FC2ブログ

スーパー洋子⑥「カップル誕生」最終回

スーパー洋子⑥「カップル誕生」最終回

「冒険活劇」長らくお付き合いくださり、ありがとうございます。
最終回としてエピローグです。アクションはありません。
読んでくださると、うれしいです。
===============================

翌日の朝、洋子とルミが、学校の靴箱に来ると、
冴子とハンザムな青年が、二人を向かえていた。

洋子とルミが、「だれ?」と思っていると、
「俺だよ、大塚真治だよ。」と彼は言う。
大塚は、リーゼントを辞めて、油のない髪の毛を、ぱさりと垂らしていた。
それは、いかにも真面目な爽やか青年に見えた。
「わあ、大塚先輩。そうやると、最高にさわやかじゃないですか。」と洋子。
「そうですよ。すごく、ステキ。」とルミは言った。

「洋子。今度のこと、ありがとうな。
 俺まだ呼ばれてなかったから知らなかったけど、
 俺の分も言ってくれたんだってな。」真治は言った。
「冴子先輩が、大塚先輩も是非にって。」と洋子。
「ありがとう。洋子の気持ち、無駄にはしない。
 せっかく抜けられたんだ。俺、勉強死ぬほどやる。」真治は言った。
「それで、勉強できたら、めちゃモテですよ。」と洋子は言った。
「とにかく、ありがとう。一生恩に着る。」真治は言った。
「なんか、冴子先輩と、大塚先輩と、お似合いな感じです。」とルミが言った。
「こら、からかわないの。」と冴子に言われ、二人は、逃げるように階段を上がって言った。



その日、四天王に勝った洋子は、どれだけみんなに話をせがまれるかと覚悟していたが、
大杉隆と的場早苗が、話し上手で、二人は机を並べた上で、一手に説明を引き受けていた。
みんなは、その二人がおもしろく、集まっていった。



その日の放課後、
大塚真治と小島冴子は、グランドの隅のベンチに腰かけていた。
「めちゃ、勉強するってほんと?」と冴子は言った。
「ああ、本気だ。俺のおやじは病院の院長で、
 なんでも、金、金、金って人間だった。
 俺、それに反発して、少しずつグレてった。
 しかし、俺は、医者って仕事には憧れてる。
 おやじの知らないところで、いい医者になってみせる。」

「実は、あたしもなんだ。医者になりたいの。
 あたしみたいな子の専門医になりたい。」
「そうなの?ほんと?それは、いいや。あのさ、」と言って真治は真面目な顔になった。
「あのさ、もしよかったら、俺とつき合ってくんね。」
「つき合うって、1回か2回ってこと。」
「ああ、いい方悪いな俺。つまり俺の彼女になって欲しいってことだよ。」
冴子は少なからず、驚いた顔をした。

「だって、真治知ってるじゃん。あたしは女じゃないって。」
「知ってるよ。知ってても、変わんないんだ。冴子を思う気持ち。
 1年生のときからずっと好きだった。
 そのうち、冴子の体のこと知った。でも、同じなんだ、冴子が好きだって気持ちは変わんねえ。」
「ほんと?」と冴子は真治を見た。「あたしだって、真治のこと好きだよ。」
真治は、飛びやがって喜んだ。
「だったら、それで、十分じゃん。今、俺達まだ中学生だぜ。
 お互い好きで十分じゃん。大人になってからのことは、おいおいでいいじゃん。
 な、冴子、そうだろう。」真治は言った。

冴子は真治の顔を見て、涙を流した。
「うん。そうだね。今は、好き同士でいいよね。」
「やったー!」と、真治は冴子を抱きしめた。
「あ、ごめん。うれしくてつい…。」
「変わりにキスしよ。」冴子は目をつぶった。
「あ、ああ。」と言って、真治は、手を洋服でぬぐい、冴子の唇に唇を重ねた。
唇をはなした真治は、バンザーイと飛びあがって、校庭のトラックを走りはじめた。
そんな真治を冴子は、ほほえましく見ていた。
幸せだった。

