支配人のところへ逃げました。」
と白川は言った。

忠男は、言った。
「支配人、ボトルの存在を知ってしまった以上、ホテルのものにされるのですか。」
「私を、馬鹿にせんでほしい。私は、真面目だが、野暮ではないぞ。
 相川くん(=A)が、みんなのものと言ったんだから、みんなのものだ。
 その代わり、私にも、一杯飲ましてくれんか。」
支配人は、そう言って、少し笑った。
「もちろんです。」と白川は、安堵の色を見せて言った。
「あ、私にも一杯。ホールの客に言いふらしたりしませんからね。」と忠男。
「はい、お召し上がりください。」と彼女は笑った。

「みなさん、支配人も知り、もう、何も心配はいらない。
 今日が記念の日ではないですか。
 ボトルを開けたらどうでしょう。」
忠男は言った。
「みんな、そうしようよ。飲んだら上の人と交代。」と白川が言った。
「おおおお、とうとう飲めるのか。」
「ついにこの日か。」
と2人のソムリエが、ガッツポーズをしながら言った。


■次回予告■
ソムリエ達は、お酒を飲み、感動します。
忠男は、バッグの安酒を、ファゴット65に変え、
美奈子の父貴夫に飲ませます。


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高島忠男シリーズ④「ホテルに乗り込む」

高島忠男シリーズ<第4話>「ホテルに乗り込む」


午後7時に、4人は、タクシーに乗って
「ホテル・ヘリティッジ・ハイヤット」に来た。
真っ白な高層ビルを3人は見上げた。
3人は、私服で来たのでビビっていた。

「じゃあ、私は、シンデレラの魔法使いになるかな。」
忠男はそう言うと、短い棒を出し、まず、美奈子に下から上まで棒を振った。
すると、美奈子は、赤いイブニングドレスの少女になった。
長い髪に赤いヘアバンドをして耳を出し、
耳にキラキラしたビアスをつけ、胸にネックレス。
赤いハイヒール。そして、メイク。黒い小さな手持ちバッグ。
びっくりするほどの美少女になった。

昌は、黄色のキャミソールワンピース。
スカートは、膝までの5段フリルになっていて、
髪は、ポニーテイルに黄色のシュシュ。ハイヒール。
ピアスにネックレス。黄色のハイヒール。真珠のショルダーバッグ。

香は、水色のドレス。半袖で、スカートはミニ。
パニエで広がっている。ピアスにネックレス。
みんな、メイクが映えている。
青いビーズの手持ちバッグ。

全員、スタイル抜群である。

忠男自身は、黒いスーツにシャレたネクタイ。
黒い光沢のベストを中に着ている。
眼鏡はとり、
髪は、油をつけて、後ろに流している。
黒いバッグを持っている。

「わあ、忠男さん、ステキ。」と美奈子が言った。
「みんなは、まるで、ご令嬢だよ。」と忠男。

3人は、自分や相手を見て、安心した。
「あ~ん、興奮しちゃう。晶子が可愛い。」と香が言った。
「あたしも、香奈が可愛くて耐えられない。」と昌も香に同じ。
二人は、声も、心も女の子になってしまった。

4人は、中に入った。
広い。
3人は上を見て、「わあ~。」と言った。空間が高い。
「お客があんまりいない。」と美奈子が言った。
「そこが、このホテルのいいところ。
 バーは、2階だよ。」
忠男は言った。

いよいよバーに来た。
入り口で、「いらっしゃいませ。」と支配人らしき人が言った。
預けるものがなかったので、入り口に入った。
入り口に入った3人は、中の雰囲気に上気してしまいそうだった。
全体に楕円形のホールである。
バーなので、カウンターだけと思っていたら、ボックス席もたくさんあり、
中央にたっぷりな空間がある。
カウンターは、端から端まで。
1段低いところにバーテンダーが並んで、後ろにライトが当たっている。
床ジュータンは紫色で、低い照明が床を照らしている。
上は、紫の吊り天井。その隙間から、ライトが柔らかく照らしている。
なんともゴージャズな内装だった。

「わあ~すご~い。」と3人は言った。
「美奈子ちゃん、お父さんいる?」
「あ、あそこ。隣が外国の2人ずれ。」
「反対は、5人席が空いているね。」
忠男は、支配人に、あそこに座りたいと言った。

4人は、案内され、忠男は、美奈子の父貴夫の左隣に座った。
そして、昌、香、美奈子は、父から一番遠くに座った。

お絞りが来た。
「何頼んでいいか、わからないです。」
と、昌が言った。
「カクテルでも頼んだら。」
と忠男は、3人に言った。
「カクテルを知らないです。」と香。
「ここは、多分、イメージのものを言えば、
 そのようなカクテルをオリジナルで作ってくれるよ。」
「わあ、すごい。」と3人は言った。

「いらっしゃいませ。」と、バーテンダーが、前に立った。
3人は、それぞれ、思い思いに言った。
「あたしは、春の感じのするカクテルを。」と美奈子。
「あたしは、森の緑のようなカクテルを。」昌。
「じゃあ、あたしは、明るい海のようなカクテルを。」香。
「承知しました。」と、バーテンダーは、当たり前のように言った。
3人は、顔を見合わせた。
「私は、オンザロック。ウイスキーは何でもいい。」
と忠男は言った。

バーテンダーは、言われたものを目の前で作ってくれる。
美奈子の前にカクテルが置かれた。
壁の灯りで、透けて見え綺麗だ。
「これは、モモのシロップに、イチゴをつぶしたものをこして、
 ウォッカで割りました。春のカクテルです。
つぶつぶは、サクランボウだと思ってください。」
と説明してくれる。
わあ~と3人は感激した。

食べ物もつまみながら、
3人は、あたらしいカクテルが来るたび、
キャーキャー言って喜んでいた。
忠男は、横を見て、美奈子の父貴夫を観察していた。
貴夫は、自分でキープした5つのボトルを前に並べ、
小さなグラスに、少しずつ注いで、香りを楽しみ、
ストレートで、少しずつ飲んでいた。
時折、水を飲む。
 
忠男は、すでに作戦を決めていた。
・貴夫に特上のウイスキーを飲ませる。
・貴夫は、そのおいしさに、他のウイスキがーが飲めなくなる。
・忠男は、そのウイスキーを、貴夫にあげる。
 その代わり、家庭で飲むと約束させる。
・最高のウイスキーが飲めるなら、貴夫はホテルに行く必要がなくなる。
忠男は、カバンの中に安価なウイスキー入れていた。
それを、特上のウイスキーに、超能力で変える。
問題は、忠男が、その特上のウイスキーの味と香りを知ってなくては、
作れないことだった。
その特上を飲むためにやって来た。

忠男は、オンザロックを飲みながら、遠隔透視を使って、
地下のボトル倉庫にある最高のウイスキーを探した。
どれも、貴夫の飲んでいるウイスキーのレベルだ。これではだめ。
一度飲んだら、もう他のウイスキーが飲めなくなるほどの名酒でなければならない。
忠男は、目を閉じ透視の感度を高めた。
すると、ボトル棚の裏に、埃をかぶった紫色の厚布で包まれたウイスキーが見えた。
これは、巧みに倉庫の中に隠されたものに違いない。

それに、値する貴重なウイスキーなのだろう。
忠男は、気を集中させた。
すると、ボトルのラベルが見えて来た。
『ファゴット65』。
と同時に、忠男には、そのボトルのストーリーもわかってきたのだ。
なぜそんなところに隠されたのか。
だれが、どうやって隠したか。それもわかった。
『なるほど。』忠男はつぶやいた。

忠男は、『ファゴット65』が、
どのくらいのレベルのお酒であるかを確かめたかった。
「そろそろ、GOだな。」と忠男は気を引き締めた。

ソムリエを呼んだ。
女性のソムリエが来た。
きりっとした端正な顔をしている。
「あの、ファゴットの65年、キープしたいんですが。」忠男は言った。
「すみません。当ホテルでは、65年は置いておりません。
 35年ならありますが。」とソムリエは言う。
「私は、先日、ある女性が、こちらで、
ファゴット65を飲んでらっしゃるのを見た気がするのですが。夢かな?」
「それでは、少々お待ちください。倉庫を見て参ります。」
「ああ、待って。あなたのお名前は。」
「白川弓子と申します。」
胸に、白川という名字だけ書いた名札があった。

よし、彼女を倉庫に行かせた。
見つけたら、たいしたものだなあ。
忠男は、楽しみに思っていた。

ところが、白川弓子は、倉庫へ行かず、他のソムリエ達に聞いていた。
みんな、「ないない。」というような手振りをしている。

弓子は、そのまま帰って来た。
「お客様、申し訳ありません。やはり、ございません。」
忠男は解せなかった。
「白川さん。あなたは、さっき『倉庫を見て参ります。』と言いましたよ。
 でも、他のソムリエさんに聞いてみただけじゃありませんか。
 ご自分の言ったことは、守るべきだと思いますよ。」
と忠男は言った。
「申し訳ございません。少々お待ちください。」
彼女は、頭を下げ、今度は支配人のところへ行った。
何やら、言い合っている。
そのうち、支配人といっしょにやってきた。
(なぜ、倉庫に行かないのだ?)
忠男は、ますます不思議に思った。


■次回予告■
忠男は、あえて、支配人やソムリエ達を怒らせます。
そして、地下のウイスキー倉庫に行くことになります。


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高島忠男シリーズ③「美奈子の悩み」

高島忠男シリーズ③「美奈子の悩み」


二人は、昌のアパートに戻って来て、ハアハアと息をついた。
「昌、今、何考えてる。」
「香と同じこと。」
「俺、今のお前みたいな可愛い子と、手つないだこともない。」
「俺も。」
二人は、姿見に並んで、自分と相手を見た。
「今の昌になら、キスしたい。」 
「俺も、香にキスしたい。」
「ああ、たまんねえ。」
「俺も。」
二人は抱き合い、唇を重ねた。
女の子とは、こんなに柔らかいものかと感動した。
昌が言った。
「どうせならさ。女言葉使わねえ。
 俺、照れくさくて使えなかったけど、
 心のなかじゃ、けっこう、女言葉しゃべってた。」
「俺も。心の中じゃ、女の子やってた。」香は言った。
「香のこと、香奈って呼びたい。」
「じゃあ、昌のこと、晶子って呼ぶ。」
「じゃあ、女言葉、いっせーのせで使おう。」
「ああ。」
「いっせーのせ!」
「あ~ん、晶子可愛い~。」
「香奈も可愛い。」
「ね、もう一度、キスしよう。」
「いいわよ。」
二人は、嬉しくて、気絶しそうだった。

二人は、股間に相手ものを感じた。
「いや~ん。ここだけは男の子。」
「なかったら、女の子愛せないじゃない。」
「そうか。そうね。」
「ね、下着になっちゃおう。」と晶子。
「うん、いいわよ。」香奈。
二人は、鏡の前で、一枚ずつ脱いで、スリップだけになった。
胸は本物だった。
スリップを着たまま、ブラを取ってしまう。
パンストも脱ぎ、ショーツも脱いだ。
来ているのは、スリップ1枚。
スリップは、女子の下着の象徴だから、残しておく。

スリップの下部が、二人とも突き出ている。
「ねえ、晶子。突き出てるの恥ずかしくない?」
「香奈も、恥ずかしいの。
 でも、あたし、香奈みたいな可愛い子に、アレがあると思うと、
 最高に興奮しちゃう。」
「晶子もそうなの。あたしも、そういうの最高に興奮しちゃう。」
「じゃあ、見せちゃおうよ。ほら、どう?」
香奈は、スリップの裾を上げて、男の子を丸出しにした。
それは、固く隆起していた。
「ああ~ん。たまらない。じゃあ、あたしも。」
晶子も、自分のアレを露わにした。
「ねえ、また、並んで鏡みよう。」
「うん。」
二人は並んで、可愛い子が、あるはずのないものを隆起させている姿を見た。
二人だと、一人より何倍も刺激的だった。
二人は、荒い息を始めた。
晶子が、香奈の後ろに回った。
そして、抱きしめながら、胸の刺激を始めた。
晶子のアレが、香奈のお尻に当たる。
「ああ~ん。晶子、最高。胸感じちゃう。」
晶子は、香奈の胸の先をくりくりと指で転がした。
「いや~ん、ああ~ん。感じる。感じてたまらない。」
香奈は叫んだ。
「もう、香奈のこと、めちゃめちゃに犯しちゃうわ。
 いくら悶えたっていいわ。」
晶子は、そう言って、胸をこれでもかと刺激した。
「あん、あん、あん、あん・・。
 晶子、あたし、いきそう。もうだめかも。」
と香奈。
犯されている自分が、鏡に映っていて、たまらない。

「ここが、いちばんでしょ。」
晶子は、香奈の前に来て、しゃがみ、香奈の隆起したものを口に含んだ。
「あああん。そこはダメ。あたし、すぐいっちゃう。
 お願い、許して、やめて、晶子、やめて。」
「ほんとは、いいんでしょ。もっと、もっとって言うのよ。」
晶子は、そう言って、口と手を使って、責める。
「うう、いいの、すごくいいの。もっと、もっといじめて。」

香奈の体が振動を始めた。
香奈は、自分の悶える顔を鏡で見て、さらに興奮していく。
「ああん、あたしは女の子、あたしは女の子。可愛い女の子・・。」
そう唱えながら、香奈は、脚をがくがくとさせた。
同時に、晶子の口の中に、温かいものを発射した。
「ああ。」と言いながら、香奈は、ジュータンに崩れた。

香奈は、すぐ元気になって、今度は反対に晶子を犯しはじめた。
晶子に鏡を見させたまま、晶子がしたより、もっと激しく、
晶子をいじめた。
晶子は、声を張り上げ、身をブルブルと震わせながら、
香奈の口の中に発射し、同じように床に崩れた。



欲求を解消できた昌と香は、また男言葉になった。
「ああ、もうすっきりしたな。」と昌。
「俺も、最高だったよ。」と香。
「そろそろ時間じゃね。」と昌。
「いけね。5時まであと10分だ。」
体、見かけは超可愛い女の子なのに、男言葉は、変でもあった。

5時にコンビニ前のベンチに、4人は集まった。
忠男は、男のスーツにかつらを取って来ていて、
3人は、それぞれに思った。
「これが、高島さんの素顔すか?」と香。
「女装とあんまり変わらないすね。」と昌。
「女性のときと全然違いますね。」と美奈子。
と、忠男の女装姿を知らない美奈子は驚いて言った。

4人は、プライバシーのある喫茶店に入った。
「じゃあ、美奈子ちゃんの悩みを聞こうか。」と忠男は言った。
美奈子は、語り始めた。
「父のことなんです。
 父は、お酒が死ぬほど好きなんです。
 でも、大酒飲みではなくて、ウイスキー、ブランデーなんかの、
 名酒のマニアなんです。
 そこで、一流のホテルに行って、そこで、一番おいしいお酒を飲むんです。
 一流ホテルには、おいしいお酒があるからって。
 父は、普通のサラリーマンで、お金持ちなんかではないのに、
 分不相応なところへ行きます。
 1回行くと、5万円は遣って来る。
 新しいお酒が手に入ると、必ずキープしますから、そのときは、
10万とか、15万円します。
で、そういうホテルに3日に1度は行きますから、
家にお金が入りません。
だから、母はパートをしているし、私は、昼はコンビニ、
夜は、スナックで働いています。
弟がいますが、弟は、いつも一人で可哀相なんです。
私は、将来女の子になる手術をしたいけど、
今のままじゃ、お金が貯まりません。」
美奈子は、じんわりと涙を見せた。

