スーパー洋子・桜ヶ丘学園の巻⑦「救われる白之梅学園」

女装場面もないまま、長く書いてしまいました。
いよいよ、次回、第8話で最終回となります。
読んでくださるとうれしいです。

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同じ日の昼である。
白川浩二は、疲れ果てていた。

白之梅学園は、とりわけパソコンに依存している学校だった。
例えば、職員会議も、教職員は、パソコンにカメラとマイクを取り付けて、
自分の教室にいながらにして行う。
職員は、学校へ朝来て、パソコンを立ち上げ、
一日中、ONにしていることが、常であった。

教員が、毎日授業で使う教材、問題プリントのほとんどは、
メインコンピュータに保存されたものから引き出し使っている。
このメインコンピュータのデータが全て失われたのである。
事務室から、校長、理事長のコンピュータに至るまで、
すべてのデータが破壊された。

各教員においては、生徒の成績データが失われたことは、
取り返しのつかないことだった。
外付けのメモリーにバックアップを取っていたものいない。
生徒の個人情報の持ち出しは、禁止だからであった。
そこで全員、メインコンピュータにバックアップを置いていた。
それが、自分のPCと共に全滅である。
それは、大変な事態だった。

パソコンを立ち上げると、
白と黒の渦巻きが画面を覆うようにぐるぐると回っている。
業者を呼んでも、白川浩二よりPCを知る者はいない。
その白川が全くお手上げなのであるから、絶望的だった。

白川は、この3日間、何も仕事ができないでいた。
食事も喉を通らない。
考えれば考えるほど、取り返しの付かないことに気づいて行く。

浩二は、あのときのプログラムを全部覚えているほどだった。
それを、くり返し思い出し、何度考えても、
一つのキーを押しただけで作動するプログラムはなかった。
また、そんな破壊プログラムを作ることはほぼ不可能なのだった。
わからない。どうしてもわからないのだった。

ここまでくれば、出来ることは、ただ一つだった。
桜ヶ丘高校に行き、頭を下げ、
あのプログラムを作った人物に、
失われたデーターを復元できるかどうか聞いてみることだ。
そのためには、これまでしてしまったことを、全て正直に言うしかない。
ヤクザに頼んで、四羽ガラスに不良クラスを作らせたこと。
桜ヶ丘のデータを盗んでいたこと、すべてを話さなければならない。
すべて、犯罪である。
自分一人が罪に問われるならましだ。
だが、責任は理事長、校長に及び、自分を含め皆、辞職となるだろう。

だが、他に方法はない。
白川浩二は、観念し、校長室のドアを叩いた。



その日の午後6時に、白之梅学園の理事長、校長、副校長の白川が、桜ヶ丘高校を訪れた。
桜ヶ丘も理事長、校長、副校長、そして、洋子が呼ばれ、応接室で対面した。

桜ヶ丘の理事長の大川純は、先代の後を継いだばかりで、まだ32歳。
優れた経営の才能と、人間的な温かさを合わせ持った魅力的な人物だった。
いつも、ざっくばらんな話し方をする。
洋子は、理事長が大好きであった。

白之梅の3人は、ソファーを下げ、床に座り、両手をついた。
そして、理事長が、桜ヶ丘にやってしまったことの全てを、
涙ながらに、告白した。
そして、自分達が、警察に自首する代わりに、
学校のコンピュータを復元できるなら、その方法を教えて欲しいと懇願した。

桜ヶ丘の大川理事長は、わかりましたと言って、
3人に手を上げてもらい、ソファーに座ってくれるように言った。
白之梅の3人は、ソファーに掛けなおした。

大川純理事長は、洋子に聞いた。
「洋子ちゃん、あれ、復元できるの?」
洋子は言った。
「もちろんです。ウイルス・プログラムを作るときは、
 必ず、復元ソフトを作ります。」

白之梅の三人は、目を大きく開き、安堵の色を見せた。

大川理事長は、桜ヶ丘の校長、副校長に聞いた。
「うちが黙っていればさ、白之梅さんのしたこと、犯罪にならないよね。」
「そう、思います。」と校長。
理事長は、さらに言った。
「ハックされたものは、つまらないものばかりだし、
 2-Cは、立ち直って、洋子ちゃんのお陰で、
 今じゃ、学校で一番活気のあるクラスになってるし、
 実害はないに等しいよね。
 だから、どう?全部忘れて、白紙にしない?」

「賛成です。」と校長と副校長は言った。
洋子も、それで良いと思っていた。
さすが、理事長である。

大川理事長は、白之梅の3人に言った。
「なにね、私は、白之梅の生徒さん達のことを思うんですよ。
 学校の上層部で、そんな企みがあって、
 理事長以下、お3人が逮捕などされてご覧なさい。
 新聞に出るかも知れない。
 そのとき、いちばん可哀相なのは、生徒達でしょう。
 憧れて、苦労してやっと入った学校です。
 その学校に、胸を張って通えなくなる。
 生徒たちには、何の罪もないことです。
 だから、そういうのは、やめましょうよ。

 私ね。男子高や女子高に対して、共学の私立は、互いに協力して、
 共学の私立全体が高まっていって欲しいんですよ。
 共学どうし、足を引っ張りあうのではなくて、
 みんなで協力して、共学のよさを広めれば、
 どの共学校にもいい生徒がたくさん来る。
 
 いい教材ができれば、それを共学校同士で、共有する。
 または、体育祭、文化祭などで、進んで交流する。
 これで、お互いの学校がいい刺激を受け、いい意味での競争が生まれる。
 こんな風にやっていきませんか。

 白之梅さんとうちが、そういうことをしていれば、
 他の共学校も真似をしてくれるかもしれない。
 
 どうでしょう。これを機会に仲良くして、
 互いに学校を高めていきませんか。

 それでも、お三人が、申し分けないと警察に自首されても、
 私達が、被害を認めない限り、追い返されるだけだと思いますよ。」
大川理事長は言った。

「ありがとうございます。私達が犯した罪は、
 今おっしゃっていただいたことに全力で取り組むことで、
 償っていきたいと思います。」
と、白之梅の理事長は涙ながらに言った。
あとの二人も同様に涙を浮かべて頭を下げた。

洋子は、USBメモリーを、白川の前に置いた。
「これに、修復プログラムが入っています。お受け取りください。
 これを差し込んで、PCを立ちあげれば、
 100%データが復元され、どのPCも動くと思います。」

「ありがとうございます。救われます。」
と白川は、そのメモリーを拝むようして受け取った。
そして、洋子に聞いた。
「一つ教えてください。
 あの破壊プログラムは、どこに書き込まれていたのですか。」
と、白川は聞いた。
「プログラムの最後に書き込まれていて、それを非表示にしていたんです。
 その非表示の部分に、一文字でもキーが打たれたら、
 破壊プログラムが作動するようになっていました。」
と洋子。

「すばらしい。しかし、書いたPC言語を非表示に出来るなんて、聞いたこともありません。」
「私が自分で考え作りました。」
と洋子は言った。
「本当ですか。素晴らしい。ありがとうございました。」
と白川は、頭を下げた。

3人が帰るのを、桜ヶ丘の4人で、玄関まで見送った。
4人が見えなくなったとき、理事長は、
「ちょっと、俺、かっこよさすぎたかな?」と言った。
「いえ、さすが理事長。感動しました。」と校長。
「洋子ちゃんは、俺がああ言うと予測してたでしょ。
 だって、USBメモリーちゃんともって来てた。」と理事長。
「いえいえ。ソファーを持上げて、あの3人の方に、投げつけると思っていました。」
と洋子は言った。
「それも、いい選択肢だな。」と理事長が笑い、みんなで笑った。

梅が丘の3人は、学校へ着くなり、洋子からもらったUSBメモリを差し、
メイン・コンピュータを起動させた。
パソコンが立ち上がると、白黒の渦巻きが、みるみる消え、
正常な画面が現れた。
全てのデータが、復元されていた。

それを見て、白川浩二は、泣いた。
目を手で覆って肩を揺らして泣いた。
理事長は白川の肩に手をかけて言った。
「さすがの白川くんも、今度ばかりは、完全に助けてもらったね。」
「はい。こんなにありがたいと思ったことはありません。」
白川浩二は、涙の目を拭きながら、そう言った。


つづく(次回は、「青空に向かって」最終回です。)

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スーパー洋子・桜ヶ丘学園の巻⑥「健太と奈々の実力」

区切るところがなくて、少し長くなりました。
読んでくださると、うれしいです。

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『わからない。先生がちゃんと見ていなければ、×などつけられない。』
冴子は、席にもどり当惑した。
普通、瞬時に解ける問題ではなかった。
冴子は、席について、ぼんやりしていた。

そのうち、隣のせきの島崎健太が、
「橋爪さん。×がショックだったの?先生に見せた問題見せて。」
と言ってきた。
冴子は、健太には、どうせ分からないと思いながら、見せた。
健太は、冴子の回答と問題を見た。
見たのは、ほんの5秒程度だった。

健太は言った。
「橋爪さん。先生を試すようなことしちゃだめだよ。」
「え?」と冴子は、図星を突かれて胸がドキンとした。
「ぼくでも、5秒で解ける問題だよ。
 鉛筆で書く時間を入れて10秒。
 天才アカデミー卒業の君が間違えたりしたら、アカデミーの名を汚すよ。
 君が、わざと間違えて、先生を試したなら、それは、先生に大変失礼なことだよ。
 君は、アカデミーで、先生を試すようなことした?」
健太が言う。
「いいえ、そんな失礼なことしないわ。」
冴子は、必死に言った。しかし、実際自分は先生を試したのだった。
冴子は、良心の呵責にあい、辛くてうつむいていた。

そして、この島崎健太という生徒はどんな生徒かと思った。
自分が15分かかった問題を、健太は、わずか数秒で答えを得ていた。
こんな生徒は、天才アカデミーにもいなかった。
可愛くて、中学生のような生徒なのに。

冴子は、今度こそ真面目にやろうと、必ず時間がかかる問題をバッグから出した。
T大入試の英語の問題である。
新聞で発表になったものだ。
長文は、新聞の見開きのほぼ全面を埋める量だ。
冴子は、その中の、
「文中のthe top secret(極秘) とは何か。簡単に記述せよ。」
という問題の答えをノートに書き、問題文を持って、列にならんだ。
英語の環境で育った冴子でも、15分かかった。
正解は、暗号を解かなければならない。
そのために、全文を読まなければならなかった。
それが、難解で、さすがT大の問題だと思った。

やがて、番が来て、解答を洋子に出した。
洋子は問題文を受け取って、新聞の長文を開いたかと思うと、
もうそれを、折りたたみ、冴子の答えに、×をつけた。
問題文を1秒と見ていない。

「うそだ。」と冴子は思った。
自分の答えは絶対合っている。
先生は、長文をさっと見ただけだった。
1秒も見ていない。
それで×をつけるのか。
あれだけの長文を、さっと見ただけで理解できる人などこの世にいない。
速読の名人でさえ、かなわないことだ。しかも、日本語ではない英文なのだ。

席に着いて考えていると、隣の健太が話しかけてきた。
「橋爪さん、どうしたの。先生が間違えることは、まずないよ。」
「この問題なの。」と冴子は、素直に健太に見せた。
健太は、長文を20秒ほど見た。
「あはは。なるほど。」と言った。
横の奈々が、
「私にも見せて。」と言ったので、健太は奈々に問題文を渡した。
奈々も、健太と同じくらい、20秒ほど見て、新聞を返した。
「それで、冴子さん、×をもらったの?」と奈々。
「うん。びっくりした。絶対合っている気がするの。」
「あわて過ぎだよ。もっとゆっくり見てごらんよ。」と健太は言う。
奈々も、「そうよ。よく見て。」と言った。

え?と冴子は驚いた。
健太と奈々には、×の意味が分かるというのか。
冴子は15分読んで答えた。
それを、洋子でもない健太や奈々が20秒ほどしか見ない。
そして、自分にアドバイスしてくる。
冴子は、あり得ないと思いながら、ゆっくりとみて見た。

そして、気が付いたのである。
文中では、tap secretと、topがtapになっている。
これは、新聞に転載するときの誤植だ。
問題は、「文中のthe top secret ・・・・」とある。
文中にtop secretという文字がなければ、回答不能である。
正解は、「ノー・アンサー」だ。

冴子は、「『回答不能』ってこと?」と健太に聞いた。
健太はにっこりして、
「そう書くべきだと思うよ。」
「誤植がなければ、橋爪さんの答えでOKだと思う。」と奈々が言った。

ええ?と冴子は再度驚いた。
健太も奈々も、数秒見ただけで、暗号まで解読したというのか。
「あの、暗号も解読しちゃったの?」と二人に聞いた。
「それは、もちろん。」と二人はにっこりとした。

冴子は少なからず、ショックを受けた。
子供のときから神童と呼ばれ、
イギリスの「天才教育アカデミー」で、
11年間ハードなカリキュラムをこなし、卒業した自分だ。

その自分が、母国語ともなっている英語の問題を解くのに、
健太と奈々の二人に、圧倒的な遅れをとったのだ。
信じられなかった。だが、事実であることは間違えなかった。

「ねえ。健太さんや奈々さんのようなすごい人が、どうして、
 天才アカデミーのようなところに行かなかったの。」
と冴子は、二人を天才と認めて言った。
「だって、ぼく達の子供時代や青春時代は、1度しかないんだよ。
 そこを駆け足で通り過ぎるなんて、もったいないよ。」と健太が言った。
「私も、そう思う。学園祭なんて、楽しいよ。」と奈々が言った。
「なるほど…、そうね。」
冴子の心に二人の言葉が重く残った。



中休みになった。
落ち込んでいる冴子を、健太と奈々は外にさそった。
爽やかな風が吹く、晴天の日だった。
クラスの女子が、ドッジボールをやっていた。
そんな遊びをやったことがない冴子は、もじもじとしていたが、
「お出でよ。逃げてるだけでいいのよ。」
と、奈々に言われ、中に入った。

今まで、運動なんかろくにやったことがない。
冴子は、楽しかったのである。
自分が一度も味わったことのない喜びであった。

終わったとき、冴子は汗をかいていた。
清清しく、爽快だった。
みんなに、昼休みにまたやろうねと言われ、うれしかった。



その夜、冴子は、洋子を困らせる問題として、
その1問を最後にしようと思った。
これは、数学の問題で、天才アカデミーでもとうとう誰も解けなかった問題である。
粘り強い生徒は、1ヶ月も2ヶ月も考え続けていた。
冴子も、日をおいて何度も挑戦した問題である。

冴子は、健太と奈々の分も、問題をコピーして行った。

翌日の授業が始まった。
「これ、天才アカデミーで、誰も解けなかった問題なの。
 2ヶ月も考えて、がんばった人も解けなかったの。」
そう言って、二人に渡した。
「わあ、ありがとう。ウキウキする。」と健太は言った。
「あたしもうれしい。やる気100%。」と奈々が言った。
三人は、1時間目から始めた。

さすがの健太や奈々も、頭を抱えていた。
「いい問題だね、これ。」と健太が問題の良さに感心して言った。
「ほんと。今日中に解けるかなあ。」と奈々が言った。
「洋子先生、また瞬時に解いてしまわれるのかな。」
と冴子は言った。
「この問題なら、洋子先生でも、瞬時は無理だよ。」と健太が言った。
「あたしもそう思う。こんな問題初めて。」と奈々が言った。

三人は、昼休みをとるのも忘れて、やっていた。
健太や奈々がこんなに考えているのを初めてみるクラスの生徒たちは、
みんな、集まってきた。
「わあ、すげえ。天才3人で考えて、まだ解けないんだ。」
「俺、問題の意味すらわからねえ。」
洋子は、ニコニコしながら、3人を見ていた。

三人は、昼の弁当を食べる間も問題を見ていた。
そして、5時間目、6時間目に入った。
まだ、誰もできない。
6時間目の半ばが過ぎた。
冴子が、「あ。」と声をあげた。
「もしかして、出来たかもしれない。」と冴子が言った。
「まって、ぼくも、もうすぐ。わあ、できたかもしれない。」と健太。
「まって、あたしも、できたかもしれない。」と奈々が叫んだ。
そういって、3人はほぼ同時に、「わあ、できた!」と歓声を上げた。
クラスのみんなが寄ってきた。
「3人が、6時間かけた問題。できたの?」
「すごい、合ってたら、いいね。」
「あたし、祈ってあげる。」

三人が、洋子に出すのに、みんなついてきて、
教卓の周りに集まった。
洋子に見せる前に、健太が言った。
「先生、また瞬時は、やめてくださいよ。
 6時間も、かかったんだから。」
「せいぜい、10分はかけてくださいよ。」と奈々が言った。

3人は、せーので、答案を見せた。
洋子はさらっと3人の式と答えを見た。
「キャー、すてき!おめでとう!」
と、3人の答案に○をつけた。
3人のみならず、クラス全員が、歓声を上げた。

「先生、また瞬時じゃありませんか。」と健太が言った。
「ほんとに瞬時で、解けちゃうんですか。」と周りの一人が言った。
洋子は、
「だって、この問題、あたしが作ったんですもの。」と言った。
クラス全員が、「えーー!!」
洋子は、
「実は、あたし、英国天才アカデミーの問題作成のアルバイトやってたの。
 最終学年の数学の担当。だから、冴子ちゃんが1年間クラスのみんなと解いて来たのは、
 全部、あたしの問題なの。ミス・リーにメールで送り続けてきたの。
 あるとき、ミス・リーに1ヶ月かかっても解けない問題を作ってくれって言われて、
 作ったのが、この3人のやった問題。
 1ヶ月を想定してたのに、1日で解かれちゃった。
 冴子ちゃん、健太君、奈々ちゃん。
 恐れ入りました。」
と洋子は頭を下げた。

みんなが、「うわあー。」と言って拍手をした。
「先生が頭下げて誰かを誉めたの初めてだよ。」
「先生もすごいけど、3人もすげー。1日で解いたんだぜ。」
みんなが、すごい拍手を3人に送った。
冴子は最高にうれしかった。
問題が解けた喜び。それを、みんなが祝福してくれる喜び。
そして、洋子のような先生の元で学んでいることの喜び。
初めて味わう喜びだった。
冴子は、ずっとこのクラスで、洋子の元で学びたいと思った。


つづく(次は、「白之梅学園副校長・白川浩二、涙する』です。)

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スーパー洋子・桜ヶ丘学園の巻⑤「神童橋爪冴子登場」

白之梅高等学園副校長・白川浩二。
学園の頭脳と言われている。
178cmほどの身長。
すらりとしていて、顔から知性がにじみ出ている。
校長は校長室があるが、
副校長は、職員室の黒板の前に、職員に向かって座っている。

4羽カラズが、何者かに倒されたとき、学校とヤクザの関係の全てを切り、
素早く証拠の全てを隠滅した。
白川浩二にとって、理事長とは、金を出す存在でしかない。
校長は、只の飾り物である。
自分こそが、学校を支配している。そう自負していた。

白川浩二は、知能指数が180~190と言われてきた。
仕事が出来すぎてしまい、毎日退屈でしょうがない。
放課後、浩二は、退屈しのぎに、パソコンを開いた。
学年初めの今、見てもしょうがないと思いながら、
桜ヶ丘学園へのアクセスを試みた。

いつもの通り、暗証番号を入れた。
桜ヶ丘の全てのデータバンクに通ずるはずであった。
ところが、
『暗証番号が違います。もう一度同じ番号を打つと、
 あなたのコンピュータのデータが全て、破壊されます。』
という文が出た。
「お。誰かが改造したか。」と思った。
これは面白いと、退屈でたまらなかった浩二は、嬉々となった。

浩二は、『では、正しい暗証番号をハックしてやろうじゃないか。』と思い、
プログラムを表示させた。
ずらりと何ページにも渡る数字とアルファベットの記号が書き込まれている。
浩二は、それを、まるでゲームでもするかのように、目を輝かせ見ていく。
「あった。2つ用意しているな。」
浩二は、一つを覚え、一般の画面に戻した。

暗証番号の欄に、その番号を入れると、見事、桜ヶ丘の内部ページが開いた。
「つまらん。2分で破られるような暗証番号なら、暗証番号とは言えん。」
と浩二はがっかりした。
開いた内部ページに、「教務」、「生活」、「研究」と3項目あった。

浩二は、まずは、「教務」と思い、そのアイコンをクリックした。
いつものクセで、ダブルクリックしてしまう。
(もう一度、ダブルクリックをすると、白之梅のデータバンクは破壊される。)
クリックをしても、何も出ない。
「なんだ、これは。まだ、未完成なのか。
 アイコンとデータがリンクされていないだけか。
 まさか、罠ではあるまいな。」
と100分の1の罠の可能性を危ぶみ、
浩二は、プログラムのページをもう一度開けた。

思った通り、ブログラムが完成されていない。
「教務」、「生活」、「研究」の文字を打ったところで、以下は白紙(ブラック)である。
カーソルは、最後の行の次のブラックのトップに来ている。
(つまり、behind screenの先頭の文字の上である。)
浩二が、もしそこに1文字でも打てば、壊滅プログラムが作動する。

『壊滅プログラムが、合計4つ作られていたが、ここで、力尽きたか。
 だれが作ったか知らないが、相手が俺だったということが、不運だったな。』
浩二は、せせら笑った。
浩二は、ハッキングに関しては、米国の国防省にも侵入できる自信を持っていた。
世界に自分の右にでるものは、5人といないと自負していた。

桜ヶ丘のプログラムは、比べて、まるで赤子の技である。
壊滅プログラムなどと、聞いて飽きれる。
まず、一つ目の破壊プログラムを無力化してやろう。
と、浩二は、キーボードに指をやり、
ブラックのところのカーソルをとうとう押してしまった。

その瞬間、PCの画面がめまぐるしく変わり、
画面一杯に、白黒の渦のようなものが、気味悪くぐるぐると回り始めた。

これは、ネットのウイルスではなく、学内のLanの中で発生しているウイルスである。
ふつう、学内のLanのために、ウイルス対策などしていない。

職員室の仕事中の教員達が、あ、何?え?どうしたの?と
口々に言い始め、立って右往左往した。
職員全員のPCが破壊されて行き、お手上げ状態である。
接続していない外付けのソフト以外、
PC内のハード・ソフトは、あっという間に全て破壊された。

健太と奈々が作った破壊プログラムと洋子のbehind screenによって、
白乃梅高等学園のデータは、過去10年間のものも含め、ほぼ全てが失われた。
とくに、事務室のデータが失われたことは、学校運営にとって、致命的打撃であった。
これでは、職員の給与も出せない。だれが、出張したのかもわからない。
全記録が消えたのである。

凄腕ハッカーを自負する白川浩二も、behind screenだけは、知らなかった。

白川浩二は、自分があるキーを押したとき、はじまったことであり、
自分にその責任があることがわかっていた。
しかし、ウイルスの仕掛けなどは、熟知している自分が、はめられることなど、
どうしても、あり得ないことだった。
いくら考えても分からず、浩二は、頭を抱えてデスクにうずくまった。

*    *    *

白之梅学園のコンピューターが破壊される3日前である。
白川浩二、信子夫妻の一人娘冴子が、イギリスから返ってきた。
冴子は、6歳のときに神童と呼ばれ、
それから、イギリスで天才児が集まる学校で英才教育を受けてきた。
IQが父浩二を上回り、200とも220とも言われていた。

その冴子を父は呼んだ。
冴子は、白いワンピースを着ていた。
背が高く、ほっそりとしていて、
希に見る美少女だった。

「今度は、どこで学ぶのだっけ。」と浩二は聞いた。
「はい。T大で、物理の博士コースに行き、細川賢治先生につきます。」
「そう。だがその前に1つ頼みがある。」
浩二は言った。

浩二は、T大に行く前に、桜ヶ丘高校に入学して、冴子の学力で、
2年C組の担任の倉田洋子先生を困らせてほしいと言った。
たった1週間でよい。
その担任の倉田という女性の先生は、
白之梅学園にとってよからぬ先生であるためだと言った。
浩二はそこまで言えば、賢い娘だ、父の心を察するだろうと思った。

白川夫妻は、夫婦別姓をとっており、冴子は、母の橋爪の姓を使っていた。

「はい。わかりました。」と冴子は言った。
冴子は、イギリスでも、橋爪を名乗っていたので、問題のないことだった。

二日後、橋爪冴子は、洋子と並んで、教壇の前にいた。
洋子は、冴子が、「イギリスの天才アカデミー」の出身者であることも伝えた。
クラスのみんなは、冴子の美貌と
「イギリスの天才アカデミー」の出身であることで、大注目した。
生徒たちは、大歓迎だった。

洋子のクラスは、生徒一人一人が、自分に見合った問題を用意し、
やったプリントや問題集の○×を洋子につけてもらう。
先生は、何も教えてくれない。
×の原因がわからないときは、次回もっとやさしい問題をもって来る。
やさし過ぎる問題をもってきてはいけない。

冴子は、この方針を聞いていたので、自分に見あった教材を持って来た。
冴子の席は、奈々、健太が並び、その右側が空いていたのでそこに座った。

教室は、先生に○をつけてもらうのを待つ生徒で中央に列ができていた。
みんな、冴子がどんな教材をもってくるのか、興味津々だった。

冴子は、とりあえず、昨年のT大の入試問題から、
数学の問題を一つとり出した。
一番むずかしい問題だった。
冴子には、1分ほどで答えの分かる問題だった。
冴子は、答えを書いて、列に並んだ。

洋子は、出されたものを、ぱっと見て、○か×をつける。

冴子は、自分の持っている問題は、先生には、解けないだろうと思っていた。
ところが、やっと順番が来て、洋子に渡すと、
洋子は、パッと見て、瞬時に○をつけた。

冴子は少なからず驚いた。
仮にも、T大の入試問題である。
自分でも、1分かかる。洋子は、瞬時だった。
冴子が天才教育を受けたことを知っているので、
どうせ合っていると踏んで、丸をつけたのか。

冴子は、つぎに、大学院向けの数学の問題をとり出し、
一番むずかしいものを、わざと答えを間違えて出すことにした。
これは、冴子でも、解くのに15分はかかる問題である。
これで、あてずっぽうで丸をつけたら、担任の程が知れる。

並んだ。
やがて、順番が来た。
洋子に出した。
洋子は、またもや瞬時に問題をみて、
なんと×をつけたのである。


つづく(次回は、「健太と奈々の実力」です。)


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スーパー洋子・桜ヶ丘学園の巻④『対決・最強ゴリラ男』

「あんた、自ら墓穴を掘ったのがわからない?」と洋子は言った。

超長身男は、洋子の言葉をせせら笑うように、
洋子の顔面にパンチを入れようと肘を引いた。
そのとき、洋子は、体で反動をつけ、両足を男の顔を挟むように振り上げ、
両足のかかとを、男の両こめかみに打ち込んだ。
はっとした顔をして、男は、洋子を離した。
こめかみを打たれて、両目が見えなくなったのだった。
洋子は、30分は、見えない状態が続く打ち込みをした。
0.5秒もかからない。

「そうか、長身男が、先生を持ちあげたのが、失敗だったんだ。」
と、健太が言った。
「すげえ。あと一人だ。」と勇次が言った。
「次のヤツは例外だよ。全身急所がないといわれているヤツだ。」小林が言った。

ゴリラのような大男は、洋子の前に立った。
短パン1枚履いて、後は裸だった。
「まさか、チビの女に3人がやられようとはな。
 敵ながら、あっぱれと言うところか。
 だが、オレは別格だ。」
男は、そう言って、自然体に構えた。
「なるほど、前身筋肉の塊なのね。」と洋子。
洋子は、試しに胸に足蹴りを入れてみた。
男は、びくともしない。
脚にケリを入れてみた。
これも、びくともしない。

「すごいじゃない。全身鋼鉄ね。」と洋子は言った。
「どうやって、オレを攻める。
 オレが負けたら、四羽ガラスは、解散だ。
 俺達を影で使ったヤツラを教えてやる。」
「気前がいいじゃない。
 あんたに攻めるところは、なさそうだ。
 でもね、あたしも、攻めるところがないのよ。全身凶器。
 どうやって、あたしを攻める?」洋子は言った。

「はは。こうだ。」
ゴリラ男は、言うが早いか、前に進み、洋子の片腕を取った。
そして、ハンマー投げのように、すごいスピードで、
ぶんぶんと回し、ハンマー投げなら、50mは飛ぶだろうスピードで、
洋子を壁めがけて投げた。

「あああ。」と見ていた6人は、同じ声をあげた。

男は、投げたつもりだった。
だが、洋子は、男の手首をがっちり握っていた。
そして、回転の勢いで、男の体に巻きつき、
空いた方の手で、手刀を作り、男の脇腹に深く突き差していた。
洋子の手刀は、男の内臓まで入っていた。

男は、仁王立ちしたまま、動かなかった。
そして、顔を真っ青にしていた。
「オレの回転を利用したのか。」
「そうよ。」
「脇腹に骨の隙間があることがどうしてわかった。」
「人間の体は、脇腹に隙間がないと、息ができずに死ぬのよ。」
「お前が、にぎっているのは、俺の心臓か。」
「その通り。」
「見事だ。俺が攻撃すれば、心臓を握りしめて、俺は終わりか。」
「そのつもり。」
「お前、何者だ。」
「桜ヶ丘高校の教師よ。」
「俺の負けだ。聞きたい事を聞け。」