*    *    *

冴子は、グループを解散したが、グループであった、あとの4人のことが心配だった。
そこで、隣のクラスの真治に相談した。
「あのさ、真治のグループだった子と、あたしのグループだった子と、
 いっしょにカラオケいかない?」と冴子は言った。
「わかった。一組でも、カップルできたらいいなってことだな。」真治は察した。
「まあ、全部カップルになったらいいけど、真治のグループ一人多いんだよね。」
「あ、それ心配いらねえ。浩二のやつ、彼女自分でみつけたから。4対4だよ。」
「ほんと?洋子とルミも呼ぼうと思うんだけど。」
「ルミ、もて過ぎねえ?」
「大丈夫。ルミ、洋子にぞっこんだから。男相手にしないよ。」
「あはは。そりゃいいや。」
二人で、ルミと洋子に話したら、聞き耳のいい大杉隆と的場早苗が、
仲間に入れてくれないのは、ずるいと言い出し、総計大所帯になった。

4月の終わりに、カラオケの大部屋で、計14人が入った。
男4人、女4人がお見合いの形で座っていた。
みんな私服なので、女の子達は精一杯おめかしをしていた。
だいたいニーハイのソックスにミニスカートが多い。
端に洋子とルミ、向かいに隆と早苗が並んで座った。
洋子だけはいつものセーラー服。

マイクを持って、大塚真治が言った。
「えー、今日は、元冴子のグループと、俺のグループとの懇親会だ。
 男達は知っていると思うが、冴子のグループの女子は、身体的には男子だ。
 しかし、心は女子だ。男か女かは心が優先だ。
 彼女達を女子だと思えねー奴は、今すぐここから出て行ってくれ。
 いねーか。よし。
 それから、我々は、健全な青年になったのだから、酒、煙草はなしだ。
 それから、エッチもなしだ。キスくらいはいいかな。
 ジュースでも酔おうと思えば酔える。
 席がえは自由だ。積極的なもんが、彼女をゲットだ。
 以上。」
おおおと拍手が起こった。
「はい注文聞きます。」
「はい、何にしますか。」
と隆と早苗は、こう言うときになると、サービス精神の塊になる。
ルミは、洋子の腕をとって、ずっとべったりしていた。

テーブルは、デカンタのソーダや焼きそばが山もりになり、
盛大に懇親が始まった。
カラオケを歌う者はだれもいない。
みんな、話に夢中だ。

「なんで、今までマスクなんかでいたんだよ。
 こんなに可愛いのに。もったいねーよ。」
「ありがと。幸夫も、リーゼントより、今のがいいよ。」

「俺、聡史。」
「あたし、久美。」
「久美は、女にしか見えねえ。俺、もう参ってる。」
「聡史も悪くないよ。クールだよ。」
「そうか、久美がそう言ってくれるなら、自信もっていいかな。」

隅に大人しくいた賢治は、向かいに一人でおとなしそうにいる吉江が気に入っていた。
賢治は勇気をだして、吉江の横に行った。」
「俺、口べたなんだ。女の子といるとあがっちゃう。」
「あ、あたしもなんだ。」
「俺、賢治。」
「あたし吉江。」
「吉江さんと俺、合いそうな気がして、勇気出してここ来た。」
「あたしも、賢治さんが来てくれたらいいなあって思ってた。賢治さん優しそうだから。」
「ほんと?俺、吉江さんとなら、なんか、うまく話せそう。」
「あたしも。」

こんなふうにして、1時間もすると、なんとなくみんなカップルになっていて、
いい感じになっていた。

「なんか、あぶれる子、一人もいないみたい。」
冴子は言った。
「俺達、悪やってても、女の子に縁がなかったんだよ。
 だから、みんなうれしくてしょうがねんだ。」
真治はそう言った。
「それは、内も同じかも。みんな、体の劣等感あったから、
 女の子として接してもらって、うれしくてしょうがないみたい。」
冴子は言った。