「説教くらいじゃ、お父さんお酒止めないんだ。」と昌。
「贅沢だよな。家族働かせて、自分だけいい思いして。」
香が怒ったように言った。
「アル中じゃないところが救いだね。
方法は2つだと思う。
 お父さんに酒を嫌いにさせる。
 お父さんにいい酒を、家で飲ませる。」
忠男はそう言った。
「嫌いにさせることなんてできますか。」と美奈子。
「むずかしいね。」忠男。
「家で飲ませるのは?」と香。
「そっちの方が、脈がある。
 美奈子のお父さん、今日も行ってる?」
「はい。このところ『ホテル ヘリティッジ ハイヤット』です。」
「わあ、それ、最高級のホテルじゃね。」と昌。
「ナンバー3だね。
 よし、今日ホテル・ヘリティッジ・ハイヤットへ、4人で行ってみよう。」
「ええ?俺、ビビっちゃいますよ。」と香。
「俺も。」
「あたしも。」
「私もね。」と忠男が言った。
「みんな、年齢は?」
「俺たち1浪してるから20歳。」
「あたしも、20歳。」
「じゃあ、お酒は大丈夫だね。」


■次回予告■
いよいよ4人は、「ホテル・ヘリティッジ・ハイヤット」へ。
最高級ホテルに、私服で来た3人は、ビビります。
しかし、そこに忠男がいます。頼もしいのでした。


バナーをこちらではまだ貼れずにいます。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



高島忠男シリーズ②「4人 仲間となる」

高島忠男シリーズ②「4人 仲間となる」


おかしな女装者の背は170cmくらい。
そんな女装で、その人は、堂々と男歩きでやってくる。
そして、コンビニに入った。
昌と香は、その人の行動を見たくて、
コンビニの入り口に隠れるようにして見ていた。
客はいなかった。
その人は、100円のアンパンを買って、レシートを受け取るとき、
「あたしのこと、どっちのボタン押した。ピンク?ブルー?」
「ピンクです。」とさっきのお姉さんは、言った。
「もう、つまんないなあ。ここは、スカート履いてれば、
みんなピンクなんだから。」とまるで男声、男言葉で言った。

「からかわないでください。お客様に、ブルーを押したりしたら、
 あたし、首です。」
「そうなの。」
「はい。お綺麗です。初め、モデルさんかと思いました。」
「そこまで、言ってくれるの。そう、ありがとう。」
その女装男に、店員のお姉さんは、そんな信じられないことを言った。

男は、その後、さっきまで二人が座っていたベンチで、アンパンを食べ始めた。
昌と香は、男に大いなる親近感を覚え、男をはさんで、座った。
「あ。ごめんね。一人おいしそうに食べちゃって。
 3人で分けっ子しよう。」
そういって、男は、食べ跡の歯型を気にせず、アンパンを3つに分けて、二人に渡した。
二人は歯形を気にせずにいただいた。
こうして、女装子3人がアンパンを食べていた。

そこへ、5、6人の5年生くらいの男の子が来た。
3人を離れたところから、ジロジロ見ている。
「ああいう子供は、思ったことなんでも言うからね。注意だよ。」男は言った。
その言葉の通り、一人が言った。
「やーい。オ○マ。」
一人が言い出すと、周りの子も、同じ言葉を、何度も言い、
大合唱になった。
周りを歩行していた大人は、何事かと、歩を止め、見始めた。
その数がだんだん増えて来た。

「止めないのかね、大人は。」と男は言った。
「ああ、俺、たまんねえ。」
「消えたい。」
昌と香は言った。
そのとき、男こと高島忠男は、子供、大人をむっとにらみつけた。
そして、高島忠男は、一流のファッションモデル。
昌と香は、トップクラスに可愛い女子タレントに見えるように幻覚を与えた。

それと、同時に、コンビニのお姉さんが、すごい勢いで飛び出してきた。
「こらー、子供ら。止めろーーー。
 人がオ○マであろうがなかろうが、そんなんで、人をからかうんじゃない!
 全員、3人の人に謝れ、謝りなさーーい!」
そのお姉さんの声で、はっと気づいた大人たちは、
3、4人でことも達を捕まえた。
そして、忠男と昌、香の前に連れて来た。

連れて来られた子供も大人も、コンビニのお姉さんも、
3人を見て、目を見張った。
天下の美女1人、トップクラスの美少女2人である。
昌と香もお互いと忠男を見て、驚いていた。
連れて来た大人たちの一人が、
「お前達、なんでこの人たちを見て、あんなこと言ったんだ。」と言った。
「さあ、わかりません。こんな綺麗な人だとは思いませんでした。」
一人が言った。
「思ったって、思わなくたって、言っていい言葉と、悪い言葉があるのよ!」
お姉さんが厳しく言った。
ボスらしき子が、
「すいませんでした。もう、あんなこと言いません。」
と言って、泣き出した。
後の子も、「すみません。」と言って泣き出した。

「もういいかな?」と忠男は二人に言った。
「はい。子供だし。」と二人は言った。
お姉さんに、
「もう許してもいい?」と忠男は聞いた。
「はい。反省しているようだし。」

大人たちは、去って行かなかった。
今度は、忠男と2人の美少女に見とれていたのである。
忠男が、みなさんに、
「どうも、ありがとうございました。」
と言って、人々は、やっと歩を動かした。

忠男は、お姉さんに特別にお礼を言った。
「いやあ、ステキでした。あなたの言葉は、普通出ません。
 オ○マであろうが、なかろうが、そんなんで人をからかうんじゃない。
 この言葉、普通言えないよ。二人とも、そう思うよね。」
「思います。『あろうが、なかろうが』っていうところ、一味ちがいます。」
と昌は言った。
「『思ったって、思わなくたって』…の言葉も最高です。」香が言った。
「うふん。」とお姉さんは言った。
「実は、あたし、この二人のお仲間なんです。」と言った。
「じゃあ、あなたも、女装子?」と昌。
「あたしは、本格。GIDです。」
「わあ~、絶対女の子!」と昌と香。
「それより、お二人はどうしちゃったんですか。
 さっきは、女装の初心者みたいだったのに、今、ちょー可愛い。」
「え?俺も?」と言ったのは、二人同時だった。
急いで、コンビニのウインドウに自分を映しに行った。

「あ、うそー!」と同時に叫んだ。
「昌見て、びっくりしたけど、俺も可愛い。わあ、たまんねえ。」
「俺も、香見てびっくりしたけど、俺もだ。ああ、興奮する。」
二人は、顔を上気させて戻ってきた。

「私は、高島忠男。女装子です。」と忠男が言って、お姉さんが、「うそー!」
「俺は、大島昌。」
「俺は、小池香。」
「じゃあ、あたしは、神原美奈子、本名は、武史。」お姉さんは名乗った。
「私はね、ちょっと魔法が使えるのね。罪のない魔法ならね。」と忠男。
「じゃあ、俺と香の姿魔法で?
だったら、お願いします。24時間、このままでいたい。」と昌。
「俺も、せめて、24時間、可愛い子でいたい。」と香。
「いいよ。明日のこの時間までね。」
「わーい。」と二人は飛び上がった。

「魔法使いの私は感じるんだけど、美奈子ちゃんは、
GID以外に何か悩みをかかえているでしょ。」
忠男は言った。
「わかりますか。はい、悩んでいます。自分の体のこと以外で。」
「じゃあ、せっかく知り合った仲間だし、みんなで、考えようよ。
 お店何時まで。」
「5時です。」
「じゃあ、みんな、5時、このベンチに集合。」
「はーい。了解です!」

ひとまず、4人は、解散した。
昌と香の考えていることは同じだった。
二人は、昌のアパートに、直行した。


■次回予告■
同じことを考えている可愛くなった昌と香がすることが、
次回です。また、美奈子の悩み解決に、乗り出します。




こちらからはやっぱりダメみたいです。
ハナーを取りました。


バナーですが、今度は大丈夫と当局の人が直してくれました。
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(私自身の1票も反映されず、只今、0点なのです。)
そこで、原因がわかるまで、しばらくの間、バナーをはずしたいと思います。ご了承ください。

高島忠男①「二人の女装子はれはれ外出の巻」

超能力者高島忠男シリーズを書きたく思います。
終わりまで書けますか、ドキドキしています。

===========================  

超能力者・高島忠男「二人の女装子ばればれ外出の巻」


日曜日である。
大島昌(あきら)と小池香(こう)は、大きな袋を抱えて、にこにこと、
昌の部屋にやって来た。
二人は、袋の中のものを、ざーとジュータンの上にあけた。
そこには、女性の下着、女性の服、女性の靴、そして化粧品。
「なんか、ぞくぞくするな。」と昌が言った。
昌の背は、160cmくらい。スリムである。
「もう、たまんねえ。」と香は言った。
香は、162cm、少しぽっちゃりしている。
二人は、「初めての女装」という本を持っていた。

二人は、この日を待っていたのだ。
自分のアパートの部屋で、心置きなく女装が出来る日を。
高校のとき、学園祭で、「女装喫茶」をやったのがきっかけだ。
二人とも女子に化粧をしてもらい、女子の制服を着せてもらった。
その興奮が忘れられず、昌と香は、女装への願望を抱いた。
それを、仲良しの昌と香は、お互いに打ち明けたのである。
その頃は、自宅で、ゆっくり女装が出来なかった。
二人は1年浪人をして、都会の大学を受け、同じ大学に進学が出来た。
そして、晴れて、部屋で思い切り女装が出来る身になったのである。

「うわあ、俺、昨日脚の毛みんな剃ったのに、もうザラザラだよ。」と毛深い香。
「本に、脚と鼻の下は、直前に剃れって書いてあったじゃね。」と昌。
「そこまで読まねーよ。いいや、このまま、パンストはいちゃおう。」と香は履きはじめた。
「うへ~、毛がざらざらして、パンストはけないよ。参ったな。
 いいや、脚は後だ。」
昌は、先に顔に入っていた。
パフを叩いて、香に見せた。
「俺の顔、粉っぽくね。」
「粉だらけだよ。ファンデーション、たっぷり塗ったんじゃねーの。」と香
「薄くってどのくらいだか、わかんねーよ。」昌
「いいから、粉はたけよ。オシロイお化けになってるぞ。」香
「俺たち、女装までたどり着けるかな。」昌。
「つけ睫毛とか、難関があるぜ。」香。
「それ、省略しねえ。」昌。
「ばか、ツケマ省略したら、俺ら、女に見えっこねーじゃん。」香
「そうだな。ツケマの省略はできねーな。」

こうして二人は、2時間後、なんとか女装を終えたのであった。
一応セミショートのウィッグを被っている。
ブラウス、スカート、カーデガンの昌は、ヒップがなく寸胴である。
ワンピースに、カーデガンの香は、ワンピースがきつ目である。

二人は、疲れ果て、じゅうたんにへたり込んだ。
「疲れたなあ。」昌。
「参ったぜ。こんなに大変とはな。」香。
「もう、落とそうか。」昌。
「だめだよ。今日の目的、コンビニチェックくらい試そうぜ。」

コンビニでは、来た客の性別、年齢を推定して、ボタンで打ち込む。
男女別では、ピンクのキーを押してくれたら、女と見られたことになる。
ブルーだと、男と見られたことになる。
「よし、そのくらいは、してみようぜ。」と二人は立ち上がった。

4月のカラッとした陽気である。
二人は、サンダルを履いて、バッグを提げ、外に出た。
「うへー、明るすぎねえ。」
「雨の方がましだな。」
コンビニは、通りを渡って、すぐのところだ。
「かなり、見られたな。」と香。
「ああ、まるで、見世物レベルだったな。」昌。

しかし、二人は、勇気を出して、コンビニに来たのである。
客が少ないのに安心した。
女子高生くらいのかなり可愛い店員さんがいる。
昌は、100円のお菓子を手に持った。
「昌、お前いけ。俺は、お姉さんの指見てるから。」
香に言われ、昌は、100円のお菓子を出した。
男女のキーは、一番上のキーだ。
香は、目を皿のようにしていた。
「いらっしゃいませ。」と言ったお姉さんは、なんとピンクのキーを押したのだ。
やって来た昌に、
「お前、ピンク。合格だよ。パスしたぜ。」
「ウソだろ。パスするはずはねえ。
 香、次お前の番だ。」
今度は、昌が、お姉さんの指を見ていた。
香は、50円のアメを買った。
すると、香も、ピンクのキーを押されたのだった。

二人で、外に出て、うおおおおと歓声を上げた。
が、その後、
「そんなはずねーな。」と香。
「俺もそう思う。」と昌。

そこで、二人は、店に客がいなくなったとき、
お姉さんのところに行った。
「あのさ、俺たち、女装した男なんだけど、ピンクの方押した?」
香が代表で聞いた。
「はい。女性で押しましたよ。」とお姉さんはにっこりと言った。
「俺ら、女に見えるはずないっしょ。」と昌が聞いた。
「ええ、女装の男性だと思いましたが、
 店では、女性の姿をしている方は、全てピンクを押します。」
「どうして?」と香。
「それは、例えば、スカートを履いてらっしゃるけど、
 どう見ても男性に見える女性がお出でになったとします。
 そんな方に、男性のボタンを押してしまったら、
 大きな人権問題になるじゃないですか。
 だから、スカートを履いてらっしゃったら、どれほど男性に見えても、
 ピンクボタンを押します。
 あ、これは当店の場合で、他店ではどうかわかりません。」
お姉さんは、そう言った。

店の外に出た二人は、
「なーんだ、これじゃコンビニチェックなんて、意味ねーじゃん。」
「ほんとな。緊張して、損したよ。」と互いに言った。

二人は、コンビニの前の木陰になったベンチに座り、
もうどう見られたっていいや、という気分で、座っていた。

そのとき、二人は見たのである。
自分たちより、ひどいと思われる女装の人。
パンプスは、先がつぶれている。
パンストは、OK。上の黒いタイトスカート、その上の黒い上着は、
スーツにしては、よれよれである。
ブラウスはOK。
メイクは、リップのみ。
どこかで何か食べて来たのか。リップが半分取れている。
最悪なのが、眼鏡。
大きな黒縁のメガネだが、トンボメガネならオシャレ。
それより一回り小さい、完全に男性用のメガネなのだ。
さらには、カツラが鳥の巣のように、長年ブラシを入れた形跡がない。
手の黒いバッグは、ウエストポーチのようだ。
これほど、いい加減な女装があるのかと、
二人は、思わず優越感に浸ったほどだった。


■次回予告■
高島忠男登場です。
忠男と二人がいるところを、子供たちがからかいます。
それを、止めに入ったのは、意外な人物です。



1票くださると、うれしいです。

エッセイ 「この年になって、まだ女声?」

エッセイ「この年になって、女声?」


昨夜私は、ブログに「今日だけは1票ください。」
などと書き込んでしまったことを、後になって、
とても恥ずかしく思い、落ち込んでいました。
すぐに消そうと思いましたが、すでに、1票くださった方もいるし、
「1日置きます」と書いた以上、朝まで、置いておこうと思い至りました。
それで、夜の間中、落ち込んでいました。

そのとき、電話がありました。
かなり高齢の男性でした。
「須田ですが。」とおっしゃいます。。
さて、私は、須田さんという人を知らないのです。
そこで、うまく話を合わせていました。
すると、その須田さんは、我が家のことを、かなり知っておられます。
そして、亡くなった父母のことも詳しい。

かなり、長くお話した後です。
その方は、「私は、滋賀ですが。」と2度目におっしゃいました。
私は、飛び上がりました。
父の無二の親友です。かつての大学教授です。
私達夫婦の仲人さんです。
「これは、失礼しました。志賀先生ですか。
 私は、純です。どうもお久しぶりです。」
と言いましたら、
「ああ、純くんの奥さまですね。」とおっしゃる。

「いえ、純本人です。」
「はい、わかりますよ。清子さんですね。
 純君は、お元気ですか。」
「はい、元気にしております。」
私は、この年になり、女性の声に間違えられるなんてと、思っていました。
「清子さん、お子さんは、お元気ですか?」
「はい、何とか学校へ行っています。」
「それは、ご主人も安心でしょうね。」
「はい。安心しているようです。」