「黒幕は、だれ?」
「私立白之梅高等学園だ。桜ヶ丘高校をだめにして、
 共学高校のトップに立つためだ。
 理事長が、金を積んでヤクザに頼んだ。
 桜ヶ丘を不良学校にするようにな。
 そのヤクザから頼まれたのが、俺達だ。
 ヤクザの名前は、『石坂組』。
 拳銃を20丁持っている。

 それとな、お前の学校の情報は、全てハックされている。
 これで、いいか。
「もう一つ。白之梅の頭脳はだれ?」
「白川浩二という副校長だ。並大抵なヤツじゃない。
 学校はあいつの言いなりだ。
 ハックしたのもあいつだ。これで、いいか。」
「十分よ。4人の怪我は、互いに武道の練習をしたことでいい?」
「その方がありがてえ。4人が、女一人に負けたなどと、知られたくないからな。」
それを言うと、大男は、後ろにどしんと倒れた。

「後藤先生。穴を止血します。何かありますか。」
後藤は、護身に巻いていたさらしをほどいてそれを、患部に詰め込み、
残りの布で体を巻いた。

洋子は、警察と119に連絡した。
そして、5人と後藤といっしょに、その場を後にした。

「いやあ、洋子先生は、奇跡の強さですなあ。」と後藤が言った。
「おれ、最後の大男のとき、もうダメだと思って、ちびっちゃいましたよ。」
と勇次。
「さっきの見たら、先生が俺のボール打ったのなんか、
 ちょろいもんだったってわかりましたよ。」と小林。
「先生は、救世主ですね。」と健太。
「今日、小林君は、カッコいいのよ。
 みんなの代わりに、一人で行こうとしたんだから。」と洋子は言った。
芳恵が、
「わあ、そうなの。小林キザで嫌いだったけど、見直しちゃおうかな。」
と言った。
「お前と俺は、バッテリーだろうよ。死ぬなら俺といっしょだぜ。」と勇次。
「二人とも、死ぬ気あったんですか。」と奈々。
小林が、
「いやあ、俺、血嫌いだからな。鼻血見ただけで、貧血起こす。」と言った。
みんなで、あははと笑いながら帰った。

*   *   *

翌日、健太と奈々が、校長室に呼ばれた。
洋子もいた。

校長室には、互いにリンクされた、パソコンが2台並んでいた。
「校長、この二人です。島崎健太くんと、藤野奈々さんです。
 では、さっそく始めます。」と洋子は、二人を紹介した。

それぞれの席に二人は座った。
「じゃあ、健太君、奈々さん、白之梅のパソコンの暗証番号を見つけて、
 データの中に入って。」
洋子が言うと、二人は、まるで難解なピアノを弾くような指の速さで、
キーをたたき始めた。
スクーリーンには、数字とアルファベットが混在してならんだ記号が、
ずらずらと綴られていく。

校長は、ただ、感心して見ていた。



こうして、ものの20分もかからずに、
対白之梅学園対策のプログラムが、完成に近づいていた。

洋子は、最後に言った。
「ええと。相手が、我が校のアイコンのどれでも4回クリックすると、
 相手の学校のデータを破壊するようにするんだけど、
 これからのプログラムは、スクリーンに表示されないように打つの。
 こちらも、正しく打ったかどうか、見えない。
 じゃあ、健太君のプログラムに「behind screen(画面の裏)」と打って。」
健太は打った。

「わあ、すごい。打った文字が見えません。」
「ね、いいでしょう。ハッカーが解読しようとしても、これから先のプログラムは、
 見えないのよ。これを、相手が知ってたら、相当なものだけどね。
 世界で5人くらいしか知らないはず。
 あなた達で7人。
 でも、知っていても、behind screenが潜んでいると思うと、怖くて、進めないの。
 behind screenを解除する方法はまだ出来てない。
 じゃあ、奈々ちゃんのパソコンで、破壊プログラムを作って。」

しばらくして、
「はい、出来ました。」と奈々。
「正しいか、二人で確かめて。」
「大丈夫です。」と二人。
「じゃあ、二人のパソコンはリンクさせてあるから、
 健太君が、奈々ちゃんの破壊プログラムをコピーして、
 さっきのbehind screenの次に貼り付けて。」
「出来ました。」
「奈々ちゃんのは、切り取りをして、behind screenと打ってその後に貼り付けて。」
「保存して、終了です。」と洋子は拍手をした。

洋子は、ちょっと気がついて、
behind screenの文字の上に何か書きこもうとすると、
破壊プログラムが作動するようにする一文を書き入れた。

「いやあ、すばらしい。君達は、学校を救ってくれました。」と校長。
「お役に立てて、嬉しいです。」と健太。
「私もうれしいです。」と奈々。
「相手の学校も、この学校のデータを盗んだり、プログラムを解読しようとしなければ、
 安全なんだから、これは、悪事ではありませんよね。」と洋子は言った。
「そうですよ。」と二人は笑顔で言った。

白之梅高校の頭脳と言われる白川浩二も、behind screenは、知らなかった。
洋子は、世界で5人ほどと言ったが、実は、洋子一人が知るものだった。
なぜなら、洋子自身が考えたPC言語だったからだ。


つづく(次回は、『白之梅学園・大パニック』です。)

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スーパー洋子・桜ヶ丘高校の巻③「対決四羽ガラス」

女装のない物語で、アクセスが落ち、かなり落ち込んでいましたが、
昨日は多数のアクセスをいただき、元気が出ました。
最後までお付き合いくだされば、こんなうれしいことはありません。

==============================

洋子は、放課後、つかんだ情報を校長に報告した。
「多分、この学校を不良学校にして、
 桜ヶ丘高校にくる受験生はいなくなるようにする。
 または、ワルしかこない学校になる。
 だから、この学校をつぶして得する学校。
 この学校は、男女共学では、トップの私立高校ですから、
 共学の2番手、3番手の学校があやしいです。」

「わかりました。倉田先生、よく調べてくださった。
 早速理事長に報告します。
 先生は、かなりお強いようですが、
 どうかご無理をなさらないでください。」
と校長は言った。

「それから、もう一つ。この学校のコンピューターは、
 みんなハッキングされている可能性があります。
 例えば入試問題が入っているとき、それを入手して、
 低学力の受験者に配ります。
 すると答えだけ覚えたそんな生徒達が、みんな合格点で入学してきます。」
「なるほど。それは、ゆゆしきことですな。」
「それは、我がクラスにコンピューターの天才が二人いますから、
 二人に任せれば、やってくれますよ。」
洋子は、にこっと笑った。



次の日の朝、洋子が職員室に入ると、
先生方は、ほとんど来ていて、みんな総立ちになって、
拍手をくれた。
一人年配の女性と体育教師らしい人が来た。
「倉田先生。家庭科の清水と申します。
 あの2-Cのクラスが、1日で真面目なクラスになったとお聞きしました。
 ありがとうございます。ほんとにすばらしいです。」
と清水が言った。
体育教師の後藤が、
「自分は、体育教師の後藤です。生活指導主任もやっております。
 私が行っても、あのクラスは、どうにもなりませんでした。
 それを、1日でクラスを変えてくださった。
 感謝の念にたえません。
 お手伝いすることがあれば、自分は、体を張ってします。
 よろしくお願いします。」
と言った。

他の先生達の顔もにこにこしている。
洋子は、この学校の先生達には、ジェラシーややっかみがまるでないことを思った。
子供達がよくなったことを、素直に喜んでいる。
いい職員室だなあと思った。

「ありがとうございます。がんばります。」と頭を下げてデスクにいった。



四羽ガラスの呼び出しが、二日後に来た。
ピッチャー=小林、キャッチャー=勇次。
女子のリーダー=芳恵。
この3人の呼び出しが、ピッチャー小林の靴箱に入っていた。
廃屋になった自動車工場で、夕方6時に来い、とのことだった。

メモを見た小林は震えた。
いくら新しい先生が強かろうが、
4人に勝てっこない。
あとの2人のために、自分一人が制裁にあおうと思った。

小林が、呼び出しの紙を見ていたとき、後ろからすっと紙を取られた。
そこにいたのは、洋子だった。
「なになに、ふーん、わかった。
 小林君、一人で行く気だったわね。
 あとの二人のために。
 いいとこあるな君。でも、一人では、行かせないわよ。」

「先生がいくら強くても、あの四人には無理だよ。
 あいつらは、ヤクザに雇われている用心棒なんだよ。
 用心棒ってことは、ヤクザの誰よりも強いってことだろう?」

「ヤクザの用心棒か。それは、強そうね。
 でも、あたしの方が強い。
 3人連れて来て大丈夫。
 体育の後藤先生も助太刀に頼もうかな。」洋子は言った。

洋子は、校長と生活指導の権藤に話し、
権藤を子供のそばについてくれるように頼んだ。

夜になり、いざ行こうというとき、
例の可愛い健太と奈々が、情報を聞いたのかやってきた。
「ぼくは、誰よりも学校を愛する生徒なんですよ。」と健太が言う。
「あたしもそうです。ちゃんと見届けたいです。」と奈々も言った。

結局、総勢7人で行くことになった。
一度家にかえった健太と菜奈は、
やっぱり、健太が女子服、菜奈が少年服を着て、野球帽をかぶっていた。
二人とも、ものすごく可愛い。

指定の、廃屋になった自動車整備工場は、
広いが、蛍光灯が、4つしかない薄暗いところだった。
四羽ガラスは、工場の真ん中の、一つの廃車にそれぞれ乗っていた。

後藤は、生徒達を、工場の外から、中を覗かせた。
後藤は、サラシをぐるぐる腹に巻いていた。
そして、皮ひもを手に巻いていた。
生徒にもしものことがあるとき、自分が盾になるつもりだった。
自分の命のことは考えていなかった。

洋子は、四羽ガラスに向かって言った。
「可愛い生徒を傷つけてもらっては困るのよ。
 弱っちいあんた達を、あたしが退治しに来たのね。
 四人いっぺんにくる?それとも一人ずつ?」

洋子の言葉に、四羽ガラスは、ゲラゲラと笑った。
「頭のおかしいのが来たぜ。」
「まあ、退屈しのぎにはなるな。ちょいひねってやるか。」
「オレが、最初だ。」
と木刀をもった木刀男が来た。
「お前、ひとりで片付けんなよ。俺にも残しておけ。」黒い空手着が言った。
「むずかしい注文だぜ。」と木刀男は言った。

「よう、嬢ちゃん。なんなら、目をつぶって戦ってもいいぜ。」
と木刀男が言った。

「負けた時の言い訳にする気?ちゃんと両眼でやんなよ。」と洋子。
「今の言葉に後悔するなよ。」
と、木刀男は言って、正眼に構えた。
それから、その木刀を上段に移した。
「オレの上段をかわせたヤツはいねえ。
 お前が左右に身をかわしても、オレは、頭をかちわる。
 後ろに下がっても、俺の木刀は、伸びる。
 防ぎようがねえのよ。」

「ごたく言ってないで、早く来なよ。」と洋子。

見ていた6人は、生きた心地がしなかった。
「どうやって、勝てばいいの?」と芳恵は言った。
「勝つ方法なんかねえよ。」と勇次が言った。

「キエーイ!」との掛け声と共に、木刀男は、打ち下ろしに前脚を出した。
洋子は、木刀男が一つ言わなかった方向、前に進んだのである。
「何?突っ込んで来るだと!!」木刀男は、一瞬信じられない顔をした。
そのとき、洋子の中指が、木刀男のアゴの裏を突いて、
指がアゴの皮膚を貫き、舌の根元を差していた。

舌が刺激を受けて、太く膨れ上がり、木刀男は、息が出来ず、
地面をのた打ち回った。
「早く、コイツの舌に棒っ切れ突っ込んでやんないと、死んじゃうよ。」
洋子は言った。
四羽ガラスのうち、二人が、木刀男を運び、棒切れを、口の中にいれ気道を確保した。

「すげえ…。」と勇次は呆然としていた。
「わあ、勝った。洋子先生すごい。」奈々が言った。
「うん、でもあと3人いるよ。」と健太は言った。

「おい。アイツは強ええ。あなどるなよ。」
と縦にも横にも馬鹿でかいゴリラのような男が言った。

「へん、空手をバカにするから、こんなことになるんだ。
 棒ふりは、懐に入られちゃおしまいよ。何度も言ってやったのによ。」
と黒い空手着を着た、筋肉がしまっていそうな男が出てきた。

向かった。
男は、空手の構えをする。
洋子は自然体。
「セーイ!」と言って、男は、すごい突きを、洋子の顔面に浴びせた。
しかし、洋子にとっては、それは、スローモーションに見えるのだ。
男の突いてきた手の手首をまず、脱臼させた。
引いている腕が前に来たので、その手首も脱臼させた、
洋子は1本背負いに入った。
そして、目にも留まらぬ速さで、空中に投げた。

男は、5メートルほどの高さに投げられ、
地面に落ちた。そのとき脱臼した両手を地面につき受身を取ろうとしたため、
激烈な痛みが体に走った。
「ううううう。」
「情けだ。首は折らないよ。」
洋子はそう言って、両脚の膝も脱臼をさせた。
男は、もう動けなかった。
「木刀とたいして変わらないじゃん。」
と洋子は言った。

「わあ、すごい。アイツもやっつけたよ。」と芳恵が言った。
「全部、0.5秒だぜ。」とゴルフボールの勇次が言った。

次に来たのは、身長が190cmはありそうな、長身男だった。
男は、バカにしたように、洋子を見下ろした。
「この女、ようも二人をやってくれたな。」
男は、そういうと、洋子の胸ぐらをつかんで、宙に持上げた。

「こうすれば、どうにもできまい。」長身男言う。
「あんた、自ら墓穴を掘ったのがわからない?」と洋子は言った。


つづく(次回は、『四羽ガラス最強の男』です。)


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スーパー洋子・桜ヶ丘高校の巻②「1日でクラスを立て直す」

女装シーンがないまま、長々書こうとしています。
読んでくださるとうれしいです。

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「ゴルフボール、立ちなさい。」と洋子は言った。
金髪の放り投げといい、
さっきの打撃といい、ビビッていたゴルフボール男は、すぐに立った。
「あなたは、私にゴルフボールを投げて、あたしが避けたもんだから、
 そのピッチャーに、硬式ボールで思い切り投げるようにたのんだ。
 まちがいないわね。」洋子は言った。
「はい。一応。」
「なに?一応?これから警察に行くんだよ。
 警察官に『一応』なんて言ったらぶっとばされるわよ。」

「え?警察?」
「あたり前でしょう。人が後ろ向いているところ、ゴルフボールで、頭をねらった。
 外れたからよかったけど、暴行未遂で現行犯逮捕。
 さらに、友人にもっと致命傷となる硬式ボールでなげるよう依頼。
 あのボールは、時速140キロ。まともに当たれば、人命にかかわるスピード。
 これで、暴行共犯罪。
 伸びてるピッチャーは、暴行罪で逮捕。
 わかったら、座りなさい。」

次は、後ろの「自イ」少女か。あらあらと洋子は思った。

後ろで自イをしている女子は、まだ、続けていた。
横で起こっている出来事など、眼中になしとの様。
洋子の眼鏡は、DVカメラが搭載されている。

洋子は、女子生徒のそばまでいった。
彼女は、パンツの中に手を入れて、いいところだった。
洋子は、そばでずっと見ていた…というか、撮影していた。

「なによ、いいとこなんだから、あっち行ってよ。」と言った。
「名前は。」
横の男子が、
「高原芳恵。」と言った。
「やめなさい。」洋子は言った。
芳恵は、シカトしていた。
洋子は、やめなさいと合計3度言った。

洋子は、
「じゃあ、しょうがないわ。
 あなたを、ワイセツ物陳列罪で訴えましょう。
 クラスは、十分、公(おおやけ)ですからね。
 今日、警察に行きます。ゴルフボールとピッチャーと3人でね。」
と言った。
「なによ。」と高原芳恵は、すごんできた。
「証拠がないでしょ。」

「みんなが証言してくれるわ。」
「みんなは、先公の味方なんかしねーよ。」芳恵は言った。
「ビデオカメラにとったから、それを見せるわ。」
「どこで、誰が。」と芳恵は言った。

「あたしのかけてるメガネ。これカメラなの。
洋子は、眼鏡を映写機に買えて、
黒板に、さっきまで、芳恵がしていたことを映して見せた。」
みんなは、「おお。」と言って驚いた。
芳恵は真っ青になって、すぐ例の行為をやめた。

「あなたの行ってたこと、態度、全部撮影したわよ。
 あたしは、3回やめるようにいいましたから、教師の務めは果たしています。
 警察には、両親同伴でくるのよ。
 天下の高原商事代表取締役・父上高原源治社長は、
 娘のワイセツ罪でのこのこ警察に来るのよ。
 報道陣が来なきゃいいけどね。
 ゴルフボールとピッチャーも同じ。両親同伴。」
洋子は、生徒の名前も、家族の名前も全部暗記しているのだった。

洋子は、その場で、警察に連絡した。
「はい、ええ、できるだけ、自首というという形にしたいのですか、
 午後7時にお伺いします。逮捕という形だけは避けたいです。
 え?今すぐ逮捕ですか。クラスの生徒達の証言が欲しい。
 それには、直後じゃないとだめ?
 学校へパトカーが3台来たら、学校中騒ぎになりますが。
 え?そんなことかまわん。どうしても。
 わかりました。今から10分後ですか。
 では、生徒は教室で待たせておきます。
 こちらは、保護者に連絡を今からいたします。」
そして、洋子は、今度は、3人の家に電話を掛け始めた。

すると、芳恵が、
「だめ、だめ、先生だめ。親が知ったら、あたし殺されちゃう。」
とすがってきた。
「10分後に警察が来て、あなた逮捕されるのよ。
 当然、警察から連絡が行って、どうせ親に知れるわよ。」
「ああああ、だめ。あたし、家ではいい子してるの。
 父さんが警察に呼ばれたりしたら、あたし、どうなるかわからない。」

「だったら、あたしが、やめなさいと言ったときどうしてやめなかったの。」
洋子は強く言った。
「先生のことなめてたの。ごめんなさい。もう絶対しません。」
「授業も、ちゃんとした姿勢で聞き、模範的な態度で学習するわね。」
「はい。します。」
「じゃあ、いいわ。なかったことにしてあげる。」
洋子は、ケータイで、警察に待ってもらうよう頼んだ。
ケータイの電話は、全部嘘であった。

洋子がそう言って、教卓に帰ろうとしたとき、
二人の男子生徒が、洋子の脚を掛けようと左右から足を出した。
『このバカ者が、今まで何も見てなかったのか!』
洋子は腹が立って、その2つの足を天井まで蹴り上げた。
二人の男子生徒は、「ゲー。」と叫び、宙を舞い、
廊下側と窓側の壁まで飛ばされ、気絶した。

自イの芳恵は、女子のボスだった。
ボスがこてんぱんにやられるところを見て、他の女子は全員もう逆らわなくなった。
男子のボスは、ピッチャーだった。
洋子の信じられないようなバッティングをみて、ほとんどの男子も逆らわなくなった。
ただ、2、3馬鹿な男子がいて、洋子に脚をかけるなどする程度になった。

洋子が、教壇にもどったとき、生徒の態度は見違えていた。
どんよりした空気も晴れている。

今まで気がつかなかったが、ふと見ると、
教壇のすぐ前に、小柄で、可愛らしい男女の生徒が座っていた。
二人ともよく似ていて、髪をおかっぱにし、双子のようだった。
女の子の方が、
「先生。ぼく、本当は男なの。名前は健太。」
男の子の服装の子が、
「あたしは、本当は女なの。名前は、奈々。」
と言った。

「ぼく達は、クラスがひどくなっても、
 ちゃんと勉強したかったから、ここにいるの。」と健太。
「このクラス、ワルのクラスにならなくちゃいけないの。
 あたしたち言うこと聞かなくていい子にしてたから、
 罰として、男女の服取り替えられたの。
 でも、この服、いま気に入ってる。」と奈々。

「ぼくも、女の子の格好気にいってる。」と健太。
「因みに、健太君は、学年で成績1番、パソコンの天才。
 あたしは、2番で、パソコンの健太君の次に天才です。」
「まあ、今まで、よくがんばったわね。
 それと、二人はほんとによく似ているのね。」と洋子は言った。

「先生。このクラスだけ、ちゃんとさせても解決にならないの。」と健太。
「四羽ガラスっていう怖い4人がいて、その4人が、このクラスに命令して、
 悪くなれって言ったの。」と奈々。

「だから、ちゃんとすると、その四羽ガラスに怒られて、
 みんなそれが怖くて、また悪くなると思う。」と健太。

「そうしないと何されるかわからないから、ワルくしてるの。
 だから、みんなの気持ちも察してあげて。」と奈々が言った。

「その四羽ガラスって、この学校の子。」洋子は聞いた。
「ちがう。外の大人。多分、やくざの犬。」と健太は言った。

クラスのみんなは、二人の言っていることを聞いて、目を伏せていた。

「みんな、ワルやっていて、先生達は本当は弱いって思っちゃったの。」奈々。
「だから、そのうち、ワルやってるのが、楽しくなっちゃったの。」健太。

「でも、今日倉田先生にやられて、少し目が覚めたみたい。」と奈々。
「このままワルやってたら、
 元に戻れなくなっちゃう。本当の不良になっちゃう。」と健太。

「それ、悲劇でしょう。今なら間に合う。四羽ガラスをやっつけて。」
健太はそういった。

洋子は、これは、面倒なことだと思った。
四羽ガラスも誰かの命令で動いている。
大元まで倒さないと、このクラスに平和はない。

「みんな、わかったわ。そういうことだったの。
 これは、恐らく、この学校をつぶそうという陰謀でしょう。
 このクラスの次に、となりのクラス。
 そうやって、全クラスをワルのクラスにする。」洋子は言った。

 さっきのゴルフボールの生徒が言った。名前は、勇次。
「二人がいうとおりなんだ。俺達あやうく立ち直れないワルになるところだった。
 でも、四羽ガラスが怖い。倉田先生でも勝てないよ。」

「どうやったら、その四羽ガラスに会えるの。」と洋子は聞いた。
芳恵がいった。
「あたしたちが、真面目にやってたら、焼き入れに向こうからくると思う。」
「なるほど。そうなの。何日でくるかな。」と洋子。
「3日以内にくると思う。」勇次は言った。


つづく(次回は、「四羽ガラスとの対決」です。)

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スーパー洋子・桜ヶ丘高校の巻①「新担任登場」

ときどき、書きたくなってしまう「スーパー洋子です。」
あまり女装が出てこないと思います。
前回のお話では、4回も当局の検閲を受け、まいりました。
そこで、今度は、えちなシーンがほどんど出て来ないものにします。
読んでくださると、うれしいです。

スーパー洋子は、未来社会から派遣された、スーパーサイボーグ。
知能偏差値200~400と自在。運動能力超人並、武芸百般である。
普段は男子・倉田洋次として平凡なサラリーマンをしている。
使命があるとトイレで、洋子と交代する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

洋次が自宅のトイレから出ると、
そこは、学校の中。
明るい五月の光に満ちた朝の玄関。

「わあ、また、洋子になってる。次の使命はなんだろう。」
洋子はそう思った。
紺色のスーツを着ている、というより、ジャンパースカートにボレロ。
(少女っぽいなあ。)

何か使命がないと、倉田洋次は、洋子にならない。
洋子は、おかっぱの前髪を、ふーと息で飛ばした。

洋子が、トイレから出てくるのを待つかのように、校長がいた。
「どうぞ、校長室に。」と言う。
校長室の大きなソファに座った。
「倉田先生には、本校が男女共学の精神で、
 全国の名門であることはご存知いただけていると思います。」
「校長先生。朝は時間がありません。
 率直におっしゃっていただいてけっこうです。」と洋子。

「実は、我が校は、どのクラスも、ほのぼのとした校風でしたが、
 このほんの1ヶ月の間に、2年C組だけが、不良クラスになってしまったのです。
 それは、ひどいものです。
 そこで、倉田先生は、1ケ月契約の非常勤講師というお立場ですが、
 ぜひ、そのクラスの学級担任になっていただきたいのです。」

「わ、わ、わたしがですかあ。非常勤講師ですよお。1ケ月だけですよお。
 どこから、そういう発想が湧くんですかあ。」
洋子は目を丸くして言った。

「いやあ、お恥ずかしい。我が校の教師は、ほんわか教室に慣れてしまって、
 そのクラスが怖くてならないんですよ。」

「だって、むきむきの体育の先生がいらっしゃらないんですかあ?」
「彼を当てたこともあります。男子には押さえが効くんです。
 でも、男の先生は、女子に弱い。足元見られて、言うこと聞きません。
 女の厳しいベテラン教師もいます。
 でも、彼女に今度は、男子が言うことを聞きません。
 で、恥ずかしながら、今の職員室のスタッフは、全滅なのです。
 あとは、倉田先生にお願いするばかりなのです。」

そうか、自分の使命とは、2年C組の可愛い40人なのか。
洋子はそう思った。

「OKです。では、どの先生もうまくいかないのでしたら、
 私が、担任プラス全教科持ちましょう。」
「そ、そこまで、やってくださる!
 感激です。是非よろしくお願いいたします。」
「ちょっと時間給、おまけがつきませんか?」と洋子は、小声で。
「2500円のところ3500円ではどうでしょう。」と校長も小声で。
「あはっ、OKです。ものは言って見るもんですね。」
と洋子は無邪気に笑った。

職員室で、紹介された。
洋子の、高校生のような可愛さと、女性であることを考え、
授業にいく、先生方が、声をかけて行く。
「先生、無理しないで。危ないときは、逃げてください。」
「先生が、ダメであっても、我々誰も非難などしませんから。」
「奇跡を祈っています。可哀相なのは、あの子達自身なんです。」
「心での、応援しかできません。すみません。」

先生達の言葉は、みんな温かくて、誠実だった。
いい先生達なんだろうなと思った。

洋子は、クラスに行くまでの階段で、眼鏡をかけた。
その眼鏡は、DVカメラになっている。
眼鏡の端が鏡になっていて、後ろが見える。
クラスのある3階に行った。

2-Cの生徒が廊下にぐちゃっと寝そべっている図を想像していた。
すると思った通りぐちゃだった。
「ほら、みんな教室に入りなさい。」
洋子の言葉を聞く生徒はいない。
普通荒れたクラスでは、生徒を教室に入れるだけで、15分かかると言う。

「入らないなら、こうするわよ。」
洋子は、そばにいた生意気そうな太目の生徒を、
窓を開け、生徒の足首をつかんで、外へ放り投げた。
だが、足首をつかんで、窓から宙ぶらりにしていただけだ。
ここは3階、7mはある。
「助けてくれー。」と生徒が叫んでいる。
これには、シカトの生徒も見た。
洋子は、男子生徒の足首を引いて、窓から廊下へ、戻した。
大半の生徒がビビっていた。

だが、中にはふてぶてしいのがいるもんだ。
「本気で投げるわきゃねーよ。やったら首だかんな。殺人罪かもな。」
と金髪の生徒がいった。
洋子はカチンときた。
「おい、金髪。あたしは、バイトだかんね。
 首なんかこわくないのよ。残念ね。
 あんたを投げてやるわよ。」

洋子は言ったが早いか、1秒もかからず、金髪を窓の外にぶら下げていた。
「えーと、なんだっけ?ここで、あんたの手首を離せばいいのね?」
金髪の手が、脂汗をかいていた。
口で言っても7mは、恐怖の高さだ。
「離せるもんなら、離してみろ。」
金髪はそういいながら、声が震えていた。
「じゃあ、離すわよ。あんたが命令したんだからね。
 自分で責任とんなよ。」
洋子は、金髪の手首を離した。
わあーと廊下のみんなが、叫んだ。
「ヒエー。」と金髪は叫びながら、落ちて行った。
洋子は、金髪が地面にあと2mというとき、
窓から飛び降りた。
そして、金髪を、地面すれすれ50cmで救って、
地面に立った。
金髪は、気を失っていた。

洋子はジャンプして、窓から金髪と入ってきた。

教室を前にして、洋子は、ふーと前髪を飛ばした。

さすがに生徒は席に着いていた。
のびた金髪を後ろに寝かせておいた。

だが、いかにもどんよりとした空気だ。

ざあっと見て、後ろの美人とも言える女生徒が、
なんと椅子に座って自イをしている。
さっきの出来事など、眼中になかったのだろう。
横の男達がそれを見て笑っている。

恥も外聞もないのか、と洋子は思った。

「今日から、みなさんの担任になる、倉田洋子です。」
と言って、黒板に名前を書いていた。
「まだ来るか。」
誰かが、ゴルフボールを洋子の頭めがけて、
かなりなスピードで投げてくる。

あれだけの、窓の活劇を見ておいて、まだ懲りない奴がいるのか。
洋子は呆れた。

洋子は、ひょいと避けて、ゴルフボールをつかんで、ポケットに入れた。
「早速プレゼント、ありがとう。」
後ろ向きのままいった。

その生徒は悔しかったみたいで、
となりの生徒に、お前やってくれと頼んでいる。
洋子の眼鏡のレンズの端っこは、鏡になっていて、
バックミラーのように、後ろが全部見える。