3時間が、あっという間に経った。
サービスの隆と早苗は、ふらふらになっていた。

時間になり、真治が声をかけた。
「おーい、楽しいとこ悪いが、時間だ。
 はい、おしゃべりやめ!」
みんながシーンとなった。

「じゃあ、まず、今日、一番サービスしてくれた、隆くんと早苗さんに、
 ありがとうの拍手だ!」

みんなは、盛大な拍手をした。
隆と早苗はニコニコしていた。

さらに真治は、
「きょうで、仲良しになれたものは、全員起立!」

すると、全員が立った。
(おー、うまくいった。)と真治は思った。

「じゃあ、来週またやるから、全員くること。
 それまで、デートするなりは自由だ。」
みんなから、うおおおーと声が上がった。

「洋子とルミは、何にもしなかったけれど、一応拍手!」
一応の拍手があった。
洋子とルミは、頭をかきながら、礼をした。



こうして、懇親会は百点満点上手くいった。
帰るとき、ちゃんとカップルができていた。

「やってよかったな。」と真治は言った。
「うん。みんなが喜んでくれて、うれしい。
 真治、ありがとう。」冴子が言った。
「俺達だけうまく行ったんじゃ、なんか調子悪かったんだ。」
「うん。あたしも。」

「じゃあ、ぼく達はこれで。」と隆と早苗が言った。
「あ、ありがとう。つぎも来てくれる。」と真治。
「もちろん。こういうの好きですから。」二人はにこにこして帰った。

「ああ、楽しかったね。」とルミが言った。
「うん。あたしたち、何にもしなかったけどね。」と洋子。
「この次は、隆と早苗に楽してもらおう。」ルミ。
「うん。そうだね。」と洋子。

いい夜の空気だった。
踏み切りの向こうに、三日月が傾いていた。


<おわり>



※もし、ポチをくださる方。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



スポンサーサイト

スーパー洋子⑤「天才・猿(サル)」後編

スーパー洋子⑤「天才・猿(サル)」後編


格闘場面は、四天王最強の「サル」をもって、
ここで終わります。
とても長くなりました。すみません。
明日1話、エピローグとして、冴子と大塚のグループの青春話をつけました。
長いですが、読んでくださるとうれしいです。
======================

残り2人のうち、一人が来た。
袴姿で、木刀を持っていた。
肩幅の広い大男だ。
「俺は、剣道だからな。なんならお前も1本持て。」木刀男が言った。
「あたしは無手だからね。武器は重いだけよ。」
「じゃあ、無手であることを言い訳にするなよ。」
「いいわよ。」洋子は言った。
男は、木刀を、立てて、左に高く構えた。
『ははん。薩摩の「チェストー」だね。
 薩摩・示現流一刀の構え。
 一撃必殺。どんな剣でも槍でも、初太刀で武器ごと相手を切り裂く。
 四天王なら、相当なんだろうね。
 よし向こうが正統派でくるなら、こちらも、正統派で行こう。
 合気流奥義の1つ「長刀取り」でいくわ。』
洋子は、そうして、チェストーを待った。

やがて男は、すごい気迫で迫って来た。
「チェストー。」のすごい声と共に、斜め左から、斜め右に木刀を降ろして来る。
洋子は、動かず、木刀が肩に来たとき、左手を出して、ガチっと木刀をつかんだ。
『バカな、俺の木刀を止めるなど・・。』
洋子は、同時に、超速の右の拳をあて木刀を折った。

木刀男は、信じられないという顔をした。
「野球ボールだって、バット折るじゃん。」
洋子はそういって、木刀男が持っている折れた半分を持ち、
「エイ!」と、男を5メートルほど投げた。

男は大の字に伸びていた。
洋子は、そばに行き、
「明治3年、示現流は、合気流の『長刀取り』に負けているのよ。」と、言った。

「初太刀を交わされたら、終わりでしょう?」
「ああ。」
男は、参ったを宣言した。



「サル、お前まで出るとはなあ。恐れ入ったぜ。」番長が言った。
「4人全滅にはさせませんよ。」
そう言って出てきたのは、小柄なサルのような男だった。
坊主だが、後ろの髪だけ長く三つ編にして、弁髪にしている。
サルというのは、身のこなしであって、顔は可愛く幼い顔をしている。
「コイツはできる。」洋子は本能的に感じた。
そして、思わずパワーと動体視力を、50%に上げた。