もうここまで来たら、私は、妻清子で通すことにしました。
それから私は、滋賀先生を、よく知っていましたので、
長くお話をしました。
母が亡くなったことも、告げました。
(私達、兄弟は、滋賀先生は、とっくに亡くなったものと、思って、
 母死亡のお知らせをしなかったのです。)
かれこれ、30分くらいお話をしました。
その間中、滋賀先生は、私を清子さんと呼び続けました。

私は、電話を切った後すぐ、兄に電話しました。
「滋賀先生、ご健在だったよ。今、電話をくれた。」
兄も驚きました。
「まだ、お元気だったか。」
「ところで、兄さん、ぼくは電話で清子に間違えられたんだけど、
 ぼくは、もう、女声に聞こえないでしょう。」
と聞きました。
「面と向かってならな。
 だが、電話の声は、ときどき女声に聞こえるときがある。」
「そうなの?」
「ときどきな。」

あれあれという感じです。
私は、この年になって、「女声を出す練習」などしようかと思っていましたが、
これで、その練習は、止めようと思いました。

■次回予告■

何か、アイデアが浮かびましたら、
投稿いたします。
少し、のぞいてみてくださいませ。



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有香シリーズ・二人のデザイナー<その3>「協力」(最終回)

お手上げになりそうなまま、なんとか終わりまで書くことが出来ました。
始めから終りまで、女装が出てこない話を、最後まで読んでくださり、
本当に、ありがとうございました。

==================================== 

二人のデザイナー<第3話>「協力」最終回

ファッションショー当日である。
コラボ・ファッションショーということで、
会場は、通常の2倍の広さのホールで行われた。
本木倖造ファンと佐伯京介ファンが押し寄せ、会場は、満席だった。
外国からの客が、驚くほど多い。
有香は、二人から特等席2枚の招待券をそれぞれもらい、修と、舞台からの張り出し舞台のすぐ近くの席に座っていた。
修は、黒のタキシードを着ていた。
有香は、自分の好きな布で、膝下のまでのフレアスカート。
ウエストの閉まった、同じ布のジャケットを修に作ってもらい、
ブラウスを少し胸に覗かせていた。
抜群のファッションである。

ショーは、ショー・アップのために、照明、音楽、特殊装置と、
その道のプロ中のプロが裏方についていた。

楽屋は、てんてこ舞いであったが、
会場に座っている限り、整然として、心地よい音楽が流れていた。
やがて、司会の男女のベアが出て来た。
熟練の三橋竹尾と女優の武田芳江だ。
音楽が、止み、武田は、今日のコラボ・ファッションショーは、
奇跡のコラボたということを、みなに嫌と言うほど強調した。

「では、お待たせしました。まずは、佐伯京介さんのファッションからです。」
音楽が、賑やか目なものに代わり、賑やかなドレスを着たモデルさんが、
少し、踊りのステップを踏みながら来た。
「おおおおお。」と会場に感嘆の声が起こった。

「さすが、佐伯京介っだね。気持ちいいくらい賑やかで楽しい。」
「それだけじゃないよ。今日の京介は、ちょっと違うぞ。」
「どこが。」
「なんとなく、エレガントだ。奇をてらってない。」
「おお、そう言えばそうだ。『これでもか!』という気合いが鼻につかない。」
「今日の佐伯は、今まででいちばんいい。」
こんな会話が、会場のあちこちでささやかれていた。

モデルが、出てくるたびに、同じ声が聞こえた。
「今日の佐伯さん、ステキね。自由で遊び心たっぷりなのに、
 なんかこう、落ち着いてない?」
「あたしも、思う。佐伯さん、一皮むけたのかな。」
「なんか、今までで一番いい気がする。」

こうして、10人のモデルが出場した。

司会が、次は、本木倖造であることを告げた。
音楽が、モダンなジャズに変わった。

一人目がくると、「ヒュー。」という声が上がった。
「やっぱりいいわね。あの気品とエレガンス、たまらない。」
「でもさ、今日の本木倖造は、エレガントでいて、どこか、気さくじゃない。」
「そう言えば、そう。なんか自由で、うれしくなる感じ。」

「いいですね。あの気品とオシャレ。そえでいて粋な感じ。」
「だが、今日の倖造は、それだけじゃない。開放感がある。親しみがあると言ってもいい。」
「なるほど。その通りです。だれでも着られそうなフランクな服に見えます。」
「今回の倖造は、いけますなあ。」

京介と倖造の服を見ながら、有香はにんまりと満足そうにした。
「有香、どうしたの。えらくうれしそうじゃない。」と修は聞いた。
「今、気がついてるの、あたしだけかもしれない。」
「何?有香教えてよ。」
「あのね、本木さんに売ったはずの布が、佐伯さんの服に使われてるの。
 佐伯さんの買った布を、本木さんが使ってる。」
「え?まさか。じゃあ・・。」と修は、びっくりした後、笑顔になった。
「わあ、こういうお茶目が目の前で起こってるなんて。」と修は嬉しそうにした。

10人ずつのモデルが出て、1部が終わり、
デザイナーの挨拶となった。
「では、本木倖造さん、佐伯京介さん、どうぞ。」
二人が出て来た。
会場は、大きな拍手。
二人は、マイクを渡された。
音楽が止む。

「本木倖造でございます。え~ファッションショー1部の終わりですが、
 私と、佐伯京介さんとで、みな様に、大きな告白をいたします。」
(え~、何?と会場の反応。)
佐伯が言う。
「私は、このコラボ・ファッションショーが、辛くてなりませんでした。
 だって、相手が相手ですもの。
(会場笑い。)
 極上の布が手に入りました。
だけど、自分は、何か間違っている気がしました。
 「コラボって何?」それを、丸1日、考え続けました。
 それは、「協力」です。
 そこで思いました。私の敵は、本木倖造さんではない。
 本木さんとは、手に手をとって、標的は、『世界』ではないか。
 そう気が付いたんです。」

本木。
「私、倖造は、その頃同じように悩んでいて、佐伯さんと同じように、
 標的は「世界だ。」と思いました。
そこで、あるアイデアを抱えて、佐伯さんを訪ねました。
 そのアイデアを佐伯さんに言えば、きっと殴られる。
 それを覚悟で言いました。
 そのアイデアは、『私倖造が、佐伯さんの服を作る。佐伯さんが、私の服を作る。』
 というものなんです。
相手のスタイルで作ると言っても、自分らしさは、どこかに入れる。
 つまり、今日、みな様が、佐伯京介さんの服と聞いてご覧になった10の服は、
 私が作ったものです。」

会場が、わあ~とすごいどよめきに包まれた。
佐伯が言った。
「同じく、今日、本木倖造さんの服として紹介された10の服は、
 私、佐伯京介が作りました。」

会場から、非難ゴーゴーとなるか、拍手をもらえるか、本木と佐伯の大きな賭けであった。
賭けは、表目に出た。
ものすごい拍手が起こり、会場は総立ちとなった。
「おもしろい!」
「最高!」
「こんなの初めて!」
など声が飛び、本木と佐伯は、ほっとし、両手で握手をした。

拍手がやっと鳴りやんだとき、本木は言った。
「もう少し、話させてください。
 私は、オーソドックスな服を得意とし、品があるとか、エレガントだとか、
 言っていただいてきました。
 しかし、日ごろ、佐伯さんの服を見て、
その自由なのびのびとした遊び心、明るく楽しい服。
そんな服に憧れておりました。
私のスタッフだって、そういう服を一度は作ってみたかったのです。
そこに、このコラボ・ファッションショーのチャンスです。」
京介が代わった。
「私もまったく同じでした。一度は、本木さんのようなエレガントな服を
 作りたかったのです。スタッフも同様でした。
 そこに、わざわざ本木さんの方から、
スタイルを交換して服を作りませんかというご提案がありました。
私は、うれしくて、楽しくて、もう顔のにやにやが止まりませんでした。
もちろん、スタッフは大喜びでした。」
本木。
「そう言うことで、私達は、お互いに学び合いました。
 この企画に心より感謝しています。」
佐伯。
「私も同じです。大きなものを学びました。
 皆様、ご声援、ありがとうございました。」
本木。
「明日からの私達は、少し違うと思います。
 ご声援ありがとうございました。」
二人は深く頭を下げた。
会場から、再び、大きな拍手が起こった。

第2部は、実に楽しいものだった。
出て来る服は、完全に本木、佐伯の合作だった。

はじめ、20人くらいの子供が、それぞれの服を着て、
楽しい音楽に合わせて、はしゃいだり、踊ったりした。
(可愛くて、すごい拍手だった。)
次に、10代の男女が来て、楽しい服を見せ、
こうして、世代ごとに作られた服が登場して来る。
そして、最後に、70歳ほどの老夫婦が、
オシャレなファッションで出てきた。
楽しい音楽が続く中、
フィナーレに、初めの20名のモデルも含め、
全員が舞台に出て来てた。
そして、舞台の袖で、会の成功を涙ながらに見ていたスタッフ達を、
本木と佐伯は、全員舞台に引っ張り出した。
みんなで、肩を組み、喜びをいっぱい、会場に振り撒いた。
銀テープが発射され、巨大なクラッカーが発砲され、
終わりに近づくと、客は総立ちになって、拍手を送った。

興奮の内に、コラボ・ファッションショーの幕は下りた。

「まあ、お見事だったこと。恐れ入ったわ。」
と、おばちゃんこと海原敬子は会場の席にいて言った。
「企画したお母さまの期待以上でしたか。」と隆子は聞いた。
「私は、布を売ろうと思っただけなの。
 2人のショーにすれば、2倍売れるでしょう。
 2人は、真っ先に来たわよ。
 でも、私は、もう隆子さんのものだから、
青山のお店へ行ってくださいと言ったの。
そしたら、隆子さん売らないのだもの。驚いたわ。」

「だって、あの倉の布は、私がいただいたとしても、
 お母さまのコレクションですもの。宝の山です。
 私は、自分が努力して買い集めたものを売りたいんです。
 その内、いい布をたくさん集めて、儲けますわ。」
「まあ、あなたも私ほどに頑固ね。」
二人は、ふふふと笑った。
義孝がとなりで、にっこりとしていた。
「それにしても、今日の布。極上物ばかりだったでしょう。」と敬子。
「はい。お母さまの布に負けていませんでした。」
「まさか、有香の店をあの2人が、見つけたとは思えないし。」
「祝賀会で、聞いてみたいですね。」

「有香、明日の3大新聞の1面に出るね。今日のショーは。」
修は言った。
「出てもいいわよね。だって、こんなコラボ、前代未聞ですもの。」
「外国のファッション誌にも、全部出るよ。」
「外国人の記者が、大勢パソコンでメール打っていたものね。」
「これでさ、佐伯京介を、奇をてらった目立ちたがり屋と批判してた
 批評家は、もう何も言えなくなる。
 本木倖造を、もうロートル(年)で、時代遅れと言っていた批評家も、
 そうは、言えなくなる。
 いろんな意味で、二人にとって、大成功のショーだったと思う。
 本木倖造は、すでに世界の人だけど、佐伯京介は、これで、世界の人となるね。」
「京介さん、よかったなあ。第2部もよかったし。一体誰の企画かしら。」
「多分、相当粋な人だね。」

二人の疑問や敬子と隆子の疑問は、
この後の祝賀会で全て明らかになる。

人がいなくなったホールには、
まだ、興奮のかけらが残っているようだった。


<完>


■次回予告■

シリーズ物を終わりまで書けて、ほっとしています。
一体話を終えられるのだろうかと、何度も思いました。
また、元気が出て来ましたら、何か投稿します。
少し、覗いてみてくださいませ。




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二人のデザイナー<第2話>「コラボって何?」

二人のデザイナー<第2話>「コラボって何?」


有香の話を聞いて、修は、あははと笑った。
「誉めてくれるのはうれしいけど、妖怪かもののけ?」
「とうとう修さんも人間じゃなくなったわね。」と有香。
「でも、今度のコラボ、みんな有香の布だよ。」
「そうなの。あんなすごいお2人が買ってくれて、夢みたいだった。」
「それにしても、今度のコラボの仕掛け人は誰だ。
 よっぽどお茶目な人物だね。何を狙ってるんだか。」
「そう、正反対の2人ですものね。」
「見に行きたいね。」
「招待券くれるって。」
「じゃあ、2人から1枚ずつ。1枚俺にくれる?。」
「当然よ。とにかく楽しみ。」



布を買って、意気揚々とした本木倖造だが、
デザイン室の机の前で、もう2日何もせず、考えに耽っていた。
「コラボ、コラボねえ・・・。」とつぶやいている。

鈴木五郎が、呼ばれた。
「五郎君。音楽で、コラボとはどういうものかな。」と倖造は聞いた。
「それは、2人のアーティストが、二人で同じ曲を弾いたり、
 互に相手の曲を交換して弾いたり。」
「コラボ、と聞いて、真っ先に浮かぶ日本語は?」
「協力…ですかね。」
「もう一つ。」
「合作…ですね。」
「ありがとう。参考になったよ。」
「先生。大丈夫ですか。
 布の用意ができたのに、何もしないで2日ですよ。」
「ああ、心配かけてすまない。
 少し、考えているんだ。自分は、間違っていたのかもしれないとね。」

 鈴木の去った後、倖造は独り言を言った。
「あの自己主張の強い佐伯京介が、私の考えに乗るかな。
 ほとんど無理だろう。
 怒って、殴りかかって来るかも知れない。
 いや、何事も言ってみないとわからん。

 競争相手は、佐伯京介だと思っていた。
 だが、それは違う。真の競争相手は、『世界』だ。」

倖造は、がばと立ち上がった。
「五郎君。出かけるぞ。」
「車ですか?」
「いや、電車だ。」



その頃、佐伯京介も、同じ状態でいた。
布が手に入ったというのに、丸1日、デスクで考えっぱなしである。
花ちゃんを呼んだ。
「花ちゃん。コラボって何よ。」
「それは、共同、協力、合作…ですね。」
「その中で、一番、コラボに欠かせないのは?」
「協力です。」
「そうか…。」と京介は考え込んだ。

「やはり、俺は間違っていた。
 だが、あの本木のおっちゃんが、俺の話なんか聞くかな。
 キャリアじゃ、俺、格下だぜ。」
「でも、本木さんは、京介さんを買ってらっしゃいますよ。」
と花ちゃんが言った。
「俺は、競争相手を間違っていた。本木のおっちゃんじゃないんだ。
 世界なんだよ世界!」
京介は、拳を固く握った。

そのときだった、助手の一人が、
「京介さん(みんなにそう呼ばせている)、本木倖造さんがお見えです。
 電車でお出でのようです。」
「何?本木倖造が、わざわざ電車で?こりゃ大変だ。」
「一人?」
「いえ、五郎さんもご一緒です。」
「じゃあ、応接室。花ちゃん、一緒に来て。」

応接室に、それぞれ助手と共に4人が揃った。
挨拶は簡単に、佐伯から切り出した。
「丸1日間、考えてばかりいました。
 結論ですが、私の敵は本木さんに非ず。敵は、『世界』だということです。」
それを聞いた本木は、うれしさに思わず手を叩いた。
「佐伯さん。私は、それを言いに来たんですよ。
あなたと同じ、2日間考えた末思ったことです。」
「コラボという意味を考えました。競争ではなく、協力でなければならない。」
「その通りです。」と本木は、テーブルを叩いて喜びを表した。