頼まれた生徒がもったのは、硬式の野球ボールだ。
多分ピッチャーか?
(さあ、いいところ見せてちょうだいよ。)
洋子は、まだ後ろ向きだ。
自分の名前を書き間違えて、何度も直している。

その生徒は振りかぶっている。
なかなかいいフォームだ。
投げた。すごいボールが、洋子の頭の後ろに飛んでくる。
しかし、洋子には、そのボールがスローモーションで見えるのだ。
『時速140kmくらいか。やるじゃん。甲子園いけるかも。』
洋子は思った。

『なんか、打つものないかな。
 しょうがない、これか。』
洋子は、教卓の背のない丸いすの脚を持った。

振り向いたとき、ボールは、顔に飛んで来ていた。
洋子は一歩下がって、丸イスの脚を両手で持って、
丸イスの座の木部で、軽くボールを打った。
それは、洋子にとっての「軽く」であって、
弾丸打球が、投げた生徒に向かっていく。

ボールはずばり、その生徒の額に当たった。
「うわあっ。」と言って、そのピッチャーは後ろに飛ばされ、
床に頭を打って気絶。
これで、気絶者2名。


つづく(次は、『四羽ガラスとの対戦』です。)

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女性化チャリティUFO⑥「キャプテンRの落とし前」最終回

キャプテンRが、悩み抜き、とうとう結論を出します。
この結論でよかったのかと、私も冷や冷やです。
でも、これしかないと、思うのですが……。

==============================

未来都市のチャリティー本部で、キャプテンRは、デスクに紙を置いて、
あれこれと悩んでいた。

優奈は、アレを触れないのが問題。
優奈にアレを触れるようにする。
自分のアレを見ることで、かえって興奮できるようにする。
アレを触られると、興奮できるようにする。
アレを使って、男のように女の子に挿入し、喜びを感じられるようにする。
つまり、女装子ってことになるのか…。

一方、光一はどうするか。
光一にアレを与えて、優奈のように女装子にする。
光一は、優奈のアレを見て興奮するようにする。
優奈も、光一にアレがあるのを見て興奮するようにする。
必要に応じて、後ろのAも楽しめるようにする。
それとも、光一を、女装子の好きな女の子にする。
優奈に責められて、喜びを覚える。
これだとうまくいくか。
いや、どうかな?
うーん、何か一つちがうなあ。
それとも、光一を女装子の好きな女の子にすればいいのか。
女装子の優奈にされるといちばん萌える。

「ああ、だめだめ、これじゃ、めちゃくちゃ。
 優奈は、純粋なGIDだ。
 心の奥まで、女の子だ。
 女装子にすることで、
 チャリティしたことになるかしら…。
 ああ、どうすれば、二人は、いちばん幸せになるの。」

キャプテンRは、頭を抱えて、デスクに突っ伏した。
もう、2時間もあれこれやっている。

後ろで、つんつん肩を突く者がいる。
「誰?」
起き上がってみると、ぴちっとした身なりの、部下R-7がいる。
「あと、30分で、会議ですよ。
 私達のチャリティーの成果を報告しなければなりません。
 お悩みのようですが、まさか、キャプテンRの「落とし前」の件を、
 まだ、考えているのですか。」

「あなた、それ死語でしょう。フォローのことでしょ。」
「はい。何をお悩みですか?」
部下の中で、もっとも優秀で、(実は)キャプテンRもかなわない俊才R-7である。

「じゃあ、R-7ちゃん、お知恵を貸して。どうすればいい?」
とキャプテンR。
R-7は、ちらと書きなぐってある紙を見て、
「何をお迷いです。方法は1つです。」
「何?」
「初めの方針に戻せばいいだけです。」
「つまり?」
「光一に間違えて照射したのですから、光一を元の男性に戻します。
 優奈を女性にするのが、目的でしたから、
 優奈を女性にすればいいだけのことです。
 私達は、『女性化チャリティ』なんですよ。」

「でも、それじゃあ、二人で暮らし、
 愛まで確かめ合った二人の気持ちはどうなるの?
 二人は、今のままで愛し合っているのよ。」

「二人が過ごした2週間の記憶を消去すればいいのです。
 光一の脳は、元に戻すだけですので、時間はかからず、瞬時に戻ります。
 二人が、用でもあり離れたときがチャンスです。
「じゃあ、二人は結ばれないじゃない。そんなの嫌よ。」とキャプテンR。

「これは、キャプテンRが教えてくださったことで、
 このことで、私は、キャプテンRを尊敬するゆえんですが…。」
とR-7は前置きした。
「え?私、過去に何か気の効いたこと言ったの?」

「はい。『何事も、一分のすきを残せ。』
 つまり、二人の記憶を全消去するのではなく、2%ほど記憶を残しておくのです。
 これで、すべて上手く…とキャプテンRのお言葉を、私は今も忘れません。
 では、会議の時間です。参りましょう。」
R-7は、キャプテンRの袖を引っ張って、会議場へ行った。

*   *   *   *

二人は同じ大学の学生だ。
夏休みがおわり、後期の始まる2日前。
朝の9時。

「あたし、今日、病院の日。ホルモン打ってもらいに行かなくちゃ。」
と優奈は言った。
「じゃあ、あたしは、その間に、アパートの様子見て来る。
 2週間も優奈の部屋にいて、あっちは、ほったらかしだから。」
とコウは言った。
コウは、その日に限って、ブラを優奈に渡し、
ランニング・シャツとTシャツを重ね着して、胸を隠した。
そして、ショーツだけ借りた。
ぶかぶかのズボンのベルトを、ぎゅーとしめた。
後の自分の物は、全部バッグの中に入れた。

「優奈は何時戻るの?」
「3時ごろだと思う。」
「あたし、それより遅くなるから、カギはいいね。」

「じゃね。」
とコウが玄関を出るとき、
「待って。」と優奈は、コウを呼びとめた。
「何?」
「私を思い切り抱きしめて。」と優奈は言った。
「うん。」
コウは、バッグを置いて、優奈をきつく抱きしめた。



コウが、自分のアパートの前に来たとき、
カメラマンのような女性が待っていた。
「すいません。写真1枚だけ。」という。
バシャとすごい光を当てられた。
「はい、どうも。」とカメラマンは行ってしまった。

光一は、ズボンのベルトが急にきつく感じ、緩めた。
そして、アパートに入って行った。
着替えようとズボンを脱いだとき、
女性用のショーツを履いていることに驚いた。
「え?なんで…。」
不思議だった。覚えがない。

そのショーツは、捨てずに、小さなビニール袋に入れておいた。

光一は、体も心も男にもどり、優奈との2週間のことを思い出さなかった。
そして、心に大きな穴が、ぽっかりと空いたような気持ちがしていた。



優奈が、病院に入ろうとすると、
「すいません。写真1枚だけ。」と女性がいて、
優奈は、反射的に、カメラ用のポーズを撮ってしまった。
バシャとフラッシュのすごい音と光を浴びた。

病院の精神科に行って、そのまま婦人科に行った。
ベッドに寝かされ、検診を受けた。
女性の医師は、驚いた顔を見せた。
「一条(←優奈)さん、あなた、女性になっているわ。」
「うそ。何もしてません。」
「今、レントゲンをとるわ。」

写真を見て、医師は、さらに驚きの声をあげた。
「まさか、まさか、一条さん、子宮があるし、卵巣もある。
 あなた、どこもかも女性の体になっているわ。」

夢のようなことだった。
男の物がない。ホルモン注射は、もちろんもういらない。
あかちゃんを産める体になっていると言われた。

病院を出て、一番に家族に電話をした。
「奇跡が起きたのね。ほんとなのね。優奈、よかったわねえ。」
と母は、涙ながらに言っていた。
家族が、一人一人かわって、おめでとうの言葉を言った。

まだ、信じられなかったけど、一応信じよう。
マンションに走り、
優奈は、ドアを開け、部屋に入った。真先に、
「あたし、本物の女の子になれたの!」
と言って、一体誰に言ったのだろうと途方に暮れた。
何か大切なものを失ったように、心にぽかんと穴が開いていた。

優奈は、この2週間のことを何も覚えていなかった。
ヒッチハイクで行った、夏の旅行のことは、よく覚えていた。
最後に、自分を拾ってくれたトラックの運転手。
彼のことを、覚えていない。



九月1日。よく晴れた朝。
大学の新学期である。

優奈は、ショーツを履いた。ピシッと体にフィットする。
その感じがたまらない。
服装を、学生風にして、大学へ行く気分は最高だった。

優奈が、教科書類を胸に抱いて校門をくぐり少し歩いたとき、
後ろから、3人くらいで来た男子学生の一人が、優奈を追い越し、
「まって!あなた、モデルの一条優奈さんじゃない?」という。
優奈はびっくりした。
自分は、そんなに有名ではない。

「そうですが、どうしてあたしをご存知なの?」と優奈は言った。

名を呼んだのは、さわやかそうな学生である。
「俺、あなたのファンだから。だから知ってる。サインしてもらっていい?」
「あたし、有名じゃないから、サインなんて初めてです。」
「このノートにいい?」
とノートの白いページを渡された。
優奈は、サインなんかしたことがないので、普通に自分の名前を書いた。
「あの、お名前は?」と男子学生に聞いた。
「俺の?」
「はい。だれだれさんへって書いた方がいいでしょう。」
「あ、じゃあ、光一です。」
「光一…。」とそのとき、優奈には、何か懐かしい名に思えた。
光一、光一…と心で何度もつぶやいた。

「あの、どうかした?」と光一。
「あ、いえ。」優奈はそう言って、光一のノートに
『光一さんへ』と書いた。
そして、光一の顔をよーく見た。

ノートを渡した。
「どうも、ありがとう。」と去って行く光一を、優奈は呼びとめた。
「あの、光一さん!」
「何?」と光一はやってきた。
「あの、その、あの、私を抱いてみてくださいませんか。」優奈は言った。
「うそ?ぼくが大ファンの君を?」
「はい。」優奈は、光一の目をみながら言った。
「わあ、夢みたい。ほんと?」
光一は、肩からのバッグを下に置いて、おそるおそる優奈を抱いた。
「もっと強く抱きしめて。」
「うん。こう?」
「そう。」

『ああ、温かい。この感じの人に、いつかどこかで抱きしめてもらった。』
『ありえないけど、この人を俺は、いつかどこかで抱きしめた。』

周りの学生が距離をとって、みんな見ていた。
光一の友達は、腰を抜かすほど驚いていた。

優奈は、光一に笑顔を見せた。
「あの、今日のお昼、生協の食堂でごいっしょしませんか。」
と優奈は言った。
「わあ、それ、ほんと?俺、玉子丼しか食べないけど。」
「きゃー、私も、玉子丼オンリーです。」
二人は、にこにこと歩き出した。

優奈は、光一の腕を抱くようにして坂をのぼった。
二人は思った。

『ああ、この感じも、前にあった気がする。』


<おわり>
         ※次回は未定です。

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女性化チャリティUFO⑤「心を確かめ合う二人」

検閲を受けました。再投稿します。

なお、次回は、最終回です。読んでくださると、うれしいです。

==============================

モーターショーからの帰り道、
優奈のマンションがもうすぐと言うところで、
あるショーウインドウをみて、光一が立ち止まった。
「まって、優奈。優奈の隣にいるの俺?」と光一が言った。
「そうよ。」
「ショーパンはいて、カットシャツ着てる髪の長い子。
 脚がめちゃ長い、超可愛い。あれ、俺?」
「うん、光一だよ。」
「うへー、俺、すごいじゃん。」
「そう。すごいんだよ。自分が見られるようになったんだね。」
「いや~ん、ステキ、あたし、こんなだったんだ。うれしい。」
(あ、光一が、女の子になった。)
「わああ、光一、今女の子なのね。早く帰ろう。
 光一をお姫様にしてあげるから。」
「う、うん。」

優奈は、光一をぐんぐん引っ張りながら、マンションに帰った。
光一をドレッサーのストールに座らせた。
下着は、可愛いピンクのを履いている。
上に可愛いスリップを被せた。
裾がフリルになっている。
そして、薄手のピンク系の花柄のミニのワンピースを着させた。
脚に膝上までのピンクのストッキングを履かせた。
髪を梳いて、下の方にホットカールをつけ、
睫の長い、お人形のようなメイクをした。
ピンクのルージュ。
首に真珠のネックレスをつけ、
髪に、ピンクのリボンの付いたカチューシャ。
マンションの中だが、脚が10cm長く見える底厚のハイヒールを履かせた。
『わあ、可愛い。お人形。』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


  この部分は、検閲により、表示できなくなりました。
  あらすじだけをかきます。

  <この部分のあらすじ>
  光一は、自分自身を女性だと認識できるようになります。
  それを、喜んだ優奈は、光一をマンション連れていき、
  お姫様のような格好をさせてあげます。
  
  高まる気持ちのまま、二人は、抱き合います。
  このとき、優奈は、自分のものが大きくなり、
  この勢いで行けば、光一を女の子として、
  満足させられるのではないかと思い、試みます。
  
  しかし、やはり、男子の真似はできなかったのです。
  そんな優奈を、光一は、慰めます。
  『優奈は、心の隅まで女の子なんだよ。
   それは、気にすることではなくて、
   誇りに思っていいことだよ。』
  と言って。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


光一と優奈が出会って、2週間が経った。
光一は、一日の半分が女の子になった。
実際は、寝ている時間に光一になっていることが多いらしく、
起きている時間のほとんどが女の子だった。

声も言葉も、仕草も、反応もみんな女の子だった。

コウは、ソファーの前のジュータンの上で膝を抱えて座り、
アゴを膝小僧に当てていた。
何か考えていた。

「コウ、何考えてるの?」
優奈が、そばに来て座った。

コウは、優奈に聞いた。

「優奈は、光一と女の子のコウとどっちが好き?
 ほら、光一となら男女、あたしとならレズじゃない?」
優奈は、コウの目を見て言った。
「あたしにとって、コウも光一も同じ人。
 同じ人をくらべられない。」
「あ、そうか。そういう答えがあるって気が付かなかった。」

「どうして、そんなこと聞くの。」
「うーん、あたしだって、これからどうなるのかなって考えるから。
 家族に、この女の格好を見せたら、何て言うだろうとか。
 このまま大学に行ったらどうなるのだろうとか。一応ね、心配はあるの。」

「そうよね。あたしにも迷いがあるけど、
 コウは、完全な女の子になっちゃったんだものね。
 悩んであたり前よね。ごめんね。コウはいつも明るくて、
 あたしを励ましてくれていたから、悩みに気が付かなかった。」

「あたしは、優奈なしでは、もう生きていけない。
 優奈のいない生活なんて、考えられない。
 女として、男と結婚なんて、あたしには、あり得ない。
 あたしは、そのうち、脳も完全に女になっちゃう。
 あたしの男の部分がなくなっちゃう。
 そのとき、優奈は、あたしを歓迎してくれるかなって思ったり。
 だって、優奈の心は完全に女の子だから、いつか男の人を好きになると思うから。」

ふと見ると、優奈が目に涙をいっぱいためていた。
「コウは、そういう風に思ってくれてるの。あたし、うれしい。
 あたし、コウは、完全な女性になって、やがてあたしから去って、
 だれかステキな男の人と結ばれるのかと思っていた。
 だって、コウはすごい美人だし、やさしいし、めったにいない人だもの。」

「じゃあ、あたしは、ずっと優奈といっしょにいていいの。」
「あたしこそ、コウにいて欲しい。コウがいない人生なんて考えられない。」
二人は、抱き合った。

「つまり、あたしは、優奈を愛してる。」
「あたしは、コウを愛しているの。」
二人は、固く抱き合い、口・づけを交わした。

モニターを見ていたキャプテンRは、涙の目に、ハンカチを当てていた。
「ああ、健気だわ。悲しいけど温かいわ。
 ああ、わからなくなった。あたしの「落とし前」。どうつければいいの?」


つづく(次回は、『キャプテンRの「落とし前」』)最終回です。)

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女性化チャリティUFO④「悪巧みの・結末」

またまた、予告違反をしてしまいました。「優奈のモーターショー」の続きがながくなってしまい、今回は、そこまでとしました。読んでくださるとうれしいです。

==============================

誰かが、「あ。」と叫んだ。
Aliceは、自分のスカートとオーバー・ショーツばかりか、その中のショーツまで、
全部を脱がされてしまった。
そのとき、Aliceは、自分の股間を見た。
そこに、信じられないものがある。
男のPだ。うそー!
Aliceは、ショックで呆然と立ちすくんでいた。

優奈は、だれかが「あ。」と叫んだ瞬間、
後ろのAliceを見た。
Pが露になっている。
優奈は、すばやく膝立てになり、Aliceの腰を抱くようにPを体で隠した。
「はやく、履いて!」
そう言ったが、Aliceは、呆然としてしまっている。

すごいフラッシュが点滅した。
ムービーを撮っている客もいる。
そのとき、コウが、Aliceの前に両手を広げ、
「こんなとこ、撮んじゃねえ!こんなとこ撮って、どうすんだ!
 何がおもしろいんだ!撮るなーーー!」
とすごい迫力で叫んだ。
その声で、フラッシュのライトは消えた。

優奈は、呆然としているAliceにショーツとスカートを履かせた。
光一が、Aliceを抱きかかえ、
Aliceを優奈と医務室に運んだ。
Beth、Cindyが付いてきた。

AliceのPを見たのは、光一と優奈だけだった。
医務室で、落ち着いたAliceは、両手で顔を覆って、ワアーと泣き出した。
「ユナ、ごめんなさーい、ユナ、ごめんなさーい。」
とくり返しながら、Aliceは泣きじゃくった。
「あたしに謝ることなんてないよ。どうして?」優奈が聞いた。
「あたしがユナにするつもりだったの。
 わざと転んで、ユナのパンツつかんで降ろすつもりだったの。

 ユナが男かも知れないって聞いて、
 ユナをおとしめるつもりで、やるはずだったの。
 初め半分冗談で思っていただけだったけど、
 今日、ユナの方が人気があったから、くやしくて、
 ユナをモデルできないようにしようとしたの。
 ごめんなさい。あたし、バチがあたったの。」

Bethが言った。
「ユナ、ごめんなさい。
 あたし、Aliceが、ユナのことやるの、
 今か今かと楽しみにしてた。

 あたし達、ユナにいつも意地悪ばかりしてたのに、
 ユナが、Aliceを必死にかばう姿見て、心の底から反省した。
 コウは、今日初めて会っただけなのに、
 必死に、カメラの人に叫んでた。

 その間、あたしは、Aliceにどう言い訳しようかって
 自分のことだけ考えてた。
 自分が情けない。恥ずかしい。
 だから、ユナ、ごめんなさい。そして、ありがとう。」
Bethは泣き出した。

Cindyが言った。
「あたしも、Aliceがユナにやるの楽しみに思ってた。
 今、最低だったと思ってる。
 BethがAliceのスカート下ろしちゃったときも、
 何していいかわからなくて、ただボーとしてた。
 Aliceとは友達なのになんにもできなかった。」
Cindyは、涙を浮かべた。

Aliceは、言った。
「BethもCindyも見えなかったと思うけど、
 パンツまで脱がされたとき、あたし、お△んちんがあったの。
 あたし、はっきりみた。
 だから、ユナは、体張ってあたしを隠してくれたの。
 コウもあたしの横で手を広げ、見えないようにしてくれた。
 だのに、あたしは、ユナのお△んちんを、みんなの目に見せようとした。
 あたし、最低だよね。」

Beth。
「Alice、お△んちん、ほんとにあるの。
 ちゃんと確かめたら。」
うん、と言って、Aliceは、ショーツに手を入れた。
そして、泣き出した。
「ある、あるの。あたし男になっちゃった。やっぱりバチがあたったんだ。」
と言って、Aliceは、泣き始めた。

「あんたたち、甘いわよ。」
とそのとき、少し高いところから声がした。
銀色のタイトワンピースを着た髪の長い30歳くらいの人が立っていた。

Aliceは、泣くのを止めて、その人を見た。

キャプテンRは、まくし立てた。
「ユナのパンツを脱がす計画は、おまえら3人が食堂にいたときしたもの。
 よって、これは共犯。いい?警察に捕まったら共犯だからね。
 幸いユナはたすかった。ベスがアリスをやってくれたからね。
 ユナは、即座にアリスをかばってくれた。
 じゃなきゃ、100人のカメラ男に撮られていた。
 ユナがかばったから、それが20人ですんだ。
 コウが体張って止めさせたから、20人は、途中で止めた。

 さあ、この20人はどうすると思う?アリスのような根性悪い奴ばかりなら、
 ツイッター、FBに画像を流す、ムービー撮った奴はYou Tubeに映像を流す。
 週刊誌に写真を売る奴もいる。
 アリスは、事務所でナンバー1。名も知れている。
 次の号で、出るわよ。『アリスは、男だった!』ってデカデカとね。
 もう、日本中に、3日以内に、アリスは男だったと知れ渡る。
 実際、あんたは、男なんだよ。

 さあ、アリス、あんたどうする。
 そして、アリスのパンツを脱がせたのは、ベスだ。ベスはどうする?
 シンディは、知っていて何もせずだ。責任はないのか?
 よく考えな。これは、こんなところでちまちま謝って済むことじゃないんだよ。
 どうだい、アリス、明日からどうする。」

アリスは、キャプテンRの言葉に圧倒され、震えるばかりだった。

「あんた、明日から、生きていけるか!」キャプテンRは、たたみ込んだ。
「生きていけません。」アリスは、震えながら言った。
「ほら、生きていけないとよ。ベス!どう思う。
 アリスには、親も兄弟もいるんだぞ!どうする!!」
ベスは、縮み上がった。
恐怖で、口が聞けなくなっていた。

「アリス、いいか。お前が生きていけなくなるくらいのことを、
 お前ら3人は、ユナにやろうとしたんだぞ。わかっているのか!。」
「はい。」と3人は答えた。
「人を殺すのと等しいことだとわかるか!!」
「はい。わかります。」と3人は答えた。
顔は恐怖に引き吊り、ぶるぶると震えていた。

「お前らが、ユナが女の子だとして、やったなら、罪は半分。
 しかし、お前らは、ユナにオ△ンチンがあると確信してやったんだろう。
 だから、罪は2倍なんだよ。
 下半身をさらされたときの、恥の気持ちを比べて見ろ。
 アリス、もしお前にオ△ンチンがなかったら、これほど恥ずかしいとは思わなかったろう。」
 カメラ男も、ユナのあそこ見ることができ、ラッキーくらいで終わりだ。
 記事にもなりゃしない。どうだ、アリス!」

「はい。ユナにあれがあると確信してやりました。
 自分にあれがついていなければ、これほどショックではありませんでした。」
アリスは、やっとの思いで言った。

「だろ?だから、お前ら3人は、サイテーなんだよ!罪が重いんだよ!
 わかってるのか!」
3人は、「はい。」と震え上がった。

キャプテンRは、3人をにらみつけていた。10分は、にらみつけていた。
こういう時の10分は、永遠と思えるほど長い。

アリスは、診察ベッドの上に正座し、
ベス、シンディは、床に正座し、
自分達がしようとしたことの恐ろしさに震えた。
明日から、アリスが、全国のさらし物になることに恐怖した。
キャプテンRににらまれている怖さも手伝い、
後悔と恐怖のどん底に突き落とされていた。

凍りついたような空間を裂くように、優奈がゆっくりと言った。

「あのう、もう3人を許してあげてください。
 今、言ってくださったことで、3人は、よくわかったと思います。
 身に沁みて、悪かったと思っていると思います。

 バレているようなので言いますが、私は、男です。
 でも、男でも、女の子のように、だいたいは生きていけます。
 アリスが男の子になってしまったのなら、どう生きて行けばいいか、
 私のできる範囲で教えます。
 アリスに死んで欲しくはありません。

 私だって、いっぱい間違いをしてしまうから、
 3人の間違いも許してあげてください。」
そう言いながら、優奈は、頬に涙を流した。

後ろから、光一が涙を浮かべて、優奈を抱きしめた。

キャプテンRは、目を潤ませた。
「いいわよ。優奈がそう言うのなら。いい子ね。
 優奈の心がステキだから、ご褒美に言うわ。
 アリスの写真を撮ったカメラの記憶媒体は、全部あたしが消去しておいたわ。
 もう一つ、アリスのあそこは、5分後になくなるわ。
 じゃあ。」
キャプテンRは、優奈と光一に目配せをして、去って行った。

そのあと、3人が、泣きながら、優奈の膝に抱き付いてきた。
「ごめんなさい、ユナ。もう意地悪しない。絶対しない。ごめんなさい。」
このことを、何度も何度も、くり返した。

「もう、いいよ。明日から、仲良く楽しくやっていこう。」
優奈が言った。
「うん。ありがとう。」
3人は、救われるように言った。
その頃に、アリスは、女の子に戻っていた。

優奈と光一は、目を合わせて、笑顔を見せた。


つづく(次は、『光一の脳の女性化』です。)

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女性化チャリティUFO③「優奈のモーターショー」

昨日は、何度も「アクセス不可」にされてしまいました。そこで、
昨日「光一女の自分を見る」と予告しましたが、内容を変えました。
読んでくださるとうれしいです。

==============================

カーテンを開けると、夕方の陽射しが窓から入ってきた。
「もう、こんな時間だったんだね。」と光一は言った。

「光一、スカートはまだ無理だよね。じゃあ、ジーンズ。これ。」
優奈が投げてよこした。
ズボンなら履きなれてる。
履いてみると、裾の折り返しの分だけ短い。
「優奈、この折り返し、戻していい。」
「うそ、あたしのが短いの?」と優奈がやってきた。
「すごい。あたし脚の長さ自信あるのに、あたしより5cm長いんだ。
 ウエストめちゃ細いし、完全にお人形じゃない。」と優奈驚いた。

優奈は、光一に白の木綿のTシャツを渡した。
「ちょっとこっち向いて。」と優奈はいい、光一の全身を眺めた。
『かっこいい!』と優奈は感嘆した。
小顔で8頭身。超美形で長い髪。可愛い前髪。完全に絵になっていた。

疲れていたので、夕食は外で食べることにした。
優奈は、生成りのワンピース。
光一は、男丸出しで、ジーンズのポッケに指を突っ込み、ガニ股で歩く。
優奈は、恋人のように、光一の腕を抱くようにして歩いた。
超美形の女の子が、男っぽく振舞うのも、ステキだなと優奈は思った。
「光一、あたし達、レズのカップルに見えてるけど、平気。」と優奈は言った。
「平気。俺、自分のこと男に見えてるから、ただのカップル。」

安い定食屋に入り、二人で玉子丼を頼んだ。
優奈は、何でも光一の真似をする。

玉子丼を食べているとき、優奈のケータイが鳴った。
「あ、明日あたし仕事。モーターショーのコンパニオン。」と優奈が言った。
「それって、車の横に立ってるモデルさんのこと?」
「うん。お客さんに、バチバチ写真撮られる。
 嫌な仕事よ。」
「どうして?華やかじゃない。」

「例えば、自分の周りにどれだけカメラのお客が来るか、競うの。
 モデルを見にお客が大勢集まれば、車も見るじゃない。
 モデルは、どうすれば客が集まるか、ポーズを考える。
 中には大胆ポーズを決めるモデルもいる。
 それは、それは、し烈な戦いよ。
 人を多く集めたモデルは、格があがるから。」

「優奈は、どのくらいなの?」
「事務所に7人いる中で、2番目。けっこう足の引っ張り合いがあるんだ。」
「モデルも楽じゃないんだね。」
「そうだ。光一ついてきてくれない?心強いから。あたし敵が3人いるの。」
「3人も!いいよ。興味あるし。」光一は言った。

一夜が明けた。

優奈は、光一に、デニムのショーパンを貸した。
光一の足がめちゃめちゃ長く見える。
上は、おへその見えるカット・Tシャツ。
優奈は赤のタイトなミニのワンピース。
メイクをした優奈は、ドキッとするほど綺麗だった。

会場に食堂があって、朝食を取れる。

食堂の隅に、サンブラスを掛けた、髪の長い女性がいた。
だが、誰もその女性に気が付かない。
その人物・キャプテンRは、光をカーブさせ、透明に見える服を着ていた。
光一をフォローすると言ったので、責任を感じて光一をつけている。

キャプテンRのサングラスは、集音機になっていて、
自分が見た人物の話す言葉が聞けるようになっている。

優奈は光一と食堂に来て、例の3人に気が付いて、席を離して座った。
「あの3人。下品で最低の奴ら。
 今まで散々ひどいことをして、自分達より上のモデルを辞めさせて来た。
 背の高いのがボスのアリス。次が、ベス、最後がシンディ。」
「みんな英語名前なんだね。」
「それが、かっこいいと思ってるのよ。」
「優奈も名前あるの。」
「あたしは、カタカナで、ユナ。
 そうだ、光一も女名前決めて。人前で呼びにくいから。」
「じゃ、『コウ』にする。」
「うーん、柴先コウ、ありえるね。」と優奈。