構えた。サルは、斜めに構えている。
サルは、いつも薄っすら笑っていた。
そして、びゅんと洋子の顔面に蹴りを入れると、
洋子の肩を踏み台に、もとの位置に戻った。
洋子はやっとの思いで、サルの蹴りを腕で受けた。
洋子の目で見ても、普通の速さに見えた。
これは、よっぽど速い。人間離れしている。
「50じゃ、足りないか。60%にしよう。」
洋子はそうした。これで、やっとやつの動きがわかる。
敵ながら、恐ろしいヤツ。洋子は思った。
番長は、こいつに勝ったのかあ…。

ヤツが、滑り込みに来る。普通なら目に見えない速さだ。
滑り込んで、足をはさみ、ひねり倒す気だ。
そこから、両足をとって、エビ固めか。
だが、洋子には、見える。
洋子は、サルの足が来る寸前その場を蹴り、低めに前に飛んで、
サルのアゴをカウンターで蹴り向こうへ着地した。
サルは、アゴと共に、後頭部を地面に打った。

『後ろに下がれば、俺のスライディングが伸びるのみ
 横に飛んだら、足バサミの思うツボ。上に跳んだら着地で挟む。
 だが、前があったか…。しかも前に飛びながら俺のアゴを蹴っていくとは。
 その判断を一瞬にしたのか…。』
サルの経験で一度もないことだった。大きなダメージを食らった。
技を読まれたのが、不思議でならず首をかしげていた。
だが、それは一瞬。

サルは、その場で後ろ向きに高くジャンプした。
空中から洋子の背をとり、
体のバネで、洋子の頭を後ろ地面に、叩きつけるつもりだった。
洋子にはそれが見えていて、そのまま後ろに頭からジャンプした。
サルより高いジャンプだ。
そのため、サルは、洋子の背をつかめず、そのまま背から落ちた。
洋子は、仰向けのサルの腹に空中から落下の頭突きをかました。
「うっ。」思わず声が出た。
サルは、2度目のダメージを食らって身を丸めた。
どの技もはずされる。
「アイツは、なぜ俺の技がわかる?」
サルの顔から、うっすらした笑いが消えた。
洋子は、サルの瞳を見ていた。瞳の動きから、サルの技を読んでいた。
瞳は、次の技の方向へと微妙に動くのだ。

サルは、上着を脱ぎ、それを持ったまま、
びーんと地面をけり、高く宙に飛び、
ムササビのように道着を体の前に広げ、洋子の頭上に降りてきた。
上着で、洋子の首を包み、首をひねり折る。
相手を殺しかねない。だが、コイツなら死なぬだろうと思った。
洋子は頭上のサルを見て、自分から真上に敏速に飛び、
ムササビの腹に強烈な頭突きをかました。
落ち様、ムササビの頭をとって、地面に豪快にたたきつけた。
さすがのサルも、落下の勢いに加え、背中を地面にもろに叩きつけられ、苦痛の顔を見せた。
サルの笑顔は完全に消えていた。そして、初めて息を乱した。

大番長が、これほどのサルの苦戦を見るのは、自分とやったとき以来だった。
喧嘩十段の天才、人間業を越えるスピードで、これまでどんな相手にも、
一糸も触れさせず倒してきたサルだ。
そのサルが、まだ一撃も相手にダメージを与えられぬまま、4度のダメージを食らって入る。
驚嘆に値するのは、洋子であった。

女に対し、どんな技も通じない。
それがサルを焦らせ、恐怖させていた。
サルは、最後の業に出た。

サルは、洋子に寄って来ると、自らコマのように回った。
すごい回転だ。洋子の行く方へと寄ってくる。
常人なら、パンチがいつどこから出てくるかわからない。だが、洋子には見えていた。
来るパンチを腕で受けて、サルの回転の勢いで、サルの右腕の骨をメキッと折った。
また飛んでくる左腕も折った。もう手は使えない。
その瞬間足も飛んできた。
洋子には、手にとるようにわかり、その足を引き出し、コマの回転を崩し、
サルの左足を、右足を支点に挟んで折った。
サルの回転はとまった。

残るは片足と口のみ。するならこれしかない。
サルの目がチラリと宙を見た。
飛ぶ・・洋子は察した。
サルは、片足だけで、真上にすごいジャンプを見せた。
これが、牙男の試合を見ていなかったサルの命取りになった。
サルは、大きく牙をむいて、洋子の首に噛み付こうと顔から落ちできた。