「そこで、佐伯さん。アイデアがあるんですよ。
 嫌なら、はっきりできないとおっしゃってください。」
本木は、アイデアを話した。
聞きながら、佐伯の顔は、どんどんにんまりとしていった。
そして、最後には、拍手をした。
「これは、楽しい。まさか、本木さんがこんな提案をしてくださるなんて。
 私が、一度はやってみたかったことです。ほんとに、いいんですか。」
「私だって、やってみたかったことなんですよ。
佐伯さんを羨ましく思っていたんです。
 佐伯さん、OKですか。」
「OKです。これで、ファッションショーが楽しくてならなくなりました。」
「佐伯さんに殴られるつもりで、言いに来たんですよ。」
二人は、笑った。

「ねえ、どう?」と二人は、五郎と花子に聞いた。
「もう楽しくて、うきうきしてたまりません。」と花ちゃんは言った。
「私も、もううずうずして我慢できません。」と五郎は言った。
4人で大きな拍手をして、話し合いは終わった。



本木倖造と佐伯京介、そして、五郎、花ちゃんの4人は、
その日から、ホテルの広い一室で、泊まり込みの作業を行った。
本木倖造が、1枚描いた服のデザイン画を五郎に見せる。
それを見て、五郎は、「ぷっ。」と笑い。
「先生、やりますね。」
「どれどれ。」と京介と花ちゃんが来る。
二人も、「ぷっ。」と笑う。
「本木さん、すっかりオカブとられちゃったな。」と京介。
「はい、誰が見ても、京介さんの作品です。」
「だが、俺らしさも、こっそり入れているだろう。」と倖造。
「はい。京介さんじゃ、そのエレガンスは出ません。」と花子。

「俺だって、見てよ。」と京介は、ファッション画を1枚出す。
「どうですか。」と京介は倖造に聞く。
「おお、お見事ですな。やっぱり佐伯さんは、こういうのもイケますな。」
と倖造。
「わあ、京介さんを見直しました。
ちゃんと京介さんの自由な感じが入ってます。」と花ちゃんが、にこにこと言う。
「わあ、ほんとだ。ちゃんと佐伯さんらしさも、
隠してある。お二人とも、やっぱり、凄腕ですねえ。」

こんな風に、楽しい会話をつづけながら、
二人は、実に生き生きとやっていた。

10日が過ぎた。
2つのデザイナー事務所では、先生が早く帰ってこないかと気をもんでいた。
そこへ、本木倖造が、どっさりデザイン画を抱えてやって来た。
「みんな、待たせてしまったね。まずこれを見てくれ。」
倖造は、みんなに、描いて来たファッション画を配った。

配られたスタッフたちは、「あ。」と声を上げ、異口同音に言った。
「先生。これ佐伯京介のファッションじゃありませんか。
間違えて、持ってこられたのですか?」
「いや。俺が、描いた。」と倖造。
「じゃあ、これ、まずいっすよ。まるで盗作になっちゃう。
 天下の本木倖造が、佐伯京介を真似てどうするんです。」
「よく見てくれ。完全な盗作ではない。
 どこかに、私らしさが、うかがえないかな。」と倖造。

「そう言えば、佐伯京介には出せない、品とか、エレガンスがあります。」
「みんな、そうみてくれるか。
「はい、京介では、このエレガンスは出せません。」
「そう言ってくれると、うれしい。
 実は、今頃、佐伯京介は、俺と同じように、スタッフに、
攻め寄られていることだろうよ。」倖造はいた。

そのとおり、佐伯京介は、みんなに避難を浴びていた。
「京介さん。これじゃ、盗作です。
 2人ショー、みんな本木倖造風になっちゃうじゃありませんか。」
「よく見てくれ。本木倖造風だが、どこかに、俺流が入ってないか。」
と京介。
「あ、そう言えば、京介さんの味が効いている。
どこか、自由で開放されてる。」
「ああ。そう言えばそうだ。」
「そう言ってくれるとうれしい。
 実はなんだ。今頃、本木倖造も、
俺と同じ非難をスタッフから浴びていると思う。
本木倖造さんは、一見、俺の服を作っているんだ。
ガチャガチャ、けばけばしい服を作ってるんだ。
しかし、その中に、本木さんらしい品とエレガンスを入れてる。

みんな、音楽でのコラボっていったら、
互いに相手の曲を弾いたり、歌ったりするじゃね。
これを、倖造さんと俺とでやるんだ。
互いのスタイルを交換して、そこにお互い、自分らしさを入れるんだ。
これは、本木倖造さんが提案してくれたことなんだ。

ファッションショーでは、本木倖造の作品だと言って、
実は俺が作った服をモデルさんが着てみせる。
俺だって、エレガンスで品のある服が作れるって見せる。
だが、そこに俺らしさをこっそり入れる。
本木さんは、俺風の奇抜な服を作って見せる。
だか、そこに本木さんの品のあるオシャレ心を盛り込む。

で、ショーの第1部が終わったとき、
お客さんに種明かしをする。
どうだ、みんな、面白いと思わないか。」

スタッフ達が、どんどんうれしそうな顔をする。
「いい、面白い。それ、最高。」
「本木倖造も、京介さん風の服を作るんですね。
 いいです。う~ん、楽しい。これ最高ですよ。」
『よかった。みんなが喜んでくれている。』京介は思った。

本木倖造のアトリエ。
「わあ、佐伯京介風の服を作るんですね。
 楽しい。一度、あんな服を作りたかったんです。」
「私もです。佐伯京介の服のようで、先生の味が入ってる。」
「おもしろいです。うきうきしちゃう。」
「みんな、賛成してくれるか。」
「はい。賛成です。楽しくって、たまりません。」

 こうして、本木倖造の提案は、スタッフに通った。
 スタッフは、全員、うきうきとしていた。

(つづく)

■次回予告■

次回、最終回の予定です。
終われないかもしれません。
読んでくださるとうれしいです。




1票くださると、うれしいです。
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有香シリーズ<第4話>「二人のデザイナー」

有香のお話をもう少し書きます。
今回は、3話完結ほどになりそうです。
読んでくださるとうれしいです。
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有香シリーズ<第4話>「二人のデザイナー」


夜の7時。季節は、もう秋である。
有香の店の横を、黒い高級車が過ぎようとしていた。
「五郎君、待ってくれたまえ。」
本木倖造は、運転をしている助手の鈴木五郎に声をかけた。
「今、布の店があった。止めてくれないか。」
倖造は言った。
「え、そんな店ありましたか。
どうせ、小さな店でしょう。」鈴木五郎は言った。
「何を言う。そこが宝の山だったらどうする。」倖造は言った。
「まさか。」
鈴木五郎は、倉を過ぎ、修の店を過ぎた暗いところに車を止めた。

本木倖造は、50歳代前半の男で、髪をぴちっとオールバックにして、
高そうな背広を着て、ネクタイをきりっと締めている。
一方、鈴木五郎は、30歳ほど。
小太りで、小柄、しかし、ファッショナブルな服を上手に着こなしていた。

二人は、「有香の布のお店」に入って行った。
「いらっしゃいませ。」と頭をさげる娘を、倖造は真っ先に見た。
そして、驚いた。
並々ならぬセンスの持ち主である。
「あなたは、なんとセンスのよい。」
倖造は、有香に言った。
有香は、照れて、
「ありがとうございます。」とにっこりした。

倖造は、店を見回した。
きっちり並んでいる布。
布が見えるように、横置きにしてある布、いろいろだ。
倖造は、1つ1つの布を食い入るように見て行き、
店の中を一通り見た。
そして、うれしそうな表情をして、有香に言った。
「ここは、宝の山ですな。
布を、引き出してもいいですか。」
「はい、どうぞ。」有香は言った。
宝の山と言ってくれたことが、うれしかった。

「よし、私が1反の値段を当ててみましょう。」
倖造は、そういうと、布を取り出しながら、
「これは、30万はしますな。
 おおこれは、50万をくだらない。
 なんと、これは、100万はします。
 すばらしい。
 これは、20万くらいだが、この種では、最高級だ。」
こうして、倖造は、大きなテーブルの上に、15ほどの布を置いた。

「どうですか。私の言った値段は、だいたい当たっていましょうか。」
と倖造は、聞いた。
倖造の言った布の値は、ほぼどんぴしゃりだった。
有香は、これほど布のわかる客は初めてだった。
うれしくて、たまらなかった。
「はい、どんぴしゃり。全部正解です。」と有香は言った。

「鈴木君、テーブルの上の布、全部でいくらになる。」と倖造は聞いた。
鈴木は電卓をはじき、
「550万です。」と言った。
「今日、いくらの用意がある。」
「700万です。」
「よし、あと150万買えるな。」
倖造は、そう言って、薄布を5反買った。

700万を現金で、きっちり支払った後、
倖造は、有香に名刺を出した。
有香は、名刺の名前を見て、驚いた。
本木倖造と言えば、日本で1、2を争う服装デザイナーである。

「服装のデザイナーをやっています。
 私は、布を見て、服のデザインを考えます。
 だから、いい布が手に入らないと、何もできんのですよ。
 佐伯京介というデザイナーを知っておられますか。」
「はい。あの個性的な方ですよね。存じ上げています。」
「そう、嫌な企画を立てられてしまいましてね。
 今度、彼と共同のファッションショーをやらねばならない。
 佐伯京介は、変な人間ですが、腕は本物だ。
 若いが、その内、世界に羽ばたくでしょう。
 だが、まだまだ、彼に負けるわけにはいかない。
 そこで、いい布はないかと探し回っていたんですよ。
 それが、今日、あなたのお店で、極上の布を買えた。
 これで、私は、自信を得ました。正直、彼を相手に必死なんですよ。
 お礼を言います。どうもありがとう。」
そう言って、倖造は、鈴木と20反の布を持って去って行った。
有香は、日本のトップにいながら、何て腰の低い人だろうと、感激した。

それにしても、700万円。
有香は、修に見せにお金を持って飛んで行った。
修は、にこにこして700万を見た。
「いい人に買ってもらったね。あの人は、布を無駄にしないよ。」
修の言葉に、有香は、幸せを感じた。

今年、32歳になる佐伯京介は、
本木倖造が、ある小さな布の店で、ごっそりと布を買ったという情報を得た。
「え?どこよ、どこよ、そのお店ってーのは。
 花ちゃん、すぐに調べてくんない。」
花ちゃんと呼ばれた女性は、「はい。」と言って、すぐに部屋を出た。

佐伯京介は、本木倖造と違って、奇抜な格好をしていた。
髪はジェルで固め、鶏のトサカのようにしていた。
そして、左右色違いの面白い服装をしていた。

倖造が来た翌日の7時に、佐伯京介は、花ちゃんを連れて、
有香の店にやってきた。
入るなり佐伯京介は、有香を見た。
「お。花ちゃん、どうよ、彼女のセンス。」
「はい。素晴らしいです。」
花ちゃんはにっこりと言った。
花ちゃんは、黒のズボンに白のYシャツ。黒のベスト。
髪をショートにして、まるで、バーテンダーのような服装だった。
京介は、店をぐるっと見回して、作業テーブルに座った。
「おっと、いいの、ここ座って?」
「そこの丸椅子にお座りください。」有香は言った。
京介は、素直に丸椅子に座った。
「あ、俺は、佐伯京介って言う洋服のデザイナー。
 こちらは、奥野花ちゃん。あなたは?」
「白金有香です。どうぞよろしく。」

「こんな店があったのか。参ったなあ。
 有香ちゃん、聞いてくれる?俺ね、優秀な服装デザイナーだけど、
 日本に勝てない人間が2人いる。
 一人は、高杉修っての。
 高杉は、美容師なのよ。
 美容師なら、髪切ってなんぼじゃない。
 ときに、メイクもするだろうさ。
 だけど、高杉は、洋服もやるし、帽子、靴まで作る。
 また、その洋服が、いいんだ。
 俺が、一日かかって作る洋服を、ヤツは、5分で作る。
 で、俺のよりはるかにいい。
 どう思う?有香ちゃん。不公平だろう。
だが、俺は、高杉に負けるのは、しかたないとしてる。
 あいつは、人間じゃないと思ってるから。
 妖怪かもののけだね。争わないのが正解。

 だが、もう一人、本木倖造ってのがいる。
 もうじき、じいさんだけどね。
 このじいさんが、また、にくい服を作るんだ。
大人しい服だけど、品があってお洒落なのよ。
俺のは、そんな品がないからさ、奇抜なのやって、ごまかしてる。
こういう悪あがき、ホントはカッコ悪いんだよね。
で、有香ちゃん、聞いてくれる。
俺、この本木じいさんと、コラボだよ。
『2人ファッションショー』ってのやるんだとよ。
あの本木倖造とだよ。
これ、デザイナーとして地獄だろう。
もう、毎日胃が痛くてたまらない。
有香ちゃん、俺、どうすりゃあいいと思う?
花ちゃんには、百ぺん聞いてもらってるから、
悪いけど、有香ちゃんに聞くんだけどさ。」

有香は、なんだか京介が、おかしくてたまらなかった。
憎めない人だと思った。

有香は言った。
「でも、本木倖造さんは、おっしゃってました。
 佐伯京介さんは、変な人間だが、腕は本物だと。
 その内、世界に羽ばたく人だと。
 佐伯さん相手に、自分は必死なんだと。
 そうおっしゃってました。」

それを、聞いて、京介は、目を輝かせた。
「ゆ、有香ちゃん。ほんとか?
 あのじいさんが言ったのか。
 俺の腕は本物だって。
 俺は、世界に羽ばたくだろうって。
 俺を相手に、必死だって。」
「はい。おっしゃいました。」
「おい、おい、おい、おい。花ちゃん、これどう思う。」
と京介は、花ちゃんを見た。
花ちゃんは、にっこりして言った。
「相手として不足はない、ということだと思います。」

「そうかい、そうかい。有香ちゃん、じいさんは、いくら買った?」
「700万円です。」
「そうか。花ちゃん、いくら持って来た?」
「900万円です。」と花ちゃん。
「よし。まず、布では負けられねえ。900万円買うぞ。」
京介は、そういうと、花ちゃんと二人で布選びに入った。
有香は、真剣に布を見る京介の横顔を見た。
その目は、京介のお茶らけた目ではなかった。
そして、選ぶ布を見た。
『ああ、また一人、本当に欲しいと思っている人が買ってくれる。』
有香の胸は、喜びにあふれた。

つづく

■次回予告■

倖造と佐伯は、同じ壁に突き当たります。
そして、その壁を突破する糸口を、二人で見つけます。



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有香シリーズ<第3話>「男の子に眠れる布を」

えっちでも女装でもないものを読んでくださり、
ありがたく思っています。
有香シリーズを、もう少し、書きたいなと思っています。
読んでくださると、うれしいです。

==============================   

有香シリーズ<第3話>「男の子に眠れる布を」


有香のお店に、夜の7時、母と男の子がやって来た。
男の子は、一目で重症のアレルギーの子だとわかった。
アトピーの子のように、皮膚はかさかさになり、そのヒビから、
血がにじみ出ている。
しょっちゅう体をかいていた。
4年生くらいの可愛い男の子だった。

有香は、布を広げるための大きな木のテーブルの横に、
丸テーブルを2つだし、自分は、作業椅子に座った。

「田原静香と申します。」お母さんが言った。
「田原健一です。」と男の子は、はきはきと言った。
有香も、自分の名を名乗った。
「メールでは、布アレルギーで困ってらっしゃるとか。」と有香。
「はい、ご覧のとおりです。あらゆる布がダメなんです。」
お母さんは、我が子を不憫に思い、涙を流した。

「では、カシミアとかガーゼ布も当然お試しになったのですね。」と有香。
「カシミアは、最後の希望でしたが、それがダメだったときは、
 悲しくて、健一と二人で泣きました。
 起きているときはまだいいんです。
 お薬が効いて、なんとか耐えられます。
 しかし、寝るとき体温が上がるためか、かゆくなり、眠れません。
 そんな日が続き、学校では何も集中できない有様です。」
「そうですか。なんとか、眠れる布を探したいですね。」
有香は、頭の中に考えを巡らしながら、そう言った。