キャプテンRは、優奈が気にしている3人を見た。
話声が聞こえる。

Alice「ねえ、ユナ見なよ。彼氏連れてるぜ。」
Beth「やっぱ、ユナのレズは本物かあ。」
Cindy「それよっか、ユナは、実は『男』ってうわさもあるの知ってる?」
A「なにィ?それ本当かよ。」
C「水着のとき、あそこがちょっと盛り上がってたって。」
A「おもしれー、今日試してやろうじゃないの。」
B「どうやって。」
A「今日のコスチュームは、スカートの付いたビキニ型じゃない。
  あたしさ、ユナの後ろ付いて、つまずいた振りして、ユナのスカートをつかむ。
 ショーツと一体だから、いっしょにずり落ちる。で、丸見え。どう?」
BとCは、手を叩いて笑い、
「そりゃいいや。」
と言った。

『かー!なんて奴らだ。
 女装子として許せん!』
とキャプテンRは、憤慨した。

そのとき、食堂に、事務所の副マネージャーが、あわててやってきた。
「おーい、ジュナが、腹痛でこられない。
 だれか、いないか。」
と叫ぶ。
彼は、キョロキョロとし、やがて、優奈のとなりの光一に目をとめた。
「君、ちょっと立って。」と言う。
光一は立った。
副マネージャーは、光一を上から下まで眺めて、
「君、所属どこ?」と聞いた。

「いや、俺、なんでもないです。友達に付いてきただけ。」
「君、コンパニオンできる?初心者なら、ただ立って笑ってるだけでいい。
 たのむ、臨時でやってくれ。」
光一は、優奈を見た。
優奈がうなずいている。
「はい、この子やります。」と優奈が答えた。
「あー助かった。名前は?」と副マネージャー。
「コウ。」と優奈が答えた。
「じゃあ、ユナ、コウの面倒見てやって。」
彼は、そう言って、別の場所に飛んでいった。

「優奈、困るよ。俺、100%男歩きだぜ。」
「歩かないよ。立ってるだけだもん。」と優奈。

『立ってるだけじゃ、すまないでしょう。』
とキャプテンRは言って、ケイタイのようなものを操作した。
『えーと、モデルの技能ね。はい、出たわ。』
キャプテンRは、ケイタイを光一に向けた。
赤い光線が、一瞬光一の頭に伸びた。
『はい。モデルの技能、インストール!』
キャプテンRは、ほくほくとして言った。

「優奈のトレー、俺がいっしょに下げから。」
光一は、そう言って、二つのトレイを食器洗いの棚に持って行った。
その光一の後姿を見ていた優奈は、目を疑った。
完璧にモデルの歩き方だ。すごくセクシー。いつ覚えたの?
光一に意識させるといけないので、優奈は、だまっていた。



更衣室に入ると、美貌のモデル達が着替えている。
「優奈、俺、鼻血出そう。」と光一は言った。
「露天風呂に入ったと思えばいいじゃない。」
「それも、鼻血出る。」と光一。

コスチュームは、青のエナメル光沢の上下セパレート。
下は、ショーツと極短いフリルスカートが合体になっている。
上は、水着のトップと小さなベスト。
肌見せもいいとこ。

光一は、メイクのプロにメイクをしてもらって、
ぞっとするほどの美貌になった。
それを見た、優奈の胸は震えた。

同じ事務所の7人は、7台のトミタ車にそれぞれ付いた。
光一の歩き方、所作は、終始ステキなのであった。
優奈は首を傾げた。

はじまって、カメラを持った客が、どっと入ってきた。
そして、15分もすると、1番人気が誰であるか、一目で判明した。
光一の周りが、黒山の人だかりになっている。

右どなりにいたAliceは、焦った。
今まで常に一番人気だった。
今、コウとの人気の差を見せつけられている。

光一は、自然に体が動くので不思議だった。
いろんなポーズを次々にしていける。

光一の左隣は、優奈で、そこも人だかりができていた。
優奈は、自分のことより、コウの人気がうれしかった。
Aliceは、今日のショーで、優奈にNo.1を取られたと思った。
隣のコウは、別格。
どこか、相当ランクが上のプロダクションから来たモデルだと思い、
競争心が湧かなかった。



Alice等のたくらみは、最後の最後だった。
7人のモデルがラインに並び、
全員の写真撮影がある。
このとき、多数のカメラ客が集まる。
フラッシュが絶え間なく点滅する。
ここで、仕事は終了である。

コウを先頭に、優奈、Alice、Beth、Cindy、・・・と並んで退場する。

退場しても、まだ大勢のカメラ客はついてくる。

『ここで、やる気だな。』と、そばに付いて来ているキャプテンRは思った。
『Aliceをちょっとこらしめてやるか。』
キャプテンRは、Aliceの股間に、30分だけのPをつけるべく光線を当てた。

Aliceは、何かにつまずいた振りをして、前につんのめり、
優奈のスカートとショーツを同時に下げるタイミングを計っていた。

『今か?!』とキャプテンRは、計ったように察知し、
後ろのBethにちょっと脚をかけた。
Bethがつんのめった。
「あ、Aliceごめん!」
と前倒れになったBethは、ワラをもつかむ思いで、
Aliceのスカートを両手でつかんだのだった。


つづく(次回は、「光一自分の女姿を見る」です。)

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女性化チャリティUFO②「優奈の部屋にて」

夜が明けたころ、中央卸売り市場に着いた。
荷物を降ろすのも、仕事のうち。
光一は、履いているチノパンの裾を、何回かロール・アップした。
「いつもの兄ちゃんはどうしたの?」と市場の人が言う。
「ああ、俺、代理で。」と光一。
「細い体で、よくばんばってるな。」
市場の人は、自分を俺と呼ぶ女の子に慣れている。
そういう子が多い。

トラックを、置き場に付けて、仕事は終わり。
優奈はずっと付いて来ていた。
「わー、5万円!」
と優奈は、光一がもらったお金を見て言った。
「往復だしさ。積み降ろしも入っているからね。
 助手を雇ったら3万になっちゃう。」と光一。

「こうして、優奈と歩くと、俺同じ背に見えるんだけど、
 優奈、背、いくつ?」
「163cm。」
「ええ?俺、身長175cmだったんだぜ。
 これじゃ、暮らせないよ。服だって全部合わない。どうしよう。」
「あたしのマンションにお出で。慣れるまで、しばらくいていいよ。」
「わあ。マンションに住んでるの?俺、しょぼいアパートだけど。」

「ま、まあね。バイトでモデルやってるから。」
「モデル!すごい。優奈可愛いからな。俺は、学生2年生。」
「わあ、あたしと同じ。どこ?」
「城北大。」
「あたしも!わあ、すごい偶然。」優奈は飛び上がった。
「びっくりだね。じゃあ、優奈のところ、いいかな?俺、2、3日で消えるから。
 今、優奈がそばにいてくれないと、俺の頭、空中分解しそうなんだ。」



優奈のマンションは、2LDKの新しいマンションだった。
全体に品のいい生成りのカーテンや、ベッドカバーが使われている。

優奈のマンションに着くなり、
「寝かして!」と光一は、ベッドに飛び込んだ。
それからの光一は、優奈に怒られっぱなしだった。

・バスに入ってから寝て!汚れた体で、ベッドに寝ないで!
・体を拭いて!バスタオル、腰に巻いて来ちゃダメ!
 オッ・パイが丸出しじゃないの。女の子巻きをするの!
・洗った髪はすぐドライアをかけるの。髪が痛むでしょ!

もう散々だった。
女というのは、面倒くさいなと閉口した。
やっとのことで、セットになったブラとショ・ーツを着けて、
可愛いパジャマを借りて、ベッ・ドに飛び込んだ。
胸が苦しい。
光一は、パジャマの中のブラをとって寝た。

16時間の連続運転の後だ。
何時間寝ただろう。
眠りから覚めると、優奈がタオルケットをお腹にかけ、
ブラをはずして、黒のスリ・ップとショー・ツだけで寝ている。

カーテンが閉まっていて、時刻がわからない。
光一は、隣の優奈の姿を見てドキッとした。
風呂の後で、すっぴんなのに、かなりな美系だ。
トラックでは、さほどとも思わなかったのに。
そして、黒いスリ・ップがセク・シーだ。
胸がドキドキしてきて、光一は、焦った。
優奈のタオルケットを半分借りて、後ろを向いて寝直した。

眠れない。
十分寝たし、優奈が気になる。
自分は、かなり萌えている。
光一が、上を向いたとき、優奈も上に寝返った。
『優奈は、寝ていない。俺に好きにしてとのサインだ。』
光一は、そう読んだ。

光一は、そうっと優奈の胸に手を伸ばした。
そして、タッチし、そっと揉み始めた。
心臓がドキドキした。
優奈のような可愛い子とするのは、はじめてだ。

優奈は、眠っていたが、その目をぱちっと開いた。
そして、素早く光一の上に乗ってきたとたん、
光一に厚いキ・スをした。
『俺は、自分が男に見える。心も男。だから、優奈に手を出したくなった。
 だが、優奈には、自分は女の子に見えているはず。
 優奈は、レズビ・アンなのか。』

優奈の口づけは巧みで、光一の体は震えた。
キ・スをしながら、優奈は光一のパジャマの上下をとり、
最後のショーツまでとって、丸はだかにした。
「光一は、あたしのタイプなの。許して。」
優奈は言い、また口づけをする。

優奈は、キ・スの唇を離し、光一の腕を上げさせ、
光一のすべすべの脇の下に口づけをしにきた。
優奈は、息を荒くしている。
「ああ、光一の脇の下、赤ちゃんみたいにつるつる。
 ああ、萌えちゃう。」
優奈は言った。
そして、次は、光一のち・ぶさをもみ始めた。
『ああ、気持ちいい。女の子の胸はこんなに感じるんだ。』
光一は感激した。
優奈は、その内、ちく・びを噛んできた。
「あああ。」
かいかんが走り、光一は声を上げた。

「ああ、光一が可愛い。好き。たまらない。」
その言葉を優奈は、くり返す。

たっぷりと上半身をあい・ぶされ、
やがて、優奈の手は、太も・もに伸びてきた。
「ううう。」と光一は声をあげた。
優奈は、たっぷりと光一のももを刺激して、
いよいよあそこに指を伸ばしてきた。
光一は、すでにたっぷりとぬ・れていた。

優奈の指は、とうとう最高のスポットをとらえた。
「はあ~。」
と光一は、背をのけ反らせた。
今まで体験したことのないかい・かんだった。
優奈の指は、そのスポットをはずさず、攻めて来る。
光一は、声を殺して、のたうちまわった。
すごい、耐えられないかい・かんだ。

もう、耐えられない。
体が、ぶるぶるとけいれんしてくる。
ああ、イく、いっ・ちゃう…。
声が出る。
「ああ、優奈、あたしイっちゃう、だめ、イちゃう、あ………ん…。」
光一は、脚を閉じ、背中を何度も反らせて、果てていった。

1/30日の脳の女性化が進み、光一にかい・かんの刹那、女の声を出させた。

波が引いていく。
『ああ、すごかった。
 女の子は、こんなに感じるのか。
 俺は、イってしまう一瞬、女の子の言葉が出ちゃった。
 脳の中でも、女性化がはじまったのか…。』

「優奈、ありがとう。俺、はじめて女の子体験した。」
「最後の女の子の言葉、あたし、感激でもえちゃった。」
と優奈が言う。
「俺、そのうち言葉まで、女になっちゃうのかな。」
「そうなる日が楽しみ。」
優奈は言った。

光一は、訪ねた。
「優奈。優奈から見て俺は女でしょう?相手が女でも、できるの?」
「光一みたいな美人で可愛い子なら、男女関係ない。」
「そんなものなの。じゃあ、俺、お返ししなきゃ。」
「いいの。あたしは、いいの、してあげるだけで満足。」
「そんなはずない。」

光一は、そう言って優奈の上に乗り、
口づけも、胸のあいぶも、脇の下の口づけも、たっぷり、たっぷりとした。
優奈は、感じて、体をバタバタとさせている。
光一は、優奈の太ももをなでた。
優奈が声をあげる。
「ああん、光一、感・じる、たまらない…。」
優奈は、言葉を発した。
光一は、いよいよ、優奈の黒いショ・ーツに手を入れようとした。
すると、優奈がそこを押えて、こばむ。

「光一、ここは、いいの。他のところをして。」優奈が言う。
「そんな、一番感じるところじゃない。」
「でも、いいの。」
「よくない。」
光一は、優奈のショー・ツの中に手を入れた。
女の子のものと少し感じが違う。
もっと奥まで手を入れた。
優奈が、「ああ…。」といって両手で顔を隠した。

今まで、3人の男が、優奈を女と思い、くどいて、
無理矢理、この場面まで行ったことがあった。

一人は怒り、優奈を散々侮辱して去って行った。
一人は、優奈を「この詐欺師。」と罵倒して去って行った。
一人は、がっかりして、うなだれて去って行った。

光一は、優奈の股の後ろに隠されていたものをさわった。
「あ、優奈、そうだったんだ…。」
「ごめんなさい。」と優奈が言う。
「謝るのは俺の方だよ。君が嫌だと言ったのに。ごめんね。
 でも、俺、平気だよ。ほら、おれのア・ソコ、まだ興ふんしっぱなし。」
光一は、そう言って、優奈の手を、自分のアソ・コにもっていった。
錯覚した。自分のものが、大きくなっていると思った。
女性化しているので、ぬ・れているのだった。

「多分、優奈は、触られるのも、見られるのも嫌かもしれないな。
 じゃあ、こうしたらどうかな。」
光一は、優奈のショー・ツをとり、
優奈の脚をM・開きのようにして、優奈の男のものを自分の女の中に入れた。
そして、優奈を突いていった。

優奈は、脚を開いたポーズを思い浮かべ、女になった気がした。
そして、光一に突かれて、丘・されているような感じがした。
しかも、かい・かんがズンズン自分を襲ってくる。
『ああ、幸せ。女の子にされてる。』
優奈は、思いっきり女の子の叫び声を上げた。
「あん、い・や・ん、もっと、もっと丘・して。
 あたしを、めちゃめちゃにして。ああ、気がくる・いそう。」
こんな言葉を何度も発した。

やがて、波が来た。
「ああ、光一、だい・て、強くだい・て、き・すして、ああん、ああ……。」
優奈は、光一に強く抱かれ、口づけをされたまま、
光一の中へ放出した。

優奈にとって、相手がいて、初めて体験した性の喜びだった。
感激して、優奈はうっすら涙を浮かべていた。
「光一、ありがとう。」
光一が横にきた。
「俺もすごい気持ちよかった。
 お礼なんて、言いっこなしだよ。」

「あ、優奈の俺に、中出しになったかな?」光一は言った。
「大丈夫。ホルモンであたし、生殖能力ないから。」と優奈は言った。

モニターを見ていたキャプテンRは言った。
「ふーん、光一っていい奴じゃん。
 優奈は、健気だわ。」


つづく(次回は、「モーターショー」です。

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女性化チャリティUFO①「俺は女になったのか?」

新連載です。今度は、女装小説の基本中の基本、
「ある日、女になっていた」をテーマにしました。
今まで、書きたくて、書けなかったテーマです。
読んでくださると、うれしいです。

=============================

光一は、冷凍トラックを盛岡から南に東北道を走らせていた。
夜中の2時を過ぎていた。
スピードを出すのは、夜中に限る。

学生になって、バイトはこの仕事オンリーである。
大型免許を取ってよかったとしみじみ思う。

この夏休みは、かき入れどきだった。

トラックが福島辺りを通ったときである。
前方の空高く、不思議な物体を見た。
円盤型で、サーチライトのように地上を照らしている。
まさか、UFO?
まさしくそうだ。
それ以外にあんなおかしな飛び方をするものはない。

光一は、好奇心が旺盛。
せっかくスピードがのってきたトラックだったが、
ブレーキを踏み、トラックを止めて、外に出た。

そのおかしな物体は、自分の方へみるみる飛んできた。
そして、頭上に来たとき、
「あ。」と光一は、照射を食らった。
一瞬、残光で目が見えなくなり、
やっとトラックのランプが見えかけたとき、
不思議な円盤は消えていた。

「なんだったんだろう?」
と考えながら運転席に戻った。

朝の3時になった。
この時間でも、ちゃんとやっている食堂がある。
中へ入ると、3時だというのに満席だ。
光一は、やっと席を見つけて、玉子丼を頼んだ。
相席は日に焼けたおじさん達で、なにか自分を見ているようだ。
玉子丼が来て、かっこんでいると、
「姉ちゃん、食いっぷりがいいね。」とはす向かいのおじさんがいう。
「姉ちゃん?なんで?俺、男だよ。」光一は言った。
3人のおじさん達がゲラゲラと笑う。

「だってよ。そんだけでっけえオッパイがありゃ、姉ちゃんだろうよ。
 ランニング1枚じゃ、てっぺんのくりくりも見えるぜ。」
「その、なんだ、乳バンドってのしないのかい。」
と隣と前のおじさんが言う。
光一は胸を見てみた。
オッパイなんてない。
「ないよ、オッパイなんか。」
「声だって、顔だって、可愛いぜ。たいしたベッピンだ。」
「え?俺、女みたいなんて言われたことないけど。」
光一が言うと、向かいのおじさんが、2人のおじさんを制して、
「まあ、いいやな。自分のこと男だと思ってる姉ちゃんは、
 この仕事けっこう多いじゃねーか。
 三島の姉御もよ、女だっていうと本気で怒るぜ。」
「なるほどな。ま、いろんな人間がいらーな。」
「兄ちゃん、気にすんな。俺達が悪かった。」
「うん。別にいいけど。」光一は浮かぬ顔で言った。

食堂を出て、30分ほど走った。
夜中の3時を過ぎている。
まだ夜は明けない。
そのうち、道端で、画用紙のような紙を出して、合図をしている女の子を見た。
ヒッチハイカーかと思った。
女の子が、よくこんな時間、こんなところでヒッチハイクしてるなあと思った。
光一は止まった。
女の子が乗り込んできた。
高校生くらいの可愛い子だった。

「わあ、すいません。あ、ラッキー、女の人だ。」とその子は言う。
光一は、トラックを出した。
「女の人って、俺見て言ったの?」
「はい。女性でしょ?」
「男だよ。名前は光一。」
「わあ、ごめんなさい。てっきり女性だと思っちゃって。
 あたし、優奈(ゆな)と言います。」
「さっきもさ、食堂で、ねえちゃんって言われたんだ。
 俺、女に見られたことなんて、今まで一度もないんだけどなあ。
 俺、女に見えるの?」
「あ、正直に言えば…、見えます。
 どこからどうみても、可愛い女の子…。」
「そんな?」
「はい、超美形。スッピンなのに。」

光一はいろいろ考えた。
さっきのUFOみたいなのが、俺に何かした。
女に見えるようにしたのか。
しかし、不思議だ、自分で見てもわからない。

そのことを、優奈に話してみた。
「不思議ですね。光一さんは、その光で女性化したのかな。いいなあ。」
と優奈は、言った。
「今、『いいなあ。』って言った?どうして?」
「あ、気にしないで。なんの意味もなく言っちゃった。」



その頃、光一に照射したUFOは、ハワイ上空にあった。
みんな銀のボディスーツのような未来型の服装をしている。
団員は、みんな女性であった。
「キャプテンR。しくじりました。」と一人の隊員が、
青くなってキャプテンRのところに来た。
「何を?R-7。」とキャプテンRは言った。
キャプテンRは、体にフィットした、ミニのワンピースで、スタイル抜群である。

「まちがった人物を女性化してしまいました。」とR-7は言う。
「あらま。やっちゃったの?」とキャプテンR。
「『やっちゃったの。』って、キャプテン、リアクション薄いです!
GOサイン出したのキャプテンですよ。」

「え?あたし?で、どう間違ったの。」
「午前3時15分30秒に、真下に来る人物のはずでしたが、
 1時間ほど前に道路に出ている人物がいたので、間違えて照射してしまいました。
 その1時間後にあの道路にいて、白い紙を振っている人物こそが目標でした。」

「どうまずいの?」とキャプテンR。
「白い紙を振っていた人物なら、女装子あるいはGIDですから、脳が女性化しています。
 だから、体を女性にしてあげれば、きっと喜ばれます。
 私達の『女性化チャリティ』に見合った人物です。」

「それで?」
「間違えた人物は、女装子でもGIDでもなく、脳が男脳ですから、
 脳が体に順応するまでに時間がかかります。
 体は瞬時に女性になりますが、
 脳の女性化には、約1ヶ月を要します。

 初めから、自分の女性化を見ると、脳がショックを起こしますので、
 初めの2日間は、自分を見ても、女性とは認識しないようになっています。」

「じゃあ、安全。問題ないじゃない。」とキャプテンR。
「わかってませんねえ、キャプテン!一人の青年の将来を変えてしまったんですよ!」
「女で生きる方が、喜びが大きいに決まってるじゃない。」
「それは、私たちが女装子集団だから、そう思うだけです!
 でも、みんながそうとは限りません。」

「わかったわ。要するに、落とし前をつければいいのね。」
「『落とし前』って、死語ですが…。」
「フォローすればいいのね。」
「はい、最低そうしてください。」
「間違って光当てた子に、位置確認パルスも打ってあるわね。」
「はい。」



「光一さん。」と優奈は言った。
「何?」
「あのね。あなた、上はランニング1枚でしょ。
 きっと背が低くなって、シャツがだぶだぶになったんだわ。
 あたしの位置から見ると、ちぶさのほとんどが見えるの。
 あたしのブラ貸しますから、それだけは着けた方がいいと思うの。
 前から見たら、ちくび丸見えだし。」
「え?やだよ。女の下着なんて恥ずかしいよ。」
「そのランニング着てる方が、ずっと恥ずかしいと思うけど。」
「大きな胸の女の子が、だぶだぶのランニングだけ着てるみたいなの?」
「そう。」
光一は、現実を認めて、トラックを路肩に止めた。

光一は、自分の胸を触ってみた。
ほんとだ。かなり大きい胸だ。(触覚ははたらく。)
見た目では、男の胸なのに。不思議だ。
ああ、俺、今相当ヤバイかも…。

優奈が、リュックからピンクの見せブラを出してくれた。
光一ははだかになり、優奈にブラをつけてもらった。
「これ、見せブラだから、ブラが見えても恥ずかしくないの。」
「ああ、これつけると違うなあ。
 さっきから、揺れる度、胸が痛かったんだ。ありがとう。」

「光一さん、ちょっと腕を上げて。」
「こうお?」
「わあ、脇の下が、つるつる。きっと永久脱毛されたんだわ。いいなあ。」
と優奈が言った。
今度の優奈の「いいなあ。」は意味がわかった。

光一は、すべすべの脇の下を触ってみた。
やわらかい。
ブラの上から胸も触って見た。
女の子の胸。やわらかい。
当然興奮する。
どこかが大きくなってくる。

光一は、ズボンのベルトをゆるめ、大きくなっているはずのものを触った。
ない。
その代わり、女の場所が少し潤んでいた。


つづく(次回は、『ぼく達はレズなの?』です。)

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教室は私の部屋⑨「夢を追いかけて」最終回

全9話に渡る長い物語になってしまいました。
最後までお付き合いくださった方々、どうもありがとうございました。

============================

弘美は家に帰って、大学の話をした。
「圭吾さんが、あたしはあまり学校へ行ってないから、
 行った方がいいというの。」
「うん、それは、行った方がいい。」と父の郁夫は言った。
「で、目標は。」母の孝子は言った。
「医学部。お金がないから、できれば国立。」と弘美は言った。

「ええ??」と両親は驚いた。
「どのくらいむずかしいか分かるか。」と父の郁夫。
「よく分からない。
 でも、あたし小学校のとき学年で1位だったんだって。
 だから、がんばれば受かるって圭吾さんが言ってくれるの。」
「そう、じゃあ、がんばれ。」と父は言った。

「そのために、圭吾さんは、毎日来て教えてくれるって。
 いっしょに住むのは、受験が終わってからにしようって。」
「うん、わかったわ。圭吾さんには、うちで夕食をとってもらうわ。」
と母は言った。

郁夫と孝子は、もし合格が私立であっても、
資金的援助はすべてするつもりだった。

その頃圭吾の家でも同じ様な会話があった。
「え?国立か。圭吾の給料じゃ、私立は無理だもんな。
 大いに結構だ。」と父の洋次は言った。
母の浩子が言った。
「ねえ、ずーと、夕食に圭吾がいないのは淋しいから、
 1週間交代にしない。半分は弘美さんが、うちで勉強するの。」
「それも、いいね。父さん、母さんと親しくなれるし。」と圭吾は言った。

こうして、弘美の勉強は始まった。
1週間ずつ2つの家を渡って。
弘美は、とても勉強ができたので、質問することが、たまにしかなかった。
圭吾は、部屋に小机を出してもらい、そこで仕事をした。

いつも、勉強のあとで、圭吾は範囲を見て、問題を出す。
そして、弘美が答える。
「わあ、すごい。覚えていたの?」と圭吾がいう。
弘美は、圭吾が驚いてほめてくれるのが、何よりの楽しみだった。


弘美は、圭吾が仕事をしている昼間も、
圭吾との勉強が終わった後も、夜遅くまで勉強した。

ブログに書き込むのは、1週間に1度くらいになった。
今、医学部を目指してがんばっていることを書いた。

すると、すごい応援のコメントをもらった。
そのコメントも、やる気を出させてくれる大きなものだった。

弘美の通信制高校最後の年、弘美は19歳。
5月に模擬試験を初めて受けた。
いっしょに付いてきた圭吾は、
「どうだった?」と聞いた。
「むずかしかった。あんなにむずかしいとは、思わなかった。」と弘美は言った。

結果が返ってきたとき、国立医学部、合格率50%と出た。
弘美は、それを見て、がっかりした。
90%くらい出ないといけないと思っていた。
圭吾から聞かれて、「ダメ。合格率50%だって。」と言った。
圭吾は驚いて、
「何言ってんの、50%ってすごい数字だよ。
 75%で、まず合格するだろう…だから、50%は、すごい成績だよ。」
と言った。
「そうなんだ。」と弘美は喜んだ。

そして、共通一次で、高得点をとり、
最後の模擬試験で、とうとう75%を取った。
「この成績、家族のみんなには、内緒にしておこう。」
と圭吾は言った。
「うん。私もそうしたい。」
と弘美は言った。



大学に障害者における相談日があって、
弘美は、性同一性障害であることを前もって告げた。
大学はその配慮をしてくれた。
例えば、受験票は男子で、本人が女子でも、問題にされないように。

とうとう本試験の日が来た。
手がこごえそうな、寒い日だった。
圭吾は、仕事があり、弘美に朝だけ付いて行った。
「弘美、今まで、よくがんばったね。」と圭吾は言った。
「うん。やれることは全部やった。」
「あとは、試験だけ。」
「あたし、あがらないタイプだから大丈夫。」

弘美は、無事、全ての試験を受けてきた。
英文での小論文もあった。

「お疲れさん。」と仕事から帰ってきた圭吾は言った。
「全力出したから、もう後悔はしない。」と弘美。
「その通りだよ。」
「圭吾さんがいてくれたから、ここまでやれた。
 圭吾さん、ほんとに、ありがとう。」
「いやいや、ほとんど弘美が自力でやったよ。」
弘美は、圭吾の家に行って、毎週夕食をごちそうになったお礼を言った。
「いいええ。弘美さんとごいっしょできて、楽しかったわ。
 ああいう日がずっと続いてほしいくらい。」と浩子は言った。



合格発表の日が来た。
ちょうど日曜日だった。
結果は、パソコンを見れば知ることができる。
しかし、弘美は、学校まで行って、掲示されているのを見たいと言った。
そこで、圭吾といっしょにいった。
「ああ、なんか、駅に近づくだけで、ドキドキする。」と弘美は言った。
「俺も。怖くて近づけない。」

大学の正門を通り、やがて、正面の掲示板が近づいてきた。
「ああ、どうしよう。心臓が破裂しそう。」と弘美。
「ダメ元で行こう。中学からの勉強、全部一人でやってきたんだよ。」と圭吾。
「うん。ダメでもともとよね。」
合格通知の紙は思ったより小さかった。
多くの人がいる。
飛び上がって喜んでいる人、落胆に肩を落としている人。
圭吾は弘美の肩を抱いて、前に進んだ。
そして、二人は見たのだった。
弘美が、泣いて圭吾に抱きついた。

弘美の受験番号があった。

「わあ、すごい!」と圭吾は弘美を抱きしめた。
「弘美、国立医学部だよ。すごい。ああ、感激だ。」と圭吾は続けて言った。
「うん、圭吾さん、ありがとう。」と弘美は言った。
「さあ、はやく、電話しよう。」圭吾は言った。

二人はそれぞれの家に電話した。
弘美の父は、椅子から立って喜んだ。
「今、母さんに変わるからな。」
「弘美、夢じゃないのね。本当なのね。」
「うん、本当。圭吾さんと見たから。」
母は、その場で泣き出した。
由佳が電話に出た。
「お姉ちゃん、すごいよ。ほんとに合格なんだ。おめでとう。」