「馬鹿め、同じ技が通用するか!」と番長は舌打ちした。
洋子は、そばの石を拾い、サルの口の中に思い切り放り込んだ。
同時に、洋子も背面から飛び上がり、
サルの背を腕ごと抱き、いっしょに落ちて行った。
防御不可能。
『このまま脳天から行けば、サルは死ぬ。』
洋子はそう思い、サルの弁髪を引き、サルの顔を地面に向けた。
サルは洋子によって落下の衝撃を2倍にされながら、顔から落ちて行った。
サルの顔面は潰れたが、首がクッションになり死を逃れた。
洋子は、ひょいと身を起こす。
サルは、そこで終わった。
『カムイ必殺・飯綱落とし』と洋子は言った。



「やれやれ、四天王と言われたこいつらが、
 4人そろって、たったの一撃も与えられんとはなあ。
 お前には恐れ入ったぜ。」
番長は、鉄の箱から降りてきて、洋子に言った。
番長の前に洋子等3人は並んだ。
「俺は、約束は、守る。小島冴子は抜けてお咎めなし。大塚も同じだ。
 せいぜい勉強にでも励むがいいぜ。
 それから、倉田。お前、おもしろいこと言ったな。
 県下の武道大会があるってな。それは、ほんとうか。」

「はい。7月です。各学校2名ずつ。
 戦争やるより、いいでしょ。それに勝った人が、県でいちばん強いってこと。
 いちばん強い人のいる学校が、いちばん強い。」洋子は言った。
「おもしれえ、俺だって無駄にヤツラの血、流させたくはねえ。
 学校で2人なら、俺と、四天王を倒した、お前だ。
 途中で、他のヤツに負けんじゃねえぞ。」と番長。

「天才サルをやっつけたんですよ。
 番長とできるのを楽しみに、がんばります。」
「おお。」番長は、にやりと笑った。
「そうだ、偵察が、2人おったぞ。明日の朝は、
 四天王敗れたりのニュースで持ちきりだな。」
番長は、ハハハと笑った。



隆と早苗は、学校へ走っていた。
「わーい、洋子が四天王に勝った。やったー、おーい、洋子が勝ったぞ!」
「ほんとに、勝ったのよー。もう、すごかったんだから!」
「ほんとか、嘘だろ、ほんとなのか、うへー、おーい、洋子が勝ったってよー。」
二人を囲んで、見る間に大きな輪ができた。

鉄工所を出た三人。
ルミが、「ああ、ああああ、もう、ひやひやして死にそうだった。」
冴子「洋子ったら、ほんとに勝つんだもの。すごかったあ。夢見たい。
   番長言ったよね。抜けてもお咎めなしって。ねえ、ルミも聞いたよね。」
ルミ「聞いたよ、しっかり聞いたよ。もう、悪いことしなくてもいいんだよ。」
冴子「ああ、うれしい。夢なんてもんじゃない。命助けてもらった。
   洋子、ありがとう。何百回ありがとういっても、足りない。」
そう言って、冴子は、洋子に抱き付いて、泣き出した。

ルミは、冴子の肩に手をかけた。
洋子「なんの、なんの。それより、冴子とグループの人と、ルミは同じ境遇だから、
 仲良しになってくれたら、うれしい。」
冴子「ルミみたいな真っ直ぐな子が、汚れたあたし達と仲良くなってくれたら、それは夢だよ。」
ルミ「そんなことない。仲良しになろう。」
冴子「他のヤツらもさ。ほんとは、いい奴らなんだ。嫌々悪いことしてただけでさ。」
ルミ「うん。わかってる。みんなで仲良くしよう。」

大きな夕日が沈みかけていた。
倉庫やみんなの顔を赤く照らしていた。

*    *    *

倉庫のなかでは、大番長の前に、負傷の手当てをした四天王が、
座り並ばされ、説教を受けていた。
「お前らがどうやって、洋子から命を助けてもらったか言っておこう。
「まず、牙、お前は洋子から、背中向きに壁に放られていたら、即死だ。
 顔から投げてもらったから、両手の受身ができ、かろうじて生きている。
 洋子は、それを百も承知だ。