「この店は、どうやってお知りになったのですか。」有香は聞いた。
「親戚にあたる子が、おばあちゃんに、アビュールという布でパジャマを作ったら、
 おばあちゃんのかゆみがなくなったと言っていました。
 その娘さんに、こちらのお店を聞きました。
 高名なウルトラ美容師さんの相棒である方だと聞きました。
 こちらのお店が、私達の最後の希望なんです。」

「わかりました。絶対大丈夫な布があるはずです。
 見つかるまで、根気よく探しましょう。
有香は、母と子の手を握り、元気づけた。

有香は、布見本として、1m×50cmの布を30枚ずつ綴じたものがあった。
それを幾束ももってきて、1枚1枚、健一の腕に当てた。
「健一君、どう?」と有香が聞く。
「これは、かゆいです。」と健一が答える。
肝心のアビュールは、ダメであった。

有香は考えた。
アレルギーは、よく親しんだ物が、ある日アレルゲンとなる。
日本にあまり出回っていない布ならOKである可能性が高い。
有香は、なるべく日本から遠い国の布の束を何束も持って来て調べた。

200以上の布を確かめたことになる。
しかし、全てダメであった。

お母さんは、有香が気の毒になり、言った。
「これは、あまりにも大変です。
 有香さんに申し訳なくてなりません。
 私達は、なんとかやっていきます。
 どうも、ありがとうございました。」
そう言って、立ち上がろうとした。

「おかあさん。それは、いけません。
 健一さんの生活すべてがかかっていることです。
 ここが、最後の希望と言ってくださったではありませんか。
 最後の希望は、なかなか沈みません。」有香は言った。
「ありがとうございます。」
と母は、目を潤ませた。

有香は、修に助けを求めた。
事情を話し、「修さんの布見本も試していい?」
「ああ、いいよ。」と修は言った。
有香は、修のサンプルのある2階に行く途中、あることをひらめいた。
『肌触りのいい布ばかり試して来た。そんな布とは限らない。
 麻のような、固い布の方がいいという可能性もある。』

有香は、もう一度、自分の布のところに戻った。
南米、南アフリカ、北欧、それらの、固い布のサンプルを持って来た。
そして、健一に1枚1枚あてがった。
「あ、これ、かゆくない。お母さん、お姉さん、この布、ぼく平気だよ。」
健一は嬉しそうに叫んだ。
それは、アフリカ南部に育つ低木から繊維を取り、布にしたものだ。
「ジャグル」という名で、麻ほどにごわごわしている。
「まあ、柔らかくないのに、これなら平気なの?」お母さんは言った。
「じゃあ、試してみましょう。」
とそのとき、修が、顔を出した。
母の静香は、『ああ、この方が、ウルトラ美容師。』と感激した。

「ジャグル」で、まず服を作ってみようと言うことになった。
みんなで、修の工房に言った。
そこで、母と子は見たのである。
修の魔法のような、服づくり。
ミシンを布が、滑るように速い。
瞬く間に、1着のパジャマが出来た。
「有香、パジャマだけじゃだめだよね。」と修。
「うん。最低、まくらカバー、シーツの上下。
 スリッパ。靴。外行きのシャツ。ズボン。
 体操服の上下。
 下着。すべて、替えを考えて、2着ずつ。」
修は、母に言った。
「ジャグルが合うならラッキーです。
 この布はとても安価です。
 有香、メートル200円くらいだよね。」
「はい。(お母さんに)うちはいい布を置いているつもりですが、
 高い布という意味ではないんです。
 今日、シーツの上下、枕カバー用の布と、パジャマをお渡しします。
 それで、1日寝てみて大丈夫なら、
 生活に必要なものを、修さんに作ってもらいます。
 10メートルで足りると思います。
 2000円ほど、ご用意ください。」
「まあ、夢のようなお話です。ありがとうございます。」
その横で、健一はにこにことしていた。

翌日、母と子が来た。
有香は、二人の表情を見て、結果がすぐにわかった。
「おかげ様で、昨夜、息子は、初めて安眠ができました。
 夢のようでした。ほんとにありがとうございました。」
「ありがとうございました。」と健一も頭を下げた。

3人で、修の工房へ行った。
すると、いろいろな物が全て出来上がって、
作業台の上に乗っていた。
「きっと大丈夫だと思いましたので、昨日のうちに作りました。
 肌に触れるところは、全部『ジャグル』で出来ていますよ。」
至れり尽くせりのものが、そこにあった。

「健一君。このランニング、着てみて。ジャグルじゃないんだけどね。」
と修は白いランニングシャツを渡した。
健一は、上の服を脱いで、そのランニングを着た。
「あ、これもかゆくない。お母さん、これも平気だよ。」と健一は言った。
「まあ、これは、なんという布ですか。」
「麻です。普通に売られている麻です。
 多分ですが、布アレルギーなら、なるべく肌にやさしいものをと、
 柔らかな物ばかり試され、ごわごわした麻は、
お試しにならなかったと思うんです。」と修。

有香は言った。
「そこで、逆も考えたんです。
 ごわごわしたものも、試してみようと。
 そして、ジャグルがOKなら、麻はどうかと思いました。」
修は、健一の母に名刺を渡した。
「そこは、麻製品の専門店です。
 全て、天然材で染めています。
 ここに行けば、靴から帽子まで、麻のものがなんでもあります。
 一度行ってごらんになるといいと思います。」修は言った。
母の静香は、何度もうなずいた。
「麻など、とんでもないと、初めから除外していました。
 麻が、大丈夫なら、もう困りません。
 ありがとうございました。
ここへ来て本当によかったです。
やはり、『最後の希望』でした。
ありがとうございました。」

料金を有香は、2000円いただいた。
修の作製費は、有香の依頼だからと、修は、有香に請求すると言った。

静香と健一は、たくさんの荷物を持って、何度も頭を下げながら、帰って行った。

「ああ、今日ほどこの仕事やっててよかったと思える日はなかった。」
有香は言った。
「よく、ジャグルを試そうと思ったね。あんなにごわごわした布なのに。」
と修。
「ほら、ごわごわしいてると、体に触れる面積少ないじゃない。
 だから、いけるかなっと。」
「わあ~、有香すごいや。そう考えたんだ。」
「ううん。これは、後から考えたこと。
 倉の2階へ行くときね、階段の木の板が、『ジャグル』ってきしんだの。
 それが、全て。」
「あはは、有香の耳の勝利だね。」
「そういうこと。」
二人は、くすくすと笑った。



■次回予告■
有香シリーズをなんとか続けるつもりでいます。
明日も、ちょっと覗いてくださいませ。




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有香シリーズ<第2話>「隆子の克服」

有香を主人公に、少し書いてみます。
今日は、第2話。少し長くなりましたが、
一挙に投稿します。1話完結です

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有香シリーズ<第2話>「隆子の克服」


海原隆子は、38歳。青山で布の店を営む店長だった。
店長と言っても、嫁いだ先の義母が所有者で、店長は名ばかりだった。
義母に当たる敬子は、布に対する優れた目利きであり、
店をどうしても隆子に譲ろうとしなかった。
敬子は、隆子には、布の良し悪しを見る目がないと思っていた。
そんな人物に、店は譲れないというのだ。

あるとき、敬子は、揺り椅子に座り、隆子に背を向けたまま、
「隆子さん。今度昔の仲間と1流のホテルで会うの。
 下手な洋服は着ていけない。
 このくらいの布で、スーツを作ってちょうだい。」
と、後ろにいる隆子に、50cm四方ほどの布を渡した。
「はい。」と言って隆子は布を受け取った。
『また、お母様の意地悪だわ。』と隆子は思った。
自分が、布を見る目がないのを、百も承知で、そんなことをする。

夫の義孝は、いわゆる御曹司で一流商社の重役だった。
子供はなく、母の敬子と妻の隆子と大きな邸宅に住み、隆子が店で働くことなど、
経済的には、全く必要がなかった。
しかし、隆子は、店の経営は好きだったし才能もあった。
ただ、布がわからないことだけが、玉に傷であったのだ。

ベッドルームで義孝は、隆子に言った。
「母さんは、君をいじめているんではないよ。
 君が、一日も早く布を見る目を持って欲しいと願っているだけだ。
 それが、辛かったら、いつでも店をやめていいよ。
 そうすれば、母さんも、君を鍛えようとはしなくなるだろう。」

「でも、それも、悔しいんです。
 あんな一等地に、店を構えていて、
 私がふがいないばかりに、店をたたむなんて。」
「なんだ、君はやる気があるのかい?」
「あるんです。この15年、布を見る修業を私なりにしてきました。
 それなのに、今やめるなんて。」
「じゃあ、母さんの挑戦を受けて立ちなよ。
 東京中探して、あの布と同等に優れた布を探すのさ。」

その日から、隆子は、東京中の布店を回った。
自分の個人的な目的のためである。
お抱えの運転士など頼まず、自分の足で回った。
何軒行っただろう。20件、30件・・。
店で、一番高い布を見せてもらった。
しかし、安い布との違いはわからなかった。
義母から受け取った布を見せることもした。
それは、いい布だが、素晴らしい布だという店主もいなかった。
ひょっとしたら、義母の布は、普通の布かも知れないとも思った。

1日5軒回って、1週間。
7月の暑さで、ふらふらになり、今にも倒れそうだった。
すると、前から素晴らしくセンスのいい娘さんが歩いて来た。
隆子は、コーディネーションならわかるのである。
目と目があった。
隆子は、藁をもすがる気持ちだった。
「あのう。」と声をかけ、手に持った布を差し出した。
「はい。」とその娘は言って、隆子の持っている布を見た。
「まあ、その布をどうなさったのですか。」と娘は言った。
「義母から、預かっています。この布は、特別にいい布でしょうか。」
隆子はすがる思いで聞いた。
「はい。めったに手に入らない、最高級の布です。
 ちょっと触ってみていいですか。」
娘は、そう言った。
隆子の胸に火が点った。
「はい、どうぞ。」
娘は布を触り、うなずいた。
「これは、アンデス地方で伝統的に手織りで作られている布です。
 地厚なのに軽くて、丈夫。織物の模様が、他では、真似ができません。」
隆子は、目を輝かせた。
「あなたは、まだお若いのに、どういう方なのですか。」

そこで、有香は、自分の身を明らかにした。
「あのう、いい布を見る目を養うには、いい布を見なくてはなりません。
 隆子さんも、たくさんいい布をご覧になれば、
 これが、いい布かと、お分かりになるようになると思います。」
「どうすれば、いい布に出会えますか。」
「そういいとは言えませんが、私の倉へ、いらっしゃいませんか。」
有香は、そう言って隆子を倉に誘った。

その日から、隆子は毎日有香の倉に通って来て、
一日布を触ったり、抱えてみたり、肩にかけたり。
また、飾ってあるいい布で出来たジャケットなどを着てみた。
10日ほどたったとき、隆子はうれしそうに言った。
「ああ、有香さん、あたし少しわかってきました。
 やっぱり、いい布に触れてみないとわからないんですね。」
「そうですか。じゃあ、本番勝負に行ってみませんか。」と有香は言った。
「本番勝負?」隆子は、首を傾げた。

翌朝の4時半、リカと隆子は、港の倉庫街にいた。
隆子はドキドキしていた。
やがて時間となり、二人は、おばちゃんの小屋へ行った。
すると、前に有香がいたので、隆子は驚いた。
有香の隣に、ねじり鉢巻きをした小柄でぽっちゃりしたおばちゃんがいる。
リカが隆子を紹介した。
男たちは、えらく品のいい女性が来たので、緊張した。

リカは言った。
「おばちゃん、新人さんが来たから、恒例の『勝負』をやってよ。
 隆子さん。勝てば、布を半額にしてくれるのよ。」
「おお、いいなあ。奥様、勝てるかなあ。」
などと、男たちはうれしそうにした。
「あたし、1反でいいんです。」と隆子は言った。
「よし、1反勝負だ。50分の1。当たるかな。」とおばちゃん。
「50分の1だとよ。これは、当たらねえや。
 奥様に悪いが、負けるに3万だ。」
「俺も、悪いけど奥様が負けに、2万。」
「俺は、当てるに2万。」
とみんな賭けに乗った。

「じゃあ、あたしが、先に紙に書いておくよ。」
とおばちゃんは、紙に布番号を書いて、それを折って胸のポケットに入れた。
「隆子さん。この中で、一番いい布を選ぶの。
 おばちゃんの選んだのと同じなら、勝ち。」リカは言った。
「あたしは、いい布というより、あたしが着せたい人に、
 いちばんよく似合う布を選びます。」
隆子は言って、布をよく見て、手で触り、やがて姿勢を正した。
「17番です。」隆子は、言って、おばちゃんを見た。
おばちゃんは、いつものように、上目づかいに隆子を見て、むふっと言った。
そして、隣の男に紙を渡した。
男は、紙を見て、「17番!奥様すげえ、大当たりだ!」
小屋の中に、歓声が湧いた。
隆子は、うれしかった。
うれしくて、涙が出てきた。
隆子は、有香を見た。
有香は、隆子にうなずいて、涙を見せていた。

いよいよ、義母に布を見せる日となった。
隆子は、恩がある有香を紹介したくて、
一緒に来てくれるように頼んだ。
広いリビングの上座のソファーに義母の敬子がいた。
眼鏡をかけ、綺麗に化粧をしている。
横に、夫の義孝。
敬子の正面のソファーに、隆子と有香が座った。
隆子は、まず、有香を紹介した。
手には、紙に包まれた1反の布を持っていた。

隆子は言った。
「お母さま。私は、いい布を探すために、
 東京の主だった布店に行きました。
 しかし、何がいい布かわかりませんでした。
 お母様にいただいた布を特別に誉めてくれる店主にも、
出会うことが出来ませんでした。
 失望して、どうしようかと立ち往生しているとき、
 素晴らしくセンスのいいお嬢さんを見ました。
 そして、すがる思いで聞いてみたのです。
 お母様から、いただいた布を見てもらいました。
 すると、こちらにいる有香さんは、布の良さをすぐに見抜き、
 その良さを詳しく語ってくださいました。

 有香さんは、いい布がわかるまで、
 ご自分のお店である倉に、何日でも来てくださいと言ってくださいました。
 私は、毎日通いました。そして、1日布と過ごしました。
 そして、10日ほど経ったとき、なんとなくわかったのです。
 いい布は、どこがどういいのか。
 ぱっと、心の目が開けた思いがしました。

 そして、有香さんは、友達のリカさんにたのみ、ほんとにいい布が手に入る、
 港の小屋へ連れて行ってくれました。
 そこにあった50ほどの反物の中から、
 お母さまに一番似合い、軽くて着心地のよさそうな布を、1つ選びました。
 これが、その布です。」

隆子は、紙で包まれたままの反物を、義母敬子に渡した。
敬子は、優しい眼差しを隆子に向けた。
「隆子さん。よくがんばったわね。その努力がうれしいわ。
 また、自分より優れた人なら、例えずっと年下の人でも、
 謙虚になって教わる。誰もができることではないと思うわ。

 隆子さん。私は、この反物を見なくても、
 私が大喜びをするものだとわかります。」

みんなは、「え?」と首を傾げた。
敬子は、少しお茶目な顔をして、
「種明かしをしましょうか。」そう言った。

敬子は、ポケットから、小さな紙を出した。
それを、開いて見せた。
『17』。
それは、あの小屋で、おばちゃんが書いた紙だ。
あっと驚いている、隆子と有香に、
「じゃあ、こうしたら、もっとわかるかしら。」
敬子は言い、眼鏡を取り、日本手ぬぐいを取り出すと、それをねじって、頭に巻いた。