母の孝子は、その場に座り込んで言った。
「弘美の将来を考えることができなかった。一生家にいることを覚悟してた。
 それが、圭吾さんに出会い、国立の医学部だなんて、うれしい、うれしい。」
と顔を覆って泣いた。
郁夫が孝子の背に手をかけた。
「俺も、孝子と同じ様に思っていた。弘美は今まで辛かった分、
 きっと、これから報われる。ほんとによかった。夢のようだね。」

圭吾の父は、
「これは、大変だ。すばらしい。おめでとうって言ってくれ。」
母が代わり、
「すごいわ。よくがんばったものね。圭吾もよくサポートしたものね。」
母は、泣いていた。

その日の夜、弘美の家で、二家族合同で、お祝いの会をした。
両親達はすっかり仲良くなった。

その日の夜、弘美はブログに書いた。
『合格しました。泣きました。
 これからは、「教室は私の部屋」ではありません。
 「教室は、私の大学」になります。』

たくさんの、「おめでとう!」との祝福コメントをもらった。
・美咲さんのお陰で、夢が広がった。嬉しくてたまらない。
・美咲さんを見習って、俺もニートから抜け出せるようにがんばる。
・泣いたよ。ほんとにこんなことがあるんだ。美咲はあたしたちの希望だよ。
うれしい言葉ばかりだった。



二人は、約束どおり、森の中の小さな教会で、
家族だけの結婚式を挙げた。

バージンロードを歩くウエディングドレスの弘美は、眩しいほど綺麗だった。
家族みんなが泣いていた。
牧師の言葉に、二人は、「はい。」と答えた。

そして、二人は、みんなの見ている前で、口づけをかわした。
「王子様とお姫様みたい。」と由佳が言った。

外に出て、弘美が投げるウエディング・ブーケ。
「由佳、行くわよ。」と弘美が笑顔いっぱいに言った。
由佳が見事キャッチした。

五月晴れの青い空に、
二人を祝福して、真っ白な鳩が群れをなして飛んだ。


<おわり>

※次回から、また心を新たにがんばりたいと思います。
 予定は、「女性化チャリティ・UFO」です。 

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教室は私の部屋⑧『第3ハードル・そして』

長い物語になってしまいました。次回で、最終回です。
読んでくださるとうれしいです。

=============================

互いの両親の理解を得て、
二人は、土曜、日曜は必ず合い、簡単なデートをした。
そんな、あるデートのときのこと。
圭吾は言った。
「第三ハードル。
 これこそ、弘美も俺も、もっとも心配だったことだと思う。
 つまり、そのセッ・クス。
 俺は、メールで男の弘美にはっきりと言った。
 二人が理解して、工夫すれば、きっとうまくいくって。
 だから、これから俺と弘美で、それを証明しよう。
 
 弘美、この第3ハードルを越えられれば、
 もう、俺達何も怖くないと思わないかい。」

「うん、思う。あたしが一番心配していたこと。
 圭吾さんが分かってくれていてうれしい。」
「失敗したって、また、次の回があるじゃない。
 そんな気楽な調子で行こう。」
「うん。そうね。今、気持ちが楽になった。」



二人はラブホテルに入っていった。
「わあ、すごい。スイートルームみたい。」と弘美。
「そうだね。俺も入るの初めて。
 俺、女の子とのセックス初めてなんだ。」
「あたしも。」
「じゃあ、ますます、二人で研究だね。」
そう言って、圭吾は、弘美にキスをした。
強く抱かれて、弘美はくらくらとした。
「弘美はずかしいと思うから、暗くするね。
 お互いはだかになって、ベッドにもぐろう。
 平気?」
「うん。これだけ暗ければ平気。それに毛布の中だし。」

二人は、真っ裸で、毛布にもぐった。
圭吾は、あるものをベッドの棚に置いた。
「俺さ、弘美はあそこを自分で触るのも嫌だし、
 人から触られるのはもっと嫌だと思うんだ。
 だから、触らないでしてみる。」
「どうやって?」
「今にわかるよ。」
そう言って二人はキ・スをして、お互いの体をあいぶした。
弘美は、ちぶさは感じる。
そこを、圭吾にたっぷりあいぶされて、弘美は声を出した。
弘美は、自分のあそこが大きくなったしまっていた。
恥ずかしいので、股の間に挟んでいた。

圭吾は、ベッドの棚に置いてある何かを手に取った。
「これ、気持ちがいいんだよ。」
「なあに、それ。」
「スプレー式の潤滑油。」
圭吾は、それを二人の重なったお腹の間に噴射した。
そして、隠していた弘美の男のものをお腹の間に置くように言い、
自分のものも置いた。
お腹同士をこすり合わせると、二人のものが擦れ合う。
潤滑油があるので、気持ちがいい。

それは、弘美が一人で自分を慰めるときの方法と似ていた。
弘美は、ベッドにタオルを置いて、その上にうつ伏せに寝て、体を動かす。
こうすれば、触らないで澄む。

自分の慣れた方法に近かったので、
弘美の気持ちは安心して、どんどん高まっていった。
「ああ、ああん。」と声が出る。
圭吾に上半身を抱かれて、女になったという気持ちが強くする。

圭吾が上になって、お腹を動かすたびに、
弘美は声を上げた。
「いい?」と圭吾は聞く。
「うん。すごくいい。」と弘美は答える。

高みへと登っていき、やがて到達しそうになった。
「ああん、圭吾さん、抱いて、強く抱いて、ああ、あたし、いきそう。」
「俺も、いきそう。いっしょにいこう。」
圭吾はそう言って、弘美を強く抱いてキ・スをした。
圭吾も限界だった。
下にいるのは、可愛い弘美だ。
「ああ…。」と弘美が震え小さな声を上げた。
同時に、「うっ。」と圭吾が声をあげた。
二人のお腹の表面に、あたらな潤滑油が流れた。



シャワーからあがって、下着姿の弘美は、
ソファーに座っている圭吾の後ろから、
圭吾の首に抱き付いた。
「どうしたの?」と圭吾は聞いた。
「うれしいの。実は、セックスのこと、すごくプレッシャーだったの。」
「俺だってそうだよ。」
「圭吾さんは、あたしの心配なことを片っ端から解決してくれる。」
「弘美の心配なことと、俺の心配なことが同じなんだよ。」
「圭吾さんは、私の気持ちをみんな分かってくれる人。
 そして、すごい行動力。」
「その、行動力でさ、相談があるから、早く服を着ておいでよ。」

服を着た弘美は、圭吾の横に座った。
冷蔵庫から、オレンジジュースをとって、グラスに注いだ。

「弘美は、あんまり学校へいってないじゃない。」と圭吾は言った。
「うん。行ってても、つらい日々ばかりだった。」
「それでね。俺、弘美は大学へいくといいと思うんだ。」
「大学?!」
「大学は、中学や高校とちがって、オープンだから、きっと行ける。
 弘美は、昔の弘美じゃない。少しずつ、外の世界になれているはず。
 いままで、いけなかった学校を大学で取り戻すんだ。」

「大学かあ、今まで考えたこともなかった。」
「弘美、もし大学に行くなら、なんの勉強したい。」
「うーむ。医学部。精神科のお医者さんになって、あたしみたいな子をみてあげたい。」
「それ、いいね。弘美は6年生のとき、成績は学年で1番だったんだよ。」
「ほんと?」

「うん。だから、医学部も夢じゃないと思う。
 二人でいっしょに暮らすのはあと2年我慢して、受験勉強するといい。
 通信の高校は、4年制でしょう。
 今年1年間で、通信の単位を全部取ってしまう。次の2年間、受験勉強する。
 俺、鬱病の診断もらったから、2学期からは、仕事を減らしてもらって、
 毎日、弘美の家に行く。

 俺は、俺の仕事をする合間に、弘美の勉強の手伝いをする。
 そして、弘美が合格したら、晴れて、いっしょに住む。
 結婚は、法的にはむずかしいんだけど、家族だけ呼んで、教会でウエディングドレス。
 どう?いいと思わない?」

弘美は感激した。
圭吾は、自分のことは抜きにして、弘美のことをまず考えてくれる。
大学に行ってみたい。大学の人は怖くない気がする。
圭吾にできると言われると、できる気がする。
弘美はうなずいた。
「圭吾さん。ありがとう。あたしがんばる。夢を追いかける。」
圭吾は、にっこり、さもうれしそうな顔をした。

「うん。夢があるなら、追いかけないとね。
 失敗しても、二人で、反省して、また挑戦すればいい。
 弘美の合格は、二人でやる二人三脚。」
「うん、がんばる。圭吾さんがいれば、何でも叶う気がする。」
弘美と圭吾は手と手を取り合って、固く握手をした。


つづく(次回は、『夢を追いかけて』最終回です。)

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教室は私の部屋」⑦『弘美・圭吾の両親に会う』

物語がとても長くなっています。第9話が最終回です。
最後までお付き合いくださると、うれしいです。

================================

圭吾は、家の前で、家に電話をかけた。
「今日ね、ある女性といく。彼女をお母さん達に紹介したいんだ。
 彼女について、少し説明したいこともあるんだ。
 実は、家のそばまで、来てる。
 OK?うん、よかった。」

圭吾の家は、少しモダンな建物だった。
中へ入ると、母の浩子が出迎えていて、どうぞ、どうぞと言われた。
弘美は、心臓がドキドキして、今日で2回目の大きなドキドキだった。
奥のリビングにソファーがある。
そこに、父の洋次と母が座り、
L字型の一方に、圭吾と弘美が並んだ。
圭吾の父は、若々しい服装をしていた。

弘美は、紹介されるまではいいが、
性同一性障害という言葉を聞くと、
圭吾の両親が顔色を変えるのではないかと、
そればかり心配していた。
しかし、両親が反対しても、圭吾が守ってくれるにちがいないと思っていた。

圭吾は、弘美に父母を紹介し、
弘美を父母に紹介した。
「父さんと母さん。この弘美さんは、
 俺が将来結婚しようと思っている人なんだ。
 で、弘美さんについて、分かってほしいことがあって、
 今日来たんだ。
 父さん、母さん、性同一性障害って知ってる。」

「ああ、知ってるよ。母さんも知ってるはずだよ。」と父は言った。
「この弘美さんは、そういう人なんだ。
 俺が、教師になって、初めて担任したクラスの子だった。
 そのときは男の子だった。でも、いっしょにいるととても癒される子だった。
 それは、今でもいっしょで、オレの生涯の伴侶となってほしい人なんだ。」

弘美は、心配で、うつむいていた。
そっと両親の顔を見た。
両親は、とくに驚いた顔をしていなかった。

父の洋次は、圭吾に言った。
「それで、弘美さんは、特別だから、圭吾は父さんたちの承諾を得にきたのか?」
「うん、まあ、そうなんだ。」と圭吾。
「圭吾、お前は、親がいくら反対したって、いうことを聞く奴か。
 お前が、この人と思った人だろう。親が反対してなんになる。
 母さんも、そう思うだろ。」

「ええ、思いますよ。圭吾は親の反対を聞いたためしがありません。」
「じゃあ、いいの?」と圭吾。
「いいも、悪いもない。もともと親の承諾なんて、いらないよ。
 お前が、いい人と思ったら、それでよしだろう。なあ、母さん。」
「ええ。結婚は二人で決めるものだと思うわ。」

父の洋次は、やさしい目を弘美に向けて言った。
「弘美さん。安心してください。
 圭吾には回りくどいいい方をしましたが、
 弘美さん、私達は、あなたを歓迎しますよ。そして、応援もします。

 実はね、つい一週間ほど前に、テレビドラマを見たんですよ。
 性同一性障害の人のドラマでした。
 当事者の誰かという女性が、主人公として出演しました。可愛い人でした。
 で、そのドラマで、性同一性障害であることが、どんなにつらいか。
 妻と私で、ようく理解しました。
 そして、主人公を応援して、
 ハッピーエンドになったときは、二人で嬉しくて泣きましたよ。
 
 弘美さんも、今まで、さぞお辛い思いをされてきたことでしょう。
 圭吾は、ふつつかな奴ですが、一度決めたことは守る。
 それだけが、圭吾の長所です。
 だから、圭吾は、あなたを一生愛していくと思います。
 こちらこそ、圭吾をよろしくお願いします。」
父の洋次と、母の浩子は、頭を下げた。

弘美は、父洋次の温かい言葉を聞いて、涙を浮かべた。
そして、感激と安堵で、ハンカチを目にあて泣き出した。
「ありがとうございます。うれしいです。」
と弘美は、言った。
圭吾も涙を浮かべた。



次の日、圭吾は、弘美の両親に会いたいと言った、
「うちの両親は、賛成に決まってる。
 あたしが、結婚できないとあきらめているから。」弘美は言った。
「俺の両親に会ってもらったんだから、弘美のご両親にも会わなくちゃ。」
「うん、わかった。じゃあ、きょうの7時でいい。
 夕食をいっしょにして。」
「うん。分かった。俺が、インターフォン鳴らしたら、
 まっ先にきてくれる。」
「うん。わかった。」

弘美は、家に帰って言った。
「今日、あたしと生涯を共にしてくれるという人が来るの。
 だれだか、内緒。
 夜の7時。夕食をいっしょにということなの。」
それを聞いて、両親と由佳は、大慌てにあわてた。
和室の客間に、大机を出して、座布団を用意した。
お寿司をとって、オードブルの大きい皿に食べ物を並べた。
由佳だけがだれが来るか知っていた。

7時ぴったりにチャイムがなった。
弘美がすぐに出た。
圭吾は、スーツ着てネクタイを締めていた。
弘美が、圭吾を連れてきたとき、
父の郁夫、母の孝子、妹の由佳は席に着いていた。
圭吾が席に着いたとき、
母の孝子がいった。

「あの、大里先生では、ありませんか。」
「はい、弘美さんが6年生のときの担任だった、大里です。お久ぶりです。」
「ああ、知ってます。先生の学級通信がおもしろくて、
 私は、ファンでしたよ。」と父の郁夫が言った。
郁夫は、デザインの仕事をしていて、髪を長髪にしていた。
「初めから、知っていてくださると、うれしいです。
 今日は、弘美さんと結婚を前提に、
 お付き合いをすることの、お許しをいただきにきました。」

「まあ、大里先生が。それは、夢のようなお話です。」
と浩子は言って、目に涙を浮かべた。
由佳が、
「大里先生は、学校で1番の人気のある先生なの。
 先生のクラスじゃない子も、先生のこと大好き。」
と由佳はいった。

「弘美さんとの交際の件、よろしいでしょうか。」と圭吾は、父の郁夫に聞いた。
父は、涙ぐんでいた。
「いいも、悪いもありません。
 妻と私は、弘美の結婚など、できないものと、とうにあきらめていました。
 それが、大里先生のような方と、生涯を共に出来るなんて、
 これ以上、うれしいことはありません。

 先生のお人柄は、あの学級通信に全てが表れていました。
 なんて、いい方だろうと思っていました。
 娘の弘美が、少ない学校生活で、唯一いじめに遭わなかったのは、
 先生に受け持っていただいた、あの1年間だけだったのです。
 すばらしい先生だと思っていました。
 その先生が、弘美の生涯の伴侶になってくださるなんて、
 こんなにうれいしことはありません。」

父の郁夫は、頬に幾筋も涙を流していた。
「どうぞ、よろしくお願いいたします。」
と郁夫と浩子は、頭を上げた。
「こちらこそよろしくお願いします。
と圭吾も頭を下げた。

それから、夕食のお寿司と、オードブルが運ばれて、
お酒を呑んで、圭吾は、弘美の家族とすっかり親しくなった。
未成年の弘美と由佳は、ジュースだけ。

こうして、第二ハードルは、問題なくクリアした。


つづく(次回は、『難関・第3ハードル・セッ・クス』

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教室は私の部屋⑥「女の子弘美・圭吾に対面」

日曜日の、午後の6時に決まった。
いっしょに夕食をということになった。

当日、弘美は、朝からそわそわしていた。

妹の由佳には、全てを話した。
由佳は、
「圭吾先生なら絶対いい。
 学校中で一番人気の先生だったよ。
 他の学年からも人気あったもの。
 お姉ちゃん、上手く行くといいね。」
と言った。

午後になり、約束の時間が迫って来ていた。

弘美は、服を迷って、由佳に聞いていた。
「これ、どう?」と弘美。
「お姉ちゃん、大人な女として会うんだから、
 もっとシックなのがいいよ。」
「じゃあ、これ?」
それは、エンジ色のワンピースだった。
袖なし、光沢のある生地。胸が開いている。
スカート丈は、膝下。
「うん、それがいい。それに、金のネックレス。
 金のピアス。」
「うん、そうね。」
「ちょっと大人なメイクを薄くしていった方がいいよ。」

弘美は、エンジ系のシャドウを薄く入れた。
リップも、同じ色のを、薄く引いた。
髪の毛をよくブラッシングした。
前髪から、額が少し見えるようにした。

「いいかな。」
「うん、かなりいいよ。お姉ちゃん、美人だなあ。」
「ありがとう。ああ、心臓が止まりそう。」
「そりゃそうだよね。」
と由佳は、優しい眼差しを送った。

一方、圭吾は、男の弘美に会うんだからと、
あまり緊張はしていなかった。
しかし、清潔な格好だけは、していこうと思った。
身長180cm以上かあ。
どんなになっているんだろうなあ。

そんなことを考えながら、
約束のファミリーレストランに30分ほど前に来ていた。

約束のファミレスは、学区域から、少し離れたところに決めていた。
そこなら、学校関係の保護者もいない。

圭吾は、コーヒーだけを頼んで、それを飲んでいた。

弘美は、時間ぴったりに行こうと、
途中速く歩いたり、遅く歩いたりしていた。
胸がドキドキして、逃げ出したいくらいだった。

弘美は、レストランに入った。
圭吾を見つけた。
圭吾は、ちらっと弘美を見たが、
待っているのは、長身の青年であるためか、
目を、他の場所に移した。

弘美は、高鳴る胸を抑え、
圭吾の座っているソファーの近くに立った。

「先生。」と言った。
圭吾は、弘美を見た。
そして、目を大きく見開いた。
「弘美?」
弘美はうなずいた。
圭吾は、驚きで、ソファーから立って、弘美の前に来た。
「あ、じゃあ、じゃあ、もしやN子さんが、君だったの?」
「うん。」
「身長180cmの弘美なんていないの?」
「いないの。あたしの嘘だったの。」
「じゃあ、ぼくの仮想の女性・弘美は、実際に目の前にいるの?」
「うん、そう。先生のイメージと違うかもしれない。」
圭吾は、目を潤ませた。
「小学校出てからも、辛い思いをしたね。」
「うん。辛かった。」弘美の目が潤んできた。
「そうだったんだ。」

圭吾は、思わず弘美を抱きしめた。
「そうか、どんなに辛かったか。何もしてあげられなくて、ごめん。」
圭吾は、たくさんの涙をこぼした。
弘美は、辛かった日のことを思い出して泣いた。
しかし、今、圭吾に抱かれて、幸せだった。

店の中の客が、みんな見ていた。
「あ、いけない。座ろうか。」圭吾は言った。
「うん。」
と弘美は言って、圭吾と対面に座った。

夕食を注文した。

「俺の仮想の弘美より、目の前の君の方が、きれいだよ。」
「ほんとですか?」と弘美は笑った。
「じゃあ、メールで、俺の君への気持ち、全部バレてるんだ。」
「はい。最高にうれしかったです。」
「うれしいと思ってくれるの?」
「はい。あたしも先生のこと大好きです。恋愛感情ですよ。」
「じゃあ、俺達は、今、お互いに告白したってこと?」
「はい、そうです。」弘美は笑った。

「おお、やったー!俺の夢でしかなかった弘美が、実際にいて、
 今俺の前にいてくれるなんて。俺、神様に感謝する。」
「先生が最後にくださったメール、うれしくて、泣きました。」
「あれに、書いたこと本心だよ。」
「先生は、嘘は書かない人です。」

「あのさ、俺達、恋人同士って言っていいのかな。
 だったら、先生はやめて、圭吾とか圭吾さんって呼んで。
 それに、丁寧語はやめよう。友達言葉にしない。」
「いいわ。じゃあ、元先生だから『圭吾さん』って呼ぶ。」と弘美は笑った。
圭吾は、その弘美の笑顔が、たまらなく可愛いと思った。

二人で、昔話をした。
弘美は、圭吾といると、中学での辛いことも、忘れてしまうようだった。
先生としての圭吾も、恋人としても圭吾も、変わらなかった。
「弘美は、6年生のときの弘美と変わらないね。」
と圭吾は言った。
「少なくても女になったことは、変わっているでしょ?」と弘美は聞いた。
「うん。それは、大きな違い。俺が言うのは、
 弘美のそばにいると癒されるってこと。もってる雰囲気。少しも変わらない。」
「誉められてるの。」
「そうだよ。」
「圭吾さんも何も変わってない。やさしくて、おもしろい先生だった。
 今も、同じ。」
「年はとったでしょう。」
「うん。だけど若くみえる。22歳くらい。」



「あのさあ。気になることを早く済ませちゃわない?」
「どういうこと。」
「これから、俺の家に言って、オヤジとおふくろに会ってみない?」
「今日?これから?」
「気になることは、早く済ませちゃおう。
 弘美は、俺の親の反応、気になるでしょう。」

弘美は、びっくりした。
圭吾の両親にどう思われるかというのは、弘美にとって一大事だった。
それが、一つの大きなハードルだった。
もっと何回か、デートをしてからという気がした。
しかし、圭吾の言うように、大きなハードルを今越えてしまえば、
安心して、これからお付き合いができる。
今日、圭吾に会いに、大きな勇気を奮い、自分の姿を見せた。
その勢いで、圭吾の両親と会うというのは、悪くないと思った。
それに、圭吾が自分を親に会わせるというのは、
圭吾の自分への意思表示でもある。

「うん。お会いする。」と弘美は答えた。

二人は、食事を終えて、タクシーを拾った。


つづく(次回は、『弘美、圭吾の両親に会う』です。)

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教室は私の部屋⑤「圭吾渾身のメール」

<メール 圭吾to弘美>

弘美君。いや~、まいったな。
これは、君が俺のことを信頼できる教師と見てくれて、
真剣勝負の質問だよね。俺は、そう感じた。
だから、俺も、軽々しく言えない。そこで、本気で考えたよ。
ずばり、結論を言うと、「俺なら結婚する」だ。

君の質問に対して、俺、正直に話す。
俺は、小学生の時の君を好きだったんだ。
多分恋愛感情に似たものだったと思う。
こともあろうに受け持ちのクラスの子供を、
しかも男の子を好きになっていたんだ。
教師が抱いてはいけない感情だと思う。

そんな気持ちになったのは、この6年間、他には一度もなかった。

もっとも、好きだったのだと気が付いたのは、君に手紙を出したときだった。
あのとき、君の写真を見て、
君が女の子の心を持っているなら、
いつかどこかで女の子になって、
今は17歳のステキな女性になっているだろうなと思った。
そして、17歳の女性になった仮想の君を、心に描き、
俺の恋人のように思うようになった。
(本当のことなんだ。)

6年生のとき、君は、友達がいなくて、昼休み一人教室にいたよね。
そのころ、学校は「全員外で遊びましょう」なんてスローガン立てていた。
だけど、一人ぼっちで、外にいるなんてみじめでたまらないよ。
教室で絵を書いている方がよっぽどまし。
だから、君はそうしていた。

そこで、君が他の先生に、怒られないように、俺は教卓で、教室に君といた。
そのとき、君とはほとんど話をしなかったけど、俺は君を見て癒されていたんだ。
新米教師というのは、毎日が、実につらいものだった。
それが、君によって癒されていた。
君は、不思議に、人を癒すものを持っているんだ。
正直に言うと、俺は、君と二人だけで教室にいたとき、幸せだった。

17歳の仮想の女性になった君を想いながら、
俺は、いろいろ考えた。
仮想の女性はGIDだ。
俺は、結婚を申しこむだろうか、と考えた。
真剣に考えた。
親の反対もあるだろう。子供ができないというハンデもある。

でも、思った。
そういうハンデが理由で、その女性と別れるのと、
ハンデがあっても、いっしょに暮らせるのと、どっちが俺にとって幸せかって。
答えは簡単に出た。いっしょに暮らす方だ。
セッ・クスをどうするかなんて、小さなことだ。
いや、大きなことだね。
しかし、二人で理解し合い工夫してすれば、克服できると思う。

彼女が抱く劣等感は大きなものだと思う。
一番の問題だよね。
しかし、俺が、彼女といることが幸せだ思い、
彼女にその気持ちをいつも表現していれば、
彼女は、劣等感から逃れられる気がする。

辛いときは、彼女と辛さを分かち合ってもらい、
うれしいときは、二人でいっしょに喜び合う。
いっしょに何かをする。ボランティアでもいい。
それが、うまくいったら、いっしょに喜びあうことができる。
そういうのを重ねていって、
お互い、かけがえのない存在だという気持ちを確かめ合うことができれば、
彼女の劣等感はきっと消えていくと思う。
結婚して、二人が幸せそうにしていれば、親もいつかは、分かってくれると思う。

俺の幸せは、彼女なしでは、あり得ないんだと、
そう彼女に分かってもらうことだと思う。
二人が互いに思いやって、幸せになることで、
多くの困難は、乗り越えていけると思う。

弘美君。
俺が君なら、迷わず結婚するよ。
俺の甘い考えなのかも知れない。
しかし、これが、今の俺の全力の答えだ。


ごめんね。弘美君を、女の子にしちゃって。
君が本気で彼女を好きならば、きっと幸せにやっていけるよ。

圭吾

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

圭吾のメールを読んで、弘美は泣いた。
こんなにはっきりと、言ってくれるとは思わなかった。
いつもやさしかったけれど、意志の固い先生だった。
先生が、自分を愛してくれたら、一生愛してくれると思った。
自分も、一生愛すると思った。

その日のブログに、先生のメールの概略を書いた。

「教室は私の部屋」7月末

あたしの彼女が、GIDだと言うことにして、
先生にメールを出しました。
結婚してうまくいくかどうか、先生に聞きました。

その内容は詳しく書けませんが、

先生は、自分なら、結婚すると言ってくれました。
軽い返事ではなく、
あたしのために全力投球で考えたことだと言ってくれました。

あたしは、うれしくて泣きました。
これが、今日のみなさんへの報告です。

美咲

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

読者から、コメントの嵐だった。
・よかったあ!今こそ、真実を伝えて。先生の前に自分の姿を見せるとき。
・おめでとう。美咲さんは、きっと幸せになれる。
・早く、先生に、美咲は女の子だと言って。
 先生の、仮想の女性は、ちゃんとここにいるって、伝えて。

こんなコメントをたくさんもらった。

弘美は、決心をした。
圭吾に、自分の本当の姿を見せようと思った。
そして、メールを書いた。

<メール 弘美to圭吾>
先生、前回のメールありがとう。
読んで、俺、涙が出た。
先生は、相変わらず熱血だね。
俺、彼女にはっきり言う。

でも、その前に、俺、先生に会いたい。
次の日曜日あたりダメ?
それで、よかったら、先生の都合のいい場所と時間言ってください。

弘美

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


つづく(次は、『弘美女の子の姿で対面』です。)


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教室は私の部屋④「弘美の仮想の彼女N子」

すみません。前回の予告で、「圭吾渾身のメール」と書きましたが、計算違いで、次回になります。その前に、1段階ありました。読んでくださるとうれしいです。

===============================

弘美が、メルアドをくれている。
一回出してみようと、圭吾は思った。

<メール 圭吾to弘美>
弘美君。いや~、びっくりしたなあ。
え?身長が180cm以上?バスケ?
女の子にモテモテ?
びっくりの連続だったよ。

でも、よかった。
笑いながら、聞いてくれるかい?
俺は、弘美君は、男子だけど、
女の子の心を持っているんじゃないかと思っていてね、
中学で苦労してないかと、思い出しては心配してた。
担任だったときに、君のために何にもできなかったことが、
辛くて、思い出す度、君に謝っていたんだよ。

でも、今聞いてみると、これは笑い話だね。
ほんとに、よかった。

俺は、君が心配してくれた通り、働き過ぎでダウン。
薬を呑んでやっと元気が出てきたけど、まだ、60%くらいかな。

じゃあ、夏も厳しい部活でしょう。
上手に休憩をとってね。じゃあ。

                 大里圭吾

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

圭吾からのメールがすぐにもらえて、弘美は喜んだ。
弘美は、メールを読んで、驚いた。
自分は、「女の子みたい」とは、だれにも言われることだったが、
「女の子の心を持っている」と、そういう見方をしてくれた人はいなかった。
6年間前に、そう理解してくれていたなんて、弘美は感激した。

圭吾を思う気持ちが、強くなるばかりだった。
弘美は、返事を書いた。

<メール 弘美to圭吾>
先生、やっぱりダウンしちゃったの?
思っていた通りだよ。

先生、辛いときは、空を見るといいよ。
夜でも昼でも、雨の日でもさ。

俺、1日、何度も空を見る。
そうすると、気持ちが楽になるよ。

弘美

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

圭吾は弘美のメールに感激した。
弘美から感じられるやさしさは、あの頃とかわらない。
弘美の心がもし女の子だったなら、
どこかで女の子になって暮らし、
今では、17歳のステキな女性になっているだろうなと思った。
圭吾は、いつしか、心の中に、
17歳の仮想の女性として弘美を思うようになっていた。

弘美に簡単な返事を書いた。

<メール 圭吾to弘美>
弘美君の影響で、俺も空を見ている。
空を見るって、いいね。
教えてくれて、ありがとう。

圭吾



弘美は、次の日、ブログにこんな記事を書いた。

「教室は私の部屋」7月△日

今日も、ちゃんと5時間目まで勉強しました。
今日は、報告があります!
あたし、好きな人ができました。
あたしより10歳も年上の人。
その人は、ジャーン、あたしの小学6年生のときの担任の先生です。
ずっと好きで、ときどき思い出していたんだけど、
なんと、奇跡。6年ぶりにその先生が手紙をくれたのです。
あたしは、女の子みたいな子だったので、
先生は多分、今どうしているか心配で手紙をくれたのだと思います。

ところが、あたしって大馬鹿です。
先生に安心してもらおうと思って、
自分は、背が180cmになり、高校でバスケをバリバリやってて、
女の子にもモテモテです…なんて書いちゃったの。

先生はそれを聞いて安心した、うれしいってメールをくれました。
そんなこと書いちゃったので、
あたしは、もう先生に会いにいけません。

バカですよね。
今日は、そんなトンマな報告です。ではでは。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

たくさんのコメントをもらった。
・そんなの簡単。先生に「嘘書きました。」って言って、
 真実を書けばいいだけだよ。
・例えばさ、美咲の彼女が、GIDでってことで、相談のメールを書いたらどう?