「次に、空手。最後に洋子にコメ髪を指で打たれただろう。
 両目突きに行ったお前には、容赦などはない。
 容赦のないのがお前の強さでもある。
 だか、洋子には、容赦があった。あのコメ髪突きを普通に受けていたら、
 お前は、一生盲人だ。
 どう思う。容赦をした倉田が甘いか、それとも、容赦をしてもらって、今目が見える。
 それが、ありがたいと思うか。」
「それは、・・容赦をしてもらって、今、ありがたいと思っています。」空手は涙を見せた。

「示現流には、言うまでもないな。『参った』のない喧嘩の世界なら、
 洋子に一振りされて、終わりだ。洋子はそこで止めた。
「サル、自分の技が決まらなかったときに、いちいち態度に出すんじゃねえ。
 初めから、にやけてやるなら、最後の最後まで、にやけていろ。
 敵から、どれだけのダメージを受けたか敵に教えるようなもんだ。

 牙男の試合を、洋子をバカにして、余所見をしただろう。
 それを見ておれば、サルは、最後の業など使わなかったはずだ。
 牙と同じ技を出して、同じ技をくらったのよ。
 最後の落下で、サルは脳天から落ちて死んでいた。
 それを洋子は、サルの弁髪を引いて顔から落ちるようにしてくれたのよ。
 顔なら、首のクッションが効くからな。

 どうだ、お前ら、強い敵に対して、ここまでの考えてをして戦えるか。
 洋子は、お前らより、1枚も2枚も上手だ。
 言わば、お前らは『完敗』ということだ。

 今、お前らに、洋子への憎しみはないだろう。
 むしろ全力で戦えた喜びがあると思う。
 だが、もし、サルが死んでいてみろ。洋子への恨みだけが残ったはずだ。
 いいか。喧嘩をしても、10割勝ってはならん。
 2割の容赦を残しておけ。そうすれば、人はついて来るのよ。」

4人は、心から感じ入り、はあーと頭を下げた。


==ひとまずの終わり==


■次回予告■
冴子、大塚とそのグループについて、
青春っぽいエピローグを1話つけました。
読んでくださると、うれしいです。



※もし、ポチをくださる方。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。






スーパー洋子④「番長の四天王と戦う」前編

スーパー洋子④「番長の四天王と戦う」前編


女装もなく、毎回長い話ですみません。
活劇は、後2回で終了です。
読んでくださると、うれしいです。
======================

四月の終わりころ、冴子へ、大番長から呼び出しが来た。
その日、冴子が洋子とルミに会いに教室まで来た。
冴子はウエーブのショートカットを止め、
ストレートに髪を下ろしていた。
髪も黒に染めていた。
そういう冴子の方が、ずっとステキに見えた。

気を付けをして、礼をしようとする教室の1年生に、
冴子は、いいのいいのと言った。
洋子とルミは廊下にやって来た。
「今日、呼び出しが来ちゃった。あんた達と会えるのは、最後かもしんないから、
 顔見に来たよ。ルミも安全そうだね。」冴子は言った。
「ええ、おかげさまで。」とルミ。
「じゃあね。」と冴子が言おうとした。

「待って、もちろんあたしいっしょに行くよ。
 それで、冴子のこと頼む。冴子を守るって言ったでしょう。」洋子は言った。
「そんな、あれはあのときの冗談じゃん。」
「違うわよ。本気も本気。絶対行くからね。」洋子は言った。
「あたしも行く。洋子とはいつもいっしょだよ。」とルミ。

「イガグリ倒した話聞いた。でも、大番長のそばの奴ら、
 桁が違うよ。でも…。」と冴子は考えた。
「洋子、不思議な子だからね。じゃあ、いっしょに来て。」と冴子は言った。
「うん。行く行く。」と洋子。
冴子は、洋子に不思議な力を感じていた。
何か、不可能を可能にしてくれる力。
「ありがとう。二人に何かあったら、あたし命にかけて守るから。」冴子は言った。
「守るのは、あたし達だって。」洋子は、余裕の笑みを浮かべた。