「おばちゃん!」
「ああ、あのときの!」
と有香と隆子が言うのが、同時だった。

「そうなのよ。今まで、黙っていて悪かったわ。
 あのとき、私は、いい布というより、私が、一番着たい布を紙に書いたの。
 だから、あの小屋で、隆子さんが、17番と言ったとき、
 私は、どれほど、うれしく思ったことでしょうか。
 『着せたい人に一番似合う布を選びます。』という言葉も、うれしかった。
 
 私の倉には、有香に負けないくらいいい布があるの。
今まで、隆子さんを倉へ何度か招待しましたが、
 隆子さんは、あまり興味を示さなかった。

 でも、今の隆子さんなら違う。
 並んでいる布たちを、みんな宝石と見てくれるでしょう。

 隆子さん。その布をみんな、あなたにあげるわ。
 ほんとにいい布を欲しがっている人にだけ、売ってちょうだい。
 私は、またこれから、布を貯めていきますからね。」
隆子は、感激して、敬子のそばに駆け寄った。
「ありがとうございます。
 私は、17番を選べたことが、何よりうれしいです。」
隆子は、敬子の膝で泣いた。
敬子は、そっと隆子の背に手を当てた。
夫の義孝も、目の涙を拭いていた。

「そうか、そうだったんだ。
 隆子さん、よかった。おばちゃんもよかった。」
有香は涙を浮かべて、にっこりとした。



ここは、リカの工房。
「そうかあ、おばちゃんの正体は、大金持ちの大奥様だったのかあ。」とリカ。
「う~ん、びっくりした。」と有香。
「これで、隆子さんのお店が強敵になるね。」
「あたしは、敵とは思わない。
 いい布を売る店が、どんどん増えたらいいと思ってる。」
「そう思うの。」
「うん、そういう布がどんどん売れたら、
 生産国は、豊かになるじゃない。」
「あ、有香は、そういう考え方するんだ。
 ときどき感心するよ。」
うふっと二人は顔を見合わせ笑った。


■次回予告■

次回も有香シリーズで行きたいのですが、
アイデアが、まだ浮かびません。
でも、少し覗いてくださいませ。



1票くださると、うれしいです。

ファンタジー「有香の布のお店」

ウルトラ美容師の相棒・白金有香を主人公にして、
1話書いてみました。シリーズにできるといいのですが。
尚、ここに出て来る布は、架空のものです。

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ファンタジー「有香の布のお店」


午前4時。
夜明け前の港に、有香とおばちゃんがいた。
やがてコンテナが降ろされ、品物が次々と荷車で運ばれて来る。
ここは、布専門の取引所である。
布の束が、400反ほど並べられている。
6,7人の男が、反物を取っていく。
その中に、おばちゃんと有香の姿があった。
暗がりでも、服のセンスがよく、美少女の有香をおじさん達はジロジロと見る。

おばちゃんは28反、有香も28反仕入れ、それぞれに、お金を払う。
二人は、そこから、ベストな3反を取る。
あとの25反ずつを例の小屋に並べる。
「有香のその才能は、どこから来たんだろうね。
 普通は、このみち20年も30年もやって来て、やっとわかるようになる。」
「神様が、くれたんだと思います。あたし、普通の体じゃないから。」
「有香は、身体障害でもあるのかい?」
「いえ。生きていくには困りませんけど。」

「よし、今日は、競争だ。
 有香の25反とあたしの25反のどちらが売れるかだ。」
「わあ、楽しい~。」
プレッシャーを楽しいと感じるのも、有香の貴重な資質である。

男たちがくる。
おばちゃんと有香が並んでいる。
男たちは、可愛い有香を見るのが楽しみで、この頃人が増えている。

男たちが去った後、おばちゃんは、残った布を見た。
有香のは、完売。おばちゃんのは、5反残っている。
「有香に負けたよ。今日のしょば代なしでいいよ。
 今度は、有香が30反仕入な。あたしは、20反でいく。」とおばちゃん。
「わあ、あたし、認められたんですか。」と有香は聞いた。
「ああ、あんたの時代感覚ってやつが大切なんだ。大事にしなよ。」
「わあ~。」と有香は、胸の前で手を組んだ。

有香が修に出会ってから、2年がたった。
有香は、高校3年になった。
その間買い集めた布の置き場がなくなったので、
修は、美容室の隣の空き地に、倉を立てた。
2階が修の布置き場。
1階が、有香の布置き場兼有香のお店である。

有香が、倉に布を置いていると、リカが眠そうにやって来た。
「有香、布見せて。」リカが言う。
リカに見せると、
「わあ~、やっぱ、直売だと、こんなにいいもの入るんだ。
 これじゃあ、おばちゃん、相当いいもの貯めてるな。」と言った。
「うん。うきうきしちゃった。いい物、より取り見取りだもの。」
「有香も、そろそろお店始められるんじゃない。
 倉が、いっぱいになってきたよ。」とリカ。
「うん、そろそろ、ケータイに宣伝出そうかと思ってるの。」
「じゃあ、いよいよだね。」
「うん、いよいよなの。」

その日、有香は、ケータイに宣伝を流した。
「有香の布のお店=いい布ばかり置いています。」

反応は早かった。
その日のうちに、メールが来た。
相手は、高校2年の女の子だ。
約束は、夜の7時。(修の仕事と時間を合わせている。)

やって来たのは、小柄でぽっちゃりした女の子だった。
「小倉圭子といいます。」と言った。
「白金有香です。」
有香は、丸椅子を勧めた。
「家の祖母なんですが、今88歳で、介護ベッドです。
 車椅子には乗れます。
 祖母は、普通のパジャマだと、肌がかゆくなるんです。
 それで、天然素材のパジャマを、私がプレゼントしたいんです。
 うちは、母も働いていて、あたしは、おばあちゃん子で育ちました。
 だから、祖母の生きているうちに、何かおばあちゃん孝行と思って、
 パジャマを作ってあげようと思っているんです。
 体がかゆくならなくて、軽くて、できれば、柄物で、楽しい布はないでしょうか。」
「あの、ご予算を聞いていいですか。」有香は言った。
「貯金を全部はたいて、5万円です。」圭子は言った。

有香は、困った。
店では、すべて1反買いで売るつもりでいる。
すると、100万円近くする。
メートル売りにしても、1メートルが、3~5万円する。
ええい!初めのお客だ。何としても願いを叶えようと思った。

有香は、ケータイを持ち、隣の修にヘルプを頼んだ。
修は、すぐ来てくれた。
有香は、事情を話した。
その間、圭子は固まっていた。
「あ、あの、ウルトラ美容師の、高杉修さんですか。
 じゃあ、有香さんは、あの時の有香さんなんですか。」
と圭子は言った。
「うん、そう。」
「あたしも、あの時の有香です。」と有香は微笑んだ。
「わあ~、じゃあ、あたし、すごいところへ来ちゃったんですね。」
圭子は感激していた。

「有香、アレがあるじゃない。
 アビュールの布。あれだとカシミヤと同じくらい軽いし、
 天然素材。肌触り抜群。柄物もある。」
「そうか!」有香は喜んで3種類持って来た。

その布を見て、圭子は、「わあ~、ステキ。」と言った。
触って、よし。色の違う天然色の繊維でできていて、
一切、人工色がない。通気性、保湿性共に抜群。
珍しいものなので、1反100~200万する布だった。
「パジャマにするなら、上下で3mはいるわよね。」
と有香は、修に聞いた。
「あまった布で靴下を作ってあげられるよ。」修は言った。

圭子は、3つの内、好きな柄を選んだ。
「じゃあ、5万円でいいですか。」と圭子。
「全部使っちゃっていいの。5千円値引きしましょうか。」と有香。
「いえいえ。こんな素敵な布が手に入ったんですもの。
 早く、おばあちゃんに着せたいです。」
圭子は、そう言って頭を下げて帰って行った。

「あああ、あたし、商売人にはなれないみたい。
 今の布、メートル7万円はする。」と有香が言った。
「儲ける相手から、ドカンと儲ければいいんだよ。
 俺でも、5万円で売ってたと思うよ。」
「よかった。」と有香は、修の首に腕を回した。



5日後、圭子は、パジャマを完成させた。
それを、紙に包んで、リボンを付けてた。
2階から、飛んで降りて来て、
「はい、おばあちゃんに贈り物。」といって祖母に渡した。
おばあちゃんは、介護ベッドの上半身を立てていた。
家族たちがみんな集まって来た。

「まあ、うれしい。」
と祖母の妙子は、リボンを解いた。
「まあ、パジャマなの?」
「あたしが、布を買って、あたしが縫ったの。」
圭子は、得意そうにいった。
「そう、ステキな色だわ。」
妙子は、そう言って、パジャマに袖を通した。

「まあ、この布は、何て軽い。それに、肌触りがいいわ。
 カシミヤとは違う。柄があるもの。ステキな色だわ。
 圭子、これは、何ていう布なの。」妙子は聞いた。
「アビュールの布って言ってた。」
「まさか。それは、幻の布よ。めったに手に入るものじゃないわ。
 圭子は、きっと私の体のために、苦心して布を探してくれたのね。」
家族のみんなが、その布を触って、感激していた。
「この感触、最高だわ。おばあちゃん、よかったですね。」
と母の幸子がいった。

「アビュールのパジャマで、余生を送れるなんて、
 なんて幸せなことでしょう。圭子、本当にありがとう。」妙子はそう言った。
圭子は、有香と修の顔を思い浮かべた。
『あの有香さんのお店なら、本当は、もっと、もっと高かったはず。
 それを、5万円で売ってくれた。ありがとう。』
そう2人に心で言った。

アビュール。深い森の木に絡まっている幻の繊維。
樹液の色に染まり、すでに酸化されているので、
その色は、褪せることがない。


■次回予告■

有香の第2話を書きたいのですが、
少し、自信がありません。



1票くださると、うれしいです。

エッセイ 「小悪魔ってな~に?」

エッセイ「小悪魔ってな~に?」


最近気になっている言葉に、「小悪魔」というのがあります。
私、意味がよくわかりません。
しかし、言葉の感じから、想像することはできます。

まず、髪の毛は、茶色。
それを、ツインテイルにするか、
シュークリームのように頭の上に盛り上げている。
着ているものは、黒のお腹までのスケスケのネグリジェ。
肩見せ。
ネグリジェのボタンは、胸で1つとめて、後は開いている。
乳房がかろうじて隠れ、おへそが見えている。
ショーツも、もちろん黒。

「悪魔」だから、性格はよくない。
甘ったれで、鼻声で話し、我がまま。すぐすねる。
我慢を知らない。
しかし、「小」がつくので、どこか可愛げがある。
男は、「しょうがないなあ、まあ、いいよ。」と次々小悪魔のわがままを許す。
また、「小」が付くので、小柄である。
小柄で、くびれるところは、くびれていて、
首と足首は細い。
その他は、ブラマーである。
口紅は真紅。ピンクもあり。
前髪は、必須。

とまあ、これが、私が想像するところの小悪魔です。
あるNHサロンのママさんが言ってました。
「この頃、小悪魔志願の女の子が多いのよ。」って。
しかし、小悪魔が、私のイメージするような人だったら、
かなり恵まれた人ではないと、小悪魔になれない気がします。
さっきのママさんが言います。
「小悪魔って、一番むずかしいのよ。あの子達それがわかってないの。」
私は、小悪魔のよさが、わかりません。
もしそんな子が来たら、私は、(男として)逃げ出すことでしょう。
私の一番苦手なタイプですから。

私が、サロンで、もし2時間を共にするなら、
大人しく、清楚で、恥ずかしがり屋の人がいいです。
私のつまらない冗談でも、無理して笑ってくれる人。
こんな人がいいです。

演技でも、いいんです。
小悪魔を演じるより、
清楚な人を演じる方が、よっぽど簡単だと思います。
あまりしゃべらず、にっこりして、はずかしそうにしていれば、
それで、十分ですから。
小悪魔は、お客さんとのギリギリのバトルをしなくては、いけない気がします。

なんで、小悪魔のことなんか書いてしまったのでしょう?
多分、私の街に、ニューハーフさんのサロンが、3つもあるからです。
(もちろん、行ったことはありません。)
私が街を歩いていて、ニューハーフさんに会うはずですね。
会ったときは、もちろん「こんにちは。」と挨拶します。
すると、100%近く、にっこり「どうも。」なんて言ってくれます。
私は、感じの悪いニューハーフさんに、会ったことがありません。
(たいして、会ってないからでもありますが。)

そういう私も、(自叙伝にありますように)ゴールデン街で、
4年間も、ニューハーフをやったのでした。
考えてみたら、道で会う彼女達は、お仲間なのでした。
ニューハーフの皆さん、がんばってくださいね。
そんな気持ちです。


■次回予告■
また、エッセイになるかも知れません。
物語を書きたい気分なんですが。



1票をくだされれば、うれしいです。

エッセイ 「また一人になって」

エッセイ 「また一人になって」


昨日、母の「納骨式」があり、母は父のお骨とならんで、
お墓の中に入りました。
これで、母は、49日の旅を終えて、極楽浄土に行き、父と会えたはずです。
よかった、よかったと、親戚一同で言い合いました。
普段一人の生活の私は、家族や親戚と会えて、やっと寂しくなくなりました。

しかし、まだ母のマンションにいる私は、家族と別れて、また一人になりました。
『さすがに、淋しいなあ。』と思いながら、
マンションへの道を歩いていました。
私の気分とは、裏腹に、通りは若い人であふれています。

その内、女装子と思える2人とすれ違いました。
かなり、可愛い2人でしたが、
すれ違うだけでは、私も声をかけることができませんでした。

ブログのことです。
私は、今までいただいたコメントを、何度も読み返します。
そして、とても誉めてくださっているコメントを読むと、
そこの記事を読んでみます。
1つ記事を読むと、ずるずると物語を読んで、
その物語を全部読んでしまったりします。

昨日は、ある方の「ウルトラ美容師」にくださったコメントを読んで、
「ウルトラ美容師」の「ウエディング・ドレス」の話を読みました。
すると、なんだか泣けて来てしまい、
『自分で書いたものを読んで、泣くなんて、恥ずかしいなあ。』
と思いながらも、読んでしまいました。

私は、書いているときも、書きながら泣いてしまうことがあります。
そのときも、『書きながら、泣くなんて。』と少し恥ずかしいなと思いながら書きます。

昨日、「お兄ちゃんは、空全部なんだ。」
というセリフが出て来る話を探して、それも読みました。
これは、ある高校の体育部で、顧問がある部員に40発のビンタをして、
その部員が、自死をしてしまったという実話を元に、書きました。
スーパー洋子シリーズですが、洋子の人格が、いつものお茶目な人格と違って、
真面目で、大人しい洋子として書きましたので、別の形で投稿したように思います。

このお話は、いわゆる復讐物で、私の本分としないところなのですが、
私は、何度も何度も読み返しました。
なぜか、読みたくなるのです。
私の中に、劣等感を抱いた学校時代もあって、
そういうものが、このスーパー洋子を読むことで、解消していくような気がしました。
「剣道部」から始まって、最後は、兄に40発のビンタをした顧問のいるサッカー部を倒して、終わります。
全部の終わりは、ハッピーエンドなのですけどね。

夜は、テレビでも見ればいいのですが、
こんなことをして、過ごしています。


■次回予告■
何か書きます。覗いてくださいませ。



1票くださると、うれしいです。

エッセイ  「納骨式」

エッセイ 「納骨式」

今日は、母の「納骨式」です。
これで、母のお骨は、お墓の中に入り、父のお骨と一緒になります。
私の部屋には、母の仏壇がなくなり、
私は、どこを向いて母に向き合っていいかわからなくなります。