弘美はこれだと思った。

弘美は、長めのメールを書いた。

<メール 弘美to圭吾>7月△日

先生、空見てますか(笑)。
今日、ちょっと長目のメールです。
聞いてくれますか?

先生に、俺、女の子にモテモテなんて書いたけど、
実は、俺、一人の女の子を愛してます。
その女の子、(先生が俺を心配してくれたのと同じ)、
生まれは男の子だけど、心は女の子です。
N子ってこれから呼びますね。

中2まで、N子は必死で男できたけど、
親も理解してくれないし、学校ではいじめられるしで、
耐えられなくて、実は自殺をして、幸い未遂で終わりました。
そこで、性同一性障害だと精神科のお医者さんが診断してくれて、
それから、女の子として暮らせるようになりました。

それから、3年間ホルモン治療もしていて、
今は、まず誰が見ても、女の子です。
学校は、自殺をした中2の日から、行けていません。
彼女は、今、通信制の高校で、家の中で一人で勉強をがんばっています。
教室は私の部屋っていうのが、彼女の口癖です。

俺、N子に本気です。
で、先生に聞きたいのは、俺、将来N子と結婚して、
うまくいくだろうかってことなんです。
今、お互いにまだ17歳だけど、
俺が、一番心配してるのは、
N子が、自分がGIDであることの劣等感があると思うことです。
子供も産めないから、
N子は、俺にいつも引け目を感じているのではないか。
俺の親に、申し分けないという気持ちがあると思うんです。

俺がどれだけGIDを気にしないと言っても、
本人が、そうは思えなければ、N子は辛いでしょう。
N子がつらいと思っている限り、
俺達はうまくいかないんじゃないかって心配です。

先生、ごめん。すごい質問しちゃって。
でも、俺、先生がどう思うか聞きたいです。

弘美

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

メールを出したあと、弘美は、少し後悔した。
圭吾と、もっとたあいないメールのやり取りをして、
それから、こんな核心に迫るメールを出すべきだったのではないか。
今回のメールで、先生の考えがわかる。
それが、良識的な、
例えば、『若いのだから、もっとお付き合いをして考えた方がいい。』とか、
『せめて、彼女が通信の高校を卒業するまで、普通にお付き合いをした方がいい。』とか、
そんなあたりまえの返事が返ってきたら、少し悲しいと思っていた。

いや、慎重に考えた方がいいというのは、大人として妥当な考えだと思った。
両親の理解を得てから、お付き合いを考えるのが普通かなと思った。
自分は、まだ高校生だ。結論など出すなというのが、大人の意見だと思った。

ところが、圭吾は、次に渾身のメールをくれた。
それを読んで、弘美は、泣いた。


つづく(次回は、『圭吾の渾身のメール』です。)


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教室は私の部屋③『小学校教師・大里圭吾』

小学校教師・大里圭吾が登場します。物語の副主人公です。
セクシーな場面が出てこない回ですが、読んでくださるとうれしいです。

================================

大里圭吾は、28歳。
小学校教員として6年目。今ばりばりの働き盛りだった。
背は、170cm、細身だが、運動は得意。
一方、国語や算数も得意で、オールマイティだった。
このため、各種の主任を任されて、毎日が火の車だった。
おまけに6年生の担任として、移動教室など、特別な仕事がたくさんあった。

毎日職場を出るのは、夜の9時を過ぎる。
独身で両親といっしょに暮らしていた。
帰って、用意してもらった夕食を食べ、
それからほとんどは、寝るまで仕事をしていた。

そんな圭吾が、ガクンときたのは、7月の中旬だった。
その頃は、通知表を仕上げねばならず、
圭吾は、必死の思いで気力を出し、夏休みを向かえた。

休みに入り、仕事は楽になったが、気分の落ち込みが治らない。
圭吾が初めて体験する思いだった。
日に日に辛くなり、何もする気になれず、
いつも、お腹に鉛の塊を抱えているような感じがした。
圭吾は、耐えかねて、精神科のクリニックを訪れた。

「鬱病の入り口です。燃え尽き症候群とでもいいますか、
 仕事のやりすぎですね。
 薬を処方しますが、3日ほどで楽になるでしょう。
 1ヶ月ほど辛いままだと本格的な薬を出します。」と医師。
「本格的な薬ってなんですか?」
「抗鬱薬です。」と医師は言った。

圭吾は、薬を呑んで、3日どころか、翌日に効果が出て、楽になった。
かといって、学校の仕事をしたいとは思わなかった。

圭吾は、写真の整理でもしようと思って、
押入れの中から、ビニール袋に入った写真をどっさり畳みの上に置いた。
何気なく昔教えた子供の写真を、1枚1枚見ていた。
すると、ある子の写真を見て、不思議な感情が胸に湧いた。

『高島弘美、今どうしているかなあ。』

この子を教えたのは、自分が教員になって初めての年だった。
その頃の自分は、新米で、無我夢中だった。
俺は、高島弘美を救えなかったと、
深い悔悟の念にとらわれた。
6年経験を積んだ今ならどうにかできたかも知れない。
しかし、あの頃は、その日の授業をすることだけで精一杯だった。

高島弘美は、6年になって転校して来た子だ。
前の学校でひどいいじめにあい、転校してきた。
弘美は、女の子のような子だった。
幸い自分が受け持った1年間は、いじめられてはいなかった。
しかし、いつも一人ぼっちで、友達がいなかった。
というより、弘美は、友達とリラックスして接することができないでいた。
いじめられた後遺症で、無理もないことだと思っていた。

弘美を見ると、いつもふっと女の子と勘違いしそうになることがあった。
顔立ちが整ったとても品のある可愛い子だった。
女の子に生まれていたら、さぞ、可愛いだろうと思った。

勉強がすごくできた。
100点のテストばかり返って来ていたが、
弘美は、すぐにテストを二つに折り、点数を見られないようにしていた。
成績のいい弘美は、前の学校で、やっかみを受けて、嫌がらせをされたのだろうか。

弘美は、心が多分女の子なんだろうと圭吾は思っていた。
「性同一性障害」という言葉が、まだ、多く聞かれない時代だった。

圭吾は、弘美が今どうしているか、安否が知りたくてたまらなくなった。
だが、それは、自分にとって表向きの気持ちだった。
圭吾は、心の奥の本心に気が付いていた。

圭吾は、相手が子供なのに、しかも、男子なのに、
弘美に、ある種の恋愛的感情を抱いていた。
不思議だった。
教員になって6年間、弘美以外、どんな子供にも、そんな感情を抱いたことはない。
えこひいきだってしたことはない。
圭吾は異性愛者だ。
圭吾は、高島弘美に対する自分の感情が不思議でならなかった。
教師として、認めたくない感情だが、
人間として、そんなこともあるだろうと思った。

弘美に手紙を書いてみようと思った。
弘美の静かな物腰を思い浮かべると、
鬱の入り口にある圭吾の心は、それだけで癒されるのだった。

住所は知っている。
しかし、手紙を書く口実がない。
『そうだ、弘美の写真を持っていると言って、
 その写真を返すための手紙にしよう。
 そして、今どうしているか、さりげなく聞こう。』

圭吾は、短い手紙を書き、写真を同封して、投函した。



弘美は、大里圭吾から届いた封書を見て、飛び上がるほど喜んだ。
圭吾は、弘美がこれまで習った先生の中で、1番好きな先生だった。
それどころか、子供心に憧れて、先生のお嫁さんになりたいと思ったほどだった。

弘美は、震える手で中をあけた。
学芸会での自分が大写しになった写真と、
先生の簡単な手紙があった。

『突然の手紙で驚いたでしょう。
 写真の整理をしていたら、君のとてもいい写真があったのでお送りします。
 私のスナップで撮った写真だから、君は持っていないと思います。
 今、どうしていますか。
                      大里圭吾     』

弘美は、先生へ返事を書くことで、興奮してしまった。
手書きの手紙には手書きの返事を書かなくては。

弘美は、便箋を前にして、胸がドキドキした。
いざ、書く段になって迷った。
先生は、私が、元気に学校へ行っていることを期待している。
これから文通をしていくならともかく、
1回だけの手紙で、先生に心配をかけることはない。
偽りの自分を書こうと思った。
女の子の字の自分だが、なるべく鉛筆に力を入れて、角ばった字で書いた。

<弘美の手紙>
先生。お元気ですか。
先生のお手紙、うれしかったです。
そして、お写真も。俺が持ってない写真でした。

先生、俺、6年生のときは、女みたいな子だったと思いますが、
中学で、背が180cmを超えちゃって、筋肉マン。
今、高校で、バスケやってるの。
レギュラーなんですよ。
友達も一杯いるし、けっこう女の子にもモテモテです。
多分、先生は、今の俺を見ても、わからないと思う。

圭吾先生は、俺がいままで出会った先生の中で、
俺が一番好きな先生です。
先生、いつもがんばり過ぎちゃうから、
それが、心配。
お体に気をつけてください。
                高島弘美

PS 先生、俺のメルアドです。teenndes@teapot.com
気が向いたら、メールください。



圭吾は、弘美から手紙の返事が来たことに喜び、
中を読んで安堵した。
女の心を持った子だと思ったのは、杞憂に過ぎなかったと、
うれしく思った。
だが、圭吾は心の奥に、一抹の淋しさを隠せなかった。
美しい小鳥が、いなくなってしまった。
そんな、淋しさだった。


つづく(次は、『圭吾、渾身のメール』の予定です。)


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教室は私の部屋②「佑香との体験」

佑香と会う日、朝から、弘美は何を着ていこうか、
迷いに迷っていた。
オシャレな服の組み合わせをいろいろ考え、疲れてしまい、
結局、白に水色のストライプが入った肩見せのワンピースに決めた。
肩から斜めに掛けた小さなバッグ。
白い靴。頭にツバ広のメッシュの白い帽子。

△△駅の南口に、大きな木があるとのことだった。
その下が涼しいからということで、そこで待ち合わせる。
駅を出てみると、木はすぐに見つかったが、
弘美の方が早かったようだ。
約束は、2時。30分も早く来てしまった。

佑香とは、バーチャルのお付き合いだったが、
ある程度人となりがわかる。
でも、実際はどんな子だか、胸がドキドキした。
2時5分前になった。
駅を降りて、真っ直ぐに自分に歩いてくる子がいる。
ミニ・スカートにタンクトップを重ね着している。
その子は、弘美を見て笑った。
手を振っている。佑香にまちがいない。

「美咲?」とその子は言った。
「うん。佑香ね。」と弘美。
佑香は、弘美の全身を見て、
「わあ、美咲、女の子じゃない。超女の子だよ。」とうれしそうに言った。
「佑香だって、女の子そのもの。超可愛い。」と弘美は言った。

弘美も、佑香も、ばっちりと流行りのメイクをしていた。
佑香は、セミショートの髪にゆるいカールをかけ、
毛先の方向を八方に散らしている。
それが、とても似合っている。
「美咲、ブログの写真より、ずっと可愛い。
 雰囲気は、完全に女の子。
 あたし、美咲に会ったことブログに書いていい?」と佑香が言う。
「あたしも、書かせて。」
「いいよ。」
二人は腕を組んで、商店街を歩いた。
「ここに来るまで、死に物狂いだった。
 でも、美咲に会えると思って、必死で耐えてきたの。」と佑香。
「あたしも、一人でこんな遠出したの初めて。」と弘美。

ウインドウ・ショッピングをして、雑貨屋さんにより、
アクセサリーをたくさん見た。
靴屋さん、帽子の店、たくさん回った。
うれしかった。佑香といると、何も怖くない。
二人は、パフェーを食べに、カラオケに行った。

パフェーが来ると、もう従業員は来ない。

しばらくすると、佑香がポツリと言った。
「あたし、今自分がわからなくなってる。」
「どんなふうに?」
「あたし、GIDであることは、まちがいはないの。
 男の子はもちろん好き。でも、女の子も同じくらい好き。
 そして、美咲みたいなGIDの女の子は、もっと好きなの。
 こんなのありかなあ。美咲は?」と佑香は言った。

「あたしは、男の子オンリーだと思う。」と弘美。
「そういう風にはっきりできたら、あたし悩まない。」
「あ、でも、あたしだって、可愛い女の子や綺麗な女の人好きよ。」弘美。
「でも、その可愛い女の子に、キ・スなんかしたいと思う。」と佑香。
「それは、どうかな。心の中でいつも考えてるのは男の子だから。
 男の子になら、抱きしめてもらってキ・スされたい。」と弘美は言った。

「例えば、あたしにキ・スしたいと思う?無理しないでいいよ?」
「多分だけど、できると思う。」と美咲。
「試してくれたりする?」と佑香。
「うん。できると思う。でも、これファーストキ・ス。」
「あたしも。」
弘美は、佑香の両肩に手を掛けた。
手が震えてしまった。
佑香の唇に、唇を近づけていった。
そっと触れ合った。
柔らかい唇。それが第一印象だった。
何度か唇を触れた。
そのうち、佑香が、弘美を強く抱いて、
唇を強く押し当てて来た。
しばらく、そのままでいた。

弘美は、佑香の手をほどいた。
「どうだった?女同士で気持ち悪いって思った?」と佑香は言った。
「佑香は?」
「正直言って、あたし幸せな気がした。相手が美咲だもん。」
「あたしは、興奮まではいかない。でも、少しうれしかった。」
「ほんと?女の子のあたしでも、少しうれしかったの?」佑香は喜びを表した。
「うん。佑香可愛いし、女の子同士でも、キ・スはありっだなって思った。」
弘美のこの言葉を、佑香はすごく喜んだ。

「美咲、あたし、男の子とどうセッ・クスしていいかわからない。
 だって、あそこ男の子には絶対見られたくない。
 相手が女の子だと自分の女の体、見られたくない。女の子に劣等感抱くだけ。
 だから、あたしと同じMtFの子とだけは、できそうなの。
 弘美、お願い。あたしにして。あたしにとって大事なことなの。」
「うん。わかった。あたし、男の子役になって、佑香を愛してみればいいのね。」

弘美は、自分が男の子にしてもらいたいことを、佑香にすればいいのだと思った。
弘美は、佑香を抱き寄せて、キ・スをした。
佑香の息が荒くなっていた。
もう少し、強くキ・スをしてみた。
甘い味がした。
舌を少しだけ入れてみた。
佑香がそれを受け止めて、佑香が舌を入れてきた。
弘美はそれを受け止めた。

キ・スしながら、佑香のタンクトップの裾から、手を入れ、
佑香の胸を触った。弘美と同じBカップくらいだと思った。
ブラの背中のホックをはずして、
佑香のちぶさをゆっくりともんだ。
「ああ、美咲、こういうの夢に見てたの。
 やっと実現してる。」
佑香は言った。

弘美は、もう一度キ・スしながら、
佑香の胸の先端を爪で弾くようにした。
佑香の体が反応していた。
たっぷり、たっぷりした。
「美咲、あたし、すごく感じてる。」と佑香がうわ言のように言った。
「佑香、ショーツを取るわよ。」
「うん。」
佑香は腰を浮かせた。
お尻の方から、ショーツを取った。

弘美は、佑香の胸に唇をあてながら、
佑香の太ももをなでた。
「はあ~。」と佑香が声を上げた。
佑香の男の名残が、苦しそうにミニ・スカートの中でもがいている。
「佑香、さわっても嫌じゃない?」
「うん。美咲ならいい。」
弘美は、佑香の熱いものに触った。
佑香が声を上げる。
弘美は、あいぶしていった。
そっとそっと手を動かした。
その度に佑香が声を上げる。
弘美も興ふんして、自分のものを大きくしてしまっていた。

佑香の体が震え始めた。
「美咲、もうすぐいく。」
「うん、いっていいよ。」
「あ………ん。」
と佑香の体が、すごく震え出した。
弘美の腕を抱き締めてきた。
「美咲、スカートよごしちゃう。ああ、いっちゃう、ああ……。」
弘美は、とっさに佑香のものを口に入れた。
佑香はビクンと2度ほどした。
熱い物が、弘美の口の中に入ってきた。
弘美は、それを飲み込んだ。

お手拭で、佑香のものをきれいにしてあげた。
そして、ショーツを履かせた。

「あ~。」と言って佑香は、弘美の腕に抱き付いてきた。
「美咲、ありがとう。」
「よかった?」
「うん。自分でするのより、10倍くらいよかった。」
「そうなんだ。」
「うん。今度は、弘美にやってあげる。」
「あたしいい。」
「どうして?」
「あそこに触られるのはずかしい。」
「あたしのに触ってくれたじゃない。」
「あ、うん、そうね。」

15分後、弘美も体を震わせ、声を上げながら果てていった。

佑香と会えてよかったと弘美は思った。



「問題は。」と佑香が言った。
「なあに?」と弘美。
「あたし達を理解してくれる彼がいたとして、
 その彼が、あたし達のあそこを触ってくれるかどうかじゃない?」
「あたしには、もっとハードルがある。
 あたしは、自分のあそこを彼に見られるのが、死ぬほど辛い。」
「それはあるわね。美咲となら平気だけど、
 好きな人には、辛いな。」
「少しずつ、考えていこう。」と弘美。
「そうね。」と佑香は笑った。


つづく(次回は、『小学校教師・大里圭吾』です。)


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教室は私の部屋①「高島弘美のいきさつ」

えーと、えち系のお話を3日連続で書きました。それで、私もかなり満足して、今度は、少しシリアスな、ヒューマン系のお話を書いていきたいと思います。
読んでくださるとうれしいです。

===============================

高島弘美(男子)は、もう3年も学校へ行ってない。
中2のときから、高2になった今も行けずにいる。

朝は目覚ましの音で、自分で起きる。
「あと少し寝ようかな。」
「だめだめ、自分で決めたことじゃない。」
と自分で会話して、起きる。
可愛い女子のパジャマを着ている。

ベッドから起きて、きちんとベッドメイクをする。
階下へ降りて洗面をする。
部屋に戻って、軽くメイクをする。
肩までの髪を梳かす。
前髪に少し隙間を作りおでこを覗かせる。

パジャマを脱いで、
ブラをつけて、ブラウスに、チェックのスカート。
襟にリボンをつけて、クリーム色の上着を着る。
紺のソックスを履く。
学生カバンに今日の教科を入れ、もう一度階下に下りていく。
「お母さん、お父さん、おはよう。」と言う。
妹の由佳がもう来ている。
「由佳、おはよう。」と言う。
「おはよう、お姉ちゃん。」と由佳が笑顔でいう。

「いただきます。」をして、朝食をとる。
妹の由佳が、弘美の胸にそっと手を当てる。
「お姉ちゃん、かなりあたしに迫ってきてる。」
「いや~ん、やめて。こら。」と弘美は目で笑いながら怒る。

「ごちそうさま、じゃあ、行ってきまーす。」と言って、由佳が玄関を出る。
由佳は、中学3年だ。

弘美は、母から、お弁当をもらう。
「いってきまーす。」と言う。
しかし、弘美は、外へ出るのではなくて、
2階の自分の部屋へ行く。

自分の勉強机にきちんと座り、
弘美は、自分で作った時間割通りに自分一人で勉強していく。
体育という時間もあって、
それは、軽くジョギングをして、
部屋に帰ってきて、音楽を掛けながら、
ジャズ・ダンスの真似事をする。
この日常は、弘美自身が考えたことだ。
不登校でも、規則正しい生活をしようという思いからだった。

弘美は、性同一性障害だった。
このために、小学校から中学にかけていじめに遭い、
さらに、父の隆夫と母の陽子にも理解がなかった。
弘美は耐え切れず、自殺を図った。
幸い、未遂に終わり、
救急車で運ばれて、一命を取りとめた。

弘美は、外科に運ばれ、内科に移り、
最後に精神科病院に移された。
自殺を再度しないよう、手を束縛され、個室に入れられた。

その間、精神科の医師との問診を繰り返し、
各種検査をした。

一週間後、両親の隆夫と陽子は、病院に呼び出されて、
弘美が、性同一性障害であることを告げられた。
「ご両親の理解がなければ、弘美さんの自殺を止めることは出来ません。
 自殺をするというのは、よほどのことであると考えてください。
 また、学校へは当分行けないと思います。
 すでに、学校へのトラウマができてしまっていて、
 学校の対応が少々変わったとしても、
 弘美さんは、登校を拒否されるでしょう。
 トラウマの解消には、長い時間が必要です。」

主治医にこう言われ、両親は、やっと理解したのだった。
そして、弘美をこれからは、娘と考えようと二人で話し合った。

弘美は、中2のそのときから、ホルモン治療を始めた。
今、3年目。ちぶさがBカップくらいになった。

弘美は、小学生のときから、大変成績がよく、
いけなくなった中2からの学習を一人でするのに、
あまり苦労はしなかった。
そして、通信制高校の教科書も、なんとか自分でこなせていた。

弘美の勉強は、5時間目で終わり。
弘美は、階下に降り、母に「ただ今。」と言い、
お弁当箱を渡す。
「ありがとう。すごくおいしかった。」
と必ず言う。

自分の部屋に戻って、普段着に着替える。
ファッション雑誌なんかを見て、かなり流行り系の服も着る。

これからが、弘美の一番楽しいとき。
メイクを念入りにする。
弘美は、驚くほど可愛くなる。

弘美はパソコンを開いて、自分のブログへ行く。
「教室はわたしの部屋」
というのが、弘美のブログのタイトルだ。
ハンドル名は、「美咲」。
「女装」のジャンルに参加している。

弘美は一日のことをそこに綴る。
弘美の背は、162cm。
顔立ちが可愛く、スタイルもよく、
外へ行くと、完全に女の子で通った。
そんな自分の写真も、ときどき投稿したので、
ジャンルでは、多くのアクセスを得ていた。

「今日の勉強では、数学がむずかしくて、
 三角関数が、よく分かりませんでした。
 私は、参考書を一つも買っていないのですが、
 少しは、買った方がいいのかな。

 今朝、妹に、胸が大きくなったと言われました。
 かなりうれしかった。
 妹は、ずっとあたしが小さいときから、
 あたしをわかってくれた最高の理解者です。」

こんなことを書いている。
弘美を応援する人が大勢いて、温かいコメントをくれる。
それが、弘美の心の支えだった。
弘美は、みんなに、心を込めて返事を書いた。

コメントのくれるたくさんの人の中に、
弘美は、特別に親しみを感じる女の子がいた。
佑香というハンドル名の子だ。
女の子といっても、弘美と同じGIDの子だ。
佑香も今学校へ行っていない。

佑香のブログに行くと、フロフィールに佑香の写真がある。
どう見たって女の子だ。とても、可愛い。
ホルモン治療もやっている。
年齢も同じ17歳だった。
その子だけは、友達として、ていねい語を使ってこない。

「美咲、えらいよ。ちゃんと制服を着て勉強してるんだ。
 美咲の真似して、あたしも時間割作ったけど、
 3日しか続かなかった。
 美咲は、あたしのお手本だよ。」
こんな風に書いてくる。
佑香のブログにも、弘美は毎日コメントを入れる。

弘美は、ジョギング以外、ほとんど外に出なかった。
今でも、同年の若い子のいるところは苦手だった。
服を買いに行くときは、母か妹に付いてきてもらった。
しかし、佑香には、いつか会いたいと思っていた。

あるとき、弘美は、佑香にメッセージを送ってみた。
これは、管理人だけが見ることができる。
『佑香に、会いたい気がする。
 でも、ネットで友達でも、会わない方がいいのかな。
 佑香も、あたしに会いたいって思ったりする?』
すぐ返事が来た。
『あたし、外が怖いけど、美咲(=弘美)になら会いたい。
 美咲といっしょなら、外にいても平気。』

二人は、幸い隣の県だった。
二人は会うことになった。
7月の中旬だった。


つづく(次回は、『佑香と過ごした1日』です。)

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少女とお姉様(ユキ&ミサ)1話完結

もう一回、ユキとミサを書きたくなって、
書いてしまいました。
ここで、一区切りとして、新連載を明日から投稿できたらなと考えています。

==============================

ミサはアイデア少女2

「ねえねえお姉様、この写真本、すごく萌えちゃうんだけど。」
とミサが、アダ・ルト・ブックを持ってきた。

表紙を見ると、広い芝生の庭の真ん中に椅子があり、
お姉様が座っている。
そのお姉様のスタイルは、清純そのもの。
模様のある長い木綿のスカート。白いブラウス。
顔はほとんどんノーメイクで、地味。
そのお姉様の肩に、髪の長い少女が、後ろから手をかけて、
何か話しかけている。
少女も地味なスカートに、白いブラウス。
ノーメイクで、清純そのもの。
一昔前の、少女雑誌の表紙のよう。

ところが、その写真本の最終ページを見て、ドキン!
清純な少女は、赤い光沢のある超ミニの皮のスカートに、
同じ素材のハイネックのタンクトップ。
前の開いた編みタイツを履き、
メイクは女王様風。真紅の口紅をべっとりと唇より大きく塗っている。
10cmほどあるハイヒールを履いている。

仁王立ちしている少女にお姉様は、上半身縛られてかしずいている。
お姉様は、光沢のあるサテン地のメイド服をいている。
女の子座りをして、少女を見ている瞳がなまめかしい。
ショーツを履いていない。
スカートがまくられて、男の証拠を露にされている。
それは、興奮して天を指している。

少女はミニスカートの裾を挙げて、
露になったPを大きくさせて、お姉様の口に入れようとしている。

「いや~ん。すてき。表紙のこの清純な少女が、
 このレザーの絶世の美少女にメイクとかで変身するのね。」
とユキは言った。
「そうよ。そして、清純なお姉様は、妖艶な美女の奴隷なの。」
とミサ。
「あたし、こういう変身ものに、すごく萌えるの。」とユキ。
「あたしも、最高に萌えちゃう。
 でね、この途中の各ページで、だんだん変身しながら、
 たくさんエっチなことしてるの。」とミサ。
「や~ん、見たい。でも、見たらそれだけで、イっちゃう。」とユキ。
「あたしは、見ちゃったの。」ミサ。
「イっちゃった?」ユキ。
「うん。イっちゃった。」ミサ。

「ミサ、まさか、この衣装持ってきたの。」とユキ。
「それが、持ってきたのよ。」ミサ。
「レザーの衣装も?」
「うん。前にSMクラブでバイトしたときのもの?」
「そんなところにもいたの?」
「うん。ハードだったけど。」

ミサは、前に言っていた、DVカメラを持ってきていた。
それで、撮影することで、一人の目を感じ、気分が出る。

二人は、雑誌の中の清純なお姉様と少女の格好をした。
そんなときのミサは、ため息が出るほど可愛い。
芝生がないので、観葉植物の前に背のあるイスを置いた。
二人とも、ショーツを取っている。

カメラON。
お姉様の後ろから、少女は、白く長い腕をお姉様の首に回して、
「お姉様なんて、今までえっちなことお考えになったことないでしょう。」
「あたしだって、少しは、あるわ。」
「ね、どんなこと?」
「ステキな男性にキ・スされるとか。」
「感じてしまう?」
「その言い方に答えるのは、恥ずかしいわ。」
「じゃあ、ぬれてしまうの?」
「ミサさん、やめて。あたしをからかわないで。」
「もっと他には?」
「そのくらい。」

少女は、ハンカチで、お姉様の手を背も垂れの後ろにしばった。

その間、少女の手は、お姉様の胸に伸びている。
そして、そっとなでている。
お姉様は、それを気にしている。
少女の手は、お姉様のブラウスのボタンをはずし、
胸の中に入って行く。
そして、お姉様の胸の先端を指で揉み始める。