大杉隆と的場早苗は、その話を聞いた。
「絶対見に行くよね。」と隆。
「もちろん。あたし達、ルミと洋子の守り神だもん。」と早苗は言った。



大番長のいるところは、ある鉄工所の廃屋になったところだった。
暗く、奥まで光が差さない。
小さな窓がいくつかあり、それが、大番長と四天王を逆行に照らしていた。
そこの、鉄の大扉をあけると、大番長と四天王と呼ばれる4人がいた。
この4人で広域の3年生を牛耳っている。
4人は、それぞれ大きさの違う、箱型に溶接された鉄板の上に座っている。

大番長は、背が190cm近くあり、体中筋肉の塊のような男だった。
一番大きな鉄の箱の上にいる。
うわさによると、胸の骨が1枚板になっていると言う。
髪は、モヒカン、学らんの硬派な格好に不釣合いだった。
学ランの上着を、肩に掛けている。
この大番長を見たのだから、リーゼントの大塚はビビルはずだと思った。

洋子はセーラー服。その洋子から口を切った。
「あのさあ、ここにいる冴子だけど、もうワルやめたいって。
 リーゼントの大塚も同じ。
 もう真面目にいきたいんだって。二人を許してくんない。」と洋子は堂々といった。
冴子は立っていたが、膝の震えは隠せない。
ルミは、洋子の服にしがみついていた。

大番長は、もの珍しいものをみるように洋子を見た。
「ほう。俺を見て、少しもびびらねえとはな。大した女だ。
 イガグリをやつけただけのことは、あるな。」

「あたしはね。大番長とは、今日はやりたくないんだ。
 今度、県の武道大会があるからね。そこでやりたい。
 だから、ナンバー2とやりたい。
 ナンバー2にもし勝ったら、冴子と大塚が抜けるの許して欲しい。」洋子は言った。

「ここに、いる4人は、全員ナンバー2だ。
 どれ一人とっても、他の学校で番張れるやつらだ。
 つまりよ。4人全部やったら、冴子と大塚を許してやろう。」大番長は言った。

「二言はないわよね。仕置きなしだからね。」洋子。

「ああ、完全に許してやる。一切手出しはしねえ。
 まあ、一人にでも勝ったら、誉めてやるがな。」と大番長。
四天王は、ゲラゲラ笑った。

洋子は、『こいつらは、強い。』と直感し、体のパワーを上げた。
あのイガグリとやったときのパワーを2倍にした。
つまり、イガグリのときは、20%、それを40%にした。

「ああ、大変だ。隆、みんな呼んどいでよ。」と早苗が、鉄の大扉のところで言った。
「だめだよ。ここは、わあわあやっちゃだめなんだ。命がけの勝負だよ。」隆が言った。
「わかった。そうだね。」早苗が言った。

「はじめは、誰よ。」洋子は言った。

「俺だ。」
出てきたのは、口が耳まで裂けた男だ。
背は、180cm近くある。
全ての歯を尖った銀の差し歯にしたのか、歯を鮫の歯のようにしている。
言わば牙男。そして、頭が大きく、爬虫類的な筋肉の付き方をしている。

「コイツに噛まれたら、おしまい。」と冴子がそばでいった。
「二人とも下がって。」洋子は言った。
二人は下がって、鉄骨の陰にしゃがんだ。

牙男と洋子は見合った。
牙男は、ガア~~~と、低くうなりを上げている。
後の3人は、興味もなさそうに、余所見をしていた。
大番長だけが見ていた。

やがて、牙男が猛烈な速さで進み、ある地点で宙高くジャンプした。
そして、洋子の首を目がけ、大口を空けて頭へ襲ってきた。
それはあたかも、恐竜が襲っている光景に似ている。
洋子は、気合を入れ、足元に転がっていた、児玉スイカくらいの石を、
ものすごい勢いで、牙男の口の中に蹴り上げた。
石は、見事に牙男の口の中に入り、男は、地面に顔から落下した。
洋子は、牙男の足が地に着かぬ間に、牙男の両足を持ち、ブルルンと目に見えぬ速さで3度振り回し、
ハンマー投げのように遠方のコンクリートの壁に投げつけた。
男は、顔面からもろに壁にぶつかり、
全ての歯を失った。
そして、そのまま、壁にずるずるとすべって落ち気絶した。