しかし、「千の風にのって」という歌を聞きました。
歌詞を聞いて、そうだなあと思いました。

♪私のお墓の前でなんか 泣かないでください
 そこに私はいません 眠ってなんかいません
 千の風 千の風になって
 あの大きな空を 吹きわたっています

これが、1番ですが、こう思うのが、いちばんいい気がします。

偶然なのか、私は、ずっと前に書いた物語で、兄を失った妹が、
「お兄ちゃんは、空の全部なんだね。
 どこにいても、私を見ているよね。」(新スーパー洋子「対サッカー部」)
というような言葉を言わせています。

作品のことです。
私は、季節的に3月は落ち込むのですが、
けっこう作品を書いていました。
・「星野ヶ丘野球部」全5話
・「トミーおばさんの贈り物」全2話
・「ウルトラ美容師 高杉修」全11話
・「倉田洋子建築課構造審査員」全2話
2月の末から3月までに、これだけ書きました。

この4つの作品を、私はみんな気に入っています。
なんだか、穏やかな気持ちで書けた気がしています。
中でも、「ウルトラ美容師」を書いていた11日間は、
とても幸せでした。

お話を合計すると、20話です。
1ヶ月の内、20日も物語を書いていました。
私としては、驚くべきことなんです。
物語を1つ書くたびに、「もうダメ。」「もう書けない。」と思います。
またその内、物語が思い浮かぶとうれしいです。

なんだか、話題が、題名から逸れてしまいました。
今日から、母は、「千の風」です。
暑い日には、きっとそよ風になって、
私の頬を撫でてくれることでしょう。


■次回予告■

まだ、物語ができそうもありません。
何か、書くと思います。覗いてみてくださいませ。



このバナーを押してくださるのは、150人中、お1人の率なんです。
ですから、1票を、とてもありがたく思っています。

エッセイ 「思うこといろいろ」

エッセイ 「思うこといろいろ」


都心の母のマンションに、私は、まだいます。
もう、2か月になります。
さすがに、家が恋しいです。
誰もいないなら、女装をすればいいようなものですが、
やはり年ですね。
1度女装をすると、がっくり疲れてしまい、なかなか次にやる元気が出ません。
この前、「これが今の私です」として載せた写真を撮って以来です。
あの写真は、カメラの感度を高くして、白く写るようにして、
年をごまかしました。

このマンションは、ごみを出す大きな部屋があります。
そこへ行くと、たまにファッション雑誌が置かれています。
私は、たいてい1冊もらいます。
部屋で見ます。
綺麗でスタイルのいい女性を見ると、とても幸せな気持ちになります。
髪型やファッションを見ます。
気が付きました。
スカートの上のブラウスは、絶対OUTの時代が続いたと思いますが、
何人かINにしているモデルさんがいました。
一人や二人ではありません。
INもありの時代が来たのでしょうか。
街でも、INの女性を見かけます。

もう一つ、女性の眉が太くなっています。
私の若い頃は、「若者は太眉、年配が細眉」という法則がありました。
(オードリー・ヘップバーンは、太眉でした。
 マレーネ・デートリッヒは、細眉でした。)
今、十歳代の歌手やタレントの娘さんは、太眉が多くなっている気がします。

私は、青年向けの肌見せ少女より、
ちゃんと服を着たファッション少女を見る方が好きです。

通りは、若者にあふれているのですが、
その中に、ストッキングにスーツの若い人が見られます。
就活でしょうか、新入社員でしょうか。
肌色のストッキングの女性を見ると、私は、胸がときめきます。

そうそう、このマンションに、ファッション・モデルさんがいます。
この前、玄関の郵便箱の部屋でバッチリ会いました。
私は、思ったことが、口に出てしまうので、
にっこりして、
「ファッション・モデルさんですか。」と聞きました。
「ええ、そうです。」
「お綺麗ですね。」
「ありがとうございます。」と彼女もにこっと笑顔を見せてくれました。
私は、すごく幸せな気持ちになりました。
モデルさんの実物は、人間離れしたスタイルだなあと思いました。

彼女とは、これからも、たびたび会うでしょう。
お話するのが、楽しみです。

明日は、母の納骨式です。
それが、終わっても、私はここに、あと2週間はいます。
ここを去るのが、うれしいような、淋しいような。
でも、家族と暮らすのが、本来の姿でしょう。
ここでの生活の1日1日を、大切にしたいと思います。


■次回予告■

物語を書きたいのですが、思い浮かびません。
何か書いているか、見に来てくださるとうれしいです。




1票くださると、うれしいです。

物語を書いてみました<物語・後編>

調子に乗って、範囲外まで、書いていまいました。
長くなりました。読んでくださるとうれしいです。

=============================

「物語を書いてみました」<後編>


「涼子は、脇の下がまだなら、他のところもみんなまだね。
 お髭もないし、すねの毛もまだ。」
恵子は、涼を点検するように、調べる。
「あそこもまだかな?」恵子は、涼のバスタオルのその部分を持ち上げた。
「あ、少しあるのね。わかったわ。」
涼は、何がわかったのか、わからなかった。
「じゃあ、女の子の下着着ようか。
 一人で、着られるでしょ。はい。」
恵子は、涼に、下着を手渡した。
「あたし、後ろ向いてるから、その間に着て。」
「はい。」
涼は、震える手で、下着を受け取った。
全部白だった。
バスタオルのまま、ショーツを着けた。
手が、ブルブルと震えてしまう。
バスタオルをとって、ブラを着けようとした。
感動のブラである。
紐の輪の中に、腕と肩を通し、後ろ手でホックを止める。
そのポーズは、涼にとって、一つの憧れだった。
やっとの思いで、ホックを止めた。
そして、スリップ。
下の方が、短いフレアのスカートになっている。
可愛い。
上からかぶるのか、下から履くのかわからない。
なんとなく上からかぶった。
ああ、スリップはステキだ。
一気に女の子の体のラインを作ってくれる気がした。
涼はうれしくてたまらなかった。

「恵子さん、着ました。」
涼が言うと、恵子は涼を見て、
「わあ、可愛い。涼子は、背の割に脚が長いのね。
 もう、女の子じゃない。お人形みたいよ。」
と恵子は言った。
「じゃあ、メイクして、ワンピースを着て、終わりよ。」恵子は言った。

恵子は、涼をドレッサーに座らせて、
丹念にメイクをしていった。
ファンデーション、アイライナーを引き、
上下のつけ睫毛を着ける。
涼の目は、みるみるぱっちりになって行った。
目蓋の上は、ピンク系のシャドウ。
チーク。
涼の眉毛は、女の子のように細かったので、
ファンデーションで色を消して、細く書き直した。
どうせ、前髪で隠す。
最後に、ピンクのリップ。
リップで、涼は、一気に女の子になった。

どんどん女の子の顔になって行く自分を見て、涼は、天にも昇る気持ちだった。
「涼の髪の毛は、そのまま女の子のヘアになるけど、
 どうせなら、ロングがいいでしょう。」
恵子は、そう言って、ふすまを開けて、ウィッグを持って来た。
恵子は、それを涼にかぶせた。
前髪は、7:3に分けたストレート。
他は、ゆるいカールのついたロング。
背の真ん中まである。

恵子がブラシを入れるに従って、
涼は、どんどんお人形のようになっていった。
涼は、自分の姿に目を見張っていた。
アソコが大きくなっているが、スリップのフリルが、
かろうじて隠してくれている。
「そうだ、胸にいれるね。」
と言って、涼子は、ストッキングを丸めて、ブラの膨らみに、左右入れた。
涼は、膨らみを触ってみた。
やわらかい。たまらなくうれしかった。

「さあ、ワンピを着るわ。」
恵子は言って、背中のファスナーを下し、
涼を服の中に入れ、ファスナーを上げた。
スカート部は、涼の膝まであったが、
涼は、脚が長く、綺麗なすねが、スカートから伸びている。
最後に、恵子は、大きなピンクのリボンのついたカチューシャを、涼の頭に差した。
完成。

涼は、鏡の自分を見て、興奮と感激とで、涙が出そうだった。
「恵子さん、ありがとう。ぼく、うれしくて、たまらない。」
「可愛いわよ。可愛い女の子よ。抱きしめたくなる。」恵子は言った。

「涼子、あたしもシャワー浴びて来るから、その間、
 鏡の前で、好きなだけ自分を見ているといいわ。」
 そして、心の奥まで、女の子になるのよ。」
そう言って恵子は、バスルームへ行った。
涼は、ドレッサーのストールに座って、じっと自分を見た。
これが、自分だと目が信じない。
自分の目で見て、可愛い。
『涼子、可愛いわ。』
心の言葉でそう言ってみた。
『あたし、女の子に見える?』
『見えるわよ。どこから見ても、女の子だわ。可愛いわ。』
『うれしい。ずっと女の子になりたかったの。』
『なれたじゃない。涼子、ステキよ。』
女の子言葉で話すと、もっとドキドキしてくる。

恵子は、シャワーからあがり、下着をつけ、
涼と似たようなワンピースを着た。
そして、着替え場の鏡で、涼と同じくらいのメイクをした。

後ろから、涼に近づいた。
「涼子、どう、女の子になれた?」
「わあ、恵子さん。メイクすると、ずっと綺麗。」
涼は、恵子の美貌に、また、胸がどきどきした。

「ね、ソファーに並んで、おしゃべりしよう。」
「はい。」
「涼子は、いつも自分を見ていた方がいいから、姿見を、涼子の前に置くね。」
恵子は、そう言って、涼が映るように、壁に姿見を置いた。
「女の子になれた?」
「ううん、心で成れても、実際には、言葉が出ない。」
「出せると思うわよ。」
恵子は、涼子の背中から、腕を肩にかけた。
「涼子、2週間に1度くらい、女の子になりたくて、
 気が狂いそうになるって、言ったじゃない?」
「うん。そう。」

「あたし、思うんだけど、涼子は、オ〇ニーまだ、知らないんじゃない?」
「ああ、そうなの。言葉は知ってるけど、どうやっていいかわからない。」
「それは、知ってなくちゃ、いけないわ。
 健全な生活遅れないわ。」
「いけないことじゃないの?」
「反対、大切なことよ。あたしが、教えてあげる。
 涼子、ショーツを脱いで。」
「うん。」涼は、腰を浮かして、ショーツを脱いだ。
スカートの一部が尖がってしまいはずかしい。

恵子が、涼のスカートの中に手を入れ、涼の大きくなったものに触った。
涼は、ぞくぞくした。
「涼子は、これから、心も女の子になるのよ。」
恵子は、涼のものを撫でながら、そう言った。
涼は、女の人に触られるのは、初めてだ。
それから、恵子の髪から、シャンプーの好い香りがして、たまらなくなっていた。
「あたしは、女の子」って言って。
涼は、ぞくぞくしてたまらずに、声が出た。
「あたしは、女の子。」
「あたし、感じてるっていうの。」と恵子。
「あたし、感じてる。」
涼は、ぞくぞくした感じに、たまらなくなっていた。
「いや~ん、感じるのっていって。」
「いや~ん、感じるの。」
「いや、いや、あたし、感じる。」
「いや、いや、あたし感じる。」
「お姉様、もっといじめて。」
「お姉様、もっといじめて。」
恵子の真似をして言っている涼の声が、だんだん本気になってきた。
そのことが、涼をますます興奮させていた。
涼は、恥ずかしさの壁を抜けて、自分から言った。
「お姉様、ああん、たまらない。もっと、もっと、いじめて。」
「いいわよ。涼子、可愛くてたまらない。」
「ああん、お姉様、あたし頭が変になっていく。
 なんか、出そうなの。お漏らししそうなの。」
「出すこと『イく』っていうの。あたし、イっちゃうっていうの。」
「あたし、イっちゃう、お姉様、イっちゃう。
 洋服がよごれちゃう。」

「わかったわ。」
恵子は、そういうと、涼のスカートをまくり、
涼の男の子を口に含んだ。
涼は、驚いた。お姉さんが、自分のものを口の中に入れてくれてる。
「お姉様。そんなことされたら、あたし、たまらない。
 ああ、出ちゃう、出ちゃう、お姉様、あたし、イっちゃう・・。」
それが、出るとき、涼は形容しがたい快感を覚えた。
生れて初めて体験する快感だった。
涼は、感動した。

恵子は、涼のそこを、綺麗に舐めて、
ショーツを履かせてくれた。
「涼子、今のを一人でするのを、オ〇ニーっていうの。
 これを、3日おきとかにすれば、気が狂いそうには、ならないの。
 涼子、今、落ち着いてるでしょう。」
「うん。やっと普通の気持ちになれた。」
「だから、オ〇ニーって大切なの。」

「女の人は、オ〇ニーしないの?どうやってするの。
 つまり、アレがないでしょう。」
涼は、無邪気に聞いた。
恵子は、少し笑った。
「するわよ。男の子より激しいかもしれない。」
「どうやってするの?」
恵子は、にこりとして、涼の右手を取って、それをスカートの中に入れ、
ショーツの中に入れた。
「あ、濡れてる。」涼は思わず言った。
「女の子は、感じると濡れるの。」
「知らなかった。」
「涼子が可愛いから、あたしも興奮したの。だから、濡れちゃったの。」
「ぼくが、恵子さんを濡らしちゃったの?」
「ぼく?」
「ああ、あたしが。」
「うん。最高に興奮したの。今度は、涼子があたしをイかせて。」
と恵子は言った。
そして、涼の人差し指を、一番のスポットに当てた。
「ここに、クリッとあるでしょう。
 ここを擦られると、あたし、悶えるくらいに気持ちがいいの。
 涼子みたいに、何か出たりしないけど、イっちゃったときが分かると思う。」
「わかった。お姉様をイかせてみる。」
「うん。」恵子はそう言って、ショーツを取った。
恵子は、脚を閉じていた。
涼は、その部分を擦りながら、恵子を見ていた。
「ああん、やっぱり人にやってもらった方がいい。」恵子は、うっとりして言った。
涼は、続けた。
ときどき恵子は、ぴくぴくっとする。
恵子の呼吸が、だんだん速くなっていくのが分かった。
恵子は、脚を少し開いた。
「ああん、涼子ので興奮したから、すぐにイきそう。」
「ゆっくりの方がいいの?」

刺激を続けるにつれて、恵子の脚はだんだん開いて来た。
呼吸が速くなる。
ときどき苦痛の表情を見せる。
「お姉様、苦しいの。」と涼。
「ううん、気持ちよすぎるの。」
恵子がだんだん、声を上げ始めた。
涼はびっくりしていた。
その内、恵子は、涼に抱き付いて来た。
「涼子、もっと、もっとあたしを犯して。」
「もっと、激しくってこと?」
「そう。もっと、もっとなの。」
涼が、激しくすると、恵子は、どんどん理性をうしなっていく。
それが、涼を刺激して、涼は、また復活しそうだった。
「涼子、涼子、キスして。お願い。」
涼は、何も考えず、恵子の唇に唇を重ねた。
恵子は、涼の頭を抱いて、強くキスをしてきた。
舌を入れて来る。
涼も入れた。
涼も、たまらない気持ちになった。

お姉様の脚が、大きく開いていた。
もう、すごく濡れていた。
その内、恵子の体が、微動を始めた。
それが、瞬く間に大きな振動になって、
恵子は、涼の唇を解き、大きな声を出した。
同時に、恵子は、脚を固く閉じた。
あ、あ、あ、あ、と恵子は、声を上げ、
「イく、イっちゃう、涼子、あたし、イっちゃう・・・。」
そう何度もくり返し、涼子は、腰を大きく上下し、ブルブルと震えながら、達した。
静かに波が引いて行くように、恵子はぐったりとした。

女の子がイくときって、すごいんだなあと思った。
涼は、完全に興奮してしまった。
さっきは、夢中でしてしまったキスを、
もう一度ていねいに、恵子にした。
恵子は、やっと薄目を開けた。


<おわり>


■次回予告■

まだ、アイデアがありません。
でも、ちょっと覗いて見てくださいませ。



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物語をこんなふうに書いてみました<その3>

物語をこんなふうに書いてみました<その3>


「物語をこんなふうに書いています」の締めくくりとして、
典型的なストーリーで、実際に物語を書いてみました。

〇ストーリー
 女の子の服が着たくてたまらない主人公は、あるお姉さんに声をかけられ、
 女の子の服を買ってもらう。そのまま、お姉さんのアパートで、女装を
 させてもらう。
〇主人公 田中涼 高校1年生 まだ、オ〇ニーを知らない。
〇季節 6月の下旬

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<物語>

6月も終わりに近づき、ノースリーブの女の子が増えた。
田中涼は、高校1年。
部活には入っておらず、まだ明るい商店街を歩いていた。
この通りは、近くに制服のない女子高校があり、
学校帰りの私服の女の子たちが、大勢前から歩いてくる。
みんな、銘々のオシャレをしている。

涼は、そんな女の子を見て、
胸が締め付けられるような気持ちになるのだった。
自分も、女の子の服が着たい。
その日、涼は、その気持ちを耐えがたく思いながら、歩いていた。
2週間に1度くらい、こんな日が来る。
女の子の服が着たくて、気が狂いそうになる。
涼は、まだ、オ〇ニーを知らなかった。

「買っちゃおうかな。」
ある洋服店の前で、涼は思った。
1980円の可愛いワンピースが、ショーウインドウに吊るされている。
涼は、お店の中に入った。
すると、目の前のマネキンが着ているワンピースがもっと可愛い。
肩見せで、ピンクに赤のレースがあり、メッシュのカーデガンを着ている。
涼は、マネキンから、5mくらい離れたところで見ていた。

涼は、女の子になれる日のために、髪を女の子のショートヘアほどに伸ばしていた。
背は、158cmで、Mサイズの女の子の服が多分着られる。
顔立ちも、女の子みたいだと、よく言われる。
あのワンピースを着れば、女の子に見えるかもしれない。
欲しくてたまらず、ごくりと喉を鳴らしてしまった。
でも、「これをください。」という言葉がどうしても出なかった。

そのときだった。
「あなた、あの服が欲しいの?」
と、耳元で、女性の声がした。
ふり向くと、赤いミニスカートに、白いブラウスの大学生くらいの女の人だ。
かなり綺麗な人だ。
涼は、なんと答えていいかわからず、うつむいていた。
「あなたは、女の子の格好がしたいんでしょう?」
お姉さんの言葉にドキンとした。
涼は、決死の思い出、うなずいた。
「じゃあ、あたしに任せて。」
そう言って、お姉さんは、買い物かごをとると、
涼を連れて、マネキンのワンピースと同じ物をハンガーから探して、
カゴに入れた。

次に、女の子の下着コーナーに連れて行く。
涼にとってそこは禁断の花園だった。
眩しくて見られない。
お姉さんは、いくつかの下着を、さっさと取っていく。
「これで、いいわね。」
お姉さんは、会計に行って、お金を払った。
「ぼくが払います。」
お店を出たとき、涼はそう言った。
「いいの。あたし、可愛い男の子を女装させるの好きなの。」
お姉さんがそう言った。
『女装』という言葉が、涼の胸の中に響いた。
また、胸がキュンとする。
「すみません。」と涼は言った。

「あたしのアパート、すぐそばだからね。」
お姉さんは言った。

やがて、オシャレなアパートについた。
お姉さんの部屋は、2DKだった。
『女性の部屋だ。』と涼は思い、また、胸がキュンとした。

「シャワー、浴びてらっしゃい。
 女装の前には、浴びた方がいいの。
 バスタオル出しておくから、女の子巻きにしてくるのよ。」

女の子巻き…その言葉が、また涼の胸を襲った。

シャワーを浴びた。
まだ、緊張して、あそこが大きくなって来ない。
涼は、ほっとした。

女の子巻きは、家でやったことがある。
風呂から出て、さっとやってみる。
すると、タイトなミニのワンピースのようになる。
涼が出来る、ただ1つの女装だった。

涼が出てくると、
「あら、もう女の子みたいじゃない。」とお姉さんは言った。
涼は、ドレッサーの前に座るように言われた。
「ちょっと点検。」
お姉さんは、そう言って、涼の腕を上にあげた。
「あ、脇の下まだなのね。つるつる。いいなあ。」お姉さんが言う。
「え?女の人は、生えないんでしょう?」と涼は初めて、まともに口を利いた。
「そう思ってたの?」とお姉さんは、笑いながら言う。
「はい。」
「生えるわよ。でも、綺麗に手入れしているだけ。」
「手入れって?」
「剃ったり、抜いたり、脱毛クリームで溶かしたり。
 面倒で大変なのよ。」
「そうなんだ…。」
女性にも生える。
その事実が、なぜか涼を興奮させて、あそこが大きくなって来てしまった。
「お姉さん、ぼく恥ずかしい。アソコが、大きくなって来た。」
「名前、言ってなかったわね。恵子。恵子さんって呼んで。」
「ぼく、涼です。」
「じゃあ、涼子ちゃんね。そう呼ぶわよ。」
「はい。」
『涼子』という響きが、涼を、ますます興奮させた。
涼は、胸がドキドキして、耐えがたくなり、
このまま恵子に抱き付きたい衝動にかられていた。

(つづく)

※すいません。寝不足で、ここでダウンしました。
 明日、ちゃんと最後まで書きます。
(典型的女装ストーリーっていいですね。書いていて萌えてしまいました。)




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エッセイ・物語をこんなふうに書いています<その2>

エッセイ 「物語をこんなふうに書いています」<その2>

以前に書きました、「物語をこんなふうに書いています」について、
『もう少し突っ込んで書いて欲しい。』
というメッセージをいくつかいただきました。
そこで、私が心がけていることや物語の種類などを、いくつか書きます。

〇「私小説」か「三人称小説」か。
「私は・・・」のように書かれているものを「私小説」といいます。
「彼は・・・」のように書かれているものは、単に「小説」と言われています。
この2つは、長短があります。
「私小説」は、常に話者が自分なので、視点が決まっていて、とても安心して読めます。
その代わり、誰かの心理を書けないことが欠点です。

一方、「小説」は、いろんな人の心の中の言葉を、自由に書くことができます。
例えば、
「太郎は、その花を見て、つまらない花だと思った。
 しかし、次郎にとっては、懐かしい花であった。」
みたいにです。

一般に「私小説」の方が断然書きやすいです。

〇季節、時間をなるべく早めに書く。
私は、よくサボりますが、「季節・時間・場所」は、なるべく早く書くといいようです。
例「木漏れ日の美しい、五月の昼下がり。」
と、冒頭に1行書いておけば、季節・時間・場所が大体わかります。

※季節や時間など必要のない物語もたくさんあります。

〇主人公の人物像を早く書く。
これは、放っておいても、書かざるを得ませんよね。
「見かけ、年齢、男女、」は必須です。

例「この四月で、高2になる、吉井弘は・・・。」
のように、後は、彼の容貌や趣味などを書きます。
私なんか、乱暴な書き方よくしてしまいます。
例「神崎宏美(男子)、高2は、女装の趣味があった。」すごい、強引でしょ?

〇とにかく最後まで書く。(表現よりも、ストーリー。)
若い頃、私は、どうしても一つの作品を書き上げることが出来ませんでした。
今、振り返ると、それは、「表現」に凝り過ぎていたからだと思います。
途中で、息切れがしてダメでした。

シンプルなストーリーを、まず始めから終りまで書いてみることが、
大切かなと思います。
例「女装趣味のある男の子が、決死の思いで、女性の下着を買い、
  家に帰って来て、初女装をするまで。」
例「平凡な高校生が、街でお姉さんに声をかけられて、
お姉さんのマンションで女装をしてもらう。すると、彼は、
超可愛い女の子に変身する。」
      ↑
(なんか、この先を書きたいですね。)
※どうしても、最後まで書けないときは、「つづく」とする奥の手があります。

〇最後です。たくさん会話を使うと楽しいです。
 物語を読む楽しみは、会話文を読むことにあると思います。
 書くときも、会話文を書くときがいちばん楽しいです。
 
 誰が言ったか明瞭に分かるときは、「と、〇〇は言いました。」をつけません。
 「と言いました。」「と答えました。」「と、びっくりとしました。」
など、いろんな言い方をすると、単調にならずにすみます。
また、「言いました。」を省略して、「と、敬子。」などとすると、
テンポがよくなります。

以上ですが、お役に立つことを書けた自信が、ありません。
楽しく書くことが、一番大切だと思います。


■次回予告■

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実話 『偽刑事からエルちゃんを救え!』

実話 『偽刑事からエルちゃんを救え!』

    =エープリル・フール記事ではありません=

これ、今日(昨日現在)の出来事で、ほかほかの実話です。
ご本人の承諾を得て書いています。

昨日、夜の10頃、インターネットがぷっつり切れました。
ああ、毎日更新しているのに、まずいよう…と、
あらゆる可能性を調べた結果、LANケーブルが切れていると判断。
そこで今朝、この街の電気屋さんを探して歩き回りました。
どこにもありません。
そのうち、気が付きました。
そうだ、新宿に行けばいいんだ!

新宿は、やはり賑やかです。
ホームを降りて、広い通路を歩いているとき、前の女の子に目が留まりました。
今の流行なのでしょうか。
脚が全部見える様なショートパンツを履いて、
Tシャツにカーデガンを羽織って歩いている女の子が、私の前を歩いています。
長い脚。長い髪。
私は、見とれていました。

その内、女の子は、バッグの中を覗きに立ち止まったのです。
私は、その隙に、女の子を追い越し、女の子の顔を見ました。
可愛い。
同時に、私は、長年の勘で思いました。
(ひょっとしたら元男の子。)

その子は、私を追い抜き、改札を出て、
東口を上って行きました。
ここで、お別れか、残念と思っていたら、
私の目的地である、電気屋さんに彼女も来たのです。

私は、3階で、LANケーブルを買い、さっさと店を出ました。
駅に入り改札を抜け、中央の広い通路を歩いていました。
すると、目の前に、またあの女の子が歩いています。
彼女と行動が一緒だなあと思って歩いていました。

すると、あまり風体のよくない男が、
するすると後ろから来て、彼女を呼び止め、何か話しかけます。
(一見酔っ払いが、女の子に絡んでいるように見えました。)
彼女は、立ち止まり困った顔をしています。
なぜ、相手にせず、行ってしまわないのだろう・・。
(その訳は、後でわかりました。)

『これは、放っておけない。』と私は、
3mほど横で止まって見ていました。

すると、すぐに、筋肉質な大柄な男が来て、
彼女に、さっと警察手帳を見せ、さっとしまいました。
(彼女は、初めの男に「警察だ。」と言われたのです。
 だから、無視できなかったのでした。)
私の目に、手帳の金の警察マークが入りましたが、怪しい。
刑事が、手帳を見せるときは、相手に対し、
きちんと手帳を静止して、見せなければならないのです。
だが、男は、ブック型の手帳を半ば開いただけで、しまいました。
(女の子が刑事に質問されているというのを、隠す配慮とも言えますが。
しかし、やっぱり変です。)
特に初めに来た男は、うらぶれた感じで、刑事には、とても見えません。
私の知る限り、刑事は、背広にネクタイが普通です。

偽刑事と完全に疑ってはいませんでした。
しかし、わざわざ駅の通路などで、職務質問などするでしょうか?
人のいちばん多く通るところです。
するなら、改札に入る前に、すればいいのです。
万引きなら、店内で店員が捕まえ、警察を呼ぶでしょう。
前から追いかけていた容疑者なら、もっと早く、
彼女が家を出たときに捕まえるでしょう。

電気店で、麻薬の取引がなされた。
それなら、電気店に押し込んで、現行犯逮捕でしょう。

私は、そばに寄って言いました。
「このお嬢さんは、ずっと私の前を歩いていて、
 同じ電気店に入り、偶然同時に店を出て、
 それから、ずっと私の前を歩いていましたよ。
 何かの容疑ですか?」
すると、大きい方の男が言いました。
「いや、少し手配中の女性に似ていたので、
 質問をしていたんですよ。」
私は、
「警察手帳ですが、私が見慣れているものと、少し違って見えました。
 それに、相棒の方は、手帳の提示をせず、お嬢さんを引き留め、
 何かおっしゃっていました。これは、規則違反だと思いますが。
 お二人で、このお嬢さんに、もう一度手帳を見せてあげてくれませんか。
(彼女に。)きちんと見えましたか?」と聞きました。
「いえ、きちんとは見えませんでした。」と彼女。

そのとき、二人の男は、目できょろきょろと会話をしていました。
「いえ、あなたが、彼女の行動をご覧になっていたなら、
 問題は、ありません。では、我々は、これで、失礼します。」
と、二人は、逃げるように去って行きました。

「わあ~、あの二人偽刑事だったんですか?」
と彼女は、目を丸くして、私に聞きました。
「どうだろう。かも知れないね。」
「初めの男なんか、ぐじゅぐじゅ何言ってるかわからなかったです。」
「刑事に見えないよね。」
「あたし、すっごく恐かったです。警察だって言われて、逃げられなかったし。
ありがとうございました。」
「いえいえ。」

「あなたが、あたしのこと『お嬢さん』って呼んでくださったとき、
 なんか、うれしかったです。あ、あたしニューハーフなんです。」
彼女は、明るい顔をして言いました。
「ほんと?ぼくは、ニューハーフさん、好きですよ。自分は、女装子かな?」と私。
「わあ、ほんとですか?あたしは、エル(仮名)って言います。」
「ぼくは、仮名だけど、小川です。」

「駅構内の喫茶店で、少し話ませんか。」と私は誘いました。
「そうですね。」とエルさんは言い、
私達は、駅構内のお店で、小さなテーブルに向かい合って座りました。

彼女は、サロンに勤めていて、
「ここなんですよ。」と名刺をくれました。
私達は、女装に関するよもやま話を、
楽しく話していました。

その内、私は、思って、
「ぼくね、ブログやってるんだけど、今日のエルさんとのこと
 ブログに書いていい?この頃、ネタ不足で困ってるの。」
「どうぞ、どうぞ。うれしいです。
 小川さんのは、どんなブログ?」とエルさん。
「この年でさ、写真ブログは、ないでしょう。
 だから、女装小説とか自叙伝とか書いてるの。」

このとき、エルさんは、はっと私の顔を見つめました。
「まって!小川さん、ひょっとして、『ラック』さんでしょう?」
「え、え、え、そうだけど、知っていてくれてるの?」
「毎日、読んでますよ。
 今日は、スーパー洋子が、建築家を説き伏せるところ。」
「わあ~!うれしいなあ。そこを投稿するために、
 ほら、LANケーブル、ここまで買いに来たんだよ。」
「ラックさん、オフ会とか顔出したことあります?」
「一度もないよ。」
「じゃあ、ラックさんの素顔知っているのあたしだけ?」
「うん、そう。」
「うひゃ~、やったー!」とエルさんは、喜びました。
「私の素顔なんて、何の値打もないでしょう。」
と私は笑いました。

「エルさんのお店の名前書いておきましょうか。」と私は言いました。
エルさんは、
「いいえ、あたし『謎の女』でいたいですから。」と言いました。そして、
「その代わり、お店で、これがあたしって、自慢していいですか。」と言いました。
「もちろんですよ。」と私。

最後にエルさんは言いました。
「ラックさん。警察手帳を見慣れているっておっしゃったでしょう?
 ひょっとしたら、刑事さんなんですか。」
「まさか。警察手帳を作る職人ってこともあるじゃない。」
「あははは、そうね。ラックさんってお茶目なんだあ。」とエルさんは笑います。
「お茶目は、少し軽すぎない?」
「そうねえ。軽いわよね。あはははは。」
っと、エルさんは、どこまでも陽気なのでした。


<おわり>


■次回予告■

話しが思い浮かびません。
今日一日考えます。



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プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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