「ミサさん、やめて。」
「お姉様は、こんな風にされたいって思わない?」
「あんまり、思わないわ。」
うっとお姉様は、感じて声を出してしまう。
「じゃあ、もっと激しくすれば、感じるかも知れないわ。」
ミサは、お姉様の胸のボタンを全部はずし、
ブラを上に上げて、胸を露にして、2つの先端を両手で揉み始める。
「お姉様。こんなことご自分でなさったことないの?」
「ないわ。ああ、ミサさん、許して?お願い。」
「たまらないのね。感じているのね。」
「だって、恥ずかしい。」

「あたし、これから、お姉様のスカートをたぐって、
 お姉様が感じているかどうか、調べていい?」
「やめて、それだけは、やめて。」
お姉様が、はじめて抵抗する。
かまわず、ミサがお姉様のスカートを手繰り寄せる。
お姉様の白い脚が露になり、
やがて、天を向いてびんびんになっているお姉様の男の印が現れる。
お姉様は、恥ずかしさに、横を向く。

「お姉様、ステキ。もうかちんかちんよ。
 感じてらっしゃるのね。
 でも、お姉様が、こんなものを持ってらっしゃるなんて、知らなかった。」
「もう、いいでしょう?」

「こんなことされるのも、考えたとないのかしら。」
ミサは、お姉様の前にいき、大きく天を突いているものをくわえる。
そして、頭を上下しながら、お姉様の脚を開いて行く。
お姉様は呼吸を荒くしながら、
「やめて、恥ずかしい、恥ずかしいわ。」
「本当は、望んでいらっしゃるのでは、なくて?」
「あああん。」とお姉様。

「お姉様だけに、恥ずかしい思いをさせないわ。
 お姉様、あたしも秘密もお見せするわ。」
ミサはそう言って、お姉様の前に立ち、自分のスカートを手繰って行く。
すると、大きく固くなったミサの男の物が、
お姉様の顔の前に突きつけられた。
「ミサさん、あなた?」
「そうなの。男なの。」
「じゃあ、あたしのお口を丘して。」とお姉様。
「ええ、しゃぶってくださる?」
少女は、お姉様の口に、ピストン運動を始める。
「ああ、お姉様、お上手。毎日やってらっしゃるの。」
お姉様は、ミサをくわえていてしゃべれない。
「ああ、ステキ。お姉様のお口の中ステキ。

ミサは、お姉様の頭に手をかけ、
激しく前後に、お姉様の口をおかす。

初めの清純な二人からは、予想されない光景だった。

少女は、けいれんした。
「お姉様、もうだめ。あたし、いくわ。お姉様のお口の中へ。」
少女は、男のような立ち姿で、お姉様の口の中へ放出した。

それから、お姉様にキ・スをして、
お姉様の固くなっているものを手でしげきした。
お姉様の唇を開放すると、お姉様が、声をあげた。
「あん、あん、恥ずかしい、恥ずかしい。
 でも、もっとして、あたしをいじめて、あたしにひどくして、
 ああ、あ・・・・・・・・。」
お姉様は、髪を振り乱しながら、
宙に白い液をとばした。

ビデオカメラが、しっかりとその光景をとらえていた。



二人は、落ち着いて、ソファーで紅茶を飲んだ。

「ミサ、これで、あの写真本のどのくらいまで、いったの?」
「まだまだ、3ページまで。15ページまであるのよ。」
「今日、あたし、これで終わりみたい。
 メイド服、着たかったけど。」
「午後になれば、また、復活するわ。」とミサが励ます。
「だといいけど。」


<おわり> ※このつづきは、チャンスがあるときに、綴ります。


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アイデア少女・ミサ「屋外での・・・」

ユキとミサのことを書いていると、とても楽しいので、
もう少し書きたいと思います。読んでくださるとうれしいです。

========================

年の瀬の新宿駅の回りは、待ち合わせの人で賑わっている。
午前10時。
空は雲一つない青空が広がっている。

芝生を背景にしたベンチに、お揃いの黒いオーバーを着た
ユキとミサが、重なって座っている。
つまり、ユキが座り、そのユキの膝の上にミサが座っている。
ユキは、その手を、上に乗っているミサのポケットに入れている。

周りの人々から見れば、二人の女の子が、
ふざけて、「人間椅子ごっこ」をしているだろうくらいに見える。
二人は、可愛い。
それだけでも、チラチラと人目を惹いている。

これは、ミサのアイデアで、二人のオーバーのポケットは、
糸をほぐして、底を開けてある。
だから、ユキの手は、ミサのポケットを突き抜け、
ミサの超ミニのス・カートに届いている。
ミサは、ショーツを履いていない。
そして、男の印にゴムを被せてある。

ユキの左手は、ミサのスカートをたぐり、
ユキの右手はミサの男の証をあいぶしている。
厚いコートの下で、外からはわからない。

「いいねえ。大勢人がいるところって楽しい。」とミサが言う。
『大勢の人前でされてると、すごい刺激』という意味。

「うん、スリルがあるわよね。」とユキ。
「青い空で、気持ちいい。」
『あ~ん、感じる。たまらない。』という意味。
「そろそろ、行こうか?」とユキ。
「もう少しいようよ。」とミサ。
『まだよ。まだイきたくないわ。』

「うん、わかった。ゆっくりしよう。」とユキ。
しかし、ユキは、ミサの体が微動を始めたのを感じている。
人前では、セクシーな声を出したり、仕草を一切とってはいけない。

「ああ、たまらない。こんな空の下で。」とミサ。
「そうねえ。」
ユキが、ちょっと力を入れると、ミサがビクンと体を動かした。
「あたし、どこかへ行きたくなっちゃった。」とミサ。
『ユキ、もうイく、だめ、イきそう。ああん、ああん。』

大勢の人で、その中に、おもしろい座り方をしている可愛い二人を、
見ている人の目が、常に10はあった。

「ディズニーランドなんかどう?」
「いい、いきたい。絶対行きたい。」とミサ。
『ユキ、いく、がまんできない。いい?』
「うん、いいわね。行こう。」とユキ。
ミサの体が、震えている。
震えが激しくなる。
ミサは、懸命に耐えている。

「ユキ、限界、ディズニーランドにいきたい。」ミサ。
『ああ、もうダメ、いくわ、いく、いく。』
「いいわよ。行こう。」
ユキがそう言ったとき、ミサは、最高潮に達した。
「ああ…。」とわずかな声をあげたとき、
ミサの全身が、激しく震え、
ミサは、ゴムの先端に放出した。

ミサは、呼吸を整えていた。

次は、ミサの右手の隣に、ユキが座った。
ミサは、右手を、ユキのポケットに入れ、
超ミニのス・カートの中に手を入れた。

『ああ、刺激的。こんな人々の前でされるなんて。』

ユキは、人前での行為に、あっけなく達してしまった。

「ね、トイレに行こう。」とミサが言った。
「うん。駅ビルに入ろう。」とユキ。

駅ビルの女子トイレはすいていた。
個室に二人で入って、コートをフックにかけた。
「ああ、すごかったね。あんなに刺激的だとは思わなかった。」とミサ。
「あたしなんか、すぐいっちゃったもの。すごかったなあ。」とユキ。
「お姉様の、あたしお口で綺麗にしてあげる。」
ミサは、そういうと、ユキのゴムを取り、男のものをなめた。
変わり番子に、ユキもミサのものを綺麗に舐めた。

「このゴム、どうする?」とミサ。
「ゴミ入れに入れちゃ、変よね。」とユキ。
「そうね。洗面で中を洗って、持って帰ろう。」ミサ。
「うん。人が来ないといいね。」
「ほんと。」



ユキのマンションに帰ってきた。

「ユキ、あたし興ふんしたから、もう一回できる。」とミサが言う。
「あたしも。今日は特別、もう一回できそう。」とユキ。

コートを脱ぐと、二人は同じ服を着ている。
赤いミニスカート。ラメ入りの長袖のTシャツ。

鏡に向かって、重なって座った。
ユキが下。
「コートがないと、ここも刺激できるわ。」
ユキはそう言って、ミサの胸を、下から上に揉み始めた。
それから、Tシャツの下から手を入れて、ブラを上にあげ、
胸の先端をもみはじめた。
「ああ、感じる。外で、これもできる方法ないかなあ。」
とミサがいう。

ミサのあそこが、また大きくなって、超ミニのスカートからのぞいている。
ユキが触ると、ミサがぶるぶるっと震えた。
「あたしたち、男子だったのよね。
 男子の証も、みんなに見てもらいたかった。」とユキが言う。
「ほんとよね。すごい刺激だろうな。」とミサ。
「でも、それって単なる露出狂よ。」とユキ。
「あ、そうか。」とミサは笑った。

ミサは、脚を開いて、ユキにまたがるように座り直した。
ス・カートが上にめくれ、ミサの男の証が露になって、天を向いている。

「ひらめいた。今度は、ビデオカメラに写そう。一つの目しかないけど。」
「よく思いつくわね。ミサは、アイデアの天才。」とユキ。
「それほどでも、ないんだけど。」
ミサは、そう言いながら、官能的な声を出し始めた。

まだ、日曜日の午前だというのに、ミサは、もう2回目。


<おわり>


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ユキとミサの日曜日(エピローグ②)

次のお話の構想が浮かびませんので、「エピローグ②」を書きました。
読んでくださるとうれしいです。

===============================

ミサとユキ日曜日編

午後2時。
ユキは、ミサが訪ねて来るのが楽しみでならなかった。
ミサは、いろんなことを考えてくる天才だった。

チャイムが鳴った。
顔を見せたミサは、ミサ得意の小学生ルックで来た。
手に、紙袋を2つ持っている。
「なんか、お姉様、どんどん可愛くなって来てない?」
とミサが言う。
「あたし、ほら、24時間女の子やってるから。」
ユキは、そう言った。
「すごくいいわよ。かわいい。」
とミサは、キ・スをしてくる。
おませな小学生のようなミサにキ・スをされると、
ユキは、いつも倒錯的な興ふんに包まれる。

「お姉様、今日はさ、女子高生レズをするんだけど、
 ちょっと工夫があるの。これ。」
「なあに。皮のショーツ?」
「でも、ちょっと工夫があるの。」
そういって、ミサはショーツを脱ぎ、それを履いて見せた。
それは、茶の皮のショーツだが、Pのところに穴が空いている。
その穴にPを入れて履くと、
あたかも女の子がPバンドをつけているように見える。

「いや~ん、それ、いい。すごくエロチック。」
「お姉様も履いて。」
「うん。」
「それで、Pを股に回して、きつ目のショーツを履くの。」
「うん、わかってきた。」
「あたしも履くね。」

それから、ミサがもってきた、女子高生の服を着た。
白いブラ。白い半袖のブラウス。
チェックのミニのプリーツスカート。
そして、襟の真ん中に、大きなリボン。
紺のソックス。

若く見えるミサは、高校1年生。
ユキは、高校2年生に見えた。

姿見を持ってきて、ソファーに並んで、見た。
女子高生そのもので、あそこが大きくなってしまいそうだった。

「ねええ、ショ・ーツをとって見てみましょう。」とミサが言う。
二人で、ショ・ーツを取った。
Pがもう大きくなっていて、スカートを突き上げている。
「スカートを少しずつあげて。」とミサ。
「うん。」
スカートを挙げていくと、まるでPバンドをつけた女子高生だった。
「や~ん、これ100%レズの女の子にみえる。」とユキ。
「すごくエ△くない?」
「エ△いわ。鏡見ているだけで、大きくなってくる。」とユキ。

二人は、座ってキ・スをはじめた。
つけたり離したりのキ・スを繰り返して、
やがて、ディープなキ・スをした。

ミサが、ユキの背に片方の腕を回して、ユキのちぶさをもんでくる。
すごく気持ちいい。
ユキは、片手で、ミサのPバンドのPを触った。
「いやん。本物なのよ。」
とミサは腰を引いた。
「じゃあ。」と言って、ユキは、ミサの本物をくわえた。
「ああ…。」とミサが声をあげる。

「お姉様、あたし今日お芝居考えてきたの。
 ベッドに行こう。」
「いいわよ。」
ベッドに二人は並んだ。
女子高生が二人。
ミサが、ユキの上になり、ユキのブラウスのボタンをはずす。
「お姉様。お姉様も一人えッちする?」
「やん、そんなこと聞かないで。」
「じゃあ、するのね。男の子のこと考えてするの。」
そう言いながら、ミサは、ユキの胸をあいぶしてくる。
やがて、それは、先端に行って、くりくりと揉み始める。

「ああん、ミサ、感じる。許して。」
「男の子にぼすぼす入れられていること考えてするの?」
「あたし、男の子は嫌い。乱暴なんだもの。」
「じゃあ、あたしのこと好き?」
「好きでたまらない。」
ユキが、キ・スをしてくる。深いキ・ス。

ミサが、ユキのスカートに手を入れてくる。
「あ~ん、ミサ、あたし恥ずかしい。」
「お姉様、何か隠しているわ。」
ミサが、ユキのショーツをとる。
すると、PバンドをしたユキのPが、天井を向いている。
「いやん、お姉様ったら、あたしのために付けてくださったの。」
「そうよ、これで、ミサを思い切り丘すの。」
「あたしも、お姉様を丘すの。見て。」
ミサはショーツを取る。
「わあ、すごい。」

スカートの前をまくって、二人はPをこすり合わせる。
「あ~ん、これプラスチックなのに、感じる。」とミサ。
「あたしも、たまらない。」とユキ。

ミサは、ブラウスのボタンをとって、
ブラを上に挙げ、ユキのブラも上に挙げ、
ユキの上に重なってくる。
女子高生の服を着た二人は、重なって、
胸とPをこすり合わせる。

「ミサ、興ふんして、あたしイきそう。」
「まだよ、早すぎるわ。」とミサは言う。

「お姉様のもので、あたしのお口を丘して。」とミサは言って、
犬のように四つん這いになった。
ユキは、立って、ミサの口の中に、Pを入れる。
ミサはうっとりする。
ユキは、たまらなくなる。
「ミサ、これ、あたし男になったみたいで恥ずかしい。」ユキは言った。
「わかるわ。」とミサは言い。
「あたし、後ろが好きなの。Aのこと。
 今日中をきれいにして、クリームも塗ってあるの。
 お姉様、入れて。」
「それも、男の子みたいにならない?」
「お姉様は寝てるだけ。あたしが上に乗るわ。」

ユキは、女子高生の服のまま寝た。
ミサは、Pバンドの皮のショーツを取り、
制服を着たまま、ユキの上にまたがった。
ユキは、自分のものが入っていくのがわかった。
そこから、ミサは、激しく体を上下していく。
「あ~ん、すごい、ミサ、すぐにイきそう。」
「あたしもたまらない。これ好きなの。」
「あ~ん、あ~ん、丘されてる感じ。」とユキ。

ユキから、可愛いミサの顔が見える。
あんなに可愛いのに、すごいことしている。
そのことが、ユキをしげきする。
ミサも、可愛いユキがもだ・えている顔が見れる。
可愛い、たまらない。

やがて、波が来た。
「ミサ、もうダメ、いっ・ちゃう、だめ、いく。ああ・・・・・。」
「あたしも。」
ミサは、そばにあつティッシュをとって、
スカ・ートの中のPに巻いた。
「あたしも、イく。いっしょにイこう。」とミサ。
「うん。いくわ。あ、あ・・・・。」とユキ。
それと同時に、ミサも背中をのけ反らせ、声をあげた。

二人で、シャワーを浴びた。
「ミサにあれがあるの奇跡みたい。」とユキが言った。
「お姉様こそ奇跡よ。
 今日は1日、女子高生でいよう。」
「うん。でも、あれは、はずそう。興ふんしっぱなしになるから。
「わかったわ。せいぜいガールズ・トークしましょう。」
「ガールズ・トーク。いい響き。」
「そうね。」

二人は、夜になって、もう一回プレイをした。
力を使い果たし、
「あああ、来週もつかしら。」
とユキは、言った。



<おわり> (次回のお話が、思い付けばいいのですが・・・。)

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専務・高坂由紀夫⑦「エピローグ」

「エピローグ」

24時間女でいられる生活になり、およそ1年が経った。

目覚ましのベルが鳴る。
「やーん、もう時間?」
壁の時計を見て、
「やだ、目覚ましまた狂ってる。まだ、15分あるじゃない。もう。」

ユキはある日気が付いた。
独り事が、すっかり女言葉になっている。
そして、OFFの時間は、独り事がすごく多くなった。
そればかりか、心のつぶやきも、女言葉でしゃべっている。
決定打は、夜見る夢の中での自分は、女なのだ。
「わあ~ん、あたし、どんどん女になっていく。
 なんだか、うれしい。」
ユキは、胸に手を当てた。

ユキの女度は、高くなるばかりで、
どんどん可愛い女子になっていった。

オフィスでは、ユキの女度が女性達から認められて、
女子トイレ、女子更衣室が使えるようになった。

仲良しの4人組が出来た。
啓子、背の高い由香里、小柄で眼鏡の沙織、
一人年配の40歳の康子、そして、ユキ。

この4人で、たいていは昼食をとりにいく。
いつものお店で、年配の康子が言った。
「ね、ユキちゃん、あたし前々から疑問だったんだけど、
 ユキちゃんは、新入社員ってことだけど、
 それは、形だけで、お給料は専務のお給料なんでしょう?」
沙織が、
「そう、それあたしも聞きたかった。」と言った。
ユキ「まさか。新入社員のお給料ですよ。」
康子「え?だって、御曹司じゃない。」
ユキ「1年前は、東京支社の実績悪かったじゃない。
   だから、部長を呼ぶ人件費なんかなかったの。
   でも、どうしても今の田村部長に来て欲しかったから、
   あたしが専務でもらっていたお給料を部長にあてたの。
   で、新入社員の額なら一人くらい出せるからって、あたしは、新入社員になれたの。」

康子「そうだったの。じゃあ、ユキちゃん、めちゃめちゃえらいじゃない。
   だって、ユキちゃん、あたし達の3倍は働いてるわよ。
   専務の給料なら、まあ、ありかなと思っていたの。それがさ。」
由香里「あたしも、今の話聞いて感動。
    ユキちゃん、専務の給料を犠牲にしてまで、
    会社をよくしたかったんだ。」

啓子「あたしは、知ってた。部長の娘だから。
   だから、ユキちゃんの働き振りを見て、毎日感動してた。」
沙織「もっと早く知っていればよかった。ずっと前からもっと尊敬できたのに。
ユキ「あたし、女子社員っていう最高の夢が叶って、それだけで、毎日が喜びなの。」
康子「女であるって、そんなにいいこと?」
由香里「あたし、男に生まれたかった。男の方が絶対得。」
ユキ「男になってみると、あんがい男ってつまらないですよ。」
ユキのいい方がおかしくて、みんなは笑った。



営業というのは、軌道に乗ると、評判が評判を呼び、
うなぎ上りに成績が伸びていく。
全国で5社ある支部で、最下位であった東京支社は、
今や、第2位となり、規模は4倍である大坂本社に追いつく勢いだった。
その頃、名古屋支部が振るわなかった。
田村部長の戦略を学んでやってみたが、うまく行かないでいた。

やがて、大阪本部の社長から、
田村部長本人が名古屋支社に行って、
采配を振るってはくれないかという話が来た。
短くて6ヶ月。長くて1年。

田村邦夫は、迷った。
立て直しのために派遣されることは、名誉なことだ。
それだけ自分が認められたことを意味する。
その間、東京支社に部長不在というわけにはいかない。
自分のいない間、部長代理を立てなければならない。
立てるとしたら、一人しか考えられない。
全体を考え、一番邦夫の方針を理解し、実力があり、
社員一人一人に目が行く社員。

夕食のとき、邦夫は聞いてみた。
「もし、俺が不在のとき、部長代理は、だれがいい。」
啓子は、ずばりと言った。
「ユキちゃん。」
「やっぱりそうかあ。」
「みんな、納得すると思うよ。」
と啓子は言った。

やがて、決断のときが来た。
邦夫は、名古屋支社行きをOKした。
ユキに話した。
ユキは言った。
あくまで、今の新入社員という立場で、
部長代理をさせていただけるなら、OKだと。

やがて、社員に話すときが来た。
おはようございますの後、邦夫は立ったままで話した。
名古屋行きの件。

「そこで、私のいない間、部長代理をしてもらうのは、
 新入社員のユキさんに決めました。」
ユキが立って四方に礼をした。
おおおおおという拍手が起こった。
ユキが、部長のとなりに行った。

「えー、これは、ユキさんの固い希望ですが、
 ユキさんは、変わらず新入社員であるということ。
 その新入社員が、たまたま部長代理をしている。
 そう考えていただきたいとのことです。
 ですから、言葉使いなどは、新入社員への言葉使いをしてほしい。
 自分のことを部長などと、ゆめゆめ呼ばないで欲しい。
 新入社員としての、お茶やコーヒーの準備は、自分がしたい。
 そういうことです。」
と邦夫は、言った。

「わかりました。つまり、ユキちゃんは、新入社員のポジションが好きなんですね。」
と男子社員が言った。
「そそ、つまり、そうなんです。」
とユキは言った。
「OK、ユキちゃんを、新入社員でいさせてあげます。」
と、誰かが言って、みんなで、大きな拍手をした。

明くる日の朝、田村部長の姿はなかった。
その代わり、ユキが、部長席にいて、スーツの上着を着ていた。
みんな、「ああ、やっぱりなあ。」という表情で、ユキの服装を見ていた。

やがて、おはようございますの挨拶の時がきた。
ユキは、さっと上着を脱いで、OL服となり、
「おはようございます。」と言った。
OL服の部長代理を見て、みんなが喜んだ。

「やっぱり、そこに座ってても、OL服なの?」
と男子社員が言った。
「もちろんですよ。この上着は、お客様用です。
 OLの制服は、女性のシンボルですから。」
とユキが言って、みんなは笑った。

ユキが部長代理になってからも、
社員は、同じ様に居心地の良さを感じた。
起案書を出すと、すぐその場で見てくれる。
山積みされることがない。
目を通すのが実に早い。

そして、いつものあれも同じ、
「はーい、手が空きました。」
そう言って、みんなの手伝いに行く。

「ユキちゃん、何も変わらないね。」
と康子が啓子に言った。
「ほんと。変わったのはデスクだけ。」
と啓子は言った。
「でも、ユキちゃんの真似の出来る人は、他にいないわよね。」
と、康子。
「うん。それも、事実。ここ、ユニークな職場よね。」
と啓子は言った。
周りのみんなが聞いていて。
「ほんと、ほんと。」
と笑った。

社員が、契約を結んでくると、
ユキは、拍手をして、
「わあ、すごーい、花丸です。」
と喜ぶ。
みんなが寄ってきて、拍手を送る。

ある男子社員は、隣の男子社員に言った。
「俺、ユキちゃんに誉められると、
 田村部長と同じくらいうれしいよ。」
「俺も、そうだ。やる気が出る。」

ユキは、仕事が終わったとき、
名古屋の邦夫に必ずメールを送っていた。
「今日は、Aさんが、契約を結びました。みんなで喜びました。
 成績は、ゆるゆるですが、伸びています。
 そちらは、いかがですか。」

邦夫の返信。
「やっと上り坂になったよ。
 社員にも愛情が湧いてきた。
 ただ一つ淋しいのは、
 ユキちゃんのような、ユニークな社員がいないことだ。」

わあ、うれしいお言葉。
と、ユキは、両手を胸に当てた。


<完>

(次回は、まだ未定です。)

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専務・高坂由紀夫⑥「専務の手腕、ユキの働き」最終回

短く終わるつもりのお話が、⑥まで、続いてしまいました。
今日が、最終回といたします。
これまで、読んでくださり、ありがとうございました。

=============================

憧れのOL。
新入社員。

由紀夫は、毎日一番に会社に来て、
トイレに一輪挿しをおいて、花を生けた。
そして、お茶とコーヒーを淹れる。
社員の茶碗も1日で覚えた。

仕事は抜群に早く、正確で、部長の直しがほとんどなく、いつも一発で通った。
手が空くと、
「手が空いてまーす。」と声をかけて、
コピーや、冊子のホチキス留めなど、手伝った。
また、社内用のコンピュータ・ソフトに困っている人がいると、
真先に飛んで行って、教えた。
誰が見ても、人の2倍働いているように見えた。

「ユキさん」から「ユキちゃん」と呼ばれるようになり、
女子社員から特に人気があった。

由紀夫は幸せだった。
OLの制服で、女子として働くことができる。
これが、自分の夢だったような気がした。

一方、部長の邦夫は、例のアイデアを活かし、
売れ筋の訪問先を特別な方法で分析し、男子だけでなく、
女子も時間があるとき営業に出した。

また、コンピュータの宣伝システムに参入して、
効率のよいCMを放った。

さらに、社員が自分の営業成績が分かるように、
パソコンを開いて見れば、訪問回数、契約回数、売上額など、
いろいろな観点で、社内でのランキングが分かるように、
プログラムを作った。
契約を結べたときなど、社員は楽しみにランキングをのぞいていた。

由紀夫は、部長がすばらしいと思ったとき、
啓子にそれとなく言った。
「部長の今度の企画いいですよね。やる気が出ます。」
などと言う。
それが、啓子から部長に確実に伝わる。
実際、邦夫は、啓子からユキの自分への誉め言葉を聞くのが、
何よりの喜びだった。

こうして、売り上げがぐんぐん伸び、
3ヶ月にして、売り上げが、50%伸びた。
そして、わずか6ヶ月で、2倍になった。
これは、大変なことだった。

邦夫は、社員から絶大な信頼を得た。
邦夫は、人柄もよく、威張ったりはしなかった。
人情派で、大きなことも、小さなことも、見逃さず人を誉めた。
社員の失敗は励まし、成功は誉めた。



そのうち、東京支社の実績を知り、
大阪本社から、社長(父)と取締役である長男が来た。
二人は、邦夫の経営のノウハウを学ぶのが目的だった。

応接室に、ユキがお茶を運んできた。
社長は、由紀夫を見て、
「おお、由紀夫、似合ってるな。」と言った。
「由紀夫も、これで、天職を得たのじゃないか。」
と兄の取締役が笑いながら言った。

由紀夫は、ふふっと笑って、
「部長、この東京支部は、会社の『離れ小島』、
 あたしが来たときは、「左遷だ。」なんて言われてたんですよ。
 それが、社長と取締役が、そろってここへ、お勉強に見えるなんて、
 社員一同、鼻高々です。すべて、部長のおかげです。」
と言った。
「ははは。その通りなんですよ。」と社長は笑った。
邦夫は、うれしかった。大いに意気に感じた。

由紀夫は、社長と取締役の訪問の目的を女子社員に知らせた。
それは、すぐに、男子社員に伝わった。

2時間ほど、勉強会をして、社長と取り締役が帰って行った。
玄関まで見送りにいった部長が、オフィスに帰ってきた。
すると、社員一同総立ちになって、部長に拍手を送った。
「部長、我々は、うれしいです。もう『離れ小島』なんて言わせません。」
と男子社員の一人が言った。
「いや、拍手をありがとう。これは、みんなのお陰だ。
 がんばってくれてありがとう。」
と邦夫は言った。

啓子はうれしかった。
前の会社のときは、重苦しい顔で帰ってくる父を何度も見た。
失業のときの父は、さらに辛そうだった。
それが、この会社に来てからの父は、毎日溌剌としていて、
今こうして、社員一同から拍手を受けている。
そんな父の顔を見て、目頭が熱くなった。

邦夫は思った。
前の会社は、大きかったが、社員のみんなから、
こんなうれしい温かい言葉を聞くことはなかった。
そして、その陰に、ユキが絶妙な潤滑油となって、
みなの心を盛り上げていることも思った。
ここへ来て本当によかったとしみじみ思った。

*    *    *    *

それから3ヶ月が経った。
会社の売り上げは、とうとう300%の伸びとなり、
部長はもちろんのこと、社員全員が意気揚々と仕事に励んでいた。

しかし、由紀夫の目から見て、一人だけ悩んでいると思える人がいた。
いつものように、由紀夫が早々と自分の仕事を終えて、
「あたし、手が空いてます。」
と言うと、いつも申し分けなさそうに手を挙げる人がいる。
根岸浩二という、52歳の人だ。
根岸は、社内のコンピューターソフトがどうしても使えないでいた。
「はい。」と由紀夫が飛んでいく。
「いつも、すいません。ここがわからなくて。」と根岸は言う。

昨夜のことだ。
夕食の後、根岸浩二は妻の好美に言った。
「ひょっとしたら、俺、仕事変えるかもしれない。」
「どうしたんですか?変えるなんて、
 そんなたやすいことでは、ありませんよ。」
と妻の好美は青い顔をして言った。

「とっくに辞めようと思っていたんだ。
 俺は、パソコンがどうしても使えない。
 もうアウトだと思っていたときに、
 天使のような女性が新入社員として来てくれた。
 実に親切な人で、俺は、その人にだけは、甘えることができていた。

 しかし、いくらいい人でも、限度があるだろう。
 頼めば、彼女はいくらでも教えてくれる。
 しかし、周りの社員の目もある。
 ああ、また教わっている。そんなふうに思われているだろう。
 それが、辛くてなあ。
 どんな仕事でもいい。
 パソコンなんか使わない仕事に変わりたいと思っているんだ。」

「そうだったの。気が付かなくて、ごめんなさい。」
と妻の好美は、涙を見せた。
「でも、あなたは、営業の成績もいいし、パソコンだけなんですよね。
 どうにか、ならないかしら。」
「パソコンを使わなければいけないとき、
 びくびくするのに、正直疲れたんだ。」
浩二は首を垂れた。



由紀夫は、そのころパソコンにかかりっきりの夜を送っていた。
もう6週間になる。
もうすぐできる。
できたらいいなあ。
もう少しだ。
そう思っていた。

2日後。由紀夫は、
「できた、バンザーイ!」
と手を挙げた。

次の日の朝。
早く来ていた啓子に、ソフトを起動させて見せた。
「わあ、すごい。吹き出しのガイドが出てきて、
 次何をすればいいかがわかる。
 これなら、だれでも使える。
 ユキちゃん、やったー!」
と啓子は喜んだ。

「大変だったでしょう?」と啓子。
「はい、6週間かかりました。」と由紀夫。
「あ、わかった。」と啓子は、由紀夫を見つめて、少し目を潤ませた。
「ユキちゃん、いい人だね。ときどき感動する。」啓子は言った。

「おはようございます。」の後、由紀夫は部長にすぐ見せにいった。
「これは、いい。新しい人が来てもすぐ使える。
 苦手な人も……そうか…わかった。」
と部長は、啓子と同じ様に、由紀夫を見つめ、目を潤ませた。
「わかっていても、俺はどうしていいか、わからなかった。
 ありがとう。感激だ。」
部長は、根岸浩二をすぐに呼んだ。
「根岸さん。ユキさんが、こんなの作ってくれた。
 どう?ほら、次にやることの吹き出しが出て、教えてくれる。」

根岸は見た。キーを少し試しながら、
「はい、はいはい。ああ、これなら私にも使えそうです。
 なんてわかりやすい。ああ、感激です。ありがたい。」
と浩二は涙を見せた。
社員が集まって来ていた。
「わあ、すごい。これがはじめからあったらなあ。」
「ユキちゃんが作ったの?わあ、すげー、普通作れないよ。」

浩二は、ユキの手を両手でとって、
「ありがとう。あなたが天使に見えます。
 これで、もうパソコンが恐くありません。
 妻も安心します。」
と涙を浮かべて言った。

由紀夫は、うれしかった。
この喜びのためなら、6週間の作業など、なんでもないと思った。

昼休み、廊下の隅で、家に電話をしている根岸浩二の姿があった。
「そうなんだ。多分、俺のために作ってくれたんだ。
 大変な労力だったと思う。
 天使みたいな人だと言ったろう。その人なんだ。
 これで、俺はもう恐いものなしでやっていける。
 ありがたくて、涙が出た。
 好美にずいぶん心配をかけたと思う。
 しかし、もう、大丈夫だ。」

廊下の陰で、啓子は涙を浮かべて聞いていた。
そして、思った。
父の邦夫、そして、ユキちゃん。
この二人がいる限り、オフィスは安心。

「啓子さーん。先に行きますよー。」
と、ユキの声がした。」
「今行くー。」と啓子は言い、

なんだか、たまらなくうれしくなって、スキップを踏んだ。


<おわり>  
※次回は、「エピローグ」です。




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専務・高坂由紀夫⑤「おませなミサ」

昨日の予告で、「部長の手腕」と書きましたが、
物語では、ミサが訪問しましたので、その続きを書きます。

==================================

ミサは、耳の横の毛を三つ編み。編み終わりに赤いリボン。
前髪を、7:3に分けておでこを少し見せている。
ニーハイの黒のソックスに、
3段のデニムのフレアスカート。
ハイソックスとスカートの間に、絶対領域(素肌の見える部分)を作っている。
赤に、黒のハート模様のあるラメのTシャツ。赤いパーカー。
細いウエストと華奢な肩で、とても幼く見える。

「あたし、一番好きなの。こういう服。
 お姉様にも、一揃い持ってきたのよ。」
「ええ?あたしも小学生になるの?」
「そうなの。」とミサが言う。

由紀夫が着たのは、デニムのタイトのミニスカート(ミサ、わかってる。)
青に黄色の星の模様のラメのTシャツ。デニムのベスト。
「ね、お姉様の髪、ちょっとスタイルしていい?」とミサは、言う。
ドレッサーに座り任せた。
ミサは、由紀夫の髪を左右にゆるくまとめ、そこにシュシュをつけた。
「わあ、なんか中学生に見える。」と由紀夫。
「お姉様は、小学生は無理かな。でも中学生には見えるわ。」とミサ。

「あたし、3日前誕生日で20歳になったの。
 でさ、お姉様と二人で、コンビニ行って煙草買ってみない。
 売ってくれないと、楽しいじゃない?」とミサがいう。
「それ、いいね。」
と由紀夫は大乗り気だった。

ミサは、由紀夫ように小学生風のバッグと靴も持ってきていた。
「お姉様は、あたしより2歳年上のお姉さんって感じかな。」
とミサは言った。
「ミサとあたし、同じ年は、無理だもんね。」と由紀夫。

二人は出かけ、コンビニに来た。
「あたしが言っていい?」と由紀夫は言った。
「うん。」とミサ。

カウンターに、40代の女性がいた。
「すいません。セブンスター1つください。」
女性は、ミサと由紀夫を見て、
「知っているでしょう。子供は買えないの。自分達で吸う気だったの?」
「ちがいます。父に頼まれて。」とミサが言った。
「それでもだめなの。あんた達中学生と小学生じゃないの?
 子供に煙草を買いに行かせるなんて、親がどうかしてるわ。
 はい、だめだめ。」
と、その女性にあしらわれた。

二人は、うきうきして出てきた。
「わあ、中学生に見られた!」と由紀夫。
「あたしは小学生!」とミサ。

由紀夫はなんだか興ふんしてしまった。
「ね、部屋に帰って、いちゃいちゃしよう。」と由紀夫。
「わあん、その言葉、あたし萌えちゃう。」とミサ。

部屋に入ると、ミサがすぐにキ・スをしてきた。
舌を絡めた深いキ・ス。
「ミサ、積極的なんだ。」と由紀夫。
「お店では、ぶりっ子キャラを通してるの。
 でも、お店の外では、可愛い子が好きで、可愛がりたいタイプなの。」
「じゃあ、あたしを可愛がってくれるの。」
「お姉様は、あたしのタイプなの。
 お店で会ったとき、もう興ふんしてたでしょう。」
「ああ、そうね。」

「ね、ショーツ脱ごう。」とミサは言う。
二人で、背中を合わせて、ショーツを脱いだ。

ミサは、由紀夫をソファーに座らせた。
デニムミニがももを半分以上見せている。
すでに興奮している由紀夫のPが、スカートから頭を出してしまいそうだった。
ミサは、由紀夫に向かって、由紀夫のももの上にまたがった。
そして、フレアスカートの中のミサの男のものを、
由紀夫のデニムミニの中に入れてくる。
由紀夫は、両膝をしっかり閉じている。
ミニ・スカートの中で、二人のPが、並んで擦れる。
「や~ん、ミサ、あたしこんなの初めて。すごく萌えちゃう。」
由紀夫は言った。

ミサが、腰を前にやると、PとPが擦れる。
「お姉様、これ、いいでしょ。」とミサが言う。
「うん。たまらない。もうイきそう。」
「まだよ。これからなのよ。」とミサ。

ミサは、由紀夫の背中に手をやって、由紀夫のブラのホックをはずした。
そして、今度はTシャツの前から、両手を入れて、
由紀夫の胸をさわった。
「思った通り。お姉様の本物だわ。」とミサ。
「ミサのは?」
「あたしのも本物、Cカップ。」
ミサは、由紀夫の胸をもんでくる。
「ああん、感じる。たまらない。」
スカートの中のP同士も擦れ合っている。

ミサは、由紀夫を強く抱いて、キ・スをした。
上手なキ・スで、由紀夫は震えた。
『小学生のような美少女なのに…。』
由紀夫は、萌えた。

ミサは、由紀夫のTシャツを脱がせた。
ブラを取った。
上半身はだかになった。
胸の先をしげきされ、キ・スをされる。
ミサは腰をぐんぐん使って、Pを擦る。
もう、たまらない。
「あ~ん、だめ、あたし、イちゃう、ああ…。」
「うそ、まだでしょう?」
「ほんとにだめ、だめ、スカート汚しちゃう。あああ、だめえええええ。」
と由紀夫が叫んだとき、
ミサは、さっとソファーから降りて、由紀夫のスカートをずらし、
由紀夫のPをくわえ、しげきした。
由紀夫は、ぶるぶると体をふるわし、背をぴくぴくさせて、
ミサの口の中に、放出した。

『ああ、最高だった…。』と由紀夫は思った。

今度は、ミサを満足させる番。
由紀夫は、ブラとTシャツを着て、ミサをソファーに座らせた。
そして、幅広な、姿身をミサの正面に運んできた。
「ねえ、ミサ、自分が丘されているところ見るともっと興ふんするわよ。」
「あ、そういえば見たことない。」
由紀夫は、ミサのPにゴムをかぶせた。
そして、胸をなでながら、キ・スをした。

Tシャツを上にあげ、ブラも上にあげ、
豊な胸を何度もしげきした。
ミサは、ずっと鏡を見ていた。
『自分は女の子、可愛い女の子、綺麗なお姉様に、丘されてる。』
ミサは、鏡を見ることで、みるみる興奮して来た。

「さあ、絶対領域を丘すわ。」
由紀夫はそう言って、ミサのスカ・ートに浸入して行く。
始めは、スカ・ートの中で、もごもごやっていて、
そのうち、スカ・ートがめくられ、
天井を突いているミサの男のものを露にされた。
「あん、いやん。」とミサは声を出した。
「見て、可愛い女の子に間違って付いてるもの。
 大きくなってるわ、見て。」
ミサは、鏡を見て、最高に興ふんしてしまった。

「あん、恥ずかしい、お姉様、恥ずかしいわ。」とミサ。
そのミサの口をふさぐように、由紀夫は、キ・スをした。
くちびるを離し、ミサの胸の先端を指でもんだ。
「ああん、かんじる。」とミサが声を上げる。

「こうすると、もっとステキよ。」
と、由紀夫は、ミサの足をソファーに乗せて、
ミサの脚をM開きにさせた。
ニーハイのソックスがなまめかしい。
その間も、ミサのPをあいぶしつづけている。

ミサは、鏡を見ながら、だんだん体を震わせてきた。
「ああん、ああん。」と短い声を上げる。
「ミサ、最高にえっちだわ。見て、あなたそれでも女の子?
 もう、カチンカチンよ。」
「やん、恥ずかしい、お姉様、ゆるして。」
「何をゆるすの。こうしてほしいってこと?」
由紀夫は、そう言って、あいぶをはげしくした。
ミサの体が、震え始めた。
「ああん、ああん。」とミサが叫ぶ。
「おませな小学生。」と由紀夫。
「いけないことしてる。」
「そう、いけない子。」
「ああん、その言葉たまらない。もっとして。」
「いいわ、もっとね。」
「ああん、もうだめ。お姉様、ミサ、イっちゃう、がまんできない。
 イっちゃう、イっちゃう、ゆるして、あああん…。」
ミサは、体をぶるぶるとさせて、放出した。

由紀夫は、ミサのPの周りを綺麗にしてやった。
そして、二人ともショーツを履いた。

「ああん。」とソファーで、ミサが由紀夫に抱き付いてきた。
「されてるの鏡で見るって、すごい刺激的だった。
 一度も見たことなかったもの。」
「よかった。じゃあ、お食事に行こうか。」
「うん。」

二人は出かけて、気が付いた。
子供服を着ていた。
「あたし達、中学生にナンパされちゃうわ。」とミサ。
「大丈夫よ。断ればいいの。」
「なんて言うの?」
「それはもう、『ごめんなさい。あたし達男なの。』よ。」
「あはっ。それで決まりね。」
と二人で笑った。


つづく(次回は、『部長の手腕、ユキの思いやり』です。)




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専務・高坂由紀夫④「新入女子社員」

啓子が明くる日、出社してみると、
一番端である自分の机の横に、もう一つ机があった。
誰か、来るのかな…と思った。

今まで、家で気落ちしていた父が、部長席にどんといる。
オフィスのトップだ。
恥ずかしさもあったが、うれしかった。

時間が来て、邦夫が立ち上がった。
みんなも立ち上がり、「おはようございます。」をする。
みんなは座ったが、邦夫は立っていた。

「えー、今日は、新入社員がいますので、みなさんに紹介します。」
新入社員と聞いて、みんなの目が一気に好奇の目に変わった。
「ユキさん、来てください。」
と邦夫が言うと、タイトな紺のスカート(少しミニ)、
ブラウスにベスト、つまり会社の制服を着た女子が応接間から来て、邦夫に並んだ。
すぐ気がついた社員がいて笑い始めた。
そのうち笑いの輪が広がっていった。
なかなか気づかず、みんなの笑い声に、聞いて回っている女子社員もいた。
やがて、全員が気がついて、すごい拍手が起こった。

「えー、ここにいますユキさんですが、みなさんお気づきのように、
 昨日までは、このオフィスの専務でした。
 しかし、ユキさんは専務として営業の経験が浅く、
 指導力を発揮できないできたとおっしゃいました。
 そこで、営業の仕事を一から学びたいとのことで、
 新入社員として今日から働くことになりました。

 えー、いくら昨日まで専務だったとは言え、
 これからは、全くの新入社員として接して欲しいとのことです。
 また、みなさんの上司(私です)への悪口など、絶対告げ口などしないとのことです。
(数人、笑い。)
 つまり、新米として、こき使って欲しい。
 敬語や丁寧語など一切使わず、
 『ユキ』と呼び捨てにして欲しいとのことです。
 みなさん、いいですか。」

社員は、にこにこしながら、「はい。」と言った。
「では、ユキさん、ご挨拶がありますか。」と邦夫。
「はい。」と由紀夫は言って。
「あの、私は、もともと女子に生まれたくて、
 ずっとOLに憧れ続けてきました。
 そのOLになることができて、今、幸せでいっぱいです。」
(みんな、笑い。)

「ユキさん、声が可愛い。どうして?」と誰かが言った。

「えー、声は、メラニー法というので、トレーニングしたんです。
 今まで、私は、男子にしては、女っぽいと言われていたと思いますが、
 女子になってしまえば、もう言われないだろうと、ほっとしています。
 今度は、逆に、男っぽいなどと言われると悲しいです。」
(社員、大笑い。)
「言わないよ。かなり、可愛いよ。」と誰かの声。

「でも、私は、半分しか女子でありませんので、トイレは、車椅子用のを使います。
 また、更衣室も、応接室の隅をおかりします。
 どうぞ、みなさま、私をこき使ってくださいませ。
 どうぞよろしくお願いいたします。」

由紀夫が頭を下げると、すごい拍手があった。
今まで、専務の由紀夫を毛嫌いしていた女子社員たちも、
ユキの可愛らしさをみて、好感をもったようだった。

朝会が終わって、ユキが席にくると、
女子社員達がユキを取り囲んだ。
「ユキちゃん、もう今日は、最高。楽しい、うきうきしちゃった。」
「ユキちゃん、こんなに可愛いんだから、トイレも女子を使いなよ。」
「そうよ、そうよ。」
「更衣室だっていっしょに着替えようよ。」
こんな声が出た。
「うれしいです。でも、あたし自身が慣れていないので、
 もう少し、それは後にします。」とユキは言った。
「お昼は、いっしょに行こうね。」
「はい、誘ってください。」とユキは笑顔で言った。

女子社員達は、ユキが、昨日まで専務だったことを完全に忘れたかのようだった。
それは、一つにユキが20歳くらいに見えたことと、ユキの可愛らしさのためだった。

ユキは、隣である田村啓子に、
「よろしくお願いします。」と小さく挨拶した。
「う、うん、よろしく。」と啓子は、何か考えながらいた。

啓子は、考えていた。
初めて、ユキが、自分のそばにきたとき、
バラの香りがしたのだ。
一昨日の女の人と同じ香り。
『ああ、そうだったのか。』と気がついた。
一昨日の人、確かユキと名乗った。
こんな偶然はありえない。

自分がときどき居眠りをしていることについて、
専務は、怒れない人間だとあの人に言った。
全然違った。
怒る怒れないの問題ではなく、
社員の疲れの原因を調べて、助けようとしてくれた。
それが、一番の思いやりではないか。
自分の一晩の休息のために、
あれだけのお金を使ってくれた。
それは、私が、愛する社員だったからだ。

肉を食べながら、散々専務を侮辱した。
しかし、そんなことを歯牙にもかけず、
父のことを聞いてくれた。
次の日にすぐ行動に出てくれたのは、
話を聞いてくれたのが、専務本人だったからだ。
再就職の父を、いきなりオフィスのトップにしてくれた。
それは、多分、トップが2人では、父がやりにくいと思ったからだ。
そして、自ら、降格して、それも新入社員になった。
こんなことができる人がいるだろうか。
会社のためなら、恥や面目を少しも考えない人なのだ。

それほどの人物を、
これだけ、社員を思っていてくれている人を、
自分は、何も見抜けず、
悪口をいい、意地悪までした。
専務の心の広さと比べて、
自分は、なんという人を見る目のない心の狭い人間だったのだ。
専務、ごめんなさい。ごめんなさい。

そう思いながら、啓子は、涙を流した。
啓子は、目にハンカチを当てた。
「ユキさん。ごめんなさい。そして、ありがとう。」
と言った。
「どうしたの?」と周りの人が集まってきた。
「ううん、なんでもないの。
 ユキさんにお礼を言いたかったの。」
と啓子は言った。

ユキは、みんながいなくなってから、小さな声で言った。
「すばらしい部長に来ていただけたのは、啓子さんのお陰です。」
その言葉を聞いて、啓子はますます涙が出てくるのだった。



夕食のとき、啓子は言った。
「あの不思議な女の人。あれは、専務ご自身だったの。」
「まあ。それで、全部うなずけるわね。」と母の紀子が言った。
「そうだったのか。ありがたいことだ。」と邦夫は言った。

「お父さん、今日専務が新入社員になったのは、
 専務のままでは、お父さんがやりにくいと思ったから?」
啓子は聞いた。
「ずばり、そうだ。専務自身が言ったよ。トップが二人いてはいけないって。
 それで、小声でいうんだ。新入の女子社員になりたいと。
 俺、びっくりして、それでいいんですかと聞いたよ。
 すると、それが自分の夢だったからと答えた。
 すばらしく、変わった人だと思ったよ。」
と邦夫は、笑いながら言った。

「あたし、女の人に、専務を侮辱する言葉をたくさん言ったの。」と啓子。
「あはは。そんなことなど全く気にする人ではないよ。」
と邦夫は、笑った。



由紀夫は、6時に帰宅した。
ケータイが鳴り、見ると、ミニスカ・パブのミサからだった。
あの妖精のように可愛い子。
初めて会ったときに、アドレスを交換していた。
それから、メール交換をしてきた。
「今日、お店休み。今から行っていい?」
「早く来て。」とメールを返した。
由紀夫は、うきうきとした。

ミサは、すぐにやってきた。
もう来ていたのだろう。
ドアから入ってきたミサを見て、由紀夫は驚いた。
まるで、小学生のような女の子の流行り服。
「ミサ、まるで成長の早い小学生よ。」と由紀夫は言った。
「うふっ。」とミサは笑った。

つづく(次回は、「部長の手腕」です。)




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専務・高坂由紀夫③「新しい営業部長」

短く終わろうとしましたが、少し長くします。
読んでくださると、うれしいです。

=============================

「ユキ、この子を気持ちよくさせてあげて。ミサっていうの。」
「う、うん。」
ミサは、座っている由紀夫の正面に立った。
由紀夫は、ミサのショーツを取った。
そして、そっと手をスカートの中に手を入れた。
そして、感動した。
ミサには、ちゃんと男の物があった。
しかも、それは、すでに大きく、固くなっていた。

ミサは、自分で、スカートを持上げて、男の物を突き出した。
由紀夫の趣味からして、それはもっともそそられる光景だった。
由紀夫は、ミサのものを頬張った。
すごい刺激だった。
ときどき上目遣いにミサを見た。
その間、邦子は、由紀夫のショーツとパンストを下げ、
由紀夫のものをくわえていた。

由紀夫は、気が狂いそうになっていた。
こんな妖精みたいに可愛い子が、男の子だなんて。
中学生か早熟な小学生にも見える。
由紀夫は、ロリータの趣味はないが、
ミサのような子に出会うと、新たな倒錯の世界に、
運ばれて行くようだった。
ミサは、「ああ、ああ…。」とかいかんを表す声を小さく上げる。
今まで、ぶりっ子のように、両の拳を口に当てていたミサだったが、
やがて、由紀夫の頭に手を当てて、
自分から腰を使って、由紀夫の口をおかし始めた。

由紀夫のものを邦子が口でおかしている。
こうふんで、気が狂いそうだ。
由紀夫は、ミニスカの脚を、大きく開いてしまっていた。
邦子が、大きく上に乗ってくる。
ミサは、散々由紀夫の口を犯しながら、かすかに震えはじめた。
上を向いて、かいかんの色を濃く表している。
由紀夫は、そろそろ到達に向かっていた。
ミサの幼い声が、だんだん大きくなってくる。
それが、たまらなかった。

邦子が由紀夫を攻めている。
由紀夫は、ミサの口の中で声を上げた。
「あん、だめ、イっちゃう。いやん、いやん。」
由紀夫はけいれんし果てて行った。
邦子は、由紀夫のものを飲み込んだ。

ミサの声はだんだん高くなった。
「ああん。いや。ああ、だめ。」
と中学生の子のような声を上げる。

邦子が、ミサの後ろに立って、胸をあいぶし始めた。
本物の胸があるようだった。
ミサの顔がかいかんにゆがむ。
ミサは、けいれんを始めた。
由紀夫は、口のあいぶを速めた。
ミサから声がもれてくる。
「ああ、ああ、ああ…。」
ミサの息が荒くなった。
ようやく、ミサにも来た。
「ああん、いや、ミサ、いっちゃう。だめ。ああん、ミサ、いっちゃう。」
ミサは、自分のことをミサと呼び、
鼻にかかった声を出し、体を振るわせながら、果てて行った。
由紀夫は、ミサの温かい液を飲み込んだ。

「あたし、今日は眠れそうにないわ。ミサのこと思って。」
由紀夫はそう言った。

たっぷり満足して店を出た。
夜は、まだまだだったが、真っ直ぐ部屋に帰ることにした。

*    *    *

次の日の朝、由紀夫は一番に、
「田村さん、ちょっと来てください。」
と田村啓子を呼んだ。
由紀夫は、社員に対しても丁寧語を使う。
呼ばれた田村は、うへっという顔をして、
横の二人にしかめ面を見せた。

啓子は、ぐずぐずとやってきた。
「なんですか?仕事中なんです。手短にお願いします。」
「そう、では、
 あなたのお父さんに、すぐにも会いたい。以上。」
由紀夫は、それだけ言って、パソコンに目を移した。

「お父さん」という言葉があった。
啓子は、『手短に』などと言ったことを後悔した。
どう解釈すればいいのだ。
「すぐ」というのは、今すぐなのか、なるべく早くなのか。
「会いたい」というのは、ここで?
なんのために?
まさか、仕事…。

昨日の女の人の言葉を思い出した。
ああ、私は、生意気な口利きで、
父の仕事のチャンスを奪ったのかもしれない。
相手は、いやしくも専務だ。
さっきの態度で、「君は首だ。」と言われてもおかしくはない。
一言そう言われれば、自分は即座に解雇なのだ。
そういう相手に、自分は何と言う口の利き方をしたのだ。
自分は、つけあがっていた。己の身分を忘れていた。
謝れば、許してもらえるだろうか。
啓子は、もじもじした。
深く反省し、由紀夫に顔を向けた。

「専務すみません。生意気ないい方をしました。
 手短ではなく、少し詳しくお話しください。」
啓子は言った。
由紀夫は、にこっとした。
「そう。では。昨日私の友人から電話がありました。
 田村啓子さんのお父さんがリストラで、今仕事をされていない。
 聞けば、△△商事の営業部長をなさっていたとのこと。
 我が東京支部は、私がこの通りで、
 力のある営業部長がいなくて困っているのです。

 ですから、私は、あなたのお父さんに是非会ってみたい。
 そして、わが社で、働いて欲しいと思っているのです。
 ほかの会社に取られないうちに、私は一刻も早く会いたい。
 そこで、田村さんに、すぐお家に電話して、
 お父さんに来ていただきたい旨、伝えて欲しいのです。」

啓子の顔は、いっぺんで明るくなった。
「はい。わかりました。すぐ電話します。
 生意気な口利きを、以後改めます。」

啓子は、オフィスを出て、すぐに電話した。
それから、30分後、啓子の父親・邦夫は、やってきた。

由紀夫は迎えに出て行って、
「専務の高坂です。女みたいな髪と顔をしていて、
 社員にバカにされていますが、一応真面目です。」
と邦夫を初っ端から、笑わせて、和んだ空気を作った。

奥の応接間で、二人は語った。
「私は、営業部長というのは、会社の中で、もっとも重要で、
 もっとも過酷なポストだと思っています。
 また、アイデアが必用であり、
 営業の社員がやる気をもって働けるシステムが必要だと思っています。
 田村さんの方で、前の会社では果たせなかったアイデアとかありましょうか。」
邦夫にとって、うれしい質問だった。
邦夫は、前の会社で、あるアイデアを何度も提出し、
一度も採用されなかったものがあった。
無念な思いをしてきた。
それを、由紀夫に言ってみたのだ。

すると、由紀夫は、何度もうなずき、やがて両膝を叩いて喜び、
「すばらしい。ぜひ、それを心行くまでやってください。」
と言った。
元の会社では、そのアイデアが理解されなかったのだ。
大変込み入った経営学の知識がいる。
それを、この専務は、いっぺんで理解し、絶賛したのだ。
邦夫はうれしかった。

由紀夫は、言った。
「では、営業部長のポストを、お引き受け願えますでしょうか。」
「もちろんです。こんなにうれしいことはありません。」
邦夫は言った。

「辞令は、大至急つくります。
 しかし、田村さんの採用を決めるのは、東京支部の私ですので、
 採用は、決定したとお考えください。
 また、給与は、前の会社と同額といたします。
 ボーナス等も、なるべく前の会社と同額にします。
 これは、田村さんのアイデアが社員に理解され、軌道に乗れば、
 売り上げが倍増すると思いますので、叶うことだと思います。

 えー、机は、今私が座っている机をお使いください。
 引き出しには、何も入っておりません。」
「専務は、どこに?」
「それですが、実は。」
と由紀夫は、邦夫に耳うちした。

「えー!ほんとにいいんですか?」と邦夫は驚いて言った。
「トップが2人いては、いけません。
 その代わり、私のことも認めていただきたいのです。」
「もちろんです。」
と邦夫は笑いながら言った。

由紀夫は、その日のうちに、邦夫を営業部長として、
社の一員となったことをみなに伝えた。
大きな拍手で迎えられた。
啓子は、目に涙を浮かべた。
由紀夫は、みんなの見ている前で、
常務のデスク表示を、『部長』に変えた。

邦夫は、その日から、会社の資料に目を通し、仕事を始めた。



その日の夜、田村邦夫の家では、再就職のお祝いをした。
散らし寿司をみんなで、取りながら、
「いやあ、あの専務は、出来る人だなあ。」と邦夫。
「そうお、私達、女みたいな人だから、馬鹿にしてたのよ。」
「だってだよ、啓子が、その女の人に言ったことを受けて、
 次の日、もう話が通って、極めて迅速な行動だ。
 そして、俺は、専務と一回話しただけだぜ。
 普通それだけで、俺を営業部長にしてくれるなんてないぞ。
 専務は、人を見る目に、よほど自信を持っているんだろうな。」
と邦夫は言った。

「あなたは、有能な営業部長じゃないですか。」と妻の紀子が言った。
「確かに俺は有能だと自信がある。
 しかし、それを一回で見抜き俺を使ってくれた。
 しかも、前の会社で、だれも理解してくれなかった俺のアイデアを、
 一回で理解して、それに賭けるとまでいってくれた。
 俺は、あの専務のためなら、全力をつくすぞ。」

「お父さんから見てそうなんだ。
 でも、今まで仕事何にもしてない人だったよ。」
「よくわからん上司は、仕事をしてくれない方がいい。
 専務はそれがわかっていたんじゃないか。
 せめては、邪魔になるまいってな。
 どれだけ社員にバカにされようとだ。」

「あたしは、昨日の女の人が不思議。
 私に食事をおごってくれて、私に一晩の休みをくれた。
 そして、お父さんのことを聞き出して、
 その日のうちに、話を進めてくれた。
 実はその人、あたしのために、9万円は使ってくれたの。
 あたしのことを、まるで前から知っている人みたいに。
 あたしを助けてくれた。そして、お父さんも。
 あたしと同じくらいの年の人だったのよ。」

「不思議ね。いつか、その人が誰だかわかる時がくるんじゃない。」
母の紀子が言った。

「啓子。明日、ちょっとお楽しみがあるぞ。」
と邦夫が言う。
「何?」
「言わない。約束したから。」
邦夫はそう言って、くすっと笑った。

つづく(次回は、『可愛い新入社員』です。)




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ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

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