「わあああ。」と小さくルミは手をたたいた。
そして、小声で言った。
「洋子、本当に強いね。」
冴子は、ちょっとうなずき、静かにしていた。あと3人ある。

牙男のわずか、1秒足らずの決着だった。

余所見をしていた、番長以外の3人は、「おっ。」と顔を上げた。
「まさか。ほんの余所見のすきに、やられたのか。」3人は、同じことを思った。
信じ難いことであった。
四天王の一人をわずか1秒で倒した相手の手のうちを見なかった…。
それを、わずかに後悔した。

「次は俺だ。やってくれるじゃねーか。
 おもしろくなってきやがったぜ。」
と次の男は、黒い道着を着て、空手のポーズをとった。
背は、178cmぐらいか。
男は、思っていた。
『一撃必殺。相手の両目に指を2本突いて終わりだ。
 俺の突きの速さは、目で追えねえ。
 女だろうがかまいはしねえ。
 情け容赦のないのが、俺の強さだ。
 打ち合いなど、たるいだけよ。』

構えるが速いか、空手男は、右手2本指を出し、
ものすごい速さで、洋子の両目をねらってきた。
さらに、左手も次なる目突きとして、やってきていた。
右手はかわされても、第2段目の左手こそ本命だった。
だか、洋子にとって、それは簡単に見て取れた。
洋子は、手刀を作り、男の右手の2本指の間をすごいスピードで手首まで切り入れ、
次に来る左手も同様に切り裂いた。

男は左手もやられ、信じられないような顔をした。
しかし、さすが四天王、一瞬もひるまず、
その場で、洋子の背の高さほどジャンプをした。
鞭のように右足で、洋子の顔面を蹴りに来た。
洋子は、その足をガチっと鷲づかみにし、
次に来る左足も、がっしり掴んだ。
洋子は、空手男をつかんだ両足を揃え、男を洋子の頭の上に垂直に立たせた。
そこで、洋子は、腕を交差し、男を反転させ、顔を四天王の方に向かせた。
そして、腕を伸ばし、しゃがみながら、渾身の力で、男を地面に叩きつけた。
男は、とっさに両腕を前に出し、受け身を取ったが、
その両手が、手首まで避けていることを忘れていた。
激烈な痛みが、男を襲った。
「うううう・・・。」とうめきながら、男は気を失った。
洋子は、おまけとばかりに、男の両のこめかみを、人指し指で突いた。
これで、30分ほど、男は目が見えなくなる。
「両目を突きに来た、お返しだよ。」
と、洋子は言った。

これも、2秒ほどで終わった。

四天王の2人が、空手男を鉄の箱まで、引きずって行った。
空手男がここまでやられるのを見たのは、番長以来だった。

ルミはあまりのすさまじさに、声も出なかった。
それは、冴子も同じだった。

鉄扉の隆と早苗は、息が止まるほどの緊張の中にいた。

四天王、残りの二人は今度こそ見た。
四天王を、2人とも、
たった1、2秒で終わらせる相手の手の内を、
1つでも見なかったとは何たる不覚。
二人は、始めの牙男の試合を見なかったことを心から後悔した。
これほどの強い女がいるのか…。
牙男は、どうやってやられたのか…?


■次回予告■
次は、『四天王残り2人』です。



※もし、ポチをくださる方。
アメブロの方で押してくださると、幸いです。



プロフィール

ラック

Author:ラック
上は若いときの写真です。ISなので、体は、かなり女子に近く発育しました。でも、胸はぺったんこです。戸籍は男子。性自認も男子、そして女装子です。アメリカの大学で2年女として過ごしました。私の最も幸せな2年でした。そのときの自叙伝を書いています。また、創作女装小説を書いています。毎日ネタが浮かばず、四苦八苦しています。ほぼ、毎日更新しています。
どうぞ、お出でください。

リンク
最新記事
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧

御中根 蕗菜 です

女装子動画 Japanese crossdresser porn

蕗の葉陰にフキノトウ

毎日が日曜日

女装子&ニューハーフのペニクリ&アナルマンコ

MadameM【秘密の手帳】

川*´v`*川し

復讐の芽 ***藤林長門守***

橙の電車
